長野安曇野の地を拠点に、伝説のヒストリックカーラリーが今年も開催!

レポート ラリー

2022年10月13日

9月30日~10月1日の2日間、晴天の下、日本アルペンラリーが長野県で開催された。

第3回クラシックミーティング 日本アルペンラリー® 2022
開催日:2022年9月30日~10月1日
開催場所:長野県安曇野市周辺
主催:KAPS

 日本アルペンラリーは、まだ自動車というものが日本国内ではそんなに多くなかった1959年に始まり、1976年まで行われていたラリーで、3日間に渡って主に関東甲信越地方を中心に開催されていた。一番の山場となったのは、乗鞍周辺のスーパー林道や白骨温泉、安房峠、平湯の辺りに用意されたルートだった。

 この日本アルペンラリーで1972年から1975年にかけて4年連続で優勝した平林武氏の提案で、当時の車両や選手達に再び走ってもらおうとするラリーの準備が数年前から進められていた。日本アルペンラリーを主催したJMC(日本モータリストクラブ)でコース設定を担当していた澁谷道尚氏にも賛同を戴き、開催に向けてご協力を戴くことになった。

 記念すべき“復活”第1回日本アルペンラリーは2019年10月に開催の運びとなったが、平林氏はその前年の8月に他界され、澁谷氏も昨年4月に亡くなられた。2020年はコロナ禍で中止を余儀なくされたが、開催にご尽力された方々の遺志を引き継ぐべく、昨年、第2回を開催。そして今年、晴れて3回目の日本アルペンラリーが行われることとなった。

 今回の大会は、ラリーコンピューターの装着が認められないAクラス(~1971年の車両) 、Bクラス(1972年~1979年の車両) 、Cクラス(1980年~1996年の車両)の3クラスと、ラリコンの装着がOKであるFクラス(1980年からの車両)の計4クラスに28台がエントリー。篠塚建次郎選手、綾部美津雄選手といったレジェンドドライバー達も元気な姿を見せた。

3回目の開催となった今年も、日本のラリー界で活躍した新旧のラリーカーが集まり、2日間のラリーに臨んだ。
ラリーは一部、約2kmのダート区間を含む350kmのルートで競われた。

 今回のラリーはまず10月7日金曜日に長野県安曇野の大王わさび農場を朝10時半にスタート。午前中のセクション1は松本市内を抜け、美鈴湖などを走り、わさび農場に戻るルートで3か所のCPが設定されたが、ここで早くもCクラスの優勝候補本命だった小田切眞/小久保昌己組が大量減点を貰ってしまい、大きく出遅れる。

 午後のセクション2は12時45分にスタート。再び松本市内から三城牧場、旧和田峠から扉峠の駐車場でレストとなる。ここまでで4~7CPまでが設定されたが、2桁減点を受けてしまうチームも何台かいる中、レスト後の8CPにBクラスの綾部美津雄/橋本寿/高橋光一組がやってこない。

 彼らは扉峠の駐車場を出てすぐにミスコース。松本市内の方向へ戻らなければいけないのに諏訪方向へ向かってしまったのだ。綾部選手はミスコースに気がつき、扉峠方向へ戻り、ようやく8CPに辿り着くも、すでにCPでは後片付けをやっているという状況で、絶望的な大量減点を喫してしまった。

 結局、9か所のCPで競われたDAY1を終えて、この日のゴールであるホテルアンビエント安曇野に総合トップで戻ってきたのは、Fクラスの松波登/草加浩平組のGRヤリス。丸島國義/浦野智秋組(Cクラス)のインテグラが1秒差の2位、永瀬浩一/田口雅生組(Cクラス)のブルーバードSSS-Rが2秒差の3位で続いた。

 DAY2のスタートは朝9時15分で、筑北村から麻績村、聖高原、聖湖といったルートを抜け、お昼のレストである、きのこ村深山へ。ここまでのセクション3では6CPが設定された。このセクションを終えた段階で、永瀬組と丸島組がともに減点22秒でトップに浮上。松波組が減点23秒で1秒差につけたが、ここまで減点26秒と好位置につけていた北浦健悟/平郡正勝組の37レビンは、オルタネーターのトラブルで惜しくもリタイアとなってしまう。

 最終のセクション4では16~20CPの5か所が設定されたが、トップに立っていた永瀬組が聖湖の18CP手前で痛恨のミスコース。62秒も遅れて優勝争いから後退する。対する丸島組は5ヶ所のCPを計3秒の減点でまとめてゴール。見事に総合優勝とCクラス優勝を達成した。

 総合2位には松波組が入り、Fクラスでは1位に輝いた。総合3位はベレットGTRをドライブした柴垣宗良/山田広樹組が入ってAクラスの優勝も獲得。Bクラスは総合4位に入った寺島滋/上坂次良組が優勝を果たした。

Aクラス優勝の柴垣宗良/山田広樹組/ベレット 1600GTRは総合でも3位に入った。
石坂賢司/久保宏組/ギャラン GSはAクラス2位に入賞(左)。降旗俊樹/越智清文組/スカイライン 2000GT-AがAクラスの3位に入った(右)。
Aクラス表彰の各選手。
Bクラスは総合でも4位に入った寺島滋/上坂次良組/シルクセロ トレノが優勝。
篠塚建次郎/宮地久司組/ランサーがBクラス2位に入賞(左)。逸見隆/根岸雅弘組/27 レビンがBクラス3位を獲得した(右)。
Bクラス表彰の各選手。
Cクラスは丸島國義/浦野智秋組/ホンダ インテグラが優勝を果たした。
丸島/浦野組は総合でも優勝を獲得した。
Cクラス2位は和田秀文/水野成生組/マツダ フレアが入賞。和田組はエントリーしたクラスが不成立となったため、規定によりCクラスでの出走となった(左)。永瀬浩一/田口雅生組/ブルーバードがCクラス3位に入った(右)。
Cクラス表彰の各選手。
Fクラスは松波登/草加浩平組/GRヤリス RCが優勝。
本橋彰夫/荻野義則組/インプレッサ WRX StiがFクラス2位に入賞(左)。舩木良/園田裕康組/スバル レガシィがFクラス3位を獲得(右)。
Fクラス表彰の各選手。

フォト&レポート/佐久間健

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