今年のJMRC栃木フェスティバルは、“異種格闘技戦”でホットバトルが展開!
2022年12月27日

12月4日、栃木県のつくるまサーキット那須で、2022年JMRC栃木フェスティバルが開催された。
2022JMRC栃木フェスティバル
開催日:2022年12月4日
開催場所:つくるまサーキット那須(栃木県那須塩原市)
主催:JMRC栃木支部
栃木フェスティバルは、栃木県内のJMRC栃木に登録するクラブ間で、クラブ員の親睦を深め、モータースポーツの振興を図るという趣旨で開催されているイベントだが、これに捉われることなく、栃木県外からの参加もOKで、競技経験の有無も問わない、誰でも参加できるイベントになっている。
競技形式は3人1組の団体戦で行われ、ジムカーナ、ダートトライアル、リレーの3種目の合計タイムで競われる。まずドライバー1人につき、ジムカーナとダートトライアルを交互に3トライずつ、合計6トライを走行する。このタイムは全て結果に反映され、3人×6トライの合計、つまり18トライ分がチームのタイムとなるので、フェスティバルとは言え、全てのタイムアタックを真面目に(!?)走らないと好成績が望めない。
因みにパイロンペナルティは1本につき10秒、ゴール後の完全停止を怠った場合も10秒のペナルティが加算される。ミスコースは当該ヒートの最遅タイムに10秒加算されたタイムとなるので、ミスコースはもとより、攻め過ぎも、うっかりミスも大幅なタイムロスとなってしまう形だ。
またジムカーナにおいては個人車両、またはチームの車両で走行するため、車両とドライバーにそれぞれハンディタイムが設定された。排気量や装着タイヤ、競技経験の有無等で細かく分けられ、最も少ない選手で2秒、最も多い選手は18秒のハンディタイムが、3ヒート全ての走行タイムに課せられた。なおダートトライアルは、丸和カップダートトライアルシリーズのATクラスでレンタルされているヴィッツが3台用意され、ランダムに割り当てられた車両での走行となるため、ハンディタイムはない。
ジムカーナとダートトライアルが終了すると、リレー競技が行われる。リレーは、各チームから1台、車両を選出し、ドライバーが1人ずつ、つくるまサーキットのフルムーンコーナーを時計回りで1周し、次のドライバーに乗り換え、3人が走り切ったタイムが持ちタイムとなる。そして、ジムカーナ/ダートトライアルの合計タイムにリレータイムが合算された総合タイムによって順位が決定される。
なお、今回の目玉ともいえる最終のリレーについては、最もチームワークが要求される種目だが、ドライバー交代時には、指定エリア内に車両が入って完全停止してから、乗り換え作業が開始となるほか、シートベルトが正しく装着されていることをオフシャルが確認してからスタートとなるなど、安全面にも十分配慮されて行われた。
当日は秋晴れの穏やかな天候に恵まれ、全日本選手権や地方選手権で活躍するドライバーをはじめ、競技未経験者まで含めた27名、9チームによる戦いとなった。かなりハードな競技内容だが、フェスティバルということで、和やかな雰囲気の中、チーム員同士が互いの足を引っ張り合いながらの(!?)、白熱した競技会となった。







まずはジムカーナの第1ヒートで唯一4分を切るトータルタイムで好調な滑り出しを見せたのが、徳富太一/清澤祐介/丸山塁組の、押忍!ナリタ塾2ndチーム。2番手には、島村茂/伏木一夫/林太郎組の、磨摺セラレーシングAチームが34秒差でつける。続くダートトライアル第1ヒートでは、その磨摺セラレーシングAがトップタイムをマークし、押忍!ナリタ塾2ndとの差を18秒まで縮めた。
しかし、第2ヒートで猛烈な追い上げを見せたのが、増渕悟/坂本光/猿田光希組のSUNRISE CIRCUIT LLCチーム。ジムカーナ、ダートラともにトップタイムをマークし、押忍!ナリタ塾2ndに18秒の差を付け、トップの座を奪う。3番手は磨摺セラレーシングAがキープし、4番手に谷翔太/手塚慎介/手塚晴男組のチームハイパワー、5番手には宮腰祐季生/後藤啓介/友田宏之組の、おまかせBチーム。6番手に赤羽政幸/武雅夫/坂井義浩組のチームメープルFRが続き、前半戦が終了した。
そして午後からの後半戦はジムカーナの第3ヒートからスタートした。押忍!ナリタ塾2ndが、ここでもトップタイムをマークするが、SUNRISE CIRCUIT LLCは、2秒落ちの2番手タイムをマークして首位を死守。そして4番手のチームハイパワーは、3番手の磨摺セラレーシングAとの34秒差を26秒まで詰めるも、順位は変わらず。
一方、チームメープルFRは、おまかせBを3秒逆転し、5位に浮上。また8番手に付けていた関山和弥/柳田一成/岡聡至組の、チームももくりは、林健太郎/小久保弘志/中村哲夫組の磨摺セラレーシングBチームを逆転して7番手にポジションアップ。9番手に清島崇宏/池沢広行/福田義法組の、おまかせAチームとなり、ダートラの第3ヒートに挑んだ。
何かが起こりそうなそのダートトライアル第3ヒートでは、押忍!ナリタ塾2ndが3選手ともに50秒台前半の好タイムで揃え、15秒あったSUNRISE CIRCUIT LLCとのタイム差を32秒のアドバンテージに変えて、ついに首位を奪回する。大きなタイムロスを喫してしまったSUNRISE CIRCUIT LLCは、辛うじて2位にとどまったが、3番手の磨摺セラレーシングAに約3秒差まで詰め寄られる。また、チームメープルFRは、ここでも順位を1つ上げて4位に浮上した。
そして注目の最終ステージであるリレーで、抜群のチームワークを見せたのが押忍!ナリタ塾2ndチームだった。走行タイムが1分後半から2分オーバーのチームが多い中、1分26秒9の最速タイムでフィニッシュ。ダートラ第3ヒートでの逆転から、さらに他チームを突き放し、トータルタイム22分56秒7で優勝を決めた。
熾烈な2位争いは、SUNRISE CIRCUIT LLCが1分32秒9、追う磨摺セラレーシングAは1分30秒4と、リレータイムでは磨摺セラレーシングAが勝利しただが、トータルタイムでは僅か0.4秒届かず3位となり、SUNRISE CIRCUIT LLCが辛くも2位獲得となった。
優勝の押忍!ナリタ塾2ndチームは、千葉県の成田モーターランドで走りを切磋琢磨する仲間で構成されたチーム。今回のキャプテンを務めた丸山選手は、「前回(一昨年)の栃木フェスティバルに出た時は3位だったので、その悔しさもあって今回は必勝態勢で挑みました(笑)。特にリレーはシートベルトの装着や、各ドライバーのシート位置などを入念に作戦を立てました」と、前回のリベンジを達成して、満足した様子。
清澤選手は、「ダートラの第2ヒートは、他のチームの選手含めて皆さんが完走した中、自分だけミスコースしてしまい、かなりタイムロスしてしまいました」と、苦笑い。スラローマーの徳富選手は「ジムカーナの生タイムでのオーバーオールタイムは逃してしまいましたが、全般的に良い走りだったと思います」とひとこと。DC2インテグラからGR86に乗り換えた今季は地区戦やJMRC関東チャンピオンシリーズでは思うような成績が出せなかった一年となっただけに、チームワークで掴んだ優勝に最後は笑顔を見せていた。






フォト&レポート/友田宏之