「ドライバー・オブ・ザ・イヤー2022」は野尻智紀選手が受賞~東京オートサロン2023にて表彰イベントを開催
2023年1月20日
2021年から始まった「ドライバー・オブ・ザ・イヤー」の2022年シーズン受賞者が、1月13日、東京オートサロン2023で発表され、2回目の受賞者は野尻智紀選手に決定した。
「ドライバー・オブ・ザ・イヤー2022」表彰イベント
開催日:2023年1月13日(金)
開催地:幕張メッセ・イベントホール(千葉県千葉市)
主催:JAF、東京オートサロン事務局(TASA)
モータースポーツファンの投票により、その年に最も輝いたドライバー(モータースポーツ競技運転者)を「ドライバー・オブ・ザ・イヤー」として選出する試みが2021年からJAFによりスタートしているが、その新たな賞典の2022年シーズンの一次投票と二次投票が行われ、野尻智紀選手がドライバー・オブ・ザ・イヤー2022に輝いた。
JAFが新たに始めたドライバー・オブ・ザ・イヤーは、初年度となる2021年についてはJAF会員を対象に投票を募り、最終的に佐藤琢磨選手が受賞したことは記憶に新しいだろう。初年度は、受賞者は2021年のJAFモータースポーツ表彰式において発表され、スポーツ庁の室伏広治長官からクリスタルの賞典が佐藤選手に贈呈された。
2022年シーズンは、JAF会員に限らず、モータースポーツファンであればSNSを活用して誰でも参加できる形式に変更され、2022年後半から最終候補者選出のための一次投票と、ドライバー・オブ・ザ・イヤー2022選手のための二次投票が行われた。
一次投票の結果、全日本カートの鈴木恵武選手と、スーパーGTを戦う高星明誠選手、千代勝正選手に加え、FIAフォーミュラ1世界選手権で活躍する角田裕毅選手、全日本スーパーフォーミュラ選手権のチャンピオンを獲得した野尻智紀選手がノミネートされた。
そして、2022年シーズンの受賞者発表は「東京オートサロン2023」で開催されることとなっており、千葉県の幕張メッセ・イベントホールにおいて、1月13日(金)のオープニングセレモニーの後、14時30分から受賞者の発表と表彰イベントが行われた。
この式典では、JAF島雅之専務理事が登壇し、2回目となるドライバー・オブ・ザ・イヤー2022の受賞者が、野尻智紀選手に決定したことが発表された。
表彰イベント当日は、残念ながら野尻選手は欠席となってしまったが、初代ドライバー・オブ・ザ・イヤーの佐藤琢磨選手がプレゼンターとして登場し、スーパーフォーミュラで野尻選手と共にチャンピオンを獲得した、TEAM MUGENの田中洋克監督が野尻選手の代理として登壇。佐藤琢磨選手から田中監督にクリスタルの賞典が手渡された。野尻選手からは下記のようなメッセージが届き、式典内で紹介されている。
「皆さんいつも応援をありがとうございます。野尻智紀です。本日は参加できずに申し訳ございません。このたびは名誉ある賞を受賞することになり、ご投票いただいたすべての皆様に心からの感謝を申し上げます。本当にありがとうございます。昨年は佐藤琢磨選手が受賞し、ドライバーとしての悔しさと、国内の選手でも獲れるんだということを見せたいという、内に秘める思いがありました。その思いが叶った今回の受賞は本当に感無量です。そしてコロナ禍の困難と立ち向かっている中で、プロドライバーとしてレース活動ができているのも、ファンの皆様、そして応援し、支えて下さる関係者の皆様のおかげです。本当にありがとうございます。今年は、この賞に恥じない結果、スーパーフォーミュラとスーパーGTのダブルタイトルが目標です。そして、これからも夢や希望、モータースポーツを知ってもらう、楽しんでもらえるよう活動して参りますので、これからも皆さんの応援をよろしくお願い致します」
野尻選手のメッセージを受けた佐藤琢磨選手は下記のように賛辞を寄せた。
「2021年もタイトルを獲得して素晴らしかったですけども、2022シーズンに賭ける野尻選手の意気込みと取り組み方と、それを支えた、田中監督率いるTEAM MUGENの本当の集大成だったと思います。スーパーフォーミュラというのは、世界的にも最もコンペティティブなフォーミュラシリーズの一つであって、連勝する、連覇することがどれだけ大変なことか、毎戦、毎戦目まぐるしく順位が変わる中で、きっちりと2勝しつつ、常に表彰台の近くにいて、終わってみれば圧倒的なポイント差で圧勝したわけですよ。これは野尻選手が次のステップに上がった証明であると同時に、TEAM MUGENの若いエンジニアやメカニックたち全員が同じ方向を向いて、一つのエネルギーが出ましたよね。そういう意味では、笹原右京選手も2勝してくれて、ドライバー自身もレベルが上がっていく過程を支えてくれましたし、それをしっかり結果で表した野尻選手は、本当に誇らしいですね」
式典の後には、西ホールに出展されたJAFブースにおいて、ドライバー・オブ・ザ・イヤー2022受賞者によるトークショーが予定されていたが、野尻選手の欠席により、急きょ佐藤琢磨選手が代役としてトークショーに出演してくれることとなった。
ステージでは初代受賞者としての感想に始まり、ホンダ・レーシング・スクール・鈴鹿のプリンシパルとして、そして自身の活動として東日本大震災以降継続しているキッズカートチャレンジなどで推進する、モータースポーツの次世代を育てる活動の狙いなどのほか、eスポーツ、eモータースポーツの意義やリアルへの活用法などについても語られた。
トークショーの最後には、JAFブース内に特設されたシミュレーターで実際に佐藤琢磨選手がデモンストレーション走行を披露。慣れない筑波サーキットを模したコースで、初めて操作する車両での走行となったが、詰めかけたギャラリーに見守られてのトライとあってドライバー魂に火がつき(!?)、予定の周回を超えるタイムアタックを披露してくれた。
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フォト/佐藤靖彦、鈴木あつし、JAFスポーツ編集部 レポート/JAFスポーツ編集部