滋賀県大津市で「オートテスト in 琵琶湖 2022 夏」が開催! 初心者が多数参加で運転操作を存分に楽しんだ。

レポート オートテスト

2022年9月13日

全国各地で盛んにオートテストが行われている中、開催実績が少ない滋賀県内でオートテストをより活性化させる動きが起きている。JAF滋賀支部と地元のJAF登録クラブが協力体制を敷いて、琵琶湖スポーツランドで2回目となるオートテスト開催が実現した。残暑が厳しい8月下旬の週末、60名のエントリーを集めて大いに盛り上がった。

オートテスト in 琵琶湖 2022夏
開催日:2022年8月28日
開催地:琵琶湖スポーツランド駐車場(滋賀県大津市)
主催:TEAM SKY

 2021年11月、滋賀県内のJAF登録クラブ主催によるオートテストが、大津市内の琵琶湖スポーツランド駐車場で初めて実施された。この琵琶湖スポーツランドと言えば全日本/ジュニアカート選手権西地域を始め、SL琵琶湖シリーズやレンタルカートにいたるまで、モータースポーツが存分に楽しめる県内屈指の施設だが、その駐車場を利用して開催された第1回目の「オートテスト in 琵琶湖」は大盛況のうちに終わった。

 それから約9か月が経った2022年8月28日、「オートテスト in 琵琶湖 2022 夏」が催された。オーガナイザーは前開催と同様に滋賀県守山市を拠点とするJAF準加盟クラブのチームスカイで、JAF滋賀支部の事業課とタッグを組んで2回目の主催が実現した形だ。当初、エントリー40台の枠に対して100台を超える応募があったようで、急遽上限を60名に拡大した上で開催当日を迎えた。

8月28日、オートテストの舞台となったのは滋賀県大津市にあるレーシングカート施設の琵琶湖スポーツランド駐車場。
開催前日には大会オーガナイザーのチームスカイと、JAF滋賀支部の事業課が協力して、炎天下の中でコースづくりを行った。
参加者の安全を第一に考慮し、さまざまな車種に対応させるために試走を繰り返しながらコースの微調整を行っていく。

 会場となる琵琶湖スポーツランドにはゲートオープンの8時前から、このオートテストを待ち望んでいた県内や近県の参加者が続々と集まってきた。他地域と比べて開催実績が少ない滋賀県だけに、その期待度が表れているようだ。また、オートテストへの参加が初めての人が多かったことも、その期待度を高めた一因と思われる。

 新型コロナウイルス感染症の新規陽性者数がまだまだ高い数値で推移している状況下での開催とあって、体温確認やマスク装着といった感染対策を採りながら時間を早めて受付が開始された。この受付と同時進行で車検も行われ、コースオープンとなってからは参加者がコース図を片手に真剣な眼差しで慣熟歩行でシミュレーション。

 開会式でオートテストの進行を担う大会役員が紹介された後、ドライバーズブリーフィングでは大会競技長の井口芳博氏によるコースやフラッグについての説明がなされ、参加者全員でしっかりと確認を行った。今回は60台のエントリーのうち40台近くがオートテスト初心者ということで、中でもコースでの車両の走らせ方が丁寧にレクチャーされる。

ゲートオープンされると、あっという間に参加車両で埋め尽くされたパドック。滋賀県内ナンバーを中心にさまざまな車種が揃った。
参加受付では検温と手指の消毒を実施して感染症対策。参加者の氏名や免許証の確認が行われた後、ゼッケンが配布される。
オートテストを存分に楽しんでもらうため、ブリーフィングで走らせ方のポイントを分かりやすく説明する井口芳博競技長。

 井口競技長いわく、「クルマを移動の手段でしか使わない層に向け、新たなカーライフの楽しみ方として提案できるようなイベントとしたい」との想いの元、いたずらに競技中のスピードのアベレージが上がらないようにさまざまな工夫を盛り込んだようだ。

 普段からレンタルカート用として使われている琵琶湖スポーツランドの駐車場は、廃タイヤが並べられたミニコースとなっているのだが、コンパクトなコースであるがゆえに全体的なスピードの抑制に効果を発揮している。さらに既存のレンタルカートコースをベースに四輪用として若干のレイアウト変更を加えたことで、ミスコースの低減にも寄与。初心者でも安全に楽しめるように、という主催者の大きな気遣いがうかがえる。

 一見シンプルなコースレイアウトは非常に奥深い。スタート直後に迎える180度ターンは、ホイールベースの長い車両でギリギリ曲がり切れる絶妙な難所。続いてレンタルカートコースの中に入ってからのラインまたぎは、バックの後に左方向へ舵を切っていくのだが、進入しやすいよう後退時につい右へハンドルを切ってしまいがちで、実は真っすぐ後退する方がハンドル操作が少なくなって正解。再びコースの中を突き進んで、ガレージをこなしてフィニッシュ。

既存のレンタルカートコースを活かしつつ、パイロンを配したレイアウト。1ヒートあたり30~40秒想定のコースとなっている。
「今、我々でできること。日本を笑顔に!」をテーマとした、滋賀県立瀬田工業高校ボランティア部の部員たちが大会の進行をお手伝い。
駐車場からレーシングカートコースへと繋がる階段の上から観戦が可能となった。俯瞰してオートテストの会場が見渡せる。

 クラス区分はATクラスとMTクラスの2クラス。まずはATクラスの31台の競技がスタートした。軽自動車から輸入車までバラエティに富んだこのクラス、第1ヒートでは序盤ゼッケンの矢田善彦選手がトヨタ・シエンタで34.14ポイントをマークする。続く各選手は40~50ポイント台と伸び悩んでいたが、日産・ノートe-powerニスモの松本孝雄選手が34.74ポイントで追従。

 第2ヒートになると、第1ヒートでオートテストの感触をつかんだ参加者が増え、続々とポイントが更新されていく。口火を切ったのはフォルクスワーゲン・ゴルフの塚本季里選手で、矢田選手のポイントを一気に上回る。その矢田選手も自己ベストを更新して逆転したのも束の間、第1ヒートで39.82ポイントだったBMW・335iの松井千虎選手が7.79ポイントも縮めて32.03ポイントを獲得した。

 これで勝負あったかと思われたが、伏兵の吉本嘉輝選手が唯一の31.34ポイントを叩き出す好走を見せる。若いころにジムカーナを嗜んでいたというだけあって、トヨタ・カローラを武器に大逆転優勝を果たした。2位は初参加ながら大健闘した松井選手、3位はオートテスト参加経験5回という矢田選手となった。

「還暦を超えて正確に運転できるだろうか、運転技術が落ちていないだろうか? それと競い合いたいという気持ちもあって参加しました」という吉本嘉輝選手がATクラスで優勝した。
吉本選手は「今回はたまたま勝てましたが、周りの人も速かったので、これからもテクニックを磨いていきたいです」と向上心あふれるコメントを残した。
2位は大津市から参加の松井千虎選手、3位は東近江市から参加の矢田善彦選手。
ATクラスの表彰式。上段左から2位の松井選手、1位の吉本選手、3位の矢田選手。下段左から4位の塚本季里選手、5位の松井陽人選手、6位の松本孝雄選手、7位の米重尋也選手、8位の近藤育美選手。

 一方、MTクラスはコンパクトな車格が多く集まった印象だ。ATクラスが34ポイントの争いを繰り広げた中、こちらは第1ヒートから32ポイント台のハイレベルな戦いに発展。まず野々村孝雄選手が32.91ポイントに突入すると、コンマ差で川瀬香選手、樋田芳夫選手、中井大選手、広垣誠選手が僅差のポイントを獲得し、誰が勝ってもおかしくない状況だ。

 だが第2ヒートになるとその戦いの構図は激変する。第1ヒートでペナルティに泣いたホンダ・アコードを駆る尾座本宏明選手が30.93ポイントで躍進し、一気にトップを奪取。第1ヒートでの上位陣は各選手ともタイムが伸び悩み、尾座本選手からの逆転は叶わず。だが、波多野学選手がマツダ・ロードスターで30.84ポイントと、0.09ポイント更新に成功。

 そして迎えた最終走者の川瀬達成選手、第1ヒートはペナルティで下位に沈んでしまったが、「ゆっくり落ち着いて走りました」とコメントしながらも、29.49ポイントで劇的な優勝を遂げた。昨年も同大会に参加したオートテスト経験者ながら14位に終わったようで、きっちりリベンジをした結果となった。2位は初めての参加という波多野選手、3位は鈴鹿から遠征の尾座本選手だ。

昨年11月の同大会に参加して14位だった悔しさを、今回優勝で晴らした川瀬達成選手。夫婦でエントリーして、ともに入賞を果たした。
「1本目で曲がり切れなかったところがあって……2本目で落ち着いてクリアできたのが勝因でしょうか。普段乗っているクルマで何も準備せずそのまま行けるお手軽さがオートテストの魅力ですね」と川瀬選手。
2位は栗東市から参加の波多野学選手、3位は鈴鹿市から参加の尾座本宏明選手。
MTクラスの表彰式。上段左から2位の波多野選手、1位の川瀬達成選手、3位の尾座本選手。下段左から4位の貝塚功一選手、5位の川瀬香選手、6位の山野智司選手、7位の広垣誠選手、8位の髙畑英司選手。

 競技の興奮が冷めやらぬうちに表彰式が執り行われ、両クラスとも1~3位にJAFメダルと副賞が授与された。また4~8位にも副賞が贈られた。そのほか、初めてのオートテスト1位の選手、キリ番の10位と20位、そして最下位にも賞典があり、参加者全員が笑顔になる大会となった。

 大会の最後に井口競技長より、「事故も怪我もなく1日スケジュール通りに進んだことで安堵しています。昨年は開催1回目でヒヤヒヤしながら見ていましたが、今年はみなさん落ち着いて走っていたので安心していました」と、まずは開催を無事に終えられたことの率直な感想を述べた。

 そして「今日、楽しかったという人、手を挙げてもらえますか?」との問いに、参加者全員が挙手で応えた。拍手が巻き起こると「ひょっとしたらまた来年、オートテストをやらなければならなくなりましたね(笑)。皆さん、楽しんでご満足いただけたということで、これが私の一番の喜びです」と、オートテスト in 琵琶湖 2022 夏を締めた。

10位、20位、ブービー賞、初めてのオートテスト賞といったさまざまな賞典が用意され、参加者の皆さんは一喜一憂した。
「今回、面白かったと思われたのであれば、ほかで開催されているオートテスト、もしくはランセンスを取得して、クルマを使った新たな遊び方を発見してみてください」と井口競技長。

 オートテスト終了後、滋賀県立瀬田工業高校ボランティア部の部員たちは、ゴーカートライセンス取得に挑戦することとなった。これまでオートテストの会場となっていた琵琶湖スポーツランド駐車場は、全長約200mのレンタルカートコースに復旧。コンパクトながらテクニカルなコーナーがあって、走り甲斐のあるコースが特徴だ。

 使用するのはCRG社のCENTURIONで、ホンダの空冷4ストローク単気筒OHVエンジンを搭載したマシン。まずはアクセルやブレーキといったカートの基本的な操作についてレクチャーを受け、乗車するための装備を整えてから実走へと移る。サーキット側でヘルメットの貸し出しがあるので、部員たちは手ぶらで挑むこととなった。

 オートテストの競技を目の当たりにしていたものの、いざ自分でカートを操作して走らせることに緊張しているのだろうか、恐る恐るアクセルを踏みこんでコースイン。中には果敢な走りを披露する部員もいるなど、思い思いにモータースポーツの世界へ新たな一歩を踏み入れた。

琵琶湖スポーツランドの永原有美氏がカートの操作方法を部員たちに説明。
わずか数周ではあるが、初めてカートを操る貴重な経験となったようだ。
コースで振られる信号旗の意味や種類について興味深い眼差しで学ぶ部員たち。講習時間を含めた20分以上の走行を経て、無事に全員がゴーカートライセンスを取得した。

フォト/中島正義、JAFスポーツ編集部 レポート/JAFスポーツ編集部

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