JD2目黒亮選手が逆転優勝&2年連続チャンピオン確定
2022年10月18日
2022年のJAF全日本ダートトライアル選手権の最終戦となる第7戦、「ダートトライアル in タカタ」が、10月1~2日に広島県安芸高田市のテクニックステージタカタで開催された。
2022年JAF全日本ダートトライアル選手権 第7戦
ダートトライアル in タカタ
開催日: 2022年 10月1~2日
開催場所: テクニックステージタカタ(広島県安芸高田市)
主催: CCN、TTS
今シーズンの全日本ダートトライアル選手権は、この第7戦までにJD11、JD9,JD8、JD7、JD6、JD5、JD4、JD3、JD1の9クラスでチャンピオンが確定。タイトルの行方がこの最終戦までもつれ込んだJD2クラスも、この最終戦で雌雄を決する。
しっかりと路面が整備され、全国屈指のハイスピードコースとして名高い同コースだが、今年は外周区間の改修工事が行われ、外周区間をこれまでよりもさらに延長。クラスによっては170km/hに迫る最高速度や、ジャンピングスポット、ショートレンジの高速S字区間など、新たな要素が加えられた。
すでに季節は夏が終わり、秋の涼しさを感じる10月となったが、公開練習が行われた1日(土)、決勝日の2日(日)とも気温は夏を思わせる27度まで上昇。走行するごとに舞い上がる埃を抑えるために、各ヒートともJD11、JD6、JD3の各クラスの走行前に散水が計3回行われ、この散水による路面コンディションの変化をどう読み取るかも、勝敗を分ける要素のひとつとなった。
JD11クラスは、すでに今シーズンのタイトルを獲得している則信重雄選手が、両ヒートを制する走りで完勝。シリーズでは全7戦中6戦で優勝と、圧倒的な強さを発揮するシーズンとなった。2位には、その則信選手から唯一1勝を奪っている佐藤秀昭選手が入賞し、3位には「第2ヒートはタイヤと路面が上手くマッチしていたんですけど、(佐藤)秀昭さんに届かなかったのが残念です」という寺田伸選手が入賞した。
JD9クラスは、散水の状況からほとんどの選手がウェットタイヤを装着する中、このコースをホームコースとする2021年JD9クラスチャンピオンの太田智喜選手がドライタイヤを選択するという他の選手とは異なる戦略を展開。第2ヒートでトップに立った23歳の奈良勇希選手を0.728秒差逆転し、今季2勝目を獲得した。また、3位には前戦で今シーズンのタイトルを確定させた工藤清美選手が入賞した。
JD8クラスは、第1ヒートで濱口雅昭選手がトップに立つものの、第2ヒートは中島孝恭選手、鳥居晴彦選手が次々と逆転。鳥居選手の8年ぶりの全日本優勝がほぼ確実かと思われたが、前走車のトラブルにより再出走となった江崎和則選手が、鳥居選手のタイムを0.605秒上回るベストタイムをマーク。「優勝は、僕自身想定外でした」という無欲の全日本初優勝を飾った。
竹本幸広選手が第1ヒートのトップタイムを奪ったJD7クラスは、その竹本選手が第2ヒートでもベストタイムを更新。前戦で3年連続となるチャンピオンを確定させた山崎利博選手が、中間タイムでは竹本選手を0.19秒上回ってくるものの、後半区間のタイムが伸びず、竹本選手に0.054秒届かずフィニッシュ。竹本選手が両ヒートを制する走りで最終戦の優勝を飾った。2位に山崎選手、3位には「今年最後の走りを気持ちよく攻め切ることができました」という矢野淳一郎選手が入賞した。
JD6クラスは、すでに今シーズンのタイトルを確定させている北條倫史選手が、両ヒートを制する走りで優勝。第4戦から続く連勝を4に伸ばし、有終の美を飾った。2位には、「第2ヒートは北條選手がウェット用のタイヤを装着していたので、僕もあわててウェット用に履き替えました」という岸山信之選手が入賞。3位には「ドライタイヤで勝負しましたが、第2ヒートは僕の想定よりも散水量が多かった」という矢本裕之選手が入賞した。
JD5クラスも、2022年チャンピオンドライバーが強さを見せた。第1ヒートは2年連続でJD5クラスのタイトルを確定させた細木智矢選手がベストタイムを奪うが、第2ヒートは地元の川本圭祐選手が、「今年は考え過ぎから抑えた走りになってしまってたんですけど、ホームコースで自分本来の走りを取り戻すことができました。今年一番の走りです」と攻めの走りで、細木選手が第1ヒートでマークしたベストタイムを更新する。
後半ゼッケンに入っても川本選手のタイムはなかなか更新されなかったが、ラストゼッケンの細木選手が「ウェットタイヤの縦のトラクションを活かす走りを心掛けました」と、川本選手のタイムを0.976秒上回ってゴール。細木選手が、チャンピオンの強さを見せつける走りで今シーズンの有終の美を飾った。
JD4クラスは、開幕戦優勝の荒井信介選手が、「細かい失敗はいくつかあったけど、久々に納得できる走りができた」と両ヒートを制する走りで今季2勝目を獲得。2位には、「自分本来の走りで荒井選手と勝負することができてよかった。ちょっと攻め過ぎたかもしれないけど、気持ちよく走り切ることができた」という北村和浩選手が入賞。3位には、「外周の新コーナーで失敗したのが残念」という林軍市選手が入賞した。
JD3クラスは、深田賢一選手が第1ヒートのベストタイムを奪うが、第2ヒートは2019年から全日本に参戦する坂井秀年選手が、「ハイスピードコースは大好きです。思いっ切り、攻めきることができました」とトップに浮上。山崎迅人選手が、「最後までタイヤ選択に悩みました。最終戦は勝って終わりたかったんですけどね」と、坂井選手のタイムに迫るものの0.244秒届かず。坂井選手が全日本初優勝を飾った。2位に山崎選手、3位には第1ヒートトップの深田選手が入賞した。
最終戦までチャンピオン争いが持ち越しとなったJD2クラス。シリーズランキングトップの亀田幸弘選手を目黒亮選手が追う展開となっているが、有効ポイントの関係で目黒選手は優勝以外では逆転のチャンスはなく、目黒選手が優勝を逃した時点で、どの選手が優勝しても亀田選手のチャンピオンが確定するという展開だ。
注目の第1ヒートは、再出走の上村智也選手が、目黒選手のタイムを0.26秒上回るベストタイムをマーク。ベストタイム更新ラッシュとなった第2ヒートは、シードゼッケンの岩下幸広選手、大西康弘選手、上村智也選手、吉村修選手が次々とベストタイムを更新する中、「第1ヒートで自分が遅かった所をしっかりと修正しました。落ち着いて走ることができたと思います」という目黒選手が、吉村選手のタイムを0.735秒、逆転。第6戦今庄から絶対に負けられないという状況が続いていた目黒選手が連勝を重ねて、2年連続となるシリーズチャンピオンを確定させた。
JD1クラスは、第1ヒートのトップタイムを奪った田口勝彦選手が、第2ヒートでもタイムを1分42秒台まで上げてトップに立つが、「超硬質用タイヤで走ろうと思ったけど、今年最後の1本くらい、みんなと同じタイヤで走ろうと思い、硬質用タイヤに履き替えました」という炭山裕矢選手が、田口選手のタイムを逆転。今シーズン4勝目、優勝を逃した3戦もすべて2位という圧倒的な強さで今シーズンを締め括った。2位に田口選手、3位には、「路面コンディションが難しかったけど、自分なりにはしっかり攻め切れたと思う。今回は(炭山)裕矢が速かった」という谷田川敏幸選手が入賞した。
フォト/CINQ レポート/CINQ、JAFスポーツ編集部
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