全6戦のグラスルーツレース「富士チャンピオンレースシリーズ」開幕!

レポート レース

2023年4月20日

桜満開の富士スピードウェイで、いよいよ富士チャンピオンレースシリーズが幕を開けた。その第1戦は4月1~2日に開催され、フォーミュラカーからツーリングカーまでバラエティに富んだ車両によって覇が競われた。

2023 富士チャンピオンレースシリーズ 第1戦
開催日:2023年4月1~2日
開催地:富士スピードウェイ(静岡県小山町)
主催:FISCO-C、SCCN

2023年 Formula Beat 地方選手権シリーズ 第2戦

 鈴鹿サーキットでの開幕戦から舞台を移したフォーミュラ・ビート(F-Be)の第2戦は20台のエントリーを集めた。予選で最速タイムを記したのは、初参戦の卜部和久選手。計測1周目から一度もトップを譲らず、ラストアタックでだめ押しの一発を決めていた。

「ミスを最小限にして、最後はうまくまとめられました。四輪に上がってからポールポジション(PP)は初めて。うれしいです」と卜部選手。2番手には佐々木孝太選手がつけ、「本当に毎レース、ゆっくりさせてくれませんね(笑)。どっちかと言うと、決勝の方が自信あるかな」と、若手が越えなくてはならない壁として、引き続き受けて立つ構えであることを明らかにした。

 決勝では佐々木選手が好スタートを切り、1コーナーでトップに迫るも、卜部選手は逆転を許さず。予選順位同様の3番手で1コーナーをクリアした徳升広平選手を交え、まずは3人でトップを競い合う。だが、一団となっていたのは2周目まで。そこから先は卜部選手がファステストラップを連発して、徐々に差を広げていった。

 6周目には2秒5にまで開いた一方で、7周目には佐々木選手のペースが上回るようになり、逆にじわりじわりと……と思わせたのも束の間、なんとその佐々木選手が失速し、ゆっくりとピットに戻ってくる。「またシャフトが折れました。スタート練習していないのに……」と、2戦連続で同じトラブルに見舞われてのリタイアに、佐々木選手はうなだれる。

 これで卜部選手のリードは一気に8秒にまで広がり、対照的に徳升選手とハンマー伊澤選手による2番手争いが激しさを増したことから、リードはより拡大していく。その結果、最後は13秒差の圧勝。佐々木選手のリタイア後も「ずっとプッシュしていました。これで勝ち方を覚えたので(併せて出場する)FIA-F4にも活かしていきたいです。(F-Beには)被っていない4戦に出る予定ですが、出るからには勝ち続けたいと思っています」と卜部選手。

 2位は伊澤選手の猛攻を最後まで凌いだ徳升選手が獲得。そして4位はジェントルマンクラス優勝の河野靖喜選手。予選こそ9番手だったものの、1周目のうちに6番手に浮上し、6周目にはもうひとつポジションを上げていた。「予想以上に良かったですね。スタートから良かった。佐々木さんがいなくなったのもあって、運も良くて、気づいたらこの順位でした」と喜びを隠せぬ様子だった。

優勝は卜部和久選手(H・R F108)。
2位は徳升広平選手(フジタ薬局アポロ電工高山短大)、3位はハンマー伊澤選手(アルカディア☆ハンマーRハヤテ)。
フォーミュラ・ビート表彰の各選手。
ジェントルマンクラス優勝は河野靖喜選手(ファーストガレージ&ISP)。
2位は植田正幸選手(Rnsports制動屋KKZS)、3位はKAMIKAZE選手(ファーストガレージ&ISP)。
フォーミュラ・ビートジェントルマンクラス表彰の各選手。

Formula Regional Japanese Championship 2023 Round1(Race1/Race2/Race3)

 4シーズン目を迎えた地方選手権のフォーミュラ・リージョナルが開幕。今年は全6大会16レースで争われ、昨年に続き富士スピードウェイが第1大会の舞台となった。予選は2回行われ、Q1のベストタイムでレース1、Q2のベストタイムでレース2、そしてセカンドベストタイムでレース3のグリッドを決めるが、いずれもトップタイムを記録したのは小川颯太選手。昨年、チャンピオン小山美姫選手と競い合った実力を、遺憾なく発揮していた。

「クルマのバランスは良かったんですけど、思ったよりタイムが伸びていなくて……。昨日より温度が上がったことで、コンディション的には良くなかったようです。なので、攻めるというよりは、我慢して我慢してタイムを伸ばすという感じです。決勝は3レースとも落ち着いてスタートしっかり決めて勝ちたいです」と小川選手。

 レース1でPPの小川選手の横に並んだのは、急きょスポット参戦を決めたという平木湧也選手で「準備期間が短く、とくに予選では苦労しました」と語っていたが、決勝ではスタートを決めていきなりトップに躍り出る。しかし小川選手も遅れずに続き、虎視眈々と逆転の機会をうかがう。そして6周目の1コーナーで平木選手をかわして小川選手がトップに立った。もちろん平木選手も遅れをとることなく、引き続き一騎討ちが続いていく。

 そのまま最終ラップにもつれ込もうとした直前、ふたりの前にバックマーカーが! 小川選手がパスにやや手間取ったのを、平木選手は見逃さなかった。そして最後の1コーナーでクロスをかけて並び、コカコーラコーナーで平木選手は前に出る。これで勝負あり。

「セットを変更したのがいい方向に行って良かったです。自分としてはスタートが良くなかったというか、ストールしなくて良かったという感じで(笑)」と平木選手。うれしいデビューウィンとなった。3位はシリーズ返り咲きの澤龍之介選手が獲得し、マスタークラスでは辻子依旦選手が初優勝で総合でも6位だった。

レース1優勝は平木湧也選手(HELM MOTORSPORTS F111/3)。
2位は小川颯太選手(Bionic Jack Racing F111/3)、3位は澤龍之介選手(Sutekina Racing)。
フォーミュラ・リージョナルレース1表彰の各選手。
レース1マスタークラス優勝は辻子依旦選手(PONOS RACING)。
2位はYUKI選手(NILZZ Racing)、3位はYUGO選手(S2R Racing)。
フォーミュラ・リージョナルレース1マスタークラス表彰の各選手。

 レース2は2番手スタートの澤選手がフォーメーションラップでエンジンをストールさせ、いったん出遅れるもすぐに再始動。最後尾の車両より前で走り出せたため、この点ではお咎めはなし。PPの小川選手が好スタートを切るも、1コーナーでブレーキをロックさせて痛恨のオーバーシュート。すぐに復帰を果たすも4番手に後退する。代わってトップに立ったのが澤選手。ひとり逃げていく澤選手であったが、6周目にペナルティとして5秒加算のアナウンス。フォーメーションラップ中に順位を戻せず、グリッドにつく際に戻したのが理由だった。

 その時点でポジションを2番手に戻していた小川選手との差は4秒。これをキープさせれば優勝は小川選手のものとなる。互いにプッシュし合うも、最後は5秒7の差をつけて澤選手はフィニッシュ。辛くも逃げ切りを果たす格好となった。

「ピットからペナルティのことは聞いていて、それなら速く走って5秒離して勝とうと思ったので、本当に良かったです。結果オーライ!」と澤選手。3位は平木選手が獲得し、マスタークラスでは辻子選手が連勝を飾っている。

レース2優勝は澤選手(Sutekina Racing)。
2位は小川選手(Bionic Jack Racing F111/3)、3位は平木選手(HELM MOTORSPORTS F111/3)。
フォーミュラ・リージョナルレース2表彰の各選手。
レース2マスタークラス優勝は辻子選手(PONOS RACING)。
2位はYUGO選手(S2R Racing)、3位は林雅弘選手(HAYASHI SPORTS)。
フォーミュラ・リージョナルレース2マスタークラス表彰の各選手。

 レース3で小川選手の横に並んだのは、再び平木選手。しかしレース1の再現とはならず、今度こそ小川選手は1コーナーへのホールショットに成功。逆に1コーナーでの位置取りが悪く、平木選手は4番手に順位を落としていた。

 2番手は小川選手のチームメイトである岩澤優吾選手。しかし、澤選手と平木選手がぴたりと離れず。その激しいバトルも、小川選手を楽にさせた。8周目の1コーナーで澤選手が2番手に上がると、やがて単独走行に持ち込んだが、なおも岩澤選手と平木選手の3番手争いは続く。そして13周目の1コーナーで平木選手が順位を上げた。

 その間に逃げ続けた小川選手は、最終ラップにファステストラップも打ち立てて3秒差の圧勝に。ようやく勝てただけに、レース後には安堵の表情も見せていた。「タイヤをセーブしながら後半プッシュ、最後はファステストラップを意識して全力でプッシュしました。クルマには勝てるポテンシャルが全部あったのに、自分のミスで……。今週は反省する点がすごく多かったです」と小川選手。しかし、ポイントリーダーとして第1大会を終えることには成功した。

 マスタークラスはYUKI選手が初優勝。辻子選手がまたもトップで発進したが、徐々に差を詰めていったYUKI選手が12周目に逆転。辻子選手は14周目の最終コーナーでスピンするも、それまでのマージンが活きて2位でのゴールは果たせている。「以前はフォーミュラ隼をやっていて、15年ぐらいブランクがありましたが、昨年のWECの時に復帰しました。先に行かせてもらってからは自分のペースで走れました」とYUKI選手。

レース3優勝は小川選手(Bionic Jack Racing F111/3)。
2位は澤選手(Sutekina Racing)、3位は平木選手(HELM MOTORSPORTS F111/3)。
フォーミュラ・リージョナルレース3表彰の各選手。
レース3マスタークラス優勝はYUKI選手(NILZZ Racing)。
2位は辻子選手(PONOS RACING)、3位はYUGO選手(S2R Racing)。
フォーミュラ・リージョナルレース3マスタークラス表彰の各選手。

TOYOTA GAZOO Racing Yaris Cup 2023 西日本シリーズ 第2戦

 TOYOTA GAZOO Racing Yaris Cupは、西日本シリーズとしては初めて富士での単独開催となり、エントリーは75台を集めた。PPを獲得したのはA/Bの2組に分けられた予選で、A組トップのCANDY TAKEKAWA選手が、B組トップの沖ノ井宣隆選手を上回ってPPを獲得。「本当に久しぶりに獲れました。たぶんこれ以上ないタイムが出せました」とTAKEKAWA選手は大喜びの様子だった。

 決勝ではTAKEKAWA選手が好スタートを切るも、沖ノ井選手とスタートでひとつ順位を上げていた神谷裕幸選手が、ぴたりと食らいついて離れず。そして勝負は早々に決した。スリーワイドで飛び込んでいった1コーナーを、最初に立ち上がったのは神谷選手。

「昨日までずっとロングもやっていたので、決勝のペースには自信がありました」と語るとおり、神谷選手は安定したペースでラップを重ね続け、終盤になってTAKEKAWA選手と小野田貴俊選手の接近を許すも、冷静な対処でトップを譲らず。逃げ切って今季初勝利、そしてランキングのトップにも立った。

優勝は神谷裕幸選手(N中部GRGミッドレスYaris)。
2位はCANDY TAKEKAWA選手(トヨタユナイテッド静岡Yaris)、3位は小野田貴俊選手(トヨタユナイテッド静岡Yaris)。
Yaris Cup表彰の各選手。

 CVTクラスの優勝は、N-ONEオーナーズカップにも参戦中のCVT使い、塚原啓之選手が獲得。「MTの人のスリップを使って、前のCVTの人(たねぞう選手)を捕えることができました。すごく楽しかったです」と塚原選手。そしてコンソレーションでは山崎じん選手がトップでチェッカーを受けていた。

CVTクラス優勝は塚原啓之選手(ツカハラレーシングYarisCVT)。
2位はたねぞう選手(LET's クミレール Yaris CVT)、3位は荒川美恵子選手(MIEKO Yaris CVT)。
Yaris Cup CVTクラス表彰の各選手。
コンソレーション優勝は山崎じん選手(HT IDI Yaris)。
2位は山村彰義選手(チャレンジャーGR東京北池袋Yaris)、3位は仲村理香選手(RSかなやエンドレスYaris)。
コンソレーション表彰の各選手。

Porsche Sprint Challenge Japan 第1戦/第2戦

 ポルシェカレラカップジャパンへのステップアップカテゴリーとなるポルシェスプリントチャレンジジャパンが、富士スピードウェイからスタート。今年も全4大会8戦で競われる。予選は1回だけ行われて、ベストタイムがレース1、セカンドベストタイムがレース2のグリッドを決する。

 ディフェンディングチャンピオンのKEN YAMAMOTO選手を従え、いずれもトップを獲ったのは初参戦の呉良亮選手だった。「まだミシュランタイヤの使い方、ポルシェの走らせ方がうまくできていなくて」と語るが、常連ドライバーからすれば「それなのに」といった印象だろう。

 決勝でも呉選手は快走を見せ、レース1、レース2ともにYAMAMOTO選手に14秒もの差をつけて2連勝。「初めてポルシェのレースに出ましたが、すごく面白いクルマだったので、これからも極めていきたいと思います。(併せて出場するGR86/BRZ Cupプロシリーズと)重なっちゃうので、次のSUGOには出られないんですが、その次の富士と鈴鹿には出ようと思っています」と、今後に意欲を見せていた。

第1戦GT3-Iクラス優勝は呉良亮選手(Ryosuke Kure)。
2位はKEN YAMAMOTO選手(Car Shop K with Wise Door PCJ)、3位はMasa TAGA選手(GIRODISC-CREF MOTOR-SPORT CUP)。
第1戦GT3-Iクラス表彰の各選手。
第2戦GT3-Iクラス優勝は呉選手(Ryosuke Kure)。
2位はYAMAMOTO選手(Car Shop K with Wise Door PCJ)、3位はTAGA選手(GIRODISC-CREF MOTOR-SPORT CUP)。
第2戦GT3-Iクラス表彰の各選手。

 GT3-IIクラスでは橋村剛選手が2連勝。レース1ではGT3-I勢と互角のバトルを繰り広げ、「やっぱりパワーが違うので抜けなかったですが、楽しかったです」とレース1後に語っていたが、レース2では序盤の接触で終始単独走行に。ペナルティは相手に出されるも「接触は良くないので、後味悪くなっちゃいました」と対照的なコメントを発していた。

第1戦GT3-IIクラス優勝は橋村剛選手(244Racing PORSCHE)。
第1戦GT3-IIクラスの表彰式。左から2位のヤマダヒロシ選手、1位の橋村選手。
第2戦GT3-IIクラス優勝は橋村選手(244Racing PORSCHE)。
第2戦GT3-IIクラスの表彰式。左から2位のヤマダ選手、1位の橋村選手。

 そしてGT4クラスでも、ポルシェのジュニアドライバーに抜擢された平安山良馬選手が2連勝。「タイムを安定させることもそうですが、レース1よりタイムを上げることを意識していて、いろいろ試しながら自分で考えた結果、最後にタイムを上げることができたので、それに関しては良かったと思います」とレース2後に語っていた。

第1戦GT4クラス優勝は平安山良馬選手(Porsche Japan GT4 Racing)。
2位は牧野善知選手(SUNRISE BLVD.)、3位は山口達雄選手(NAVUL)。
第1戦GT4クラス表彰の各選手。
第2戦GT4クラス優勝は平安山選手(Porsche Japan GT4 Racing)。
2位は山口選手(NAVUL)、3位は牧野選手(SUNRISE BLVD.)。
第2戦GT4クラス表彰の各選手。

ROADSTER CUP 1.5/1.6/1.8/2.0 Round1

 ナンバーつきのロードスターによるロードスターカップは、今年も2.0オープン、1.8、1.6、そして1.5オープンと1.5チャレンジの5クラス混走で争われる。一部のクラスにおいてはコントロールタイヤが改められ、とくに効果絶大だったのが1.5オープン。従来のレコードタイムが1秒以上更新され、予選でも上位が独占された。最速タイムを記してPPを獲得したのは、昨年のランキング2位だった山本謙悟選手だ。

「タイヤが変わったのは大きくて、たぶん普通に走ったらもう1秒ぐらい縮まると思うんですが、前のタイヤの名残があって、まだアジャストしきれていません。熱に敏感なタイヤでコントロールも難しそうで、決勝はデリケートに走る必要がありそうです」と山本選手。

 総合4番手まで1.5オープン勢が占め、総合5番手は1.8トップの神谷誠選手、2.0オープントップの高橋裕史選手は11番手、そして総合13番手に1.6トップの竹田幸一郎選手がつけていた。また18台と最多台数の1.5チャレンジでは、松原泰世選手がトップだった。

 決勝ではPPの山本選手がスタートに遅れ、1コーナーで佐藤文昭選手にトップを奪われるも、1周目のうちに100Rで逆転。その後は国分務選手と佐藤選手が激しく争い合うのを尻目に、山本選手は逃げ続けていた。だが、リードが8秒以上に広がった6周目に山本選手が突然失速。

「電子制御のスロットルがおかしくなって……」というのが原因だった。そのため佐藤選手にいったんは抜かれるも、最終ラップのGRスープラコーナーで抜き返し、辛くも優勝を飾ることとなった。「ギャップをつくっておいたのと、すぐに直ってくれたので良かったです」と山本選手。

 1.8ではスタート直後の1コーナーで混乱があり、順位を落としていた神谷選手だったが、先行する中村英貴選手との差を徐々に縮め、5周目の1コーナーでトップに返り咲く。その後は引き離しにかかり、総合4位も獲得した。「いったん順位を下げたんですが、トップとの間を詰めてタイミングを見て抜いたという、そういう流れでした」と神谷選手。

 1台だけの参加となった2.0オープンでは、高橋選手が5台抜きを果たして総合でも6位に。そして一騎討ちとなっていた1.6は竹田幸一郎選手の逃げ切りに。1.5チャレンジは予選の勢いをそのままに松原選手が圧勝。「早いうちに差を広げておきたいな、と思っていましたが、後ろがバトルしてくれたことでだんだん離れていってくれたので、後半は自分のペースを保って走りました」と松原選手。2位には石塚崇宣選手の猛攻を、最後まで凌ぎ切った吉野直人選手がつけた。

RSC1.6優勝は竹田幸一郎選手(Winmax内藤鈑金AKC NA6)。
RSC1.8優勝は神谷誠選手(samsμロードスター)。
RSC1.8の表彰式。左から2位の中村英貴選手、1位の神谷選手、3位の渡邉達也選手。
RSC1.5オープン優勝は山本謙悟選手(ASM JOY WM 愛染ND5)。
RSC1.5オープンの表彰式。左から2位の佐藤文昭選手、1位の山本選手、3位の国分務選手。
RSC1.5チャレンジ優勝は松原泰世選手(CR55ロードスター)。
RSC1.5チャレンジの表彰式。左から2位の吉野直人選手、1位の松原選手、3位の石塚崇宣選手。
RSC2.0オープン1位は高橋裕史選手(リーガルトップ☆アクレRS)。

86&BRZ/FUJI 86BRZ Challenge Cup Round1

 トヨタ86とスバルBRZによるワンメイクレースは、スリックタイヤ装着のN1車両による86&BRZ、そしてナンバーつきチューニングカーによる富士86BRZチャレンジカップの混走によって争われる。その中での注目は、今年から新型GR86での出場も認められたことで、竹内浩典選手がN1仕様のGR86でこのレースに参戦。

「僕が速いんじゃなくてクルマが速い。とくにストレート。でも、コーナーは50kg重い先代モデルの方が速い。その代わり新型モデルは加速とコーナーの立ち上がりがいいので、タイムはいいです」と予選でレコードタイムを3秒も短縮した竹内選手。先代の86では松本晴彦選手がレコードを更新したが、やはり3秒近い差があり、+400ccの余裕は恐るべしといったところだ。

 予選の総合2番手は「ちょっとタイミングが悪くてクリアが取れなくて、一回落ち着こうとピットに入って、走り直したのが良かったです」と語る梅原雄一選手で、3番手は中澤卓也選手。このふたりも新型のGR86とBRZで、いずれもチャレンジカップのJP-2Sからの出場だ。総合4番手が松本選手で、同クラスのススム ナカムラ選手を僅差で従えた。

 またチューニングレベルが抑えられたチャレンジカップのJP-3Sでは勝又臣楠選手がトップ、そして先代86/BRZレースの車両によるJP-4SではYOSHIKI選手がトップだった。

 決勝は言うまでもなく竹内選手の圧勝。GR86は別賞典ではあるが、86&BRZに対して10周で31秒もの差をつけた。「テストで走るのとレースで走るのとでは違うじゃないですか。このタイヤでまだ長い距離を走っていないので、プッシュしてどこまで保つか見ていました」

「お客さまにN1仕様の86をレンタルして乗ってもらうので、もうちょっとセッティングします。新しいレーシングカーをつくりたいっていう方も何人かいるので、いいお披露目にもなりましたね。レンタルも間もなく始めますし、コストパフォーマンスもいいと思うので、これから新型が増えると思いますよ」と竹内選手。

 総合2位は、JP-2Sのふたりで競われた。まずは中澤選手がトップに立つも、2周目には梅原選手が逆転。その後も接近戦を続けていたが、最終ラップの梅原選手のミスを見逃さず、100Rで中澤選手が逆転。「ずっと後ろを走っていて、自分の速いところ、遅いところを見極めていられたので、割と落ち着いて行けたかなと思っています。実は今回が四輪初レースで、いいデビュー戦になりました」と中澤選手。

 その後方では、86&BRZの松本選手が序盤のうちに独走体制に持ち込んだかに見えたが、中盤になって一気にナカムラ選手が差を詰め、勢いに乗じて6周目にトップ浮上。しかし、遅れることなく続いていた松本選手は最終ラップの1コーナーで再逆転、そのまま逃げ切りを果たした。「後ろの方も速いなと思ったので、無理しないで先に行かせて様子見て、最後に行けそうだったから行った感じです。隙があればと思っていました」と松本選手。

 JP-3クラスは、スタートで3番手から五十嵐剛木選手がトップに立つも、「スタートでやらかしちゃいましたけど、ペースがあるのは分かっていました」という堀舜之選手が6周目に逆転。以降は逃げ続けて優勝を飾った。

 JP-4SクラスはYOSHIKI選手の優勝で、クラスでは2位に6秒の差をつけたが、「違うクラスの車と争うのも楽しいですね。いろいろ勉強になります」と混走レースならではの醍醐味に満足そうだった。

GR86 1位は竹内浩典選手(86RACER'S GR86)。
86&BRZ優勝は松本晴彦選手(埼玉自動車大学校MS86)。
86&BRZの表彰式。左から2位のススムナカムラ選手、1位の松本選手、3位の森田幸二郎選手。
富士86BRZチャレンジカップJP-2S優勝は中澤卓也選手(アイブローズ タクミ商事BRZ)。
富士86BRZチャレンジカップJP-2Sの表彰式。左から2位の梅原雄一選手、1位の中澤選手、3位の鈴木貴大選手。
富士86BRZチャレンジカップJP-3S優勝は堀舜之選手(アバンテ.act86)。
富士86BRZチャレンジカップJP-3Sの表彰式。左から2位の鈴木康史選手、1位の堀選手、3位の五十嵐剛木選手。
富士86BRZチャレンジカップJP-4S優勝はYOSHIKI選手(N-SPEED 86)。
富士86BRZチャレンジカップJP-4Sの表彰式。左から2位の吉成公一選手、1位のYOSHIKI選手、3位のSAITO KYOU選手。

フォト/石原康、大野洋介 レポート/はた☆なおゆき、JAFスポーツ編集部

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