エビスで開催のJAFカップジムカーナは、高瀬昌史ランサーがオーバーオールウィン!

レポート ジムカーナ JAFWIM

2022年11月24日

2022年のJAFカップオールジャパンジムカーナ/2022年JMRC全国オールスタージムカーナ が、11月5~6日に、福島県二本松市郊外のエビスサーキット西コースで開催された。

2022年JAFカップオールジャパンジムカーナ
2022年JMRC全国オールスタージムカーナ in 東北

開催日:2022年11月5~6日
開催場所:エビスサーキット 西コース(福島県二本松市)
主催:奥州VICIC、K.O.S

 全日本ジムカーナ選手権のシリーズ上位陣と、全国8地区で開催されているJAF地方選手権でシリーズ上位に入賞した選手が参加する今年の大会には、JAFカップ対象クラスの10クラスと併設された3クラスを含めて140台がエントリー。各クラスで0.1秒を競う熱戦が繰り広げられた。

 コースレイアウトは、前半セクションが2本のストレートをショートカットで繋いだ島回りを中心に、後半セクションは高低差のあるパイロンセクションで構成されている。前半セクションと後半セクションにそれぞれ180度と270度のパイロンターンが設けられているが、AT車両のJG10クラスは、パイロンターンをショートカットするレイアウトが設定された。

 天候は、朝の気温が5度近くまで冷え込んだものの、土曜日、日曜日とも空気が澄んで空が抜けるように青い、秋晴れ模様。午後の第2ヒートが始まる頃には路面温度も上がり、各クラスでベストタイム更新ラッシュが続出した。

今回のコース図。前半はショートカットを抜けるセクションが連続する。

 WOMENクラスは、第1ヒートは近畿の武田朋子選手が、関東のかつこ選手を0.135秒差に抑えてトップに立つ中、第2ヒートは、「第1ヒートの走りがあまりにも悪かったので、第2ヒートは自分らしく走って、良い思い出作りにしようと開き直って走りました」という、北海道のナツキ選手がベストタイムを更新する。

 タイム更新が期待された武田選手はパイロンタッチに終わり、かつこ選手もタイムアップは果たしたものの、ナツキ選手のタイムには0.252秒届かず、「自分でも信じられません」というナツキ選手がJAFカップ初優勝を果たした。

86/BRZの事実上のワンメイククラスとなったWomenクラスは、北海道のナツキ選手(シンシアAZUR★DL★BRZ)が優勝。
Womenクラス表彰。左から4位高橋史佳選手、2位かつこ選手、優勝ナツキ選手、3位武田朋子選手、5位河合豊美選手。

 JG10クラスは、全日本ではJG6クラスシリーズ5位の大橋政哉選手が、父の大橋政人選手とともにアルピーヌA110Sでエントリーし、第1ヒートで55秒台のベストタイムをマークする。この大橋選手を全日本3位の河本晃一選手と全日本4位の織田拓也選手が、55秒台のタイムで追いかける展開だ。

 第2ヒートは、河本選手が54秒台に突入するものの、痛恨のパイロンタッチで逆転ならず。安木美徳選手も第1ヒートの自己タイムを縮めてくるものの、大橋選手と河本選手がマークした第1ヒートのタイムには届かず。この時点で大橋選手の優勝が確定したが、その大橋選手が第2ヒートではさらにベストタイムを更新。両ヒートを制する走りで、初のJAFカップ優勝を獲得した。

JG10クラスは親子で参戦の大橋政哉選手(DLG-LFWA110S)が逆転優勝を飾った。
JG10クラス表彰。左から4位織田拓也選手、2位河本晃一選手、優勝大橋政哉選手、3位安木美徳選手、5位古谷知久選手。

 JG8クラスは、中部2位の小林伸人選手が第1ヒートのベストタイムをマーク。0.065秒差で全日本2位の箕輪雄介選手、その箕輪選手に0.02秒差で全日本5位の小野圭一選手、さらに0.102秒差で北海道2位の米澤匠選手、米澤選手から0.036秒差で関東の藤田怜士選手が続くという0.01秒を競う接戦が展開された。

 第2ヒートは、第1ヒートトップの小林選手がベストタイムを更新。このタイムを後続の選手がなかなか更新できない展開が続く中、クラスラストゼッケンの箕輪選手が、「第2ヒートはテールスライド量をうまくコントロールできました」と、小林選手のベストタイムを更新。箕輪選手にとっては10年ぶりとなるJAFカップ優勝を果たした。

JG8クラスは箕輪雄介選手(YHペトロナスE ロードスター)がラストゼッケンの貫禄を見せて逆転優勝。
JG8クラス表彰。左から4位米澤匠選手、2位小林伸人選手、優勝箕輪選手、3位小野圭一選手、5位藤田怜士選手、6位阪本芳司選手。

 JG7クラスは、第1ヒートで関東2位の岡野博史選手が、クラス唯一となる1分01秒台のベストタイムをマーク。第2ヒートは関東の大坪伸貴選手と井上良選手が1分1秒台に突入するものの、岡野選手がマークした第1ヒートのタイムには届かず。

 その岡野選手は、第2ヒートでクラス唯一となる1分00秒台のタイムをマークし、結果的には両ヒートを制する走りで優勝。1990年代から長きに渡って全日本で活躍してきた岡野選手だが、自身にとっては初となるJAFカップ優勝を果たした。

JG7クラスはランエボマイスターとして知られた全日本の元トップドライバー、岡野博史選手(ADVANリジッドBRZ)がBRZで優勝。
JG7クラス表彰。左から4位金内祐也選手、2位井上良選手、優勝岡野選手、3位大坪伸貴選手、5位森田国治選手、6位青木康治選手。

 JG6クラスは、全日本2位の大多和健人選手が第1ヒートのトップタイムを奪う中、関東3位で昨年のJAFカップを制した徳武銀河選手と、全日本6位の有田光徳選手が僅差で追いかける展開となった。

 第2ヒートは、徳武選手が自己タイムを約0.1秒縮めてくるものの、大多和選手がマークした第1ヒートのタイムにはわずか0.047秒届かず。有田選手は、「第2ヒートで一発勝負を賭けましたが、パイロンターンの進入がオーバースピードとなってしまい、そこで全部使い果たしてしまいました」とタイムダウン。一方の大多和選手は、ベストタイムを更新し、JAFカップ初優勝を果たした。

JG6クラスは全日本でも速さを見せた大多和健人選手(熊王TMW牧田YHロードスター)が、2本ともベストを奪って快勝。
JG6クラス表彰。左から4位木村圭佑選手、2位徳武銀河選手、優勝大多和選手、3位有田光徳選手、5位磯村良二選手、6位藤田幸児選手。

 JG5クラスは、全日本2位の上本昌彦選手が、両ヒートで1分00秒台のタイムをマーク。2位以下に1秒以上の大差をつける圧巻の走りで、自身2回目となるJAFカップ優勝を果たした。2位には、全日本5位の折茂紀彦選手が、第2ヒートで自己タイムを0.5秒上げて入賞、第1ヒートはパイロンタッチに終わった。関東の奥井毅選手が、第2ヒートで挽回して3位に入賞した。

JG5クラスは両ヒートとも唯一、1分00秒台のタイムを残した上本昌彦選手(ルブロスWMレイズヤリスYH)が優勝。
JG5クラス表彰。左から2位折茂紀彦選手、優勝上本選手、3位奥井毅選手。

 JG4クラスは、GR86で全日本JG7クラス4位の奥井優介選手が、EK9シビックで四国代表としてエントリー。クラス先頭ゼッケンでの走行ながらも両ヒートでベストタイムをマークし、自身2回目となるJAFカップ優勝を果たした。

 2位には、先日の全日本最終戦イオックスラウンドで全日本初優勝を遂げた中部チャンピオンの近藤瑛貴選手が、第1ヒートパイロンタッチのビハインドを撥ね退けて入賞。3位には、全日本2位の合田尚司選手が第1ヒートのタイムで逃げ切り、入賞した。

JG4クラスは今回はシビックを駆った奥井優介選手(ダンロップ☆RSK☆シビック)が、CR-X勢の追撃をかわして優勝した。
JG4クラス表彰。左から4位服部諒一選手、2位近藤瑛貴選手、優勝奥井選手、3位合田尚司選手、5位島田昌典選手、6位小平勝也選手。

 JG3クラスは、全日本最終戦のイオックスで2位に入賞した大学生ドライバーの最上佳樹選手が、第1ヒートでベストタイムをマーク。その最上選手を、2020年まで全日本で3連覇を達成した高江淳選手と関東チャンピオンの石澤一哉選手、中部チャンピオンの隅田敏昭選手が追いかける展開となった。

 しかし結果的に暫定ベストタイムが第2ヒートで更新されることはなく、最上選手が第1ヒートのタイムで逃げ切り、JAFカップ初優勝を果たした。2位には、第2ヒートでタイムを約0.9秒上げてきたベテラン隅田選手が入賞、石澤選手が第2ヒートをパイロンタッチで終える中、高江選手が3位入賞を果たした。

JG3クラスは学生ドライバーの最上佳樹選手(YHエムアーツ107インテグラ)が、1本目に叩き出したベストタイムで逃げ切った。
JG3クラス表彰。左から4位石澤一哉選手、2位隅田敏昭選手、優勝最上選手、3位髙江淳選手、5位安田翔選手、6位野田太一選手。

 JG2クラスは、全日本2位の若林拳人選手が、第1ヒートでクラス唯一となる59秒台のタイムをマーク。第2ヒートはさらにベストタイムを0.197秒更新し、2019年以来、2度目となるJAFカップ優勝を果たした。2位には、東北チャンピオンの飯野哲平選手が、両ヒートで1分00秒台のタイムをマーク。関東のベテラン葛西悠治選手を抑え、学生生活最後となるJAFカップで2位表彰台を獲得した。

JG2クラスは今回、2WDでただ一人、1分切りを果たした若林拳人選手(YH若自速心コ犬ZRエキシージ)が、総合3番手に入るタイムで優勝。
JG2クラス表彰。左から4位藤井雅裕選手、2位飯野哲平選手、優勝若林選手、3位葛西悠治選手、5位前島孝光選手、6位小澤忠司選手。

 JG1クラスは、関東2位の高瀬昌史選手が、第1ヒートで59秒台のタイムをマーク。第2ヒートは東北の佐藤英樹選手と四国の一色健太郎選手が次々とベストタイムを塗り替えてくるが、高瀬選手もさらにベストタイムを更新。「JAFカップは、今まで取り逃していた感があるので、ここで勝てたのが本当に嬉しい」と、高瀬選手がオーバーオールウィンとなるタイムで初のJAFカップ優勝を果たした。

JG1クラス表彰。左から4位鳥居孝成選手、2位一色健太郎選手、優勝高瀬昌史選手(DLSPMレイズWmTランサー)、3位佐藤英樹選手、5位堀隆成選手、6位千葉真一選手。

 併設クラスのSATW-2クラスは関東の大江光輝選手、SATW-4クラスは東北の佐柄英人選手がそれぞれ優勝。箱Dクラスは、大井貴之選手が両ヒートを制する走りで優勝を飾った。また、参加全選手の順位や得点の合計による地区別対抗戦は、中部地区が優勝。東北地区が2位、関東地区が3位と続き、近畿地区が4位、四国地区が5位、北海道地区が6位、九州地区が7位、中国地区が8位という結果となった。

SATW-2クラスは大江光輝選手(ロードスター)が0.066秒という僅差で優勝を飾った。
SATW-2クラス表彰。左から2位巻口洋平選手、優勝大江選手、3位沼上洋司選手。
SATW-4クラスは東北のランエボマイスターの佐柄英人選手(マルイCLランサー)が優勝。
SATW-4クラス表彰。左から2位小野敦史選手、優勝佐柄選手、3位熊谷香選手。
箱Dクラスは、大井貴之選手(YSSK1箱DSPDLサニー)が両ヒートともベストを奪って優勝。
箱Dクラス表彰。左から2位古瀬光男選手、優勝大井選手、3位山梨俊二選手。
地区別対抗戦は中部地区が優勝を飾った。

フォト/CINQ レポート/CINQ、JAFスポーツ編集部

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