地方カート選手権 FS-125 瑞浪シリーズは3戦開催で成立、チャンピオンは松本拓海選手に確定!

レポート カート

2022年10月17日

全5戦で行われる2022年の地方カート選手権 FS-125 瑞浪シリーズが終結、3戦の合計ポイントによって松本拓海選手(AP SPEED with SOVLA)がタイトルを確定させた。

2022 SLカートミーティング フェスティカサーキット瑞浪シリーズ第6戦
開催日:2022年10月2日
開催地:フェスティカサーキット瑞浪(岐阜県瑞浪市)
主催:株式会社フェスティカ

地方カート選手権 FS-125

 岐阜県瑞浪市のフェスティカサーキット瑞浪を舞台に展開された、2022年の地方カート選手権 FS-125 瑞浪シリーズ。3月6日に行われたその第1戦では、スポット参戦の落合蓮音選手(Ash with Hojust)がポール・トゥ・ウィン。2位に黒川史哉選手(Ash)、3位に松本選手が入った。

 5月15日の第2戦では、ルーキーの松本選手がタイムトライアル/予選/決勝のすべてをトップでゴールするパーフェクトウィンを飾った。僅差の2位は黒川選手。3位は酒井畝那選手(MID competition)だった。

 続く7月10日の第3戦では、全日本カート選手権でも活躍中の百瀬翔選手(HRS JAPAN)がスポット参戦で決勝のポールを獲るが、決勝では酒井選手が0.158秒差で百瀬選手を下して優勝。3位には松本選手が入賞した。

 そして8月28日の第4戦と10月2日の第5戦は残念ながら不成立となったが、全5戦のうち3戦が実施されたことで選手権は無事に成立。その結果、チャンピオンに確定したのは15歳の松本選手だった。

 松本選手はデビュー戦となる第1戦のタイムトライアルでいきなりトップタイムをマークし、決勝では3位でフィニッシュ。第2戦では前述のとおり完勝を果たした。第3戦ではタイムトライアルで5番手に留まったが、そこから盛り返して決勝を3位でゴール。3戦すべてで表彰台に登壇してシリーズポイントを65点まで積み上げ、ランキング2位の酒井選手に20点差をつけてタイトルを確定させた。

 ルーキーイヤーで見事チャンピオンを確定させた松本選手は、「第1戦はそこそこ手応えをつかめたレースでしたね。第2戦は前日の練習から好調で、自信を持って臨めたのが勝因です。第3戦は1位になった次のレースだったので、3位はちょっと悔しい結果でした。地方選手権に参加してよかったと思います」と、この一年を振り返った。

瑞浪シリーズでは毎戦、手堅く表彰台を獲得した松本拓海選手。第2戦ではポール・トゥ・ウィンも達成し、2022年の地方選手権シリーズチャンピオンの座を確定させた。

 地方選手権シリーズの締めくくりとなる第5戦が予定されていた10月2日の大会では、SLカートミーティング フェスティカサーキット瑞浪シリーズの第6戦が同時開催。夏の名残りの暑さに覆われたサーキットで、8つのクラスのレースが行われた。

Cadet OPEN

 小学2年生以上のドライバーが対象のCadet OPENでは、柴崎尊選手(HRS JAPAN)がポールからの独走で優勝。中野貴介選手(HIGUCHI RT)がスタートの出遅れを挽回して2位に。その中野選手に終盤まで食い下がった松本聖生選手(NEXT-ONE Racing)が3位となった。

Cadet OPEN優勝は柴崎尊選手。「優勝できてうれしいです。決勝ではスタートだけミスしないように考えていました。自分自身を信じて走れたことが勝因だと思います。次はもっとブッチ切って勝ちたいです」とコメント。
2位の中野貴介選手、3位の松本聖生選手。
Cadet OPEN表彰の各選手。

YZ85

 6段変速の85ccエンジンを搭載したYZ85では、2番手走行中の野田卓司選手(ハラダカートクラブ)がメカトラブルでリタイアしたこともあり、中川賢太選手(LAM Racing with About Factory)が独走ウィン。チームメイト2台によるセカンドグループの戦いは、残り3周の逆転で大山学選手(T.WEST.RS)が2位、竹中研一選手(T.WEST.RS)が3位で決着した。

「終盤にフレームのシートサポートが折れてしまって、残り4周くらいは右コーナーでマシンがぜんぜん踏ん張ってくれなくて冷や冷やしたけれど、トップのままフィニッシュできて良かったです」とYZ85優勝の中川賢太選手。
2位は大山学選手、3位は竹中研一選手。
YZ85表彰の各選手。

KT-Masters

 KT-Mastersは、定番のヤマハKT100Sエンジンを使用しながら、決勝2レース制やリバースグリッド制を採り入れた、30歳以上のドライバーを対象とする瑞浪オリジナルのレースだ。

 その決勝ヒート1では2台によるトップ争いが繰り広げられ、終盤の逆転で安達慶真選手(T.HIRANO)が優勝、澤部朝男選手(TACC・HIGUCHI RT)が2位に。ファステストラップをマークしながら追い上げた渡辺勇太選手(チーム近藤レーシング)が3位となった。

 続く決勝ヒート2では、リバースグリッド制でグリッド4列目からのスタートとなった安達選手と澤部選手が急浮上してマッチレースを展開。0.036秒差の決着で、またも安達選手が優勝、澤部選手が2位となった。3位は2ポジションアップの冨田伸章選手(Ash)。そのすぐ後ろで4位のチェッカーを受けたのは今大会最年長、72歳の森朴繁樹選手(T.HIRANO)だった。

2カ月ぶりにカートに乗ったという安達慶真選手がKT-Masters第1ヒートを制す。「久しぶりにカートに乗ることを楽しめた上に優勝もできて、最高ですね。2ヒート制覇を何度かやっているので、またそれをやりたいです」
2位は澤部朝男選手、3位は渡辺勇太選手。
KT-Masters第1ヒート表彰の各選手。
「ヒート2は10周のスプリントレースなので、チャンスがあったら躊躇しないで前に出ようと思っていました」と8番手スタートから見事2連勝した安達選手。「狙いどおり2ヒート制覇ができて良かったです」と優勝を喜んだ。
2位は澤部選手、3位は冨田伸章選手。
KT-Masters第2ヒート表彰の各選手。

SS Jr.

 ともに14歳以上のドライバーが対象のTIA Jr.とSS Jr.は、2クラス混走でレースが行われた。6台が出走したSS Jr.では、ポールの植原愛月選手(HIGUCHI RT)が後続を7秒弱も引き離すブッチ切りを演じ、総合トップのゴールで優勝。ホットな2位争いを繰り広げた石田馳知選手が2位、清水虹選手(チーム近藤レーシング)が3位に入賞した。

植原愛月選手がSS Jr.で優勝を遂げ、「勝因はスタートをうまく切れたことだと思います。ゴールした時はうれしかったです」と喜びつつも「(ずっと独走で)ちょっともの足りないなって気持ちもあります」と本音も。
2位は石田馳知選手、3位は清水虹選手。
SS Jr.表彰の各選手。

TIA Jr.

 8台が出走したTIA Jr.では、7台一列のセカンドグループの競り合いが最終ラップにもつれたチャンスを突いて、黒田弥晴選手(T.ぶるーと)が一気に3つ順位を上げ、総合4位でフィニッシュして初優勝を達成。2位も最終ラップに大きくポジションアップした梅村悠斗選手(T-Style withぶるーと)。残り2周まで同クラスの戦いをリードした森赴人選手(T.ぶるーと)は3位ゴールとなった。

「勝てて感無量って感じです」と語るTIA Jr.優勝の黒田弥晴選手。「自分のすべてを出し切りました。集団で走っているとたいてい最後に混乱が起きるので、そのチャンスを狙っていました。次も頑張ります」と意気込んだ。
2位は梅村悠斗選手、3位は森赴人選手。
TIA Jr.表彰の各選手。

Super SS

 30歳以上のドライバーが対象のSuper SSでは序盤からゴールまで3台一列のトップ争いが続き、度重なるポジションチェンジの末にポールの高垣徹也選手(T.ぶるーと)が優勝、林三貴彦選手(Ash)が2位、渡部洋己選手(Ash a.k.a. マリリン農園)が3位という結果で決着した。

Super SS優勝は「今年は混戦になることが多くてこういう展開になると思っていたけれど、何としても1番で帰って来たいと思っていました」と言う高垣徹也選手。チームのサポートやメカニックの頑張りにも感謝していた。
2位は林三貴彦選手、3位は渡部洋己選手。
Super SS表彰の各選手。

MAX Lights

 上級ドライバーにも人気のロータックスMAXエンジンを採用しつつ、独自のレギュレーションでより手軽に楽しめるレースを目指したMAX Lights。エントリー18台のにぎわいとなった一戦を制したのは、普段は静岡県・オートパラダイス御殿場で同じクラスに参加している、遠征組の八田宗之選手(ガレージ茶畑)だった。2位はウェイトハンデ2kgを背負って健闘の高橋将矢選手(NEXT-ONE Racing)。同1kgの中島靖彦選手(T.LEFTY)が3位でフィニッシュした。

MAX Lights優勝ははるばる遠征の八田宗之選手。「瑞浪は走って楽しいコースですね。テクニカルな部分とハイスピードな部分があって、ドライバーとしての総合力が問われるいいコースだなと思いました」と感想を述べた。
2位は高橋将矢選手、3位は中島靖彦選手。
MAX Lights表彰の各選手。

YAMAHA SS

 YAMAHA SSにはこの日最多となる19台のエントリーが集まり、最年少11歳、最高齢54歳のバラエティ豊かなドライバーたちによる熱戦が繰り広げられた。そこで優勝を飾ったのは、3台一列の先頭集団から終盤に抜け出した伊藤聖七選手(Ash)。佐藤琉葵選手(DSM)が2位、伊藤僚我選手(team Farina)が3位でチェッカーを受けている。

開口一番「接戦の中、トップを守り切って勝ててとてもうれしいです」とYAMAHA SS優勝の伊藤伊藤聖七選手。「次のレースはチャンピオンの可能性があるので、ポール・トゥ・ウィンで優勝したいです」と抱負を語った。
2位は佐藤琉葵選手、3位は伊藤僚我選手。
YAMAHA SS表彰の各選手。

フォト/長谷川拓司、JAPANKART、JAFスポーツ編集部 レポート/水谷一夫、JAFスポーツ編集部

ページ
トップへ