2022年最終大会は阪口晴南選手と山下健太選手が勝利し、坪井翔選手が自身2度目のチャンピオンに

レポート レース

2022年12月16日

2022 インタープロトシリーズ POWERED BY KeePer 第4大会が12月11~12日に富士スピードウェイで開催され、第7戦は阪口晴南選手(INGING MOTORSPORT)が、第8戦は山下健太選手(NAVUL)が優勝。第8戦で2位に入った坪井翔選手(NETZ NOVEL MIE)が、自身2度目となるシリーズチャンピオンに輝いた。

2022 インタープロトシリーズ POWERD BY KeePer 第4大会
(2022 富士チャンピオンレースシリーズ第7戦内)

開催日:2022年12月11~12日
開催地:富士スピードウェイ(静岡県小山町)
主催:富士スピードウェイ株式会社、FISCO-C

 シーズンを締めくくる最終の第4大会には、72号車のアキランドIPSが新たにエントリーし、プロフェッショナルレースには国本雄資選手が参戦。今シーズン最多となる12台のインタープロトクラスで、熾烈なバトルが繰り広げられた。

 11日に行われた公式予選では、今回もタイムアタックのポジション取りで各車がライバルを牽制し合う展開となり、チェッカー直前の1周アタックで順位が決まる形に。1分45秒166を記録した山下選手が、今シーズン2度目のポールポジションを獲得した。

 第7戦決勝は山下選手がトップでTGRコーナーを通過するも、背後にぴったりとついた阪口選手がトップ浮上のチャンスを伺う展開に。メインストレートからTGRコーナーにかけて、さまざまなアプローチで何度も並びかけるものの、山下選手もしっかりと牽制しポジションを死守する周回が続いた。

 阪口選手は諦めずにチャンスを探り続け、8周目のダンロップコーナーでインを突いてオーバーテイク、トップに浮上した。その後も2台による激しい攻防戦が展開されたが、山下選手の猛プッシュをしのぎ切った阪口選手がトップチェッカーを受け、今シーズン初優勝を飾った。2位には山下選手、3位に宮田莉朋選手(人馬一体ドライビングアカデミー)が入った。

第7戦優勝の阪口晴南選手(INGING MOTORSPORT)。「1レース目は序盤からバトルがありましたが、大きなチャンスを一発で仕留めることができました。その後の山下選手からの攻めにも負けずにトップを守ることができたので、非常に良い結果だったと思います。2レース目はフィーリングも良く、トップに値するクルマの感触はあったので、そこでトップで戻ってこられなかったのは自分のせいだなと思っています。決して油断したわけではありませんが、最終コーナーであの距離から仕掛けられるとは正直考えていなくて、そこは山下選手がうまかったです。終盤は厳しいブロックでなかなか前に行かせてもらえず、軽い接触もありましたが、お互いコース上に留まってゴールができました。とても見応えのあるレースを見せられたかなと思います。個人的には残念なところもありますが、クルマの調子が良いので、来年またリベンジしたいです」

 第7戦の到着順でグリッドに再整列し、9周で争われる第8戦がスタート。トップ2台は順当にTGRコーナーを通過するが、その後方では第7戦で4位だった坪井選手が宮田選手をコカ・コーラコーナーでパスして3番手に浮上。阪口選手、山下選手、坪井選手のトップ3となった。ここに、最後尾から4番手まで追い上げてきた野尻智紀選手(J-POINT)も追いつき、4台による白熱したトップ争いが展開された。

 第7戦ではポールスタートからポジションを落とした山下選手だが、第8戦ではペースを取り戻して阪口選手の背後に迫ると、6周目の最終パナソニックコーナーでインを突き、トップを奪い返した。その後も4台によるバトルは終盤まで展開。中でも山下選手と阪口選手の2台が随所でサイドバイサイドのバトルを繰り広げたが、その背後で逆転を狙っていた坪井選手が最終ラップの13コーナーで隙を見つけ、阪口選手をかわして2番手に浮上した。

 結局、4台一丸になった状態でゴールし、山下選手が今シーズン2勝目をマーク。2位に坪井選手が入り、第7戦優勝の阪口選手は3位でチェッカーを受けた。トップの山下選手から4位の野尻選手まではわずか0.337秒差という、インタープロト史上でも稀に見る大接戦となった。

 注目のシリーズチャンピオン争いは、坪井選手が126ポイントを獲得して2019年以来2度目の戴冠。山下選手と阪口選手が113ポイントで並んだが、勝利数の多い山下選手がランキング2位を手にした。

第8戦優勝は山下健太選手(NAVUL)。「1レース目は序盤から、ペースのいい後ろのクルマを抑えていくという展開でしたが、途中のダンロップコーナーで阪口選手がインのさらにイン側を攻めてきたので、自分も少し引き気味になってしまい、抜かれてしまいました。2レース目で阪口選手を抜き返したところは、少し距離がある状態で無理やりでしたが、飛び込んでいきました。残り3周はちょっと強引なところもありましたが、最後は何としても勝ちたかったので、トップでチェッカーを受けられて良かったです。第1大会に出られなかったのでランキングのことは考えていませんでしたが、最善の結果は残せたのかなと思います」
第8戦の表彰式。左から2位の坪井選手、1位の山下選手、3位の阪口選手。
坪井翔選手がシリーズチャンピンとなった。「久しぶりのチャンピオンはうれしいです。最終戦の前はポイントもそれなりにリードしていたので『この感じで行けば……』という思いはありましたが、ここまで追い込まれるとは思いませんでした。今週末はエンジニアといろんなことを考えて試して、その結果が報われたので、非常に良かったです。練習走行から本当に不調で、予選も6番手で終えられたのが奇跡なくらいでした。ポイントを争っている山下選手と阪口選手が速いことは分かっていて、1レース目で2~3台抜きたいと思っていたので、やれることはやれたと思います。2レース目ですぐ3番手に上がったところまでは順調にいき、ものすごい勢いで追いかけてきた野尻選手からもポジションを守りきって、最後はトップ2台が争ってくれたことでチャンスが生まれて2位に上がれました。本当に、チャンピオンを獲れなくてもおかしくないくらいの調子の悪さだった中、粘り強く戦えました」

 今回は4台で争われたSUPRA GT4クラスでは、クラスポールポジションからスタートした石浦宏明選手(P.MU RACING SUPRA)が2連勝をマーク。3台がエントリーしたCCS-Rクラスでは、今季負けなしの強さを誇る堤優威選手(P.MU RACING CCS-R)が最終大会でも2連勝を飾った。

フォト/株式会社インタープロトモータースポーツ レポート/株式会社インタープロトモータースポーツ、JAFスポーツ編集部

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