スーパーGT今季初の合同テストはホンダNSX勢が速さを見せるもタイムは拮抗状態

レポート レース

2023年3月17日

3月11~12日、スーパーGT今季初の合同テストが、開幕戦の舞台となる岡山国際サーキットで開催され、シリーズにエントリーしている42台の車両がテストに臨んだ。GT500クラスではARTA MUGEN NSX-GT(福住仁嶺/大津弘樹組)、GT300クラスではJLOC Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥組)がそれぞれトップタイムをマークした。

2023 SUPER GT 公式テスト岡山
開催日:2023年3月11~12日
開催地:岡山国際サーキット(岡山県美作市)

 平年より暖かい気候となった岡山国際サーキットのスーパーGT合同テストには、今季シリーズにエントリーしているGT500車両15台、GT300車両27台の計42台が参加。新たなカラーリングをまとった車両もあれば、カーボン地そのままの車両もあり、開幕前のテストならではの光景となった。

 今年は300kmレースでのドライタイヤの持ち込みが1セット減って5セットとなるため、事前のタイヤ選択が非常に難しくなった。路面温度とタイヤのマッチング幅が広いタイヤを求めて、さまざまなタイヤを交換しながらテストを進めているようだった。

 2時間のセッションは1日2本設定され、2日間で合計4本8時間を予定。さらにそのセッションの合間には15分間のフルコースイエロー(FCY)テストや、セーフティカー(SC)訓練、スタート練習が行われる。

 そしてランチタイムに行われたのがピットビューイング。コロナ禍の影響でしばらく実施されていなかったイベントだが、大勢のファンが解放されたピットロードやコースのメインストレートに入り、レース車両を間近でチェック。また多くのドライバーがピット前に出てきて、サインや記念撮影に応じるなど、ファンとの触れ合いを楽しんだ。このピットビューイングは12日も行われた。

2023シリーズ参戦のマシンをひと目見ようと、合同テストには多くのスーパーGTファンがサーキットを訪れた。
コロナ禍での制限が緩和されたことで、観戦の醍醐味であるピットビューイング解放は人気を博した。

 11日午前中のセッション1、GT500クラスでは16号車NSXの福住選手が1分17秒827のトップタイムをマーク。これに100号車STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組)が17秒台で2番手、そして36号車au TOM'S GR Supra(坪井翔/宮田莉朋組)、8号車ARTA MUGEN NSX-GT(野尻智紀/大湯都史樹組)の順となった。

 さらにディフェンディングチャンピオンの1号車MARELLI IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット組)が続き、ブリヂストンタイヤユーザーがトップ5を占めた。ただしトップから12番手までは1秒差以内で収まっており、各チームとも僅差のタイムとなった。

 GT300クラスでは、昨年のテストでも好調だった88号車ランボルギーニが1分25秒400でトップに立ち、上位4台をFIA GT車両(自動車メーカーが販売するレース専用車両)が占める結果に。こちらもトップから17番手までが1秒差以内に収まっていた。

 午後のセッション2終盤にはGT300、GT500の専有走行枠が設けられたものの、路面温度が上がっていたためかセッション1のベストタイムは更新ならず。それでも16号車NSXの福住選手が1分18秒421でトップタイムをマークし、「テストでも何でもトップというのは気持ちが良いです」と笑顔を見せた。

 GT300クラスでは、244号車HACHI-ICHI GR Supra GT(佐藤公哉/三宅淳詞組)が1分26秒119でトップに立ち、新型の31号車apr LC500h GT(嵯峨宏紀/小高一斗/根本悠生組)が2番手と、FIA GT3車両をGT300車両(参戦チームが市販車を大幅に改造した車両)が上回った。

1日目GT500クラスの総合トップは、セッション1で1分17秒827を叩き出した16号車ARTA MUGEN NSX-GT(福住仁嶺/大津弘樹組)。
88号車JLOC Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥組)がGT300クラス初日で総合トップのタイムを刻む。

 12日のセッション3では、ひとりのドライバーがセッティングの確認をするチームも増え、GT500クラスでは19号車WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南組)がトップ、36号車スープラを挟み、24号車リアライズコーポレーション ADVAN Z(佐々木大樹/平手晃平組)が3番手と、ヨコハマタイヤユーザーが上位へ。

 GT300クラスでは96号車K-tunes RC F GT3(新田守男/高木真一組)、20号車シェイドレーシングGR86 GT(平中克幸/清水英志郎組)のダンロップタイヤユーザーが1-2を占めた。

 最後のセッション4ではスタート練習が実施され、そのまま多くの車両がロングランテストを行った。2日間を通してGT500クラスではNSX勢が好調のようで、そこにZ勢が続き、スープラ勢がややタイムが伸びない様子だった。

 今季は全車両がカーボンニュートラル燃料(CNF)を使用するため、全体的にパワーが落ちてラップタイムも遅くなっている。今後はとくにGT300クラスではCNFに合わせたエンジンのマッピングなどが調整されていくことになる。

 そしてスーパーGTの今後のスケジュールについて、合同テストは3月25~26日にも富士で行われ、4月15~16日に岡山国際サーキットにて開幕の予定だ。

GT500クラスの2日目は19号車WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南組)がベストタイムを叩き出した。
96号車K-tunes RC F GT3(新田守男/高木真一組)がGT300クラス2日目でトップタイムをマークする。

フォト/皆越和也 レポート/皆越和也、JAFスポーツ編集部

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