第5戦は野尻智紀選手が今季2勝目をマーク、第6戦ではロニー・クインタレッリ選手が6年ぶりに勝利を飾る

レポート レース

2022年11月18日

2022 インタープロトシリーズ POWERED BY KeePer 第3大会が、11月12~13日に富士スピードウェイで開催。第5戦は野尻智紀選手(J POINT)がポール・トゥ・ウィンを果たし、ウェットコンディションとなった第6戦はロニー・クインタレッリ選手(ララパルーザ)が、実に6年ぶりとなる勝利を飾った。

2022 インタープロトシリーズ POWERD BY KeePer 第3大会
(2022 富士チャンピオンレースシリーズ第6戦内)

開催日:2022年11月12~13日
開催地:富士スピードウェイ(静岡県小山町)
主催:富士スピードウェイ株式会社、FISCO-C、NDC-TOKYO

 第2大会から約3週間のインターバルで開催された第3大会では、インタープロトクラスは11台がエントリー。第2大会で初参戦した表参道メディカルクリニックが2台体制となり、新たに加わった27号車のプロクラスには、現在スーパーGTとスーパーフォーミュラで活躍するジュリアーノ・アレジ選手が抜てきされた。

 22日に晴天のもとで行われた公式予選では、ベストポジションでタイムアタックをしようと、前回以上に激しい駆け引きが行われ、最終的にトップ7台が0.4秒以内にひしめく大接戦となったが、そこで1分44秒357を記録した野尻選手が、2019年第2大会以来となるポールポジションを獲得した。

 23日は一転して曇り空となり、非常に強い風が吹き荒れる中で、第5戦が9周で争われた。スタート直後のTGRコーナーではいきなり4台が横並びで進入し、後方ではスピンする車両も続出するなど、波乱の幕開けに。ポールポジションの野尻選手がトップを死守すると、2番手には第2大会を終えてランキング首位につける坪井翔選手(NETZ NOVEL MIE)が続き、そこに阪口晴南選手(INGING MOTORSPORT)、山下健太選手(NAVUL)が追いついての四つ巴のトップ争いとなった。

 終始、追われる展開となった野尻選手だが、一度もトップを譲ることなく9周を走り切り、今シーズン2勝目を挙げた。2位には坪井選手、3位には阪口選手が入った。

第5戦優勝は野尻智紀選手(J POINT)。「第1レースに関してはけっこう風も強く、ところどころでミスをしてしまうところもありましたが、なんとかトップを守りきれて良かったです。第1レースでのクルマの状況と、天候のことも加味して、第2レースの最初でタイヤを交換しました。あわよくば坪井選手も同じ作戦を採ってくれたらいいなと思ったのですが、彼はそのままコースに留まる選択をしたので、彼のほうが第2レースの順位が上になりました。そこは残念なところですけど、こればっかりは仕方ないかなと思います。雨の量など、もう少し展開が違っていれば……というタラレバはありますが、『こういうこともあるよな』と感じたレースでした」

 第5戦の到着順でグリッドに再整列し、第6戦のスタート準備に移っていくが、第5戦を6位で終えたクインタレッリ選手がピットインし、ウェットタイヤに交換。この時点で上空には黒い雲が接近してきており、今にも雨が降ってきそうな状況だったが、いち早くタイヤを交換するという決断を下した。

 第6戦のフォーメーションラップが始まるころには雨が降り始め、スタートを切る手前のところで、トップの野尻選手を始め数台がピットイン。坪井選手、山下選手、福住仁嶺選手(キーパー号)がスリックタイヤのままでレース続行を決断し、第6戦がスタートした。

 インターバルの間にタイヤ交換を済ませていたクインタレッリ選手のペースが圧倒的に良く、1周目でトップに浮上。そのまま後続を一気に引き離し、独走状態となる。最終的に2番手以下に対して40秒もの大差をつけ、2016年の第8戦(第4大会)以来、実に6年ぶりとなる優勝を飾った。2位にはスリックタイヤで粘った福住選手が入り、3位も同じく雨の中をスリックタイヤで走りきった坪井選手が入った。

 注目のポイントランキングでは、目まぐるしく変わる天候の中で、両レースとも上位フィニッシュを果たした坪井選手が、87ポイントに伸ばして首位をキープ。第5戦を制した野尻選手が68ポイントで2番手に上がり、阪口選手が65ポイントで3番手となっている。なお、12月11~12 日に行われる最終第4大会は、獲得できるポイントが1.5倍となる。

第6戦優勝はロニー・クインタレッリ選手(ララパルーザ)。
「タイヤ交換のタイミングは完全に僕の判断でした。朝から天気予報も細かくチェックしていましたし、だいたい富士スピードウェイではBコーナー(ダンロップコーナー)あたりから雨が来るので、上空の雨雲を見て判断しました。結果的に、それがうまくいって良かったです。インタープロトで勝つのは本当に久しぶりなので、とてもうれしいです。最終大会はポイントも1.5倍で逆転のチャンスはあるし、この勝利でチームのモチベーションも上がると思うので、またしっかりと準備していきたいです。昨年亡くなられた東名スポーツの中野社長にも、やっと良い報告ができます」
2位は福住仁嶺選手、3位は坪井翔選手。

 SUPRA GT4クラスとCCS-Rクラスは2レースとも接戦の展開となったが、SUPRA GT4クラスでは片岡龍也選手(NTP SUPRA)が2連勝を飾り、CCS-Rクラスは、堤優威選手(P.MU RACING CCS-R)が2大会連続で2連勝を飾った。

フォト/株式会社インタープロトモータースポーツ レポート/株式会社インタープロトモータースポーツ、JAFスポーツ編集部

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