神奈川ジムカーナシリーズ最終戦は、20名のレディス達による“女王決定戦”で大盛況!
2022年12月15日

JMRC神奈川ジムカーナシリーズの今季最終戦が11月27日に行われ、レディスドライバーを対象となる神LBクラスには20名もの選手が集い、大激戦のラストバトルが展開された。
2022JMRC神奈川ジムカーナシリーズ第6戦
フレッシュマン&ビギナーズジムカーナin富士スピードウェイ
開催日: 2022年11月27日 (日)
開催場所: 富士スピードウェイCGパーク(静岡県小山町)
主催: io
11月27日、今シーズンの最終戦となるJMRC神奈川ジムカーナシリーズ第6戦が富士スピードウェイCGパーク(2番パーキング)で開催された。そのエントラントリストでひと際、目を引いたのが今大会の最多のエントリーを数えた、参加台数20台の「神LBクラス」。いわゆるレディスクラスだ。
かつては多くのジムカーナイベントでレディスクラスが存在していたが、いつの頃からか、レディスクラスが設定されることが少なくなってきた。全てのローカルイベントまで含めて精査したわけではないが、例えば現在、JAF地方選手権においてレディスクラスが成立しているのは、近畿地区戦だけだ。
関東地区では、女性ドライバーを対象とした独立クラスを設定しているシリーズ戦は、このJMRC神奈川ジムカーナシリーズのみとなっている。レディスクラスが設定されなくなってきた主な要因は、参加台数の減少と思われるが、ではなぜ今回は20名ものレディスドライバーが集結したのか。今回の仕掛人ともいえる、関東地区のレディスドライバー、東方紀美恵選手に話を伺ってみた。
「最近、神奈川戦のレディスクラス(神LBクラス)が盛り上がっているという話を聞いて、それならば最終戦、大勢の女性ドライバーを集めてさらに盛り上げようと思い、周りの仲間に声をかけました(笑)」という東方選手は、JAF関東ジムカーナ選手権やJMRC関東チャンピオンシリーズに出場しており、今年のチャンピオンシリーズのPN7クラスにおいてシリーズ3位の成績を収めている。またJAFカップジムカーナのWomenクラスでは、初回と続く2回目で優勝を飾っている実力者だ。
「開催場所が富士スピードウェイということで、中部地区にも声をかけたところ、沢山の選手が来てくれたので、嬉しいですね」と、関東地区のみならず、中部地区からも多数のエントリーを集めたが、今回の目的は、単に参加台数を増やすこと以外にもう一つあるようだ。
「現状、実際に競技会に出ている選手は少ないのですが、実は練習会には結構、女性が来るんです。私は自身が所属しているチームの練習会で女性担当のインストラクターをやっていますが、皆、練習熱心で頑張っているんですね。でも、競技会となると踏みとどまってしまうんです。なので、こういった機会があれば、気軽に競技にも参加してくれるのではないかと、いう狙いもありました」と東方選手。実際に今回が初の競技会というドライバーも参加しており、その目的も達成していたようだ。


そして集まった20台。気になる競技結果だが、第1ヒートをトップで折り返したのは、中部地区から参戦の大寳(おおたから)ゆかり選手。タイムは1分08秒589。続く2番手には1分09秒305で、かつこ選手。3番手には、かつこ選手から遅れること1000分の3秒差で橋本祥代選手がつける。
第2ヒートになると、大寳選手は自己タイムを0.8秒更新し、1分07秒708でトップをキープ。そして大寳選手には0.2秒ほど及ばなかったが、渡邊千尋選手が同じく1分07秒台に突入し、2番手に割って入る。渡邊選手も大寳選手と同じく中部地区からの参戦だ。第1ヒートは1分11秒台と出遅れていた東方選手は、第2ヒートで2秒以上のタイムアップを果たし3番手に浮上する。
順位を落とされたかつこ選手と橋本選手だが、かつこ選手はタイムアップを果たすも、東方選手に100分の6秒届かず、4番手。橋本選手は痛恨のタイムダウンに終わり、5番手で競技を終えた。続く6番手には吉澤美枝選手、7番手は山口千尋選手となるが、今シーズンの第2戦から神LBクラスに参戦している山口選手は、今回のポイントで2022年の神LBクラスシリーズチャンピオンを獲得した。
第1ヒートからトップを譲らず優勝の大寳選手は、「今年は、競技にほとんど出ていなかったのですが、この大会に誘われて是非出たいと思い、参加しました。走りは、第1ヒートのトップタイムを意識してしまい、第2ヒートは守りの走りになってしまいました。攻め切れませんでしたね」と、タイムアップはしたものの、やや課題が残る内容だったようだが、神奈川シリーズの全クラス総合でも5番手となる好タイムを刻んだ。
2位の渡邊選手は、「今年の夏に、東方選手たちと泊まりで女性ドライバー同士の練習会をやったのですが、その時に今回のような競技会をやりたいね、という話で盛り上がったんです。そうしたら、神奈川シリーズでやるよ、っていう連絡がきたので早速参加しました」という。「第1ヒートの走りはヌルかったので、第2ヒートは頑張りました(笑)。タイム的にも良かったと思います」とコメント。
表彰式では、神LBクラス参加者全員に賞品が用意されたが、4位、8位、12位、16位、20位の選手には、飛び賞として、ドライヤーやシャワーヘッド、宝石等の豪華賞品が特別に手渡された。




大盛況で幕を閉じた神LBクラスを東方選手は、「今回、こんなに沢山の女性ドライバーが参加してくれたのは、神奈川シリーズに神LBクラスが設定されていたことが大きいです。やはり、一般クラスで男性の中に入って戦うのと、女性同士で戦うのでは、後者の方が競技会参加に対するハードルが低くなると思います」と語る。
「こういうクラスがすでにあるんだ、ということで私も誘いやすかったですね。それに加えて、クローズドクラスなので、ライセンスも必要ないし、車両規則もB車両なので、普段参加している競技会や練習会の仕様のままで良いので、そういった面でも気軽に参加できると思います」。やはり女性が参加しやすい環境を作ったことが、今回の大量エントリーへと繋がったようだ。


参加選手からも、今後も機会を作ってほしいといった声も多かったため、来シーズンも女性ドライバーが気軽に参戦できる企画を検討しているという。こういったイベントをきっかけに女性ドライバーの競技人口が増えていけば、各地のイベントでレディスクラスが復活する日も近いかもしれない。


























フォト&レポート/友田宏之