8回FCYが導入された5時間レースでseven × seven PORSCHE GT3Rが逆転連勝!
2025年5月14日

スーパー耐久シリーズの第2戦は4月26~27日に鈴鹿サーキットにおいて全8クラスに52台の車両がエントリーして開催。5時間のレースではフルコースイエロー(FCY)が8回導入されるなどスムーズな展開とはならなかったが、大きなアクシデントは起きなかった。こうした展開の中、ST-Xクラス(全6台)のseven × seven PORSCHE GT3R(BANKCY/藤波清斗/近藤翼/渡会太一組)が、予選3位から開幕2連勝を飾った。
ENEOS スーパー耐久シリーズ 2025 Empowered by BRIDGESTONE 第2戦「SUZUKA 5時間レース」
開催日:2025年4月26~27日
開催地:鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)
主催:NRC、SMSC、ホンダモビリティランド株式会社
S耐は毎戦参加台数が多く、今回はST-TCRクラスとST-2クラスが休み。全8クラス合計52台による5時間耐久レースとなった。
26日、風は強いものの好天のもと行われた公式予選。A、Bドライバーの合算タイムでポールポジションを奪ったのは、今季初参戦のCraft-Bamboo Racing Mersedes-AMG GT3(Lee Jeffrey/太田格之進/Jayden Ojeda組)で、フロントローにD’station Vantage GT3(星野敏/上村優太/藤井誠暢組)が並び、以下seven x seven PORSCHE GT3R、DENSO LEXUS RC F GT3(永井宏明/小林利徠斗/嵯峨宏紀組)、TKRI松永建設AMG GT3(DAISUKE/奥本隼士/中山友貴組)、Hitotsuyama Audi R8 LMS(鈴木建自/小川颯太/プル・ジェームス/猪爪杏奈組)が続いた。
ST-Xクラス
27日の決勝レースは晴れ、気温22度、路面温度34度という爽やかなコンディションの11時ちょうどにフォーメーションラップが開始となり、11時5分にスタートとなった。ここで素晴らしいスタートを見せたのはDENSO LEXUS RC F GT3の小林選手で、1コーナーまでに2番手に順位を上げると2コーナーではトップに立った。2番手にはD'station Vantage GT3がつけていたが、14周目に4番手に順位を落とした。これで2番手へ順位を上げたのがseven x seven PORSCHE GT3Rの藤波選手だった。
スタートから40分が経過した頃シケインでクラッシュした車両があり、FCYが導入された。FCY時は全車50km/hに制限されるが、トップのDENSO LEXUS RC F GT3の前を走るバックマーカーの速度が50km/hより遅いのか、ST-Xクラスはトップ4台が数珠つなぎとなった。12分後にFCYが解除されたが、その周のシケインでTKRI松永建設AMG GT3と接触しスピン!すぐに4番手でレースに復帰したが、DENSO LEXUS RC F GT3はこれで2番手との距離が開き楽な展開になった。
最初のFCY解除から7分後にデグナーカーブでコースオフした車両があり2回目のFCY導入。その解除2分後に3回目、さらにその7分後には4回目と、スタートから1時間15分のうちにFCYの導入が4回あり、各チームなかなか思うようなペースがつかめないような状態になった。最初のスティントにジェントルマンドライバー(Aドライバー)を起用したチームは、ここで義務周回時間の75分が終了となりピットイン。あとはプロドライバーがどれだけ順位を上げるか、ST-Xクラスでは優勝候補のCraft-Bamboo Racing Mercedes-AMG GT3だけがAドライバーのスティントを終えており、ここからの追い上げが注目された。
4回目のFCY解除のタイミングで、D'station Vantage GT3がバックマーカーに引っかかったDENSO LEXUS RC F GT3をかわしてトップに立ち、1時間半が経過すると各車が続々とピットイン。34周目に4番手のseven x seven PORSCHE GT3RがBANKCY選手へ、35周で2番手のDENSO LEXUS RC F GT3が永井選手へ、36周でTKRI松永建設AMG GT3もDAISUKE選手へ、トップに立ったD'station Vantage GT3も37周で星野選手へとAドライバー勝負の時間帯となった。seven x seven PORSCHE GT3Rはトップでコースに戻ったD'station Vantage GT3に追いついたが、抜きあぐねてヘアピンで単独スピンを喫しTKRI松永建設AMG GT3とDENSO LEXUS RC F GT3に先行された。直後にDENSO LEXUS RC F GT3が右フロントを壊して緊急ピットイン。ヘアピンでバックマーカーと接触しボンネットが浮き、優勝争いから脱落となった。これで3番手はHitotsuyama Audi R8 LMSとなったが、51周で2回目のピットインをして鈴木選手へ。seven x seven PORSCHE GT3Rが3番手へ順位を上げた。
スタートから3時間を迎えようという14時頃、ジェントルマンドライバーの義務周回時間が経過すると各車が次々にピットイン。68周で2番手に順位を上げていたseven x seven PORSCHE GT3R、3番手のTKRI松永建設AMG GT3、71周でトップのD'station Vantage GT3、Craft-Bamboo Racing Mercedes-AMG GT3がドライバー交代を済ませると、72周の時点でseven x seven PORSCHE GT3Rの近藤選手が2番手のD'station Vantage GT3の上村選手に11.8秒のリードをつけトップに浮上した。その17.2秒後方にはCraft-Bamboo Racing Mercedes-AMG GT3の太田選手がおり、ここから一気に2番手へ迫りわずか7周でその差を2.9秒まで縮めた。
14時22分にこの日7回目のFCY導入があり、その解除後のシケイン手前で太田選手が2番手へ順位を上げた。直後に8回目のFCY導入となったが、解除直後のトップ近藤選手と2番手太田選手の差は23.9秒。15時を回った96周で太田選手はピットインしてこの日2度目のドライブとなるOjeda選手に交代。101周でトップの近藤選手がピットインして再び藤波選手がコースへ出ると、トップseven x seven PORSCHE GT3Rと2番手Craft-Bamboo Racing Mercedes-AMG GT3の差は24.9秒。藤波選手は2番手との距離を確認しながら周回を重ね、最後はペースを緩めて126周でトップチェッカー。開幕2連勝を飾った。2位はCraft-Bamboo Racing Mercedes-AMG GT3、3位にD'station Vantage GT3がゴールした。



ST-Zクラス
ST-Zクラス(全12台)は、クラスポールのシェイドレーシング GR Supra GT4 EVO2(HIRO HAYASHI/平中克幸/国本雄資/佐野雄城組)がスタートから後続を引き離して走行。2番手を2年連続クラスチャンピオンの埼玉 GB GR Supra GT4 EVO2(山﨑学/吉田広樹/服部尚貴/野中誠太組)、マッハ車検 GR Supra GT4 EVO2(下垣和也/冨田自然/森田真心/加藤正将組)、EBI GROUP Cayman GT4 RS CS(北園将太/久保凛太郎/平安山良馬組)の3台が争い、23周目にはEBI GROUP Cayman GT4 RS CSがトップに立った。
その後、マッハ車検 GR Supra GT4 EVO2はラジエターに何かがヒットして、クーラント漏れでピットインして上位から脱落。レース中盤にはシェイドレーシング GR Supra GT4 EVO2がトップを奪回した。しかしレースは3回の給油を伴うピットインが義務付けられているので、シェイドレーシング GR Supra GT4 EVO2は残り17分となった111周でピットイン。その間に埼玉 GB GR Supra GT4 EVO2がトップに上がり開幕2連勝。2位はシェイドレーシング GR Supra GT4 EVO2、3位はEBI GROUP Cayman GT4 RS CSだった。



ST-1クラス
ST-1クラス(全2台)は速さで勝るD’station Porsche 992(星野辰也/浜健二/田中哲也/樺木大河組)を抑えて、シンティアムアップルKTM(井田太陽/加藤寛規/高橋一穂/吉本大樹組)が56秒差で連勝を果たした。


ST-3クラス
ST-3クラス(全4台)はクラスポールからスタートした15号車岡部自動車フェアレディZ34(前島秀司/長島正明/銘苅翼/元嶋成弥組)が、危なげないレースを展開して昨年最終戦富士以来2戦ぶりの優勝を遂げた。2位はエアバスター WINMAX RC350 TWS(藤田真哉/眞田拓海/伊藤鷹志組)、3位はTRACYSPORTS with DELTA RC350 TWS(今井慎吾/丸山陽平/林智大組)となった。



ST-4クラス
ST-4クラス(全9台)はodula TONE MOTUL ROADSTER RF(猪股京介/徳升広平/藤原優汰組)がクラス ポール・トゥ・ウィン。2位は最後尾から追い上げたエナジーハイドロゲン EXEDY GR86(石井宏尚/冨林勇佑/尾﨑俊介組)、3位はENDLESS GR86(坂裕之/菅波冬悟/小河諒/島谷篤史組)だった。



ST-5Fクラス
前輪駆動のST-5Fクラス(全7台)はYAMATO FIT(安井亮平/内山慎也/椋本陵組)が連勝。2位はACCESS BARDEN VITZ(松田利之/関家真久/前田樹組)、3位にDXLアラゴスタNOPRO☆MAZDA2(加藤芳皓/谷川達也/小西岬組)がゴールした。



ST-5Rクラス
後輪駆動のST-5Rクラス(全8台)はMaple Hiroshima MAZDA ROADSTER(杉野治彦/古谷悠河/勝木崇文組)がS耐初優勝。2位はPROGRESS 高砂 ロードスター(山本司/加藤潤平/恵木勇哉/酒井仁組)、3位はodula TONE 制動屋ROADSTER(外園秋一郎/伊藤裕仁/丹羽英司/平田剛組)だった。



ST-Qクラス
ST-Qクラス(全4台)は、SUBARU HighPerformanceX Future Concept(伊藤和弘/山内英輝/井口卓人/花沢雅史組)、GR Yaris DAT Racing Concept(大政和彦/山下健太/中山雄一/河野駿佑組)、MAZDA SPIRIT RACING RS Future concept(川田浩史/堤優威/関豊/前田育男組)は完走したが、MAZDA SPIRIT RACING 3 Future concept(寺川和紘/井尻薫/阪口良平組)は残り5分を切ったところでストップとなった。



PHOTO/吉見幸夫[Yukio YOSHIMI] REPORT/皆越和也[Kazuya MINAKOSHI]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]
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