群馬ラリーシリーズ最終戦は、圧巻のスピードを見せた庄司睦インプレッサが今季2勝目獲得!
2022年10月27日

幾多の名ラリーストを生んできた群馬ラリーシリーズの今季の最終戦が、10月8~9日の2日間、嬬恋村のターマックロードを舞台に開催された。
JMRC 関東ラリーカップ 群馬ラリーシリーズ第5戦
第68回チーム if 山岳ラリー
開催日:2022年10月8~9日
開催場所:群馬県嬬恋村
主催:if
4月の開幕戦から全5戦で開催予定だった2022年の群馬ラリーシリーズ。第2戦が中止となり、実質4戦となったシリーズは、10月8~9日に嬬恋村で開催された「チームif山岳ラリー」で最終戦を迎えた。群馬シリーズは、オートスポーツクラブチームイフ(if)が主催するこのラリーで、シリーズを締め括るのが恒例となっているが、ここ数年は災害やコロナ禍の影響を受け、実に4年ぶりの開催となった。中止がなければ、すでに70回を超える開催を誇っていたという伝統のラリーだ。
47台が参戦したラリーは、日曜の9時30分に嬬恋村の東海大学嬬恋高原研修センターをスタート。4.68kmのSajiki UPを3本、5.51kmのOmae-Suzaka UPを2本の計5本、SS総距離は24.7kmで競われた。どちらも群馬のラリーではお馴染みのコースだが、2車線で速度が乗るOmae-Suzakaは日陰が湿りがちで落ち葉も多く、場所によっては滑りやすい路面。
一方、1.5車線のSajiki UPは全線を通して路面はクリーン。UPとは言うものの、最後の約1kmは下りとなる。レッキが行われた土曜日は曇りだったものの、雨は降らず。明けて日曜は朝から今にも降り出しそうな厚い雲に覆われた。SS1Sajiki UPは頂上付近が霧に覆われ、選手たちの視界を奪ってしまった。



16台が参戦したクラス1。霧に覆われたSS1から飛び出したのが庄司睦/貴志祐介組。セカンドベストの原澤潤平/磯田卓組に4.5秒の差をつけて、幸先の良いスタートを切る。シリーズポイント的にはここで無理をしなくても絶対的に有利な原澤組は、終始抑え気味の走りで確実にチャンピオンを狙うようだ。
セクション2のOmae-Suzakaでは遂に雨が降り出し、Sajiki UPの霧はさらに濃くなって、選手達からは、「まるで雲の中のよう」との声も上がるほどのコンディションとなる。そんな悪条件の中でも、庄司組の快進撃は続き、終わってみれば、全ステージでベストを獲得して優勝。「どちらのステージも以前ラリーで走ったので、その時のインカービデオで予習してきました」と、庄司選手は勝因を明かした。
ダントツの速さを見せた庄司組に唯一、SS3で0.7秒差で喰らいついた濱井義郎/本橋貴司組が2位。「チャンピオンを確実に取るために、始めから完走ペースで走りました」という原澤組が3位でゴールし、2022年のクラス1チャンピオンを決めた。「開幕戦のネコステと次のあさま隠で2位。プレステージでは優勝できたので、これはもう狙うしかないと決めました」という原澤選手だが、完走ペースとはいえ、霧や雨など悪条件の中で、しっかり走り切ってのチャンピオン獲得は見事と言えるだろう。






前戦のプレステージラリーを終えて3ポイント差で迎えた、ランキングトップの踏みッパ/もそ組と2位の山田一雄/白水順一組のバトルが注目を集めたクラス2。山田選手は正コ・ドライバーが都合で参戦できなかったため、急遽、白水選手とのコンビでの出場となった。
SS1で踏みッパ組に7.1秒の差をつけた山田組は、続くSS2でも7.6秒のリードを築いてスタートダッシュを決める。踏みッパ組がチャンピオンを決めるには、山田組よりも上の順位でのフィニッシュが必須条件。しかし、SS1での出遅れとペナルティ10秒が響き、結果は3位にとどまった。一方の山田組は、SS2とSS4では森岡大次郎/伊藤克己組にベストを譲るも、終始安定したペースを見せて1位でフィニッシュし、優勝で逆転チャンピオンを決めた。
「ラリーは事前の準備が大事ですよね。今回で言えば、雨と霧が予想されたので、それに備えた補助灯やタイヤ選択に加えて、クルマのセッティングも、もちろんポイントでした。悪条件を想定して準備したことが当たって、結果に繋がったと思います」と山田選手。ベスト2本と健闘した森岡組は2位でフィニッシュした。






クラス3ランキングトップの田辺鉱一/八巻慎太郎組を15ポイント差で追う藤田勝正/長田直士組。藤田組はここで勝つしかチャンピオンへの道はなく、SS1から速さを見せる。田辺組も決して悪くはない3分26秒1でゴールしたのに対して、藤田組は3分21秒3をマーク。藤田組は続くSS2でも田辺組に5.1秒差をつけ、逆転タイトルへ望みを繋げる。
リグループを挟んだ後のセクション2の1本目、霧が濃くなり始めたSS3 Sajiki UPでドラマが起こる。ハイペースで攻め続けた藤田組が痛恨のスピン。コースには戻れたものの、大幅にタイムを落としてしまう。「チャンピオンを狙って限界ギリギリで走っていたら、限界を超えてしまいました」と藤田選手は悔しそう。結果的にはミスとなったとは言え、逆転タイトルに賭けた彼らのかなり攻めた走りは、見ていても気持ちの良いものだった。
一方の田辺組は、フィニッシュ後は、「敢えて他の選手達のタイムは聞かないようにしていました。なので、チャンピオンになれたかどうかは、まだ分かりません」と語り、正式結果の発表を心待ちにしている様子だったが、結果は優勝で、見事にチャンピオンを決めた。「12年かかって、やっとチャンピオンになれました。非力なクルマなのでOmae-Suzakaの上りがキツかったけど、勝ててよかった」と田辺選手は満面の笑み。今や少数派となったストーリアの田井勇次/山川雅英組が2位に入り、藤田組は3位に終わった。
6台が参戦したチャレンジクラスは全ステージでベストタイムを出した山崎桑夫・米田隆弘組が優勝した。









フォト&レポート/山本佳吾
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