2023年のスーパーフォーミュラ開幕戦、リアム・ローソン選手がデビューウィン!
2023年4月14日

2023年全日本スーパーフォーミュラ選手権が富士スピードウェイで開幕戦を迎えた。悪天候による専有走行キャンセルで始まったレースウィークは、レース序盤からセーフティカーが入る荒れた展開に。最終的にチェッカーを受けたのは14台というサバイバルレースを制したのはリアム・ローソン選手(TEAM MUGEN)。アンダーカット作戦を成功させたルーキードライバーがデビューレースで優勝という快挙を成し遂げた。
2023年JAF全日本スーパーフォーミュラ選手権 第1戦
開催日:2023年4月8日
開催地:富士スピードウェイ(静岡県小山町)
主催:富士スピードウェイ株式会社、FISCO-C
全日本スーパーフォーミュラ選手権 第1戦
2022年同様、1大会2レース制で幕を開けた今シーズンのスーパーフォーミュラ選手権。これまで4年間使用されたSF19から、新しいエアロパッケージをまとった新型車両SF23、そしてサステナブルタイヤが採用されたレースとなる。
なお開幕前の公式テストは鈴鹿サーキットで行われた2日間のみ。どのドライバーも富士スピードウェイでSF23を走行するのはこのレースウィークが初めてだ。チームとしてもそれほどのデータはなく、まさに全員が横一線でスタートを切る状態となった。
ところが、前日の7日に予定されていた専有走行が悪天候によりキャンセル。決勝のスターティンググリッドを決定する公式予選が、この週末の走り出しになってしまう。通常はQ1、Q2の2つのセッションに分けて行われる公式予選も、今回は45分間の計時予選へと方式が変更された。
一夜明けた富士スピードウェイは、上空にまだ雲が残っていたものの、穏やかな空模様となる。コース上はところどころにウェットパッチが残ったことから、ウェット宣言が出された状態で予選セッションがスタートした。
序盤は各車がコースやマシンのコンディションを確かめながらセッティングを詰めていき、終盤にタイムアタックを行っていく。しかしノックアウト予選と状況が違い、ほとんどのマシンが一斉にピットを離れたことで、コース上は一気に大渋滞が発生してしまった。
このトラフィックがタイヤのウォームアップやアタックそのものに影響し、多くのドライバーは最後のアタックで自己ベストタイムを削ることができずに予選のチェッカーを迎えることに。その結果、セッション中盤に1分22秒062をマークしていた野尻智紀選手(TEAM MUGEN)がポールポジションを獲得。
2番手には1000分の46秒差で宮田莉朋選手(VANTELIN TEAM TOM'S)がつけた。野尻選手と宮田選手の2台は、昨年の第9戦から3戦連続で1列目に並んでいる。3番手には最終ラップに自己ベストを更新したローソン選手が入り、以下、大湯都史樹選手(TGM Grand Prix)、佐藤蓮選手(TCS NAKAJIMA RACING)、坪井翔選手(P.MU/CERUMO・INGING)と続いた。

天候は徐々に回復し、決勝レースが始まるころには青空も見えるようになった。まずポールシッターの野尻選手が定評あるスタートを決め、トップを維持して1コーナーを通過。一方の宮田選手は少し出遅れてしまい、大湯選手が2番手に浮上した。
後方では関口雄飛選手(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、山下健太選手(KONDO RACING)、小林可夢偉選手(Kids com Team KCMG)の3台が1コーナーで接触。マシンにダメージを負った山下選手と小林選手はオープニングラップで早々にリタイアとなった。
さらに2周目には同じく1コーナーで坪井選手と牧野任祐選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が接触してクラッシュ。コース上にはたくさんのパーツが散乱し、レースは早くもセーフティカー(SC)が導入されることとなる。
リスタートは8周目で、ここで3番手のローソン選手が前方の大湯選手に襲いかかる。2台はサイド・バイ・サイドのままコカ・コーラコーナーへ入り、ともにコースオフ。この隙に宮田選手が2番手を取り戻すが、コース上に戻ってきたローソン選手がダンロップコーナーで宮田選手を捕え、野尻選手、ローソン選手のTEAM MUGEN勢が1-2体制を築いた。
レースの折り返し地点となる21周を終え、先にピットインしたのはローソン選手。アンダーカットを狙ってアウトラップから猛プッシュする。野尻選手はローソン選手の翌周にピットへ向かい、ポジションをキープしてコースに復帰したが、すでにタイヤが温まっているローソン選手はみるみる追いつき、100Rコーナーで一気にオーバーテイク。事実上のトップが交代した。
この時点でまだタイヤ交換を済ませていないマシンが5台あり、ローソン選手は見た目上は6番手。上位5台の中でも暫定トップの宮田選手と2番手の平川亮選手(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)はピットインのマージンをつくるべくペースを上げていく。ローソン選手と野尻選手の前に出ることは厳しかったが、2台がターゲットにしたのは事実上の3番手を走行している山本尚貴選手(TCS NAKAJIMA RACING)だった。
チームは素早い作業で平川選手を送り出し、山本選手の前でコースインするが、1コーナーで飛び出してしまい逆転ならず。その翌周にピットに向かった宮田選手も、同じようにコース復帰直後の1コーナーでオーバーシュートし、山本選手は3番手を死守。ただ、タイヤに熱が入ってくると平川選手が一気にペースアップし、36周目の1コーナーで山本選手を捕えて3番手に浮上した。
その直後、9番手争いを展開していた福住仁嶺選手(ThreeBond Racing)とジュリアーノ・アレジ選手(VANTELIN TEAM TOM'S)が1コーナー手前で接触。2台のクラッシュは激しく、レースは2度目のSC導入となった。
マシン回収とコース清掃には時間がかかり、SC先導のまま残り6周が終了。ローソン選手がトップチェッカーを受け、スーパーフォーミュラデビューレースで優勝を飾った。2位は野尻選手で、TEAM MUGENが1-2フィニッシュ。3位には平川選手が入った。




WAKO'S スーパーカートカップ 第2戦/富士シリーズ 第1戦



Ferrari Challenge Trofeo Pirelli Japan Round1 Race1




フォト/石原康 レポート/浅見理美、JAFスポーツ編集部
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