長野県戦はスバル勢強し。GC8インプレッサが1-2フィニッシュ!

レポート ダートトライアル

2022年9月29日

長野・野沢温泉村のモーターランド野沢で行われる長野県シリーズの第4戦が、9月18日に開催された。

長野県ダートトライアルシリーズ第4戦
ロードナイト ダートトライアル

開催日:2022年9月18日
開催場所:モーターランド野沢(長野県野沢温泉村)
主催:ROAD-KNIGHT

 今年の長野県ダートトライアルシリーズは全5戦が組まれている。会場はすべて野沢温泉村にあるモーターランド野沢。豪雪地帯として知られるだけに、シリーズの開幕は雪融けを待って、今年も5月22日と遅いスタートとなったが、最終戦の10月16日まで、約5か月のシリーズ戦で競われる。

 長野県ダートトライアルシリーズは、運営面で先進的な試みを行っていることで知られる。参加申し込みについては、書面の郵送の他、Web上やメールでの申し込みも可能としているほか、参加者の初回の申込データを引き継ぎ、次戦からの申込への記載項目を「ライセンス番号」、「参加者名」、「連絡先電話番号」のみとして受付できるようにしている。こうした試みにより、現在では70%を超える申し込みがWebフォームからなされているという。

 また競技会当日も、受付時に、JAFライセンスに印刷されているQRコードを、リーダーで読み取ることで受付が行えるようにしており、従来の受付時間より半分以下の時間で受付業務が終了するようになったということだ。

 情報発信にも積極的に取り組んでおり、参加申込締切り翌朝には、暫定エントリーリストを長野県ダートトライアル部会のホームページ上で発表しているほか、全車の写真撮影と無料配布、リアルタイム速報なども行っている。また今年からツィッターでの発信も始めている。

 さらに今年は新たな試みとして、コースのレイアウトを全5戦すべて同じものとした。未舗装路で行うダートトライアルは、日々刻々と変わる路面状況に対応したドライビングを求められる競技であるが、レーシングコースを走る際と同じように、コースレコードの更新がモチベーションとなり、また自らのスキルアップの度合いも把握しやすい形となっている。

 そのモーターランド野沢のコースは、数年前まで、複数の競技車が同時にコース上を走るオートクロスの競技会が行われていたことからも知れるように、広いコース幅を持っているのが特徴。そのため、通常であればストップ&ゴーとなるような直角のコーナーも、幅が広いために、それなりの速度をキープして抜けられるようになっている。

コース上部にあるパドックからは、コース最下部にあるストレート区間を除くほとんどのセクションを見渡すことができる。
全国で唯一のJAFオートクロス公認コースということもあり、コース幅の広さがモーターランド野沢の特徴だ。コース全体が傾斜しているため、慣性を利用したドライビングもポイントとなるなど、初心者も多くを学べる好コースとなっている。
今年はすべてこのコースレイアウトで行われる。これまでのコースレコードは、地区戦でも活躍するSam Iijima選手が叩き出した1分40秒64だ。

 クラス1は、JAF関東ダートトライアル選手権でも設定されているN1500&PN1の2WD車両が対象となるクラス。開幕から2戦はホンダ・フィット勢が連勝したが、第3戦はスポット参戦した布施浩之選手のスイフトが優勝した。

 第1ヒートはデミオを駆る清水涼矢選手がただ一人、2分を切るタイムでトップタイムを奪うが、その一方で、今季2勝目を狙ったフィットの望月善雄選手が転倒でリタイヤとなるなど、開始早々から波乱の展開となる。

 第2ヒートに入ると、翌週の地区戦の練習も兼ねて今季3度目の参戦となった田代純士選手のスイフトが、清水選手の暫定ベストを2秒上回る1分56秒81をマーク。後続の清水選手もタイムを詰めるが、再逆転は果たせない。ラストゼッケン、開幕戦のウィナー、櫻井章博選手も1分57秒台にとどまり、2勝目はならず。田代選手が今季初優勝を飾った。

 1週間前に行われた丸和オートランド那須での関東地区戦では、攻めすぎて失敗したという田代選手は、「今日は抑える所はしっかり抑えてメリハリのある運転を心がけました。その通り、できましたけど、ちょっと抑え過ぎた所もありましたね」と苦笑。

「タイヤは来週の地区戦を踏まえて、ドライタイヤを初めて履いたんですけど、ドライでもウェットでもどっちでも行ける路面だったとは思います」とコメントした。2位に敗れた櫻井選手もドライタイヤに賭けたが、「ちょっと気負い過ぎて、外してはいけないラインで、はらんでしまいました」と、悔しさの残るトライとなったようだ。

クラス1は第1ヒートで2番手だった田代純士選手が逆転で優勝を飾った。
クラス1優勝の田代選手。
櫻井章博選手はフィット勢最上位の2位でゴール。
清水涼矢選手が0.17秒差の3位に入った。
クラス1表彰の各選手。

 クラス2は2,500cc以下の車両が対象のクラス。駆動方式は問わない。このクラスは、ストーリアX4を駆る青木欣也選手が開幕2連勝を決めたが、第3戦は、今季、この大会から復帰した昨年のチャンピオン、飯田清明選手が0.4秒凌いで青木選手の3連勝を阻止した。

 しかし、このクラスも第1ヒートから波乱の展開に。何と青木選手が転倒を喫して戦線離脱を余儀なくされてしまう。このヒートのトップは青木選手と同じくストーリアX4をドライブする高木凜吾選手で、1分55秒98をマークする。飯田選手はスピンを喫して5番手に沈み、第2ヒートで挽回を期した。

 その第2ヒートでは、アルトワークスを駆る小川達雄選手が1分55秒34でトップタイムを塗り替えるが、高木選手はマシンにトラブルが発生して無念のタイムダウンに終わり、首位奪回はならず。残るは飯田選手のみとなるが、インテグラの1,800ccエンジンを積んだシビック・タイプRは1分52秒36というスーパーベストをマーク。今回も2WD最速のタイムを刻んだ飯田シビックが逃げ切ることになった。

「2本目も色々やらかしていますが(笑)、多少のミスは承知の上くらいで攻め切らないと僕はダメなんです。今日は、いつもは草に隠れていて、慣れている人間じゃないとインカットできないような所も草刈りされていたので、そういう意味ではイコールコンディションだったと思います」とは飯田選手。「2本ともウェットタイヤで行きましたが、今日のコンディションと自分のクルマのパワーを考えれば正解だったと思います」と振り返った。

クラス2は飯田清明選手が前戦に続いて優勝を達成。
クラス2優勝の飯田選手。
軽自動車で孤軍奮闘した小川達雄選手が2位に入った。
高木凜吾選手は第1ヒートの首位を守れず、3位に甘んじた。
クラス2表彰の各選手。

 2,500ccを超える車両が対象のクラス3は、出走13台と今回一番の激戦区となった。このクラスは今季すでに2勝と2位を1回獲得している狩野武尊選手が、断トツのポイントリーダーに立っている。ドライブするのは、国内のモータースポーツでも一時代を築いたGC8インプレッサだ。

 その勢いは今回も止まらず、狩野選手は第1ヒートから激走を披露。リアバンパーを激しくヒットさせながらも1分46秒91を叩き出してトップに立った。チームメイトでもある、同じくGC8ドライバーの岩崎直也選手が1.5秒遅れの2番手に続いた。

 2リッター4WDターボ車が主流のこのクラスも、第2ヒート、各選手、続々とタイムアップするが、ベストタイムは更新されないまま、シードゼッケン勢の走行に。すると岩崎選手が意地を見せて、狩野選手を0.42秒上回る1分46秒49をマークしてトップに立った。

 しかし最終ゼッケンの狩野選手は、自ら巻き起こした砂埃で視界が遮られながらも、今度は無傷のままGC8をゴールまで運んで1分45秒30をマーク。シーズン3勝目を挙げてタイトルレースのライバル達を大きく突き離した。

「2本目は前が見えなかったですが、先輩達の“そういう時は、ともかく周りの見えるものを目標物にしろ”という教えに従って、山の峰を見ながら走りました(笑)」と振り返った狩野選手。「実は、シリーズの4戦目というのは、過去にも転倒して廃車させたりと何かと鬼門の大会だったので(笑)、今日は無事に走れて良かったです」とホッとした表情を見せた。

「1本目は踏んで行ったら、ぶつけたりと散々だったので、2本目はクルマが嫌がるようなことはやめようと、リアが出そうな所も抑えて走りました。タイヤはインフィールドでタイムを稼ぎたかったのでウェットです。今年はコースが同じなので、セットは変えずに走りの引き出しを増やせるように心掛けていますが、特にランサーに比べてインプレッサが不利な所で、どうアベレージスピードを上げていくかが、いつも勝負所になりますね」と、激戦を振り返っていた。

クラス3は今季好調の狩野武尊選手が今回も快走。3勝目をマークした。
クラス3優勝の狩野選手。
岩崎直也選手は2位に入賞。「狩野選手と同じことをやっていては勝てないので、今日は1本目からドライタイヤで行きました。いつもよりタイムアップできたのでタイヤ選択は間違いではなかったと思いますが、ちょっと差が付きましたね」と、次戦以降のリベンジを誓った。
岩田賀嗣選手はランサー勢最上位となる3位を獲得。
クラス3表彰の各選手。

フォト&レポート/JAFスポーツ編集部

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