GT500クラスはMOTUL AUTECH ZとNiterra MOTUL Zが1-2フィニッシュ、GT300クラスはUPGARAGE NSX GT3が5年ぶりにチーム優勝
2023年4月26日

4月15~16日、岡山国際サーキットにて2023年のスーパーGTシリーズが開幕した。その開幕戦は予選/決勝ともに雨に翻弄され、決勝では3回も赤旗が掲示されて中断するなど、荒れた週末となった。GT500クラスではMOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)がポール・トゥ・フィニッシュ。GT300クラスはUPGARAGE NSX GT3(小林崇志/小出峻組)が、チームとして5年ぶりに優勝した。
2023 SUPER GT Round1 OKAYAMA GT 300km RACE
開催日:2023年4月15~16日
開催地:岡山国際サーキット(岡山県美作市)
主催:株式会社岡山国際サーキット、AC、株式会社GTアソシエイション
スーパーGTもいよいよ2023シーズン本番を迎え、その第1戦が岡山国際サーキットで開催された。レースウィーク前夜から弱い雨が降り、15日もそのまま雨が降り続けるというコンディション。気温13度で始まった公式予選では、タイヤの温度を上げるために各セッションが5分延長される措置が採られた。
GT300クラスA組のQ1では、予選中に雨量が増えたため赤旗が掲示され、セッションは5分少々を残して中断後に終了となってしまう。続くGT300クラスB組とGT500クラスは雨の中でQ1が行われた。GT300クラスのQ2ではブリヂストンとミシュランのタイヤと路面がマッチ。ポールポジションは練習走行からトップを走行していた65号車LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗組)で、フロントローには2号車muta Racing GR86 GT3(堤優威/平良響組)とブリヂストンユーザーが並び、3番手にはミシュランタイヤを履く7号車Studie BMW M4(荒聖治/ブルーノ・スペングラー組)がつけた。
GT500クラスのQ2では、3号車Zの高星選手、23号車Zの松田選手の一騎討ちとなり、松田選手が最後に1分27秒860のタイムで他を圧倒。3号車Zもフロントローに並び、3番手はダンロップタイヤを履く64号車Modulo NSX-GT(伊沢拓也/太田格之進組)となった。
翌16日は晴れ模様となり、航空自衛隊新田原基地から飛来したF-15戦闘機もウェルカムフライトを披露。オープニングセレモニーも終了し、気温19度&路面温度30度のコンディションでいよいよ300km、82周のバトルがスタート。時を同じくして上空から雨粒がポツポツと落ちて来た。雨量は多くはなく、そのまま13時35分にシグナルグリーンとなりレースはスタートした。

GT500クラス
レース序盤から23号車Zのクインタレッリ選手と3号車Zの千代選手が後続を引き離していたが、GT300クラス車両を周回遅れにし始めた6周目あたりから雨がうっすらと路面を濡らし、ワイパーを使用する車両も出始めた。トップ2台に100号車STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組)が追いついた16周目に、まず23号車がピットインしてタイヤ交換作業とドライバー交代に入った。その直後、1コーナーでコースオフした車両があり、フルコースイエロー(FCY)導入。さらに2台の車両がコースサイドから動けなくなりセーフティカー(SC)導入となった。
隊列を組み直しピットレーン入口がグリーンランプになると、タイヤ交換のために大量の車両が一気にピットインして大混雑となった。これが落ち着いた23周目には、100号車NSX、37号車Deloitte TOM'S GR Supra(笹原右京/ジュリアーノ・アレジ組)、36号車au TOM'S GR Supra(坪井翔/宮田莉朋組)がトップ3となった。
タイミングよくピットインした23号車Zは、ヘビーウェット状態の路面とタイヤがマッチングせず25周目には6番手まで順位を落としたが、コース上の雨量が減り出してからは29周目までに3番手へ、31周目には2番手へ順位を上げた。そして41周目の1コーナーでトップ奪還に成功する。
雨のレースはその後も続き、47周目には1台がヘアピンでコースアウトすると、FCYからこの日2度目のSC導入へ。そのわずかなタイミングでピットレーン入口がグリーンのタイミングで、23号車Zはピットインして6番手へ順位を落とした。
15時15分、近隣に落雷があり赤旗が掲示されてレースは中断。20分後にレース再開となったが、GT500クラス上位陣は最後のピットへ。しかしここでトップの36号車スープラの左フロントホイールを装着する前に車両はスタートしてしまい、コース脇でクルマを止めることに。これで23号車Zと3号車Zが1-2状態となった。
レースはその後コースサイドに止まった車両があり、この日3回のSCから赤旗、その25分後に再スタートするも61周終了時点でこの日3回目の赤旗でレースは成立。雨に翻弄されたレースはZの1-2フィニッシュという形で終了した。3位にはシャシー交換のためにレース序盤にピットストップ5秒のペナルティを消化した8号車NSXがゴールした。



GT300クラス
GT300クラスは、ポールシッターの65号車メルセデスがスタートから徐々に独走状態へ持ち込んだ。最初のFCYが入る直前で2番手の2号車GR86がタイミング良くピットインしたが、FCYからSCに切り替わったことでスリックタイヤのままスロー走行する車両の後方に入ることとなり、トップとの差が広がることに。
隊列を組み直して18周目にピットロード入口がグリーンになると、タイヤ交換のために各車が一斉にピットイン。65号車メルセデスは21周目にトップでコースに戻り、52号車埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰組)、ピット作業がまだの9号車PACIFIC ぶいすぽっ NAC AMG(阪口良平/リアン・ジャトン組)、2号車GR86、最初のFCYのタイミングで一気に順位を上げていた18号車NSXと続いていた。
やがて65号車メルセデスが再び独走状態へ。そして38周でピットインして篠原選手から蒲生選手へ交代すると、代わりにトップに立った9号車メルセデスもピットへ。40周で52号車スープラ、2号車GR86もドライバー交代のためにピットインすると、何と38周で最後のピットインを済ませていた18号車NSXがトップに立っていた。
一旦上がっていた雨が再び降り出し、6番手を争っていた9号車メルセデスと88号車JLOCランボルギーニGT3(小暮卓史/元嶋佑弥組)がクラッシュを喫した。この日2度目のFCYからSC導入。隊列を整えている間に近隣への落雷があり、レースは赤旗が掲示され中断。その後2度の赤旗中断となりレースはその時点で終了。
18番手スタートの18号車NSXは、チームとして2018年開幕戦のMC86以来5年ぶり、小林選手も5年ぶりの優勝を遂げ、小出選手はスーパーGTデビューウィンとなった。2位は65号車メルセデス、3位は244号車HACHI-ICHI GR Supra GT(佐藤公哉/三宅淳詞組)だった。



フォト/石原康、遠藤樹弥 レポート/皆越和也、JAFスポーツ編集部
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