四国モータースポーツフェスタが、JAFファンイベントとコラボして初開催!

レポート オートテスト

2022年12月20日

11月27日、愛媛県の瀬戸内海サーキットで、モータースポーツフェスタ&JAFファンイベントが開催された。

モータースポーツフェスタ&JAFファンイベント
開催日:2022年11月27日(日)
開催場所:瀬戸内海サーキット(愛媛県西条市)
主催:JAF四国本部

 モータースポーツもオフシーズンを迎えた11月下旬に、四国地区では初となるモータースポーツフェスタが開催された。

 今回のイベントの会場となったのは、JAF四国ジムカーナ選手権等の開催で知られる愛媛県西条市の瀬戸内海サーキット。当日はJMRC四国の協力により、オートテストが開催され、デモンストレーションラン&同乗走行等のモータースポーツイベントが行われたほか、JAFファンイベントとのコラボレーションにより、様々な催し物が同サーキット内で所狭しといった趣で行われ、多くの来場者で賑わった。

 まずJAF関連イベントとしては、お馴染みのシートベルトコンビンサーによる時速5kmでの衝突体験や、子ども安全免許証の発行ブースが設置されたほか、今回はサーキットが会場ということで、JAFロードサービスのレッカー車による牽引走行のデモンストレーションなども行われた。

JAF関連イベントとして、JAFブースでは子ども安全免許証の発行等が行われたほか、レッカー車による救援のデモンストレーションやシートベルトコンビンサーによる5km/hからの衝突体験等も行われた。

 またJAF関連イベントのほかにも、自動車の安全支援技術が体験できるコーナーや、子どもメカニック体験ができるコーナーも設けられた。さらにいまモータースポーツ界でも大きな話題を集めている電動カートを体験走行できるコーナーや、ゲリラ豪雨等の不意な浸水から車両を守る防水シートも展示されるなど、自動車に関する最新のトピックスに触れることができる催し物が数多く用意された。

トヨタカローラ愛媛の体験ブースでは、安全支援技術体験(左)や子ども達を対象としたメカニック体験(右)などが行われ、家族連れの来場者等で賑わった。
徳島工業短期大学のブースでは電動カートの体験走行会が実施された(左)ほか、蔵田工業のブースでは車両用浸水防止シートの展示が行われた(右)。

 モータースポーツ関連イベントでは、競技車両展示やデモンストレーションランそして同乗走行と、モータースポーツの醍醐味を五感で体験できるイベントが用意された。まず競技車両展示については、四国在住の選手・チームが所有する2台のレース車両、5台のジムカーナ車両のほか、ダートトライアル車両が4台、ラリー車両が3台と計14台もの車両がこのイベントに集結した。

今回のフェスタではモータースポーツ競技に実際に参加している四国地区の競技車両が14台も集まり、展示のほかデモラン、同乗走行等の様々な形でモータースポーツのPRに務めた。

 また四国在住&出身の全日本チャンピオン経験者である黒木陽介選手、朝山崇選手、一色健太郎選手、松岡竜也/縄田幸裕組といったトップドライバー達がデモランを披露したほか、同乗走行も行ない、ファンサービスに務めた。さらに四国のラリー、ジムカーナ、ダートトライアルのJAF地方選手権に参戦するドライバー達も同乗走行の企画に協力。23名もの人々が同乗走行を体験した。

四国在住の全日本チャンピオン経験者達も今回のモータースポーツフェスタに協力。全日本ラリーの松岡竜也/縄田幸裕組(左)は現在、JAF中四国ラリー選手権に参加中のGRヤリスで、全日本ダートトライアル選手権に参戦中の四国出身の黒木陽介選手(右)も同じくGRヤリスでデモランや同乗走行を行った。
全日本ジムカーナチャンピオン経験者の一色健太郎選手(左)は来季の全日本ジムカーナ選手権に投入予定のGRヤリスのお披露目を兼ねて、一色選手と同じく地元愛媛在住の朝山崇選手(右)とともにデモラン、同乗走行を担当した。
JAF中四国ラリー選手権や、JAF四国ジムカーナ/ダートトライアル選手権で活躍中の選手達も同乗走行に協力。一般のモータースポーツファンとの交流に務めた。

 オートテストについては、34名が参加した。瀬戸内海サーキットが、しまなみ海道の終点である今治市に近いというアクセスの良さも手伝ってか、中国地区から遠征してきた参加者の姿もあった。またオートテスト初参加というドライバーも少なからず見受けられた。

オートテストは瀬戸内海サーキットの本コースの一部を使用して行われた。

 瀬戸内海サーキットは、ピット上からコースの一部にまでせり出した観客席となるブリッジが特徴のひとつ。今回はオートテストの開催エリアがこのブリッジに沿った形で設定されたため、参加者や一般の見学者が、このブリッジから選手達の走りを見ることができる形となった。ライバル選手の走りを、俯瞰という形で見ることができるため、非常に参考になった、と語る参加者もいた。

当日は地元四国地区をはじめ、中国地区のドライバーも瀬戸内海サーキットに駆け付けた。

 またコースレイアウトについては、コース最奥部に設定されたガレージ(車庫入れ)が注目を集めた。これはパイロンで四角に囲まれたスペースに前進で入って、同じく前進で脱出するという設定だったが、切り返しをしないと脱出できない広さのため、必ずリバースギアを使わなければならないというものだった。

 ただし、スペースの中での方向転換の方法は特に決められておらずフリーとされたため、参加者達は自分の車両のサイズとスペースの広さとのバランスを考慮しながら、ガレージ攻略法に頭を悩ますことに。ほとんどの参加者は2度、切り返しを行って脱出したが、中には1回の切り返しで脱出する参加者もいて、そうした参加者は好成績を納める結果となった。

今回のコース図。話題を呼んだ画面上部のガレージは、旋回して脱出できるように描かれているが、この通りに走ることは不可能で、最低1回はリバースギアを使わないと脱出できないようになっている。

 今回のコースを企画したJMRC四国オートテスト部会の金井宜夫部会長は、「ガレージについては、せっかくのフェスタということで、“何か新しいことをやろう”と考えて設定してみました。このレイアウトは我々も今までやったことがない設定ですが、オートテストのひとつの可能性として参考にしてもらえたら嬉しいですね」と話す。

「表彰式もJAFさんのファンイベントを訪れた方々にも見てもらえましたし、賞品も今回は四国4県の名産品を用意することができたので、参加者の方々にも楽しんでもらえたかなと感じています。いつも以上にオートテストという競技をアピールできた一日だったと思います」と金井部会長。今回のイベントが、オートテストのみならず、四国のモータースポーツが、多くの人々に親しまれる絶好の機会となったことは、まず間違いないようだ。

Aクラスで優勝のホンダN-ONE選手。
同2位のダイハツ・エッセ選手(左)と同3位のホンダN-BOX選手(右)。
Aクラス表彰の各選手。
Bクラスはマツダ・ロードスター選手が優勝。
同2位のダイハツ・コペン選手(左)と同3位の日産マーチ選手(右)。
Bクラス表彰の各選手。
CクラスはMAZDA2選手か優勝。
同2位のトヨタ・アクア選手(左)と同3位のBMW MINIクロスオーバー選手(右)。
Cクラス表彰の各選手。
今回のオートテストで総合ベストの成績を納めたのは愛知県から参加した日紫喜俊夫選手。全国各地で開催される大会で輝かしい実績を納めているオートテストの第一人者だ。「四国地区のオートテストはこれまで徳島や香川で開催された大会には出場経験がありますが、愛媛はなかったので、サーキットで開催されるということにも興味を惹かれて参加しました。ガレージは1本目は2回、切り返しをしましたが、2本目は工夫をして1回で脱出できたのがタイムアップと優勝に繋がったと思います。JAFのファンイベントが一緒に開催されていたこともあり、見学する方も多くて、いい雰囲気の中で走れて楽しかったです。みかんジュースなど四国らしい賞品も戴き、家族にも喜ばれるお土産を持って帰れるので(笑)、はるばる四国まで来て本当に良かったと思っています」。

フォト/西野キヨシ レポート/JAFスポーツ編集部

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