今季から始まったXCRスプリントカップ北海道表彰式が帯広で開催!2023年規定も発表

レポート ラリー JAFWIM

2022年12月26日

今年、JAF北海道ラリー選手権や全日本ラリー選手権北海道ラウンドと併催される形で開催された、クロスカントリーカーによるXCRスプリントカップ北海道のシリーズ表彰式が北海道帯広市で行われた。

XCRスプリントカップ北海道2022表彰式
開催日:2022年10月9日
開催場所:北海道ホテル(北海道帯広市)

 XCRスプリントカップ北海道は、今年から新たに始まったシリーズ。第1戦はJAF北海道ラリー選手権の伝統の一戦、EZO ENDLESS RALLYに併催される形で開催され、シーズンがスタート。その後もJAF北海道ラリー選手権や、道内で開催された全日本ラリー選手権であるARKラリーカムイやRALLY HOKKAIDOに併催され、スノー、グラベルを舞台に6戦が開催された(※当初は7戦の予定だったが、1戦のみコロナ禍のため開催中止)。

 カタログ表示2,000kg以下の車両で競われるXC-1クラスは、阿部千織/加勢直毅組のCUSCO DUNLOP Jimnyが開幕戦で優勝。阿部/加勢組は第2戦北海道ブリザードラリーも制するが、グラベル初戦となった第3戦RALLY SUNAGAWAからは、Jimnyのステアリングを託された兼松由奈選手が4戦連続で完走を果たして優勝。加勢選手とともに、初代のXC-1チャンピオンに輝いた。

 また2,000Kgを超える車両が集うXC-2クラスでは、番場彬/保井隆宏組のCUSCO YH HILUX Revoが開幕戦で優勝し、幸先の良いスタートを切ったが、第2戦では番場組はスタックして後退。惣田政樹/橘涼子組のジオランダーソーダーファクトリーランクル7が初優勝を飾る。

 しかし第3戦では番場組が盛り返して2勝目を挙げてシリーズを折り返すと、後半の3戦も優勝2回、2位1回とトップの成績で上がって、見事にXC-2クラスの栄えある初代チャンピン獲得という栄光を手にした。

 シリーズ表彰式が行われた当日は、シリーズ最終戦となるJAF北海道ラリー選手権の一戦、とかち2022が陸別町を拠点として夕方まで開催されたため、表彰対象者となった選手達はその後、帯広市内に移動。RALLY HOKKAIDOの前身であるインターナショナルラリーin北海道が2001年に初開催された際にラリーの拠点となった、北海道ホテルで開催された式に臨んだ。

XCRスプリントカップ北海道表彰式は、帯広市内の北海道ホテルで開催された。
式のオープニングでは、今年の各大会を振り返るダイジェスト動画が流された。
XCRスプリントカップ北海道の小池治郎事務局長による開会の挨拶で表彰式は幕を開けた(左)。続いて株式会社トヨタカスタマイジング&ディベロップメントTRD本部の水野陽一本部長が来賓を代表して挨拶を述べた(右)。
表彰に先立ち、株式会社北日本オートバックスの和田智一常務取締役の音頭による乾杯が行われた。
XC-1クラスの表彰ではドライバー部門チャンピオンの兼松由奈選手とコ・ドライバー部門チャンピオンの加勢直毅選手にチャンピオントロフィーが授与された。式では加勢選手に代わって最終戦で兼松選手のコ・ドライバーを務めた竹下紀子選手(シリーズ2位)が、代理でトロフィーを受けた。
XC-2クラスチャンピオンは、この日開催されたシリーズ最終戦でも有終の美を飾った番場彬/保井隆宏組が受賞した。
XC-2クラス2位は地元北海道在住の渋谷彰良/猿川仁組が受賞した。渋谷選手は2位2回、3位2回とコンスタントな速さを見せた(左)。3位はドライバー部門は津野裕宣選手、コ・ドライバー部門は前田良書選手と、ともに九州から参加した選手が受賞。この日は第4戦で優勝した平塚忠博選手(シリーズ5位)が津野選手の代理で、第1戦で津野選手のコ・ドライバーを務めた同じく九州の藤田めぐみ選手(シリーズ9位)が前田選手の代理でそれぞれトロフィーを受け取った(右)。
XC-2クラスドライバー部門チャンピオン番場彬選手
「クロスカントリータイプの競技車両もAT車両も初めてだったので、シーズンが始まる前は不安もありましたが、開幕戦からクルマのフィーリングが凄く良かったので自信を持って走ることができました。第3戦のRALLY SUNAGAWAを走れて、以前にAPRCや全日本のグラベルを走っていた感覚が戻ってきたので、その後に全日本と併催された2戦は、攻めの走りができてクルマの限界も引き出せたと思います。このタイプのクルマで、ラリーレイドではないスプリントラリーを走るというのは、皆さんが知らない世界だと思いますが、意外と走れるものですし、攻めれば攻めるほど楽しさを感じられるシリーズでしたね。パワーで何とかできるクルマではなくて、荷重移動やブレーキング、アクセルワークなど、クルマが重い分、ゆっくりと手順を踏んだ操作が求められるので、運転の基本を学ぶには最高のクルマです。学生さんや、これからラリーを始めてみたいという人に、特にオススメしたい競技車両だと思います」。
XC-2クラスコ・ドライバー部門チャンピオン保井隆宏選手
「ボディサイズが大きいため、ペースノートの作り方も微妙に違ってくるので、そういう難しさはありました。車速レンジは高くないのですが、ギャップの見落とし等は危ないので注意が必要です。反面、目線が高い分、小さいクレスト等はそれほど気にしなくともいいのですが、やはり自分の今までの経験が手助けしてくれたという感じはありましたね。一番印象に残っているのは、一番、車速が高かったRALLY HOKKAIDOです。転倒しないクルマだから大丈夫だと分かっていても、なかなかシビれたラリーでした(笑)。僕はラリーレイドに出たこともあるので、このタイプのクルマで走るのは以前から面白いと思っていましたが、このシリーズはまた違った面白さを見つけられた気分でしたね」。
オーガナイザーを代表して、AGメンバーズスポーツクラブ北海道の槙田龍史理事による閉会の挨拶で式は幕を閉じた。

 2023年のXCRスプリントカップ北海道については、すでにカレンダー(予定)が発表されており、2023シリーズ規定についても12月20日にリリースされた。今年の規定に比べて、改造範囲等が緩和されており、より参加しやすいシリーズとなっている。新たなシーズンの開幕は、約1か月半後の2月5日。さらなる盛り上がりを期待したいところだ。

XCRスプリントカップ北海道2023カレンダー(予定)
第1戦 2月5日 北海道ブリザードラリー
第2戦 2月19日 第 37 回 EZO ENDLESS RALLY
第3戦 7月7-9日 2023 ARK ラリー・カムイ
第4戦 8月26-27日 ROC-H RALLY 2023
第5戦 9月8-10日 RALLY HOKKAIDO
第6戦 10月7-8日 とかち 2023

フォト/加藤和由 レポート/JAFスポーツ編集部

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