今季6戦目を迎えたSUGO チャンピオンカップは、各クラスでバトルが白熱!
2022年10月28日
SUGO チャンピオンカップレースシリーズは10月8~9日の二日間、シリーズ第6戦が行われた。
2022 SUGO チャンピオンカップレースシリーズ第6戦
開催日:2022年10月8~9日
開催場所:スポーツランドSUGO(宮城県村田町)
主催:(株)菅生、SSC
年間7戦開催されている2022 SUGO チャンピオンカップレースシリーズ。今回行われた第6戦では5つのカテゴリーの競技が開催された。大会前日から急激に冷え込み、前夜や大会期間中の雨など急激なコンディション変化が訪れ、アジャストするのが難しい状況下でのレースウィークとなった。
JAFフォーミュラ4選手権第9戦
年間12戦で争われているJAF-F4選手権は、10月9日にスポーツランドSUGOで第9戦決勝が行われた。有効ポイントは10戦となっているが、現代のフォーミュラカテゴリーでは珍しいマルチメイクで争われていて、総合力が試されるカテゴリーとなっている。
また、現状、ひとつのシャシーの一強となっておらず、シャシー競争も混戦となっている点も興味深い。事実、年間ランキングを争っている首位の佐々木孝太選手はF108、ランキング2位の佐藤樹選手はKK-ZSという異なるマシンを駆っている。今回の第9戦には通常のクラスに9台、ジェントルマンクラスに3台の合計12台がエントリーした。
JAF-F4選手権の前に行われたN-ONEオーナーズカップで赤旗中断があったため、予選は当初の予定よりも6分遅い10時11分から15分間で行われた。予選トップタイムは1分23秒045を記録した佐藤樹選手。「そんなに悪くはなかったですが、イエローフラッグ等があって、まとめ切れた周回はなかったですね。クリアラップが取れれば確実に22秒台には入れることができたと思います」と佐藤選手。
決勝は14時20分からフォーメーションラップが開始。15周で争われた。直前に行われたN-ONEオーナーズカップでは途中雨が降り、再び止むという難しいコンディションとなり、JAF-F4選手権の各マシンはウェットタイヤでコースインする車両が多く見られたが、各車、グリッド上でスリックへと履き替える状況となった。
2位スタートのハンマー伊澤選手が抜群のスタートを決め、1コーナーでトップに立つ。2周目に入る頃にはハンマー伊澤選手、佐藤選手、佐々木孝太選手というオーダーでトップ争いが展開するが、4周目の1コーナーでスリップから抜け出した佐藤選手が伊澤選手をオーバーテイクし、トップを奪還。以降、2位以下を引き離し始める。
5周目の1コーナーで、佐々木選手が伊澤選手をオーバーテイクし2位へ浮上。シリーズチャンピオン争いをしている佐藤選手を逃がすまいとペースを上げて追いかける。しかし、レース中盤からは佐藤選手が差を広げ始め、最終的に10秒の差をつけてトップでチェッカーを受けた。
「スタートで順位を落としてしまいましたが、一旦冷静になって抜き返すことができて良かったです。チャンピオン争いに向けて、ここから全勝してシリーズを獲りたいと思います」と、佐藤選手は意欲を見せていた。
ジェントルマンクラスでは河野靖喜選手がクラストップでチェッカーを受け、「本当はスリックタイヤで行きたかったのですが、チームの諸事情によりウェットタイヤでスタートしました。スリックだったら、オーバーオールでもより良い結果となったと思います」と振り返った。
ロードスター・パーティレースIII 北日本シリーズ第3戦
今年で20周年を迎えたロードスターパーティレース。北日本シリーズはスポーツランドSUGOにおいて年間4戦で争われていて、10月8日に第3戦が行われた。シリーズポイントがかかるNDシリーズには11台、ポイントのかからないNDクラブマンクラスには4台が参戦した。
NDシリーズの予選でポールポジションを獲得したのは箕輪卓也選手で、セッション終盤にチェッカーを受けると同時に1分46秒634のタイムを記録した。箕輪選手はこれで北日本シリーズ2戦連続のPPだ。「金曜日にスケジュールの都合で練習できなかったのですが、SUGOは好きなコースなので自信を持って走れました。また、セッション終盤にピットインして内圧を下げて、スリップを使うのにも良い位置でコースインできたのがポールに繋がりました」と箕輪選手。
NDクラブマンでPPを獲得したのは松原泰世選手でタイムは1分48秒575を記録した。「最後に自分の走りをまとめられて、何とかクラストップを取れました。今回は初のSUGOだったので、序盤はミスも多く苦戦しましたが、終盤で一度ピットに入って、内圧調整をして落ち着いてコースインしてからは、イメージをまとめ上げることができました」と松原選手。
決勝は15時05分から9周で争われた。オープニングラップの1コーナーでは、2位スタートの菊池仁選手が、Ppの箕輪選手をオーバーテイクし、トップへ浮上。そのまま菊池選手と箕輪選手が3位以下を引き離す展開となる。
トップ2台はその後も数周に渡って接近戦を展開。時折、箕輪選手が顔を覗かせるシーンもあったが、菊池選手の巧みなライン取りにより、抜き切るまでには至らない。勝負が動いたのは8周目。バックストレートのスリップから抜け出した箕輪選手がインのポジションを取り、馬の背コーナーでトップを取り返した。ファイナルラップの1コーナーで2台が並ぶシーンがあったものの、箕輪選手が防ぎ切り、2戦連続のポールトゥウィンを達成した。
「予想外にスタートを失敗してしまって、最初は焦ってしまいましたが、レースしながら自分の方が速い部分を見極めて、馬の背の進入にチャンスがあると思ったので、そこで勝負するように組み立ててオーバーテイクしました。うまく決まって良かったです。トップを奪還後も危ないシーンもありましたが、死守できて良かったです。今後もシリーズチャンピオンに向けて頑張っていきます」と、箕輪選手はチャンピオンを見据えていた。
クラブマンクラスはクラスPPからスタートした松原選手がトップチェッカー。「1台後ろにNDクラスの車両を挟んでいたので、トップのポジションを守れると思ってましたが、前に突っかかってしまって行き場がなくなり、ポジションを落としてしまいました。でもチャンスを伺いつつ走ったら抜き返すことができたので良かったです」と、松原選手はレースを振り返った。
TOYOTA GAZOO Racing Yaris Cup 2022 東日本シリーズ 第2戦
TOYOTA GAZOO Racing Yaris Cup東日本シリーズの2022シリーズは十勝スピードウェイ、富士スピードウェイそして今回のスポーツランドSUGOの3つのサーキットで行われている。今回の大会は第2戦となっているが、これはシーズン序盤に大会の延期等があったためで、実質的にはシリーズ5戦目となるバトルが展開された。
参加台数は41台で、その内、CVT車両で争われるCVTクラスには5台が参加した。予選はA組とB組の2組に分けられ、1位タイムが速い組のトップをポールポジションとし、そこから交互に組が振り分けられる形となった。
総合でポールポジションを獲得したのはA組大森和也選手でタイムは1分48秒895をマーク。「昨日の雨が路面に残っていると思いましたが、コースインしてみると思っていた以上に乾いていたので、早めにタイムを出そうと思いました」と、大森選手。
CVTクラスでは今井孝選手が1分50秒617でクラストップタイムを記録。「前回のラウンドで課題を見つけたので、チームと相談してクルマのセッティングを変更して、走り方もそれにアジャストしたのが良かったです」と、今井選手は予選の走りを振り返った。
決勝レースでは、PPスタートの大森選手がオープニングラップを制したが、2周目の1コーナーでスリップから抜け出した島拓海選手が大森選手をオーバーテイクし、トップへ浮上する。2周目以降は島選手が引き離す展開となり、大森選手は3位を走る松原亮二選手に接近される展開となった。
しかし上位争いを展開していた大森選手だったが、ジャンプスタート判定が下され、ドライブスルーペナルティでトップ争いから離脱する。これにより島選手は2位以下との差をさらに広げ、最終的に2位に1.7秒の差をつけてトップでチェッカーを受けた。2位に松原選手、3位に渡辺圭介選手が続いた。
「ずっと大森選手に負けていたので、ようやく勝てて嬉しい!まずはその一言ですね。1周目で勝負するしかないと思っていたのですが、大森選手もスタートが上手くて思った通りには行きませんでした。諦めずに後ろに付けて、バックストレートから馬の背の進入でチャンスが見えたので、思い切って飛び込んだら、抜けたので良かったです」と、島選手は優勝の喜びを噛みしめていた。
CVTクラスは予選クラス1位だった今井選手が、決勝でもトップでチェッカー。「全体的にクルマのセッティングを変えたのが、いい方向に向きましたね。チームとメカニックに感謝です」とレースを振り返った。なお今回のレースは、大きなトラブルやアクシデントはなく、決勝に出走した40台全車がチェッカーを受けた。
N-ONE OWNER'S CUP Rd.13
年間16戦、全国8つのサーキットで争われているN-ONEオーナーズカップ。スポーツランドSUGOでは10月9日にRd.13が行われた。参加台数は44台だ。チャンピオンシップは上位3大会の有効ポイントと11月末に鈴鹿サーキットで行われるファイナル戦を合算した有効ポイント制となっている。完走した車両や罰則がない車両にもポイントが与えられるという、参加者にとってはフレンドリーなポイントシステムになっているのが特徴だ。
予選は、横転車両が出たため、一旦、赤旗中断となったが、そんな中、PPを獲得したのは吹谷禎一郎選手で、コースレコードを更新する好タイムをマークした。「初めてのN-ONEオーナーズカップということで戸惑いもありましたが、チームのサポートがあって上手く予選を走りきることができました。タイムを出せた周回はミスなくまとめられて、スリップの恩恵も受けることができました」と言う吹谷選手は、普段はヤリスカップを中心に活動している選手だが、その実力をいきなりN-ONEオーナーズカップでも発揮した形だ。
決勝はフォーメーションラップ開始とともに雨が降り出す中、始まり、3位スタートの岡村英莉選手が1コーナーを制するが、その後は混戦に巻き込まれてしまい、大きく順位を落としてしまう。オープニングラップを制したのは2位スタートの高橋智紀選手で、2位には吹谷選手が僅差で続いた。
レースは、この2台が後続を引き離し始めた2周目後半から雨脚が強くなり、ウェット路面へと移り変わるが、レース後半では雨が止み始め、路面状況は刻々と変わっていく。白熱したのは3位争いで、阿久津敏寿選手、畠山淳也選手、立花太選手の3台が接近戦を展開。しかし阿久津選手がミスで後退し、畠山選手が徐々に立花選手を引き離す展開となった。
トップ争いは2位の吹谷選手が0.5~0.6秒の間隔で高橋選手を追うが、オーバーテイクするまでには至らない。ファイナルラップの最終コーナーで吹谷選手がスリップに入ったが、高橋選手がポジションを守り切り、トップでチェッカー。その差は僅か0.176秒差だった。「スタート直後に雨が降ってきて、刻々と路面状況が変わる状況だったので、ミスしないで生き残るように、と自分に言い聞かせて走りました」と高橋選手は、接戦を振り返った。
2022 PCJ-CUP Rd.5
PCJ-CUP予選で総合トップタイムを記録したのはS1クラスのMUSASHI選手で、タイムは1分27秒999をマークした。「久しぶりにSUGOを走るので、まだ掴み切れていない部分が多い。もっとタイムを刻まなきゃいけない。目標としては1分26秒台には入れたい」と、MUSASHI選手は、まだまだ満足し切れていない様子だった。
決勝は12周で争われた。予選で2番手タイムを記録していたS1クラスの大塚直彦選手は、予選時のピットレーンホワイトラインカット違反により、最後尾スタートとなった。PPのMUSASHI選手はスタートできず、オフィシャルとメカニックの手助けによって何とか再スタートできたものの、最後尾まで大きく順位を落としてしまう。
これによりトップに立ったのはS2クラスの吉田雄作選手。以降吉田選手が後続を引き離しにかかるが、やがて最後尾スタートから追い上げてきた大塚選手にオーバーテイクされてしまい、先行を許す形となった。
一方、スタートで大きくロスしたMUSASHI選手だったが、ずば抜けて速いペースで周回し、3位までポジションを回復。ファイナルラップの最終コーナー立ち上がりで吉田選手をオーバーテイクし、総合2位までポジションを上げた。
最終的にはS1クラスの大塚選手がオーバーオールでトップチェッカーを受けることに。「このタイムで勝ってしまって申し訳ない。次回はもっと練習して良いタイムを出せるようにしたいですね」と、大塚選手はコメントした。
S2クラスでは吉田選手が優勝。「急遽クラス変更をしたが、クルマが良くできていたので楽しんで走ることができた。SUGOは好きなコースなのも、自信を持って走れた要因ですね」と、吉田選手はレースを満喫した様子だった。
フォト/石原康 レポート/西川昇吾
2022年JAF菅生サーキットトライアル選手権第3戦
開催日:2022年10月8~9日
開催場所:スポーツランドSUGO(宮城県村田町)
主催:(株)菅生、SSC
公道走行可能な車両でタイムを競うJAFサーキットトライアル選手権。10月9日に行われたJAF菅生サーキットトライアル選手権第3戦には24台が参戦した。
午前中に行われたヒート1でオーバーオールのトップとなるタイム1分33秒499をマークしたのは芦名英樹選手。このセッションで目立ったのはCT6クラスの上原和音選手で、1分43秒289をマークし、このクラスでのコースレコードを更新した。
午後のヒート2では、スタートしてから約3分後に沼田太郎選手が1コーナーでオーバーランしてしまい、グラベルにストップ。これにより車両回収が必要となり赤旗中断に。残り時間12分5秒で再開されたが、ヒート2ではタイムを更新する車両はあまり見られず、そのままチェッカーとなった。
フォト/石原康 レポート/西川昇吾