東北地区のJAFモータースポーツ表彰式が3年ぶりに開催!
2023年1月6日

2022年のJAF東北地方選手権表彰式が、JMRC東北シリーズと合同で、12月18日、宮城県の秋保温泉で開催された。
JAF東北地方選手権・JMRC東北シリーズ
モータースポーツ表彰式
開催日:12月18日
開催場所:ホテルニュー水戸屋(宮城県仙台市)
主催:JAF東北本部、JMRC東北
東北地区のJAF地方選手権表彰式は2019年以来、3年ぶりの開催となった。場所は以前と変わらず、宮城県秋保温泉にあるホテルニュー水戸屋。2022年に東北地区で開催された8つのシリーズに参加し、優秀な成績を納めた選手達が一堂に集った。
式は恒例の記念撮影からスタートした。参加者達はまず全員揃っての記念撮影に応じた後に隣の会場に移動して、表彰に臨むというのが東北表彰式のスタイルだ。式ではまず冒頭、JAF東北本部の渡辺広章本部長とJMRC東北の小野守平運営委員長が挨拶。続いて来賓を代表して、2022年、ふたつのラリー競技会をバックアップした利府町の熊谷大町長の挨拶が、熊谷町長の代理で出席した櫻井やえ子副町長により読み上げられた。
そしてJAFモータースポーツ部の村田浩一部長の音頭による乾杯が行われ、メイン行事である表彰へと進行した。なお今回の表彰式については、参加者は予め決められた席に着座する形となり、飲食については弁当が配られ、アルコール飲料の提供はなし、という形で行われた。表彰時もマスク着用を基本とし、新型コロナウイルス感染防止対策を考慮した上で式は進められた。







表彰はダートトライアル部門より始まり、JAF東北ダートトライアル選手権・JMRC東北ダートトライアルチャンピオンシリーズの上位入賞者がまず表彰状を授与され、各クラスの1位のドライバーには、その証となる記念のチャンピオンカップが贈呈された。
その後はスポーツランドSUGOを舞台としたJAF菅生サーキットトライアル選手権・JMRC東北菅生サーキットトライアルシリーズ、JMRC東北ロードスターカップの3シリーズの表彰が行われ、続いてJAF東北ジムカーナ選手権、JMRC東北ジムカーナシリーズそしてJMRC東北ラリーシリーズの順で、上位入賞者に表彰状が授与された。
最後にJMRC東北の仲野次郎副運営委員長が閉会の挨拶を述べて、約3時間にわたった表彰式は終了。東北地区は新年早々の1月にはラリーが開催され、新たなシーズンが始まるとあって、短いシーズンオフのひと時を共有した参加者達は、来たる2023年のお互いの活躍をまた誓い合いながら、家路についた。



























●2022年JAF東北地方選手権「初」チャンピオンインタビュー

R35GT-R NISMOで初のチャンピオンを獲得した芦名選手は2020年からSUGOでサーキット走行を始めた。それまでモータースポーツの経験は一切なし。菅生サーキットトライアル選手権は2022年から本格的に参戦を開始した。「SUGOを走り始めた頃に、同じ岩手のプロドライバーの佐々木雅弘さんに運転してもらう機会があったんですが、運転がスムーズなのに凄いタイムを出す走りに驚いてしまって、“自分もいつかこういう走りをしたい”と思ってサーキット走行にハマりました。2022年はお世話になっているショップさんに毎回、走行データを分析してもらって、次の競技会でそれをフィードバックしてベストラップ更新を狙ったんですが、結局、開幕戦に出した1分31秒台のタイムを最後まで上回れませんでした。でも思い起こすとそのベストラップが一番、いい意味で、余計な力を抜いて走れたラップだったとも思うので、サーキット走行の奥の深さをまた思い知った感じでしたね。2022年の経験をフィードバックしながら、2023年も楽しみながら続けて行きたいと思います」。

SUGOの地元、宮城在住の門馬選手は平成5年式のR32スカイラインでチャンピオンを獲得。FRのボディに2,500cc+ターボエンジンを換装した愛車でポルシェ勢と渡り合った。「クルマに関しては、2020~2021年でひと通り壊れてくれたので(笑)、2022年はちょっと安心してアタックできましたが、クラッシュしたら、もう終わりの旧いクルマなので、そこは気を付けました。負けず嫌いというわけではないんですが、旧いクルマで、どこまで新しいクルマと勝負できるかが楽しくて、サーキットトライアルをやっているところもあります。チャンピオンがかかった最終戦は、勝って決めたいという気持ちと、欲を出し過ぎたらダメだという気持ちがせめぎ合って大変でした。結果、2位で獲れたんですが、クレバーな走りができたなと思う反面、自分の良さを抑えてしまった走りだったとも思うので、2023年はチャレンジャーの気持ちで、クルマも走りももっと進化させてポルシェの方々とまた勝負できたらと思います」。

青森津軽半島の中泊町に住む中村選手は、地区戦本格参戦1年目でチャンピオンを獲得した。「2022年は、エビスは走ったことがなかったし、SUGOも遠くてあまり走った経験がないので、南東北のコースで勝つのは正直、厳しいと思っていました。その意味では開幕戦SUGOで勝てたことがやはり大きかったですね。また地元というほど近くはないのですが、同じ青森のMSPで2勝できて、秋田の協和も2位で終えられたので、近場のコースでいい成績を挙げられことがチャンピオンに繋がったと思います。ホームコースの岩木山スキー場のコースが傾斜がついていてパイロンが難しいんですが、そこで鍛えられた分、フラットなコースでは、パイロンであまり苦労しなかったのも良かったですね。また今シーズンは、1本目の走りを踏まえて、どこを修正したら2本目にタイムアップできるかということが掴めるようになったので、成長できた一年だったと思います」。

福島在住の善方選手は、かつて二本松市に存在したSSパークサーキットでジムカーナを始めた一人。同コースで開催されたダートトライアルにも参戦経験がある。「今季は仕事の関係でコロナの感染状況によっては参加できなくなる可能性が常にあったので、メンタル的にはきつい一年でしたが、後のことは考えずにともかく目の前の一戦に集中し続けたのが結果的には良かったと思います。チャンピオンは3年くらい取り逃した感じがあって、ようやく自分の番が来たと思ったので、今季はクルマの仕様を少し変えて、乗りやすい方向に持って行ったのも正解でしたね。シリーズの中盤に入って、好きなコースである協和や、相性のいいMSPで勝てたことで、自分でも乗れてきた感じはありました。またクルマに乗ってない時でも、自転車でトレーニングしたりして体力向上に務めたお陰で、苦手だった夏場の大会に強くなれたのも大きかったと思います。2023年も連覇目指して頑張りたいですね」。

2021年に2年連続で全日本ジムカーナ選手権のチャンピオンを獲得した小武拓矢選手をはじめ、昨今、有望な若手を輩出して注目を集めている東北大学自動車部が飯野選手の活動拠点だ。「在学中に地区戦チャンピオンを獲った先輩が憧れでもあり、目標でもあったので最後のチャンスだった今季にそれが達成できて良かったです」という飯野選手は、1年生の時に自動車部の先輩にただで譲ってもらったRX-7でジムカーナを始め、タイトルを獲得した。「2021年まではセッティングやメンタルの面でミスってしまって勝てなかったんですが、その辺をひとつひとつ潰してきたのが今季は結果に繋がったと思っています。チャンピオンを決めた第6戦も凄くプレッシャーがかかりましたが、しっかりと自分の走りができて勝てたので思い出に残る一戦になりました。またスポットで参戦した全日本のスナガワで同じFD3Sに乗る方々から色々なアドバイスを受けられたことも参考になりました。2023年は就職するので、どこの大会に出られるかは分かりませんが、FDのままで、また頑張りたいと思います」。
フォト/関根健司、JAFスポーツ編集部 レポート/JAFスポーツ編集部