ウィナーが異なるもてぎの3戦、小高一斗選手がポイントリーダーで最終ラウンドへ

レポート レース

2022年8月31日

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権は、8月19~21日にモビリティリゾートもてぎにおいて第5大会3レースが開催され、小高一斗選手(TOM'S)、木村偉織選手(B-MAX RACING TEAM)、平良響選手(TOM'S)がそれぞれ優勝。小高選手がポイントリーダーを守って最終ラウンドとなる岡山大会へ臨むこととなった。

2022年JAF全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第13戦/第14戦/第15戦
(2022年JAF全日本スーパーフォーミュラ選手権 第7戦/第8戦内)

開催日:2022年8月19~21日
開催地:モビリティリゾートもてぎ(栃木県茂木町)
主催:M.O.S.C.、ホンダモビリティランド株式会社

 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権のもてぎ大会には4チームから10台が参戦。スーパーフォーミュラ等へのステップアップを狙う8名と、ベテランドライバーによるマスタークラス2名のエントリーだ。なお、HELM MOTORSPORTSはドライバー2名の体調不良で欠場となった。

 第13戦と第14戦の公式予選は曇り/ドライというコンディションの20日11時45分から30分行われた。ベストタイムで争われる第13戦は、木村選手がポールポジションを獲得。小高選手、太田格之進選手(TODA RACING)、菅波冬悟選手(B-MAX RACING TEAM)、野中誠太選手(TOM'S)がそれに続く。セカンドベストで争われた第14戦は太田選手がポールポジションを獲得し、平良選手、菅波選手、木村選手、野中選手の順となっている。

 第13戦の決勝レース(26周)は、20日の16時38分にスタートが切られた。直前まで降っていた雨は上がったものの、路面は完全なウェットコンディション。ここでホールショットを決めたのは小高選手で、これに菅波選手と太田選手が続き、サイド・バイ・サイドのバトルとなった。しかし5コーナーで菅波選手がコースアウトし、タイヤを傷めてスロー走行に。

 その後は小高選手、太田選手、木村選手の順となったが、V字コーナーで6番グリッドスタートだった平良選手が木村選手をかわして3番手に順位を上げる。一方、小高選手は序盤から後続を引き離す走りで独走状態に。太田選手と平良選手による2番手争いが続いた。

 ここで順位を上げてきたのが7番手スタートの古谷悠河選手(TOM'S)で、野中選手がマシントラブルでピットインすると5番手へ浮上。さらに終盤の18周目には木村選手を抜き去り、ファイナルラップで2番手争いに追いつき、平良選手とサイド・バイ・サイドに。しかし2台はS字で接触して平良選手はストップ。古谷選手は3番手でフィニッシュしたが、レース後に接触行為のためにペナルティ10秒が加算されて4位となり、3位は木村選手が獲得。

 2位に40秒近い差をつけて優勝した小高選手はこれで4連勝の今季7勝目を挙げた。そしてマスタークラスの優勝はDRAGON選手(B-MAX RACING TEAM)で、総合でも6位となりシリーズポイントを積み上げた。

雨天の決勝となった第13戦を制したのは小高一斗選手。スタートでホールショットを奪い、大幅なマージンを築いて勝利した。
2位は太田格之進選手、3位は木村偉織選手。
第13戦の表彰式。左から2位の太田選手、1位の小高選手、3位の木村選手、マスタークラス優勝のDRAGON選手が登壇した。

 第14戦(14周)は、21日の10時42分にスタートが切られた。前日の雨は上がって曇りとなり、コースはほぼドライコンディションながら、ところどころにウェットパッチがある状態。

 スタートを決めたのは平良選手で、ポールポジションの太田選手を2コーナーまでにかわしてトップに。太田選手には木村選手も襲いかかり、2台は3~4コーナーで接触する。木村選手は左リアタイヤから白煙を上げ、スローダウンしてピットイン。太田選手もフロントノーズ交換のためにピットインを強いられた。

 これでトップの平良選手に続いたのは、野中選手、菅波選手、小高選手、古谷選手、川合孝汰選手(ルーニースポーツ)。平良選手は後続との距離を測りながら、トップを守ってゴール。第3戦富士以来の2勝目を飾った。2位は野中選手、3位は菅波選手で、菅波選手は初表彰台を獲得した。またマスタークラスは今田信宏選手(B-MAX RACING TEAM)が8勝目を挙げた。

フロントローからスタートした平良響選手がスタートを決めた第14戦、トップに躍り出ると安定した走りを披露し、逃げ切り優勝を果たした。
2位は野中誠太選手、3位は菅波冬悟選手。
第14戦の表彰式。左から2位の野中選手、1位の平良選手、3位の菅波選手、マスタークラス優勝の今田信宏選手が登壇した。
第14戦でTOM'Sの平良選手と野中選手がワンツーフィニッシュを果たしたことで、チーム部門のタイトルがTOM'Sで確定した。

 第15戦(14周)は、21日の夕日が差す16時38分にスタートを切った。第13戦で優勝した小高選手がポールポジションで、フロントローには太田選手が並ぶ。だが太田選手のスタートは鈍く、木村選手と古谷選手にかわされてしまう。5コーナーで仕掛けた木村選手はS字まで小高選手に並びトップに立った。

 木村選手は小高選手との距離を保ちながらトップを走行。3番手争いは古谷選手と太田選手が競り合った。木村選手はその後隙を見せずにトップチェッカー。第9戦オートポリス以来となる3勝目を挙げた。2位は小高選手、3位は古谷選手。

 これでポイントリーダーの小高選手は99点、2番手の太田選手は86点、3番手の木村選手は62点に。泣いても笑っても、次の最終ラウンドでチャンピオンが決まる。

 マスタークラスは、今田選手とDRAGON選手が抜きつ抜かれつのバトルを演じていたが、この2台が接触してDRAGON選手がグラベルにストップ。今田選手が9勝目を挙げ、今年のマスタークラスチャンピオンも確定した。

第15戦は1周目で木村選手(B-MAX RACING TEAM)がトップに浮上、ファイナルラップまでポジションを守って優勝。今シーズン3勝目を挙げた。
2位は小高選手、3位は古谷悠河選手。
第15戦の表彰式。左から2位の小高選手、1位の木村選手、3位の古谷選手が登壇した。
マスタークラスはサイド・バイ・サイドの戦いからクラッシュへ発展、レースに復帰した今田選手が走り切ってチャンピオンを確定させる結末となった。

フォト/石原康 レポート/皆越和也、JAFスポーツ編集部

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