スーパーFJからサーキットトライアルまで、さまざまなカテゴリーが濃縮されたゴールドカップレース

レポート レース サーキットトライアル

2022年9月22日

全4戦で争われるオートポリスの「ゴールドカップレース」第3戦が9月10~11日に開催された。この週末に行われたのはすべてオリジナルカテゴリー。スーパーFJだけはジャパンスカラシップシステムの定める転戦シリーズ「ジャパンチャレンジ」とのダブルタイトルとあって、遠征ドライバーの姿もあったが、他のカテゴリーでは地元ドライバーによって激しく覇が競われていた。

2022ゴールドカップレース第3戦
開催日:2022年9月10~11日
開催地:オートポリス(大分県日田市)
主催:APC、株式会社オートポリス

 今大会の地方選手権オートポリススーパーFJ選手権は、シリーズ第3戦と第4戦の2連戦。またフォーミュラカーレースの振興を目的に活動する、ジャパンスカラシップシステムによるジャパンチャレンジもかけられている。予選は一度だけで、ベストタイムが第3戦、セカンドベストタイムが第4戦のグリッドの決定要素となっていた。だが、これが一波乱を呼ぶことに……。

 大本命と目されたのは、ジャパンチャレンジで積極的に遠征を重ねる岡本大地選手。予選直前のトラブルで走行開始が遅れ、残り10分でようやくコースインとなった。計測2周目にトップタイムをマークしたものの、その直後に赤旗が出され、計測を2分ほど残して終了となってしまう。

 これには岡本選手もさすがにお手上げ状態。何しろセカンドベストタイムはウォームアップ中のタイムでしかなく、第3戦はポールポジション(PP)獲得ながら、第4戦は最後尾という超リバースグリッドのレースを強いられることになってしまったからだ。

「まさかワンアタックしかできないなんて……。レース1は絶対に獲りたいです。でもレース2は……。どこまで行けるか分かりませんが、最後まで諦めずに頑張ります」と岡本選手。

 第3戦の2番手は渡会太一選手ながら、やはりコースインを遅らせたことが仇となって第4戦は18番手。このふたりの後退により、第4戦のPPは遠征ドライバーで開幕戦のウィナーでもある清水啓伸選手が奪い、2番手は夕田大助選手。そして3番手には地元ドライバー最上位となる永原蒼翔選手がつけていた。

「まだセットが決まっていないので、最後のレースに向けたセットを考えつつ、最初のレースを戦っていきます。速かったら当然、バトルに持ち込めるよう頑張ります。その上で、最後のレースは(優勝を)狙います」と清水選手。

 第3戦決勝では岡本選手が好スタートを決め、トップで1コーナーに飛び込んだのに対し、渡会選手は4番手スタートの清水選手の先行を許してしまう。すぐに3コーナーで抜き返すも、このバトルが結果的に岡本選手を楽にさせた。

「このコースはタイヤに厳しいので、とくに左後ろをケアしながらのレースになると思っていたんですが、後ろでバトルしてくれたおかげで差ができて、マネジメントもしやすくなりました」と岡本選手。2周目からは岡本選手、渡井選手、清水選手の順でそれぞれ単独走行になって、第3戦は取り立てて波乱のないレース展開となった。

 一方、第4戦は第3戦とは正反対となる。トップだけは清水選手の盤石の展開になり、ひたすら逃げて2勝目をマークした。そして後方からのスタートとなった渡会選手はスタートからの1周だけで12番手、岡本選手も13番手まで浮上し、連なる形でオーバーテイクを重ねていく。

 8周目には渡会選手が4番手に浮上、これに岡本選手も続こうとするも、追い上げの最中にフロントウィングを曲げ、ペースが上げられないようになっていた。結果、6位に留まった岡本選手に対し、渡井選手の猛攻はなおも続き、夕田選手と永原選手の2番手争いにも割って入る。

 最終ラップの1コーナーで渡会選手は永原選手を仕留めるが、その間に夕田選手は逃げてしまう。最終的に渡会選手は3位獲得となったが、それでも15台抜きに成功する。また2位の夕田選手は初めて表彰台に上がっていた。

 優勝の清水選手は「セットは変えてみたんですけど、タイムにつながるかというと別な感じで。ペースとしては足りなかったですが、なるべくミスしないよう走りました。後ろとの距離もあったので、落ち着いてレースできたと思います」とコメント。

スーパーFJ第3戦優勝は岡本大地選手(FTK・レヴレーシングガレージ)。
2位は渡会太一選手、3位は清水啓伸選手。
スーパーFJ第3戦表彰の各選手。
スーパーFJ第4戦優勝は清水選手(DragoCORSE)。
2位は夕田大助選手、3位は渡会選手。
スーパーFJ第4戦表彰の各選手。

 かつてはゴールドカップスの名物カテゴリーでもあり、さまざまな車両が混走していたツーリングカーレースは年々エントリーを減らし、昨年限りでまさかの終焉に。代わって設けられたのは、Boon!×2 street 1500(ブーン!ブーン!ストリート1500)。ナンバーつきのVitz(NCP-131型)、Yaris、ロードスター(ND)、そしてスイフトスポーツ(ZC31/32)を対象とするレースだ。

 ゴールドカップレースシリーズの第2戦から開幕となり、この時は2レースで開催。1台出場していたロードスターが今回は姿を見せず、代わりにYarisが初お目見えのはずが、練習中のアクシデントで出走を取り消し。スイフトスポーツ1台、Vitz4台でレースが競われることとなった。

 PPはスイフトスポーツの永利靖童選手が獲得し、「車が違うので差もつけられたし、あんまり入れたことないタイムも出せたんで、気持ち良かったです」と上機嫌。一方、Vitz勢のトップは原俊平選手で「Yaris Cupで3回ぐらい使ったタイヤだし、こんなものでしょう。スイフトとは争わず、省エネで行こうと思っています」と語りながらも、同じVitz勢には3秒以上の差をつけていた。

 決勝では原選手が好スタートを切って、1コーナーで永利選手に迫るも逆転ならず。抵抗の機会はここまでだった。あとは永利選手が逃げまくって、最後は10秒差の圧勝となり、「これだけ離せると気持ちがいいですが、やっぱりバトルもしたいですね。皆さんぜひ参加してください」と永利選手はチャレンジャーの登場を待ち望んでいた。

 一方、「スタートで前に出たかったけど、出ても上りの区間でやられてしまったでしょう。ミスがあればと準備はしていましたが(笑)。これで3連勝なので、パーフェクトを狙います」と原選手。トップからは離されれてしまったものの、Vitz勢3台のバトルも激しく、レースを楽しんでいたようだ。何度も順位を入れ替え、最後に笑って2位を得たのは竹本真也選手だった。

Vitzクラス優勝は原俊平選手(BRIDE ENDLESS Vitz)。
Vitzクラスの表彰式。左から2位の竹本真也選手、1位の原選手、3位の松永幸樹選手。
スイフトスポーツクラス優勝は永利靖童選手(TCSwithメタルワークスイフト)。

 オートポリス86/BRZは4クラスで争われた。1クラスと2クラスは新型GR86とBRZが対象で、1クラスはGR86/BRZ Cupクラブマンと共通規定、2クラスはB車両で競われる。そして3クラスと4クラスは先代の86とBRZが対象で、車両規定の違いは1クラスと2クラスと一緒だ。400ccの排気量差があるだけに、新型の方が速いと思いきや……。

 PPを奪ったのは4クラスの渕上康徳選手。2クラスの小笠正範選手は総合5番手で、実に4秒の差をつけられていた。これについて「タイヤの違いです。我ながらよく頑張っている方だと思っていますよ。直線は速いんですけどね」と小笠選手。クラブマン規定に準じているために、ダンロップのディレッツァZIIIを装着するのに対し、3クラスと4クラスは今年からブリヂストンのポテンザRE-71RSのワンメイクに。性能差がしっかりタイムに表れていたのだ。

 ともあれPPを奪った渕上選手は「スタッフさんに頑張っていただいてどうにかベストが出たので、このままポール・トゥ・ウィンでいきたいと思います。前回はミスっているので、リベンジを果たしたいと思います」と上機嫌。

 一方、総合3番手で3クラスのトップは嶋啓児選手で、「昨日までは苦戦していまして、メカニックの人たちと『ああじゃない、こうじゃない』って話をしていました。メカニックのおかげで今日は思うように走れたので、いい方向に行きました。本当にありがたい」と、こちらも満足そうだった。

 決勝では渕上選手がトップでレースを開始するも、石川裕剛選手が食らいついて離れず。ところが4周目に入って「ミッショントラブルで2速がなくなりました」と渕上選手。逆転した石川選手が、そのまま逃げ切って第1戦以来となる今季2勝目をマークした。

「急に渕上さんが減速して『あれ、トラブルかな?』と思って抜いました。でも、しばらくついてきたので、気を緩めちゃいけないと、自分のペースを維持していけるように走らせていました」と石川選手。

 その後方では3クラスの嶋選手が、序盤の4クラス勢を交えた混戦から抜け出し、やがて単独走行に持ち込んでいったが、最終ラップに突然失速。総合3位こそ4クラスのマツナガリッチバーンJr選手に奪われたものの、3クラスの優勝は獲得した。

「タイヤがタレました。我慢につぐ我慢をしながら走っていたんですけどダメでしたね。もう1周保ってくれば」と、やや反省気味であった。1クラス初登場で孤軍奮闘の酒井仁選手は、予選の総合13番手からふたつ順位を上げていた。

4クラス優勝は石川裕剛選手(FORCマロ86SPM)。
4クラスの表彰式。左から2位の渕上康徳選手、1位の石川選手、3位のマツナガリッチバーンJr選手
3クラス優勝は嶋啓児選手(カローラ福岡KEY10☆GRG AP86)。
3クラスの表彰式。左から2位の古賀正三選手、1位の嶋選手、3位の渡邊憲選手。
2クラス優勝は小笠正範選手(FOREST/SPM苅田FORCBRZ)。
1クラス優勝は酒井仁選手(F-link 76 KR 86)。

 20台が参加のVITAクラスは、前2戦で表彰台に上がり続けている3人が順当に予選でトップ3に。その中で未勝利の小串康博選手がPPを獲得し、次いで首藤哲也選手、山下カツヤ選手という順になった。

「前に首藤選手が走っていてくれたので、ついていったら何とかいいタイムが出ました。タイム的に贅沢は言いませんが、もうちょっと出したかったというのが本音です。でもPP獲れたので100点満点です」と小串選手。

 決勝では小串選手がスタートに出遅れ、1コーナーに3ワイドで飛び込んでいくが、進入で小串選手がまさかのスピン! 回避しようとした首藤選手と山下選手が失速した中、予選4番手だった三浦康司選手が脇をすり抜け、一躍トップに浮上する。

 中盤までは背後に山下選手、首藤選手がついていたが、そのふたりがやり合う間にプッシュした三浦選手が逃げ切りに成功。3年ぶりの優勝を飾った。

「3台が横に並んだ時は、何かあると思って咄嗟にアウト側に行ったのが大正解でした。その後も厳しい展開だったんですが、後ろでバトルしてくれたおかげで何とか逃げられました」と三浦選手。2位は7周目の1コーナーで前に出ていた首藤選手が獲得した。

VITA優勝は三浦康司選手(おうちの買い方☆TMR制動屋VITA)。
VITAの表彰式。左から2位の首藤哲也選手、1位の三浦選手、3位の山下カツヤ選手。
VITA ACEクラス1位の古賀千裕選手(still way☆KTガレージvita)。

 今年は2戦だけの開催となったサーキットトライアル IN オートポリス 2022 Round.2。1586cc未満の車両によるB1クラスのエントリーは今回はなく、1586~1999ccの車両によるB2クラスが6台、2000cc以上の車両によるB3クラスが3台、そしてクローズドクラスの1台を加え、10台で競われた。

 昼からの気温上昇によって勝負は完全にヒート1の一本勝負に。そんな状況において、さらに計測2周目の一発で総合優勝を奪ったのは、B2クラスでシビックを駆る本郷武志選手だった。

「ヒート2はもう水温100度だったから、やめちゃおうかと思ったぐらいで。タイヤもヒート1より食わずに、減衰力いじったからか、走っていてもタイム出ないなって感じでした。最後の方まで粘っていたんですけどね。ヒート1もちょっとトラブルあって、グラスモールが外れるというのもあって、集中しきれなくて、早めに切り上げたんです」と、余裕の一発ではなくギリギリの一発だったようだ。

 総合2位でB3クラスの優勝はWRXの黒木悟選手。本郷選手同様、これが2連勝となった。しかし「足回りをいじったので、もう少しタイムは出したかったんですけど、やっぱり練習不足でした。サーキットトライアルは自分との戦いなので、順位よりタイム。残念です。今年は台数がだいぶ少なくなっちゃいましたが、これからも続けていってどんどん上を目指せればと思っています」と黒木選手。

B2クラス優勝は本郷武志選手(RG-O HON号シビック)。
B2クラスの表彰式。左から2位の安藤恒輝選手、1位の本郷選手、3位の久保田徹選手。
B3クラス優勝は黒木悟選手(FORC WRX)。
B3クラスの表彰式。左から2位の永利康訓選手、1位の黒木選手、3位の中村勝秀選手。

フォト/皆越和也 レポート/はた☆なおゆき、JAFスポーツ編集部

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