東日本ラリー最終戦は、渡部貴志インプレッサが逆転で優勝を飾る!
2022年11月9日
東日本ラリー伝統の一戦、「第41回八子ヶ峰ラリー 2022」が、10月22~23日、シリーズ最終戦として開催された。
JAF東日本ラリー選手権 第6戦
2022 TRD RALLY CUP by JBL Rd5
2022年 JMRC関東ラリーカップ 第10戦
長野県ラリーシリーズ 第5戦
第41回八子ヶ峰ラリー 2022
開催日:2022年10月22~23日
開催場所:長野県内
主催: TR-8
JAF東日本ラリー選手権の最終戦となる第6戦は、10月22~23日に長野県茅野市にある八子ヶ峰ホテルをスタート&ゴールとする計10本、約40kmのSSで争われた。東日本ラリー選手権には25台、併催の長野県ラリーシリーズには17台、TRDラリーカップに3台がエントリー。チャレンジクラスと合わせて48台の車両がエントリーした。
今回のコースは、2019年の台風の影響を受けて使用できなくなっていた蓼科山の麓の林道が久しぶりに復活。かつてこのラリーのメインステージとも言える林道だっただけに、復活を待ち望んでいた選手も少なからず、いたようだ。
その林道をまずセクション1では下りで使用。1.7kmと6kmの2本のSSに分けて2回走行する。サービスを挟んだ後、セクション2は、上りで使用し、4.56kmと3.75kmの2本のSSを3回連続で走行するという設定が用意されていた。
路面には落ち葉もほとんど無く、絶好のドライコンディションとなり、走り応えのあるラリーとなった。また、SS1が午後12時過ぎにスタートとあって、このSSでは初めてとなるディライトでの走行となった。さすがに上りの2ループ目となるSS7は17時のスタートとあって、ここからはナイトステージとなったが、ペースノートの出来が勝敗を左右するアイテナリーとなっていた。
東日本ラリー選手権のBC-1クラスは、下りのセクション1を終えて、シリーズ2番手の渡辺謙太郎/伊藤克己組と、シリーズ4番手の嶋村徳之/和気崇暁組が、全くの同タイムで並んだ。3番手の渡部貴志/立久井和子組はトップ2台を10秒差で追いかける展開となった。
その渡部組はセクション2に入ると、SS5、6とベストタイムを出して2台を脅かすが、嶋村組もSS8でベストタイムをマーク。2番手の渡辺組に17秒の差をつけ、逃げ切れるマージンを築いたかに見えた。
しかし嶋村組は、続くSS9で駆動系のトラブルから、まさかのリタイヤ。ここをベストタイムで走った村里尚太郎/御纏喜美子組が、渡辺組を0.4秒かわして一気にトップに立った。村里組と3番手の渡部組との差は僅か1.1秒。超接近戦となった三つ巴の勝負は最終SSへもつれ込んだ。
結果は、渡部組が渡辺組より1.5秒速いベストタイムで上がって逆転優勝。その差は僅か0.8秒で、渡辺組は2位にとどまった。村里組は渡部組から2.5秒差の3位でラリーを終えた。優勝した渡部貴志選手は、「SS1は久しぶりのラリーだったのでうまく走れず、5秒負けでスタートしました。でもラリーは終わるまで何が起こるか分からないですからね。嶋村選手がリタイヤしているのを見て、チャンスだと思ったので、行けるだけ行ってみよう、と攻めたら、うまくいきました。久しぶりの優勝で嬉しいです」と逆転優勝を喜んだ。
2位の渡辺謙太郎選手は、「下りのタイムが良すぎたので、上りも行けると勘違いしてしまいました。いつもなら前後のタイヤをサービスで入れ換えるのに、今日はSS9の前にやっとタイヤを入れ換えたんですよ。2位が取れたのはそのお陰だとは思うんですが…」と、逆転でシリーズチャンピオンは確定した一方で、複雑な表情を見せていた。
BC-2クラスのセクション1を制したのは若井貴之/坂本和久組で、2番手の踏みッパ/もそ組に11秒の差をつけた。しかし上りのセクション2で気を吐いたのが森岡大次郎/大高徹也組。4連続ベストタイムを出して、SS8を終えた段階で若井組に0.7秒差のトップに浮上する。
森岡組は、続くSS9でもベストタイムを出してリードを拡大。最後は逃げ切りでの優勝を果たした。最終のSS10でベストタイムを出した踏みッパ組が、若井組を逆転して2位に入賞した。優勝した森岡選手は、「下りはボロボロでしたね。上りは得意なので何とかまくることができました。3.4年振りかな。久しぶりの優勝なので嬉しいです」と喜んでいた。
BC-3クラスは、すでにチャンピオンを確定している細谷裕一/蔭山恵組が、セクション1で、2番手の田井勇次/山川雅英組に3秒差のトップで折り返すが、セクション2は田井組が6本のSSすべてを制して逆転優勝を飾った。
田井選手は「“今日勝たなきゃ、いつ勝つの?”というぐらいの路面だったので、前半の下りを喰らいついて行けたのが良かった。上りでヴィッツに負けたら、ダメでしょう。2018年からこのラリーに出てますが、4位とかで上位になれなかったので、久しぶりの金メダルは嬉しいです」と満面の笑みだった。
BC-4クラスは室田仁/鎌田雅樹組が2ペダル対決を制して優勝。「楽しく走らせてもらいましたが、来年はこのクラスがなくなるという話もあるようなので、そうなると、最後に勝てたということになるというのは、ちょっと悲しいですね」と、ラリーを振り返った。
長野県ラリーシリーズの1クラスは、9本のSSを制した宮崎克己/石澤裕子組が優勝。「このラリーは3連覇です。昨年までのラリータイヤから、今年は舗装用タイヤにして、夏にはそのタイヤに合わせた足のセッティングに換えておいたのが良かったと思います。ただ、優勝は嬉しいのですが、嶋村選手や東日本の選手と勝負したかったので、タイムでかなり負けているのは悔しいです」と宮崎選手は複雑な心境を語ってくれた。
2クラスは、セクション1でトップだった佐川孝/ツネタロウ組を逆転した三富仁/松野昭二組が優勝。「下りが全然ダメでしたが、上りは集中して走れるようになり、逆転できました。SS7以降は真っ暗でしたが、うまく走れることができました。昔を思い出させてくれるナイトラリーで楽しかったです」と振り返った。
3クラスは、セクション1で総合でも7番手のタイムを出した金岡基成/毛利太哉組が逃げ切って優勝。「19歳でモータースポーツを始めてしばらくは鳴かず飛ばずの成績でしたが、今回が初優勝です。得意の下りでマージンをつけられたのが良かったです」と喜んでいた。また CH-2クラスはMR-Sを駆る川崎俊輔/平野聡組が優勝。「ここは何回も走っていますが、こんな良い状態の林道を走れて、そして勝てて良かったです」と喜んでいた。
2022 TRD RALLY CUP by JBL Rd5
小出辰彦ヴィッツがシリーズ終盤で2連勝達成!
2022 TRD RALLY CUP by JBLも今回の一戦でシリーズ最終戦を迎えた。今年のシリーズは全5戦が組まれていたが、第3戦がコロナ禍の影響を受けて中止となったため、実質的には計4戦のシリーズとして行われた。
CUP-1クラスは、8本のSSを制した小出辰彦/松本芳幸組が優勝。「楽しいラリーでした。勝てるとは思っていなかったのですが、走り切ることができたら優勝でした。凄く良い道でハイスピードの下りは少し怖かったですが、途中からは“気持ちいい!”と思いながら走れるようになりました(笑)。これが今回の一番の成果かな」と小出選手は喜んでいた。CUP-2クラスは、開幕戦以来の参戦となったHARU/山下秀組が優勝を飾った。
フォト/佐久間健、山口貴利 レポート/山口貴利
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