GT500はAstemo NSX-GTが予選4番手から逆転勝利、GT300は埼玉トヨペットGB GR Supra GTが2年ぶりに優勝
2022年10月20日
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10月1~2日に秋晴れのオートポリスにてスーパーGT第7戦が300kmレースとして行われ、4番手スタートのAstemo NSX-GT(塚越広大/松下信治組)が迅速なピット作業もあり、新コンビとして初優勝。そしてNSXとしても第2戦富士以来の今季2勝目を飾った。またGT300クラスでは2番手スタートの埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰組)が、2020年最終戦以来の今季初優勝を遂げた。この結果によりタイトル争いはGT500/GT300クラスとも上位6チームに絞られた。
2022 SUPER GT Round7 FAVHOTEL AUTOPOLIS GT 300KM RACE
開催日:2022年10月1~2日
開催地:オートポリスインターナショナルレーシングコース(大分県日田市)
主催:株式会社GTアソシエイション、APC、株式会社オートポリス
2022年スーパーGTもいよいよ終盤戦。阿蘇外輪山に位置するオートポリスではサクセスウェイトも半減となり、各車両の性能が拮抗することで激しいバトルが期待された。また、例年悩ましい天候も今年は搬入日の9月30日から好天に恵まれ、気温も25度以上に上がり、予想以上に路面温度も上昇するコンディションとなった。
1日に行われた公式予選はポイントリーダーの3号車CRAFTSPORTS MOTUL Z(千代勝正/高星明誠組)とランキング2番手12号車カルソニック IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット組)が、燃料流量リストリクター装着もありQ1落ち。激しいポール争いは最後の最後に24号車リアライズコーポレーション ADVAN Z(佐々木大樹/平手晃平組)の佐々木選手がトップタイムをマークして、自身初のポールポジションを獲得した。
フロントローには100号車STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組)が並び、以下、19号車WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南組)、17号車 NSX、14号車ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太組)、8号車ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺組)と続いた。
GT300クラスでは61号車SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)の山内選手が2戦連続で今季4回目のポールポジションを獲得し、52号車スープラがその横に並んだ。以下、2号車muta Racing GR86 GT(加藤寛規/堤優威組)、88号車Weibo Primez ランボルギーニ GT3(小暮卓史/元嶋佑弥組)、65号車LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗組)、55号車ARTA NSX GT3(武藤英紀/木村偉織組)が続いた。ポイントリーダーの56号車リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組)は8番手につけた。
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2日も晴れとなり、周辺道路では長い渋滞もできるほどの行楽日和となった。航空自衛隊新田原基地のF-15DJ戦闘機3機によるウェルカムフライトの後、ウォームアップ走行が行われる。そして気温26度、路面温度46度というコンディションの13時41分に300kmレースはスタートした。
ポールポジションからスタートした24号車Zの佐々木選手は、100号車NSXの牧野選手との差を毎周わずかに開きながらトップを死守。この2台の後方では19号車スープラ、17号車NSX、14号車スープラ、12号車Zが3番手争いを続けた。
レースの1/3が経過した22周で2番手の100号車NSXがピットインするも、タイヤ交換でタイムロスしてしまった。18周目に3番手に順位を上げていた17号車NSXも次の23周でピットイン。こちらは完璧なピット作業で松下選手を100号車NSXの前でコースに送り出した。トップの24号車Zは27周でピットインしたが、交代した平手選手がコースに戻ったのは、17号車NSXと100号車NSXの後ろだった。
41周でGT500車両全車がピットインを終えるとトップは17号車NSXで、1.2秒後方に100号車NSX、その2.2秒後方に24号車Zという位置関係に。すると44周目に100号車NSXのペースが落ち、24号車Zとの距離が一気に縮まった。さらに51周目にこのレース2回目のフルコースイエロー(FCY)が導入されたが、100号車NSXは制限速度80km/hより遅く走行するGT300車両に引っかかり、FCYが解除されるとトップの17号車NSXと100号車NSXの差は8.6秒まで広がっていた。
ここからは3番手の24号車Zの平手選手が100号車NSXの山本選手に何度も勝負を挑むが、百戦錬磨の山本選手も隙を与えない走りで2番手を死守。17号車NSXは65周でトップチェッカーとなり、今季3回目の表彰台を優勝で飾った。チームの優勝は昨年第2戦以来半年ぶり、塚越/松下組という新コンビでの優勝は初。2位は100号車NSXで、3位の24号車Zとは0.291秒の僅差だった。
14号車スープラの山下選手と12号車Zの平峰選手による4位争いは、終盤の63周目の3コーナーで平峰選手がコースオフして、さらに19号車スープラにかわされた。平峰選手は64周目のジェットコースターストレートを下ったコーナーで逆転を狙うが6位でゴールとなった。
この結果、ポイントリーダーは3号車Z、2.5点差で12号車Z、4点差で17号車NSX、そして他に100号車NSX、37号車KeePer TOM'S GR Supra(サッシャ・フェネストラズ/宮田莉朋組)、14号車スープラの3チームがタイトル争いに残った。
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GT300クラスはポールスタートで地元福岡・柳川出身である61号車BRZの井口選手を、52号車スープラの川合選手が序盤10周目の第2ヘアピンで抜きトップを奪った。そしてそこから井口選手を引き離して独走態勢に持ち込み、20周目には10秒以上の差をつけた。3番手は88号車ランボルギーニの元嶋選手、65号車メルセデスの篠原選手、56号車GT-Rの藤波選手、55号車NSXの武藤選手、4号車グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也組)の片岡選手の5台で争われる形となった。
19周でピットインをする車両が現れ始め、21周で65号車メルセデス、23周でトップの52号車スープラ、25周で61号車BRZ、26周で56号車GT-Rと55号車NSXがピットイン。すると52号車スープラ、61号車BRZ、65号車メルセデス、88号車ランボルギーニ、55号車NSX、56号車GT-Rと3番手以降が微妙に順位を変えていた。
40周で全車がピットインすると、52号車スープラの吉田選手がトップで、4.1秒差で61号車BRZの山内選手、さらにそこから9.3秒置いて65号車メルセデスの蒲生選手となった。47周目の第3セクター上りの区間で5台による4番手争いをしていた2号車GR86が電気系トラブルでコース脇にストップ。これでこのレース2回目のFCYとなった。
さらにFCYが解除された直後の51周目には、5番手を走行していた55号車NSXのタイヤがバーストしてピットイン。その後に上位陣の順位変動はなく、地元熊本出身である52号車スープラの吉田選手は、61号車BRZに10秒以上の差をつけて2年ぶりの優勝。3位は65号車メルセデスだった。
この結果、ポイントリーダーはこのレースで5位の56号車GT-Rで、2.5点差で昨年のチャンピオン61号車BRZ、6点差で10号車TANAX GAINER GT-Rの大草りき選手となり、52号車スープラの川合選手、11号車GAINER TANAX GT-R(安田裕信/石川京侍組)、65号車メルセデスまでがタイトル争いに残ることになった。
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フォト/遠藤樹弥 レポート/皆越和也、JAFスポーツ編集部
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