2022年シリーズチャンピオンは横井昌志選手、単走シリーズチャンピオンは川畑真人選手に確定!

レポート ドリフト

2022年11月25日

エビスサーキット西コースを舞台に、新たに設けられたバンクをメインコーナーとしてドリフトが展開されたD1グランプリシリーズ第8戦/第9戦。チャンピオン争いも佳境を迎え、末永正雄選手が第8戦で5年ぶりの追走優勝を果たす中、2022年シリーズチャンピオンを確定させたのは横井昌志選手だった。

2022 D1グランプリシリーズ 第8戦/第9戦「2022 EBISU DRIFT」
開催日:2022年11月12~13日
開催地:エビスサーキットバンクコース(福島県二本松市)
主催:株式会社サンプロス

 D1グランプリシリーズ最終戦となる今大会は、第4戦/第5戦と同じエビスサーキット西コースが舞台となった。しかし、使用されたコースは前回とはまるで違い、福島県沖地震で崩壊した部分を整地し直した、バンクコーナーをメインとするレイアウトでの開催となった。

 参加台数は27台。公式イベント初使用となるコースをいかに攻略するか? そしてシリーズチャンピオンはこの時点ではまだ決定しておらず、横井昌志選手(D-MAX RACING TEAM)、川畑真人選手(TEAM TOYO TIRES DRIFT)、中村直樹選手(TMAR×TEAM紫)の3名が可能性を持った状態でのエビスラウンド開幕となった。

西コースに新設されたバンクコーナーを、脱出側から進入側に臨む。勾配は約10度で、最上部のエスケープゾーンはほとんどない。
スタート地点は裏ストレート中間。わずかな登り勾配を右に進入し、左に振り返しながらさらに勾配が強まるバンクに突入する。進入時の速度はほとんどが130km/h台から140km/h台。齋藤太吾選手のみが150km/h台をマークしていた。

 第4セクターのバンクの頂点に置かれた指定ゾーンNo.2を通過するには、その前の第3セクターの指定ゾーンNo.1をどう通過するかが攻略のカギとなっていた単走予選。コースアウトを恐れてスピードを調整しつつ、V字にゾーンを通過する選手が多かった。

 そんな中、齋藤太吾選手(TMAR)は他を圧倒する進入スピードをキープして、バンク最上段をアクセル全開のまま踏み切って高得点を叩き出した。なお、98点台をマークしたのは齋藤選手と横井選手の2名だけ。予選通過のボーダーラインは94.7点。今シーズン最難関コースだったと言えよう。

前戦からマシンのポテンシャルが格段にアップしているように見える齋藤選手。第8戦で久々の単走優勝を果たした。
「バンクをもっとアクセル全開で通過して、迫力を出せたらなぁと思いましたけど……、このバンクはアメリカのオーバルコースを使ったそれとはまるで違うので、攻略が難しかったですね」と齋藤選手は語る。

 順位によってはチャンピオンが確定する可能性もあるため、トーナメントはランキングトップ3の勝敗に注目が集まった。そこで活躍したのは末永正雄選手(D-MAX RACING TEAM)だ。ベスト8でランキング2番手の川畑選手を倒し、ランキングトップのチームメイト横井選手をサポートする。

 しかしシリーズ3番手の中村選手が横井選手を倒し、今戦でのチャンピオン確定を防御した。だが逆に末永選手が中村選手ベスト4で倒し、それ以上にポイントを詰めさせることを許さず。シリーズチャンピオン決定は翌日の最終戦に持ち越されることとなった。

 そして決勝戦まで勝ち上がった末永選手は、川畑選手のチームメイトである藤野秀之選手(TEAM TOYO TIRES DRIFT)を破って5年ぶりの追走優勝を遂げる。さらにD-MAX RACING TEAMの総獲得ポイントも上乗せした。また3位には単走優勝の齋藤選手が入った。

ほとんどのD1マシンが電子制御スロットルになった中、末永正雄選手のシルビアはいまだワイヤー式スロットル。サイドブレーキも後づけの油圧ではなく、純正のワイヤー式そのままだ。
末永選手は2017年の舞洲ラウンド以来の優勝で、これが自身10勝目となる。D-MAX RACING TEAMに加わって3年目の末永選手が乗るS14シルビアは、横井昌志選手が2018年にチャンピオンを獲得したマシンだ。
第8戦の優勝は末永選手、2位は藤野秀之選手、3位は齋藤選手、4位は中村直樹選手、5位は横井選手、6位は北岡裕輔選手、7位は下田紗弥加選手、8位は手塚強選手、9位は川畑真人選手、10位は蕎麦切広大選手。

 第9戦の単走は前日同様のコースレイアウトということで参加者の慣れもあり、平均得点は上がる傾向となり、98点台は4名がマークした。もっとも高得点を出したのは前回ラウンドで連続単走優勝した蕎麦切広大選手(SHIBATA RACING TEAM SHIBATIRE)だ。

 前日単走優勝を果たした齋藤選手は最高速度を上書きしたものの、得点は伸ばせず96点台となった。なお98.66点を叩き出して2番手に入った川畑選手は、これで単走シリーズチャンピオンが確定した。

単走優勝の蕎麦切広大選手は、終始コンクリートウォールへの距離が近く、いいイメージで単走を行っているように見えた。この結果で単走ランキングは昨年の9位をから7位に上昇。
「練習日から苦戦していて、今日も攻略できたとも思えず……、これがベストなパフォーマンスとは言えません」と反省しきりの蕎麦切選手。

 第9戦追走トーナメントは、最終戦までポイント差10で首位を追っていた川畑選手がベスト4で敗退。その時点でシリーズチャンピオンは横井選手に確定した。そして迎えた準決勝の1対戦目、横井選手vs中村選手で、後追いの中村選手がバンク頂点付近で横井選手に追突する。

 このとき飛散したパーツが観客席に飛び込み、負傷者が発生する(主催者発表では軽症とのこと)。この事態を申告に受け止め、「再度同様の事態が起きたときの施設面での改善がすぐには不可能」との判断により競技は中断。順位は規定通りに準決勝進出者の予選順で確定した。

1回戦で対戦したエヴァンゲリオンスープラを駆る、「俺だレーシング」の指名で復帰した手塚強選手を相手に、末永選手は前日とは違うアプローチでバンク攻略。
準決勝1対戦目の1本目までの結果で最終順位が決定する。優勝は連勝の末永選手、2位は横井選手、3位にシリーズ2位の川畑選手を倒したヴィトー博貴選手が初のメダルを獲得。
第9戦の優勝は末永選手、2位は横井選手、3位はヴィトー選手、4位は中村選手、5位は蕎麦切選手、6位は川畑選手、7位は齋藤選手、8位は北岡選手、9位は松山北斗選手、10位は目桑宏次郎選手。
シリーズチャンピオンはD-MAX RACING TEAMの横井選手に確定。自身4回目で通算勝利数は10。2015年には米国フォーミュラD第6戦で優勝のキャリアを持つ。
今年は一度も単走優勝がないものの、安定した成績で単走シリーズ優勝を獲得した川畑選手。第1戦、第7戦と2回の追走優勝で最後までシリーズチャンピオンを争い、総合ランキング2位。今シーズンからデビューしたGR86は最終戦まで大きく仕様を変えず、素性の良さを見せつけた。
今年のルーキーオブザイヤーを授与されたのは、大阪出身で現在32歳のヴィトー選手。2011年に全日本学生ドリフト選手権を制し、その後はD1ライツ2021年シリーズチャンピオンを獲得した経歴を持つ。
今年からD1グランプリにステップアップしたヴィトー選手は9戦中7戦も予選を通過する活躍を見せ、最終戦は自身最高位の3位を獲得。シリーズランキングは11位と大健闘。来季にも期待がかかる。
プロアマ問わずユーザーの多い4ドアのJZX100だが、D1グランプリでは年々減少している。その中でD1ライツ時代から一貫してJXZ100マークIIで参加し続けている北岡選手は、いまだ優勝こそないものの着実に結果を残してシリーズ5位。ちなみに昨年は単走シリーズチャンピオンを獲得している。

フォト/藤原伸一郎(SKILLD) レポート/川崎隆介(SKILLD)、JAFスポーツ編集部

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