地方選手権もかかるジャパンツアーシリーズ開幕戦は、チャンピオンが激戦を制す!

レポート レース

2023年5月10日

東北は宮城県のスポーツランドSUGOでも、いよいよレースの2023シーズンがスタート。「2023 SUGOチャンピオンカップレースシリーズ特別戦」として「マツダファン東北ミーティング2023 in SUGO」が4月22〜23日に開催された。マツダ車でサーキットを楽しめる様々な催しも実施されたため、パドック中がマツダ車だらけ。オーナーやファンにはたまらない2日間にもなっていた。

2023年JAF地方選手権 JAFツーリングカー選手権ロードスター・パーティレースIIIジャパンツアーシリーズ第1戦/ロードスター・パーティレースIII北日本シリーズ第1戦
(マツダファン東北ミーティング2023 in SUGO内)

開催日:2023年4月22~23日
開催地:スポーツランドSUGO(宮城県村田町)
主催:(株)菅生、SSC

 ナンバー付きのマツダ・ロードスターによるワンメイクレース、ロードスター・パーティレースIIIは2022シーズンから全国を転戦するジャパンツアーシリーズが設けられた。さらに2シーズン目の2023シーズンはJAF地方選手権である、JAFツーリングカー選手権もかけられた。舞台も十勝インターナショナルスピードウェイでの一戦が加えられて、7カ所のJAF公認サーキットを転戦。SUGOでの緒戦は、北日本シリーズ第1戦とのダブルタイトルでの開催だ。

 予選は先頭でアタックを開始した、昨シーズンのジャパンツアーと北日本の二冠王、箕輪卓也選手のリードから始まった。しかし、すぐに上回ったのが吉田恭将選手。このふたりに続いた上田純司選手ともども一旦ピットに戻るも、ほぼタイミングを同じくして3コーナー脇でストップした車両が。すぐに赤旗が出されて、予選は中断された。

 その中断の間に、若干ではあったが路面温度が上がり、より良い路面状態になっていたようだ。オンタイムのまま、残り5分で計測は再開。ここで吉田選手が出した暫定トップタイムを上回ったのが菊池仁選手。一方、吉田選手と箕輪選手はピットを離れるのが遅れたため、ラストアタックに入る直前、ほんの数秒前にチェッカーフラッグが振られ、タイムアップならず。

「赤旗が出た時は、残り時間のことが心配で。それまで納得のいくタイムが出ていなかったので、少々焦りました。でも、再開されてからは前車との間隔もうまく調整できて、いい感じでアタックできたと思います。決勝は勝ちます!」と意気込む菊池選手。

 対して、「前半に出しに行くのは狙いどおりでしたが、それがちょっとミスだったのかもしれません。後半、路面温度が上がってきて、そこに合わせるべきだったのかな」と吉田選手が語れば、「前半に出すって決めていて、それである程度のタイムは出せたので……」と箕輪選手も、前半にピークを置いたことを悔やんでいた。いずれにせよ4番手の上田選手まで、ポールポジションの菊池選手とのタイム差は約0.4秒。9周の決勝が激戦となるのは免れそうもなかった。

2022シーズンの北日本シリーズでは、2ポイント差で惜しくもランキング2位だった菊池仁選手(ガレージ123煉獄ロードスター)。予選再開後のわずかなチャンスをモノにして、ポールポジションを獲得した。

 ジャパンツアーの決勝は、全戦がローリングスタート。これを誰より鋭く決めたのが箕輪選手だった。菊池選手には届かなかったが、吉田選手を1コーナーでインからかわし、2番手を奪取する。しかし、吉田選手も負けてはいない。2周目に入ったばかりの1コーナーで2番手を奪い返す。

 ふたりがやり合う間に、早くも差を広げた菊池選手だったが、そのまま逃げ切りは許されず。まずファステストラップの連発で近づいてきたのが、吉田選手だ。その攻防が激しくなるにつれ、箕輪選手も接近。さらに、三つ巴のバトルの隙を伺うような間隔で上田選手が続き、4台は後続を完全に引き離していた。

 そして8周目、1コーナーに3ワイドで飛び込むと、トップに立ったかに見えた箕輪選手だったが、アウトにはらんでしまい吉田選手がトップに立った。そして3コーナーでは菊池選手がスピンを喫し、上田選手が待望の3番手に浮上。

 しかし、トップ争いはなおも続く。ファイナルラップのレインボーコーナーで箕輪選手がインに飛び込み、抜かれまいとした吉田選手は縁石を飛び越えてしまうも、辛くも逆転は許さず。これで勝負が決し、吉田選手の優勝と思われたがフィニッシュ後に失格の裁定が。箕輪選手が繰り上がって、シーズンを跨いでジャパンツアー三連勝を飾った。

「実はタイヤを予選の時に使いすぎてしまって、外側が剥離しかかっていたので、ちょっと右コーナーがつらかったです。結果として優勝になりましたから、それはそれで良かったんですが、予選、決勝ともに速さでは負けていたので、次も勝てるように頑張ります」と箕輪選手はレースを振り返った。2位は上田選手で、3位は6番手スタートから惠木勇哉選手が獲得した。

 そして、シリーズポイントが加算されないクラブマンクラスでは、「SUGOもパーティレースも今回が初めてで、レースも2戦目です」と語る石塚崇宣選手が優勝。スタートで予選クラストップの古田孝一選手をかわし、序盤こそ接戦を繰り広げたが、やがてシリーズクラス勢を間に挟んだことから、難なく逃げ切りを果たした。

 開幕戦から激戦がくり広げられたジャパンツアーの第2戦はゴールデンウィークの5月5日、筑波サーキットが舞台。東日本シリーズの第1戦とWタイトルで開催される。

ファイナルラップまで熾烈な首位攻防戦を見せた箕輪卓也選手(ミノワファクトリーロードスター)が3番グリッドから逆転優勝。シーズンをまたいでの三連勝でジャパンツアーシリーズと北日本の二冠の二連覇に、幸先の良いスタートを決めた。
上田純司選手(上伸物流ロードスター)はチャンスを逃さず順位を上げて2位表彰台(左)。惠木勇哉選手(プロフィスヤマ岡崎ロードスター)は6番グリッドからバトルを勝ち抜いて3位を獲得した(右)。
暫定表彰式には、左から優勝した箕輪選手、トップでフィニッシュも失格となってしまった吉田恭将選手、2位の上田選手が登壇した。
クラブマンクラスはクラス2番手から好スタートを決めた石塚崇宣選手(NDロードスター)がトップでフィニッシュ。ロードスター・パーティレースIIIとスポーツランドSUGOのデビューをクラス優勝で飾った。
クラブマンクラスの表彰台には、左から2位の古田孝一選手、優勝の石塚選手、3位の荒川豊選手が上がった。

フォト/石原康、大野洋介 レポート/はた☆なおゆき、JAFスポーツ編集部

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