スーパーフォーミュラ第9戦は笹原右京選手が今季2勝目獲得。2位フィニッシュの野尻智紀選手が、最終戦を残してV2を確定!

レポート レース

2022年11月15日

鈴鹿サーキットで「第21回JAF鈴鹿グランプリ」として開催された全日本スーパーフォーミュラ選手権最終大会は、1大会2レース制。笹原右京選手(TEAM MUGEN)が優勝を飾り、シリーズ2位に大きなポイント差をつけて今大会に臨んだ野尻智紀選手(TEAM MUGEN)は2位でフィニッシュし、最終戦を残してシリーズタイトル獲得を確定。2007・08年の松田次生選手以来となる国内トップフォーミュラ2連覇という偉業を成し遂げた。

第21回JAF鈴鹿グランプリ
2022年JAF全日本スーパーフォーミュラ選手権第9戦

開催日:2022年10月29日
開催地:鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)
主催:NRC、SMSC、株式会社モビリティランド

 野尻選手、サッシャ・フェネストラズ選手(KONDO RACING)、平川亮選手(carenex TEAM IMPUL)のランキング上位3名がタイトル獲得の権利をもって挑んだ最終大会。29日(土)には、その1戦目となるシーズン第9戦が開催された。

 秋晴れの中で始まった公式予選は、野尻選手が今季5度目のポールポジションを獲得。前日のフリープラクティスではまさかの16番手に沈んだが、一夜で見事にリカバリーして見せた。2番手には宮田莉朋選手(Kuo VANTELIN TEAM TOM'S)、3番手には大湯都史樹選手(TCS NAKAJIMA RACING)が入ったが、平川選手は11番手、フェネストラズは17番手にとどまり、野尻選手がタイトル獲得に一歩前進した。

10月29日午前中に行われた予選では、野尻智紀選手が今季5度目となるポールポジションを獲得した。

 迎えた決勝レースは、抜群のスタートダッシュを切った野尻選手に対して宮田選手が出遅れ、大湯選手と4番手スタートの笹原右京選手(TEAM MUGEN)がそれぞれ1つずつポジションアップし、野尻選手を追いかける展開で始まった。笹原選手は4周目のホームストレートで大湯選手を抜き去り、TEAM MUGENは序盤に1-2体制を築く。

 ピットウィンドウが開いたところで先に笹原選手がタイヤ交換に向かい、翌周に野尻選手がピットへ。どちらも大きなミスのないタイヤ交換作業でコースへ復帰。野尻選手は笹原選手の前でコースに戻ったが、すでにタイヤに熱の入っていた笹原選手がヘアピンコーナーの侵入で野尻選手をオーバーテイク。タイヤ交換を済ませた組の中でトップに浮上した。

 2台は後半スティントも好調なペースを維持し、ほかのマシンがタイヤ交換へ入るたびに1つずつポジションを上げていく。ピットインを遅らせる作戦をとり、暫定トップで周回する宮田選手が3番手に入るかと思われたが、タイヤ交換でミスがありタイムロス。結局6番手でのコース復帰となった。

 これで実質の3番手に上がったのは大湯選手だったが、5番手を走行していた佐藤蓮選手(TEAM GOH)がレース終盤に怒涛の追い上げを見せる。27周目で4番手の関口雄飛選手(carenex TEAM IMPUL)を攻略すると、残り2周となったところで大湯選手にも襲い掛かり、ホームストレートで前に出ることに成功。3番手に浮上した。

 後方では熱いバトルが繰り広げられていたが、トップ2台は安定したラップタイムで周回。笹原選手がトップチェッカーを受けて今季2勝目を飾った。野尻選手は2位でフィニッシュし、フェネストラズ選手がノーポイント、平川選手も大量ポイントを獲得できなかったことから、翌日の第10戦を残してシリーズチャンピオンを決めて見せた。3位でゴールした佐藤選手は今季初表彰台獲得となり、三宅淳嗣選手(TEAM GOH)とのルーキー・オブ・ザ・イヤー争いで一歩リードすることとなった。

決勝ではTEAM MUGENが1-2フィニッシュ。先にタイヤ交換を済ませた笹原右京選手が、チームメイトの野尻智紀選手のアウトラップのタイミングで逆転し、そのまま逃げ切った。
野尻選手は2位でゴールするも、2年連続のチャンピオンを最終戦を待たずに確定した。
TEAM MUGENの人々が、V2を確定した野尻選手を歓喜の表情で迎えた。
ルーキーの佐藤蓮選手が、9番手スタートから3位入賞を果たした。
第9戦表彰。左から2位野尻選手、優勝笹原選手とTEAM MUGENの田中洋克監督、3位の佐藤選手。

フォト/石原康、吉見幸夫 レポート/浅見理美

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