三井優介選手が鈴鹿2戦で連勝! 僅差でポイントリーダーに返り咲き
2022年9月9日
FIA-F4選手権の第4大会となるシリーズ第7戦と第8戦が、鈴鹿サーキットで8月27~28日に開催された。鈴鹿サーキットでのレースは今季2度目となるが、コンディションが大きく異なっており、一筋縄ではいきそうもない状況だ。まだ残暑が厳しいだけに、暑く、そして熱い戦いとなることが大いに予想された。
2022 FIA-F4選手権シリーズ 第7戦/第8戦
(2022 SUPER GT Round5内)
開催日:2022年8月27~28日
開催地:鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)
主催:KSCC、SMSC、ホンダモビリティランド株式会社
第4大会のエントリーも38台と大盛況。再び予選は2組に分けて行われた。A組のトップは小出峻選手で、これに小林利徠斗選手、西村和真選手が続く。そしてB組のトップは三井優介選手で、2番手は荒川麟選手、3番手は宮下源都選手が獲得。ベストタイム、セカンドベストタイムともに小出選手を上回った三井選手が2戦ともポールポジションを獲得した。
「練習では調子が悪かったんですが、課題をいろいろ研究して改善することができました。A組とどうコンディションが違ったか分かりませんが、単純に速さで勝てたことはうれしく思います」と、三井選手が明らかに小出選手を意識してコメント。
一方で、ランキングトップに立ったばかりの小出選手も「全力を出し切った結果です。自分が自信を持っているのは一発の速さより、どちらかと言うとレースペースなので、挽回できると思っています」と、やはり三井選手だけを意識しているのは間違いなかった。
しかし、決勝レース第7戦では小出選手がスタートに出遅れ、1コーナーでは荒川選手の先行も許してしまう。その直後のヘアピンでは2台が接触してストップ、セーフティカー(SC)が導入される。4周目のリスタート後は3台が早くも後続を引き離す。さらに小出選手が動き、130Rのアウトから荒川選手を抜き去って2番手に浮上。
5周目の130Rでクラッシュした車両があり、再びSCが導入され、やや離されつつあった荒川選手もまた差を詰める。だが、9周目のリスタート後は、完全に三井選手と小出選手の一騎討ちになり、「後半勝負の内圧にしていたので、SCが何度も入って(バトルする)周回数が減ってしまい、苦しいレースになってしまいました」と荒川選手。
常にコンマ差で続いた小出選手ではあったが、逆転の決め手は最後まで欠き、連勝はストップしてしまう。逃げ切って開幕戦以来の勝利を飾った三井選手は、「開幕戦の優勝は繰り上がりみたいなもので、その後は小出選手に連勝されていたことから、周りにも『もう勝てないだろう』って言われていましたが、僕の中ではめげずに頑張ってきて、ちゃんと自分の力で手にした勝利なので、単純に喜びたいと思います。前半はミスしない限り抜いてこないと思ったので、ミラーはヘアピンぐらいまで見ないようにして、その先はちょっと気にしてブロックなり、何なりして走っていました」と三井選手。
荒川選手は終盤に入って小林選手の接近も許すが、これは辛くも振り切って3位を獲得。そして自己最上位となる5位で宮下選手がゴールした。インディペンデントカップでは、スタートから一度も鳥羽豊選手がトップを譲らず6勝目をマークしていた。
決勝レース第8戦では、またしても荒川選手が小出選手をスタートで抜いて2番手に。これは前日の雨によるウェットパッチが残っていたためで、走行ライン上ではないイン側グリッドは、やや不利な状況になっていたからだ。
しかし小出選手は、三井選手や荒川選手に遅れることなく続き、またもトップ争いは三つ巴状態に。そんな中、3周目を終えるタイミングの前後に、数か所でアクシデントが発生。またしてもSCが導入される。
第7戦と異なっていたのは、6周目からのリスタート後は、三井選手がひとり逃げていったことだ。その一方で、なおも荒川選手と小出選手のバトルは続いたものの、8周目のシケインでついに逆転。トップ3は第7戦と同じ順位でゴールした。
この2連勝で、三井選手は1ポイント差ながらランキングトップに返り咲く。その三井選手は「昨日は緊張していたので後ろからずっと攻められていましたが、今日はその反省を活かしてダメだったところを解析して、走りを改善したことで中盤からは自分のペースも上げてきて離せるようにもなりました。すごく自信にもつながりましたし、いつもは心臓の音が聞こえるぐらいだったんですが、今日はずっと平常心で走れました」と語る。
そして荒川選手に続く4位は、ラスト2周で小林選手をかわしていた中村仁選手が獲得し、これを自己最上位としていた。またインディペンデントカップでは、鳥羽選手が2周目のS字でスピンに巻き込まれそうになり、ほぼ最後尾に後退。しかし接触はせずに済み、なおかつSCで差を広げられなかった幸運もあって、その後は怒涛の追い上げを見せる。
「一旦は諦めかけたんですが、ラスト2周と分かったところでなぜかスイッチが入って」と鳥羽選手。最終ラップに2台をかわして大逆転勝利を飾っている。そして「危なかったししんどかったけど、楽しいレースでした! あと3大会は好きなコースばかりなので、このままの調子で頑張っていきます」とコメントした。
■ポルシェカレラカップジャパン2022 第9戦/第10戦
フォト/石原康、遠藤樹弥 レポート/はた☆なおゆき、JAFスポーツ編集部