快晴の筑波での「こどもの日の祭典」で、スーパーFJの小村明生選手が開幕二連勝!!
2023年5月12日
5月5日、こどもの日の筑波サーキットで行われるのは、子供から大人まで楽しめる、まさにクルマの祭典! 現在は「筑波サーキット・カーフェスティバル」(筑フェス)と名称が改められたが、毎年恒例の人気イベントだ。レースだけでなく、さまざまな名車によるデモランやパレードランが実施され、パドックでは惜しみもなく身近で見せてくれる。さらにインフィールドの芝生席には特設ステージが設けられて、特撮ヒーローショーやライブまで行われるのだから、訪れた人たちはさまざまなスタイルで、筑波を満喫していた。
2023年JAF筑波/富士スーパーFJ選手権シリーズ第2戦
JAFツーリングカー選手権ロードスター・パーティレースIIIジャパンツアーシリーズ第2戦/東日本シリーズ第1戦
2023年JAF筑波サーキットトライアル選手権シリーズ第3戦
(筑波サーキット・カーフェスティバル2023内)
開催日:2023年5月5日
開催地:筑波サーキット(茨城県下妻市)
主催:B-Sports
2023年JAF筑波/富士スーパーFJ選手権シリーズ第2戦
筑波で6戦、富士スピードウェイで2戦、全8戦で競われる2023年JAF筑波/富士スーパーFJ選手権シリーズは、この一戦が2戦目。第1戦は2016シーズンの筑波チャンピオン、小村明生選手が復帰レースで優勝を飾っているが、第2戦は果たして誰が勝利を挙げるのか?
予選では、その小村選手が計測1周目からトップに立ち、その座を最後まで譲らなかった。計測7周目にベストタイムを記し、一度ピットに戻って内圧を調整し、再度アタックをかけるも、さらなる短縮は果たせず。「昨日の練習からタイヤがすぐタレる感覚はなかったので、まだ上を目指せると思って最後もう一回行ったんですけど、うまく噛み合わなくて更新できなかったですね。でも、狙ったとおりのタイムは出せたと思います」と結果には納得の小村選手。
一方、「ベストタイムだけが飛び抜けて速くて、アベレージタイムが良くないので、決勝までにロガーとオンボード見比べて対処したいと思います」と語る2番手につけたのは、前戦もフロントロウだった武者利仁選手。3番手は内藤大輝選手で、4番手は安田航選手だった。
決勝では小村選手が好スタートを切ったのに対し、武者選手が出遅れ、内藤選手の先行を許す。4番手は安田選手。1周目を終えると、早くも小村選手は後続に約0.9秒の差をつけて、独走体勢に持ち込んでいた。
対して激しく繰り広げられていたのが、内藤選手と武者選手による2番手争い、そして安田選手と中澤凌選手、角間光起選手、村田将輝選手による4番手争いだった。それぞれテール・トゥ・ノーズでの戦いを展開するも、そこはなかなか抜けないことで知られる筑波。プレッシャーをかけ合って、相手のミスを待つしかない。
終盤に入ってバックマーカーが現れ、これが唯一の好機となるかと思われたが、ここは抜かれる側のマナーの良さもあり、逆転シーンには至らず。
その間も逃げ続けた小村選手は、ファイナルラップこそピットで見守るチームメイトに感謝の意を伝えるため、ペースを緩めたものの、それでも3.721秒差での圧勝で見事二連勝を飾った。
「スタートは得意としているので、そこで前に出て、というのはプランどおり。後ろがどれだけついてくるか見ていたんですが、早い段階で『ああ、これは離せるな』ってなったんで、それからは自分との戦いに、前回はファステストラップ獲れなかったので、そういうところも決めたいと思っていたので、最後までプッシュしていました。出るからにはチャンピオンを目指す、全勝も目指して、まだふたつめですが、これからも頑張ります」と小村選手は力強く語った。
2位でフィニッシュの内藤選手は、表彰台に満面の笑顔で立っていた。「よかったです、久しぶりの表彰台なので。スタートはずっと苦手だったんですけど、去年の日本一決定戦でいいのがあったので、それを継続していてやっていたら、うまくなりました(笑)。ただ、後ろを気にし過ぎて、前に逃げられてしまったのは反省点です」と、喜び一方ではなかったよう。
そして、3位の武者選手は「内藤選手の速い部分と、僕の速い部分がちょうど違っていて、そこで差が出てしまいました」と、これまた反省しきりだった。なお、4位争いにも最後まで変動はなく、安田選手が逃げ切った。
小村選手が2度目のチャンピオン獲得に向けて好スタートを決めた今シーズン。第3戦は5月28日、同じ筑波で開催される。
JAFツーリングカー選手権ロードスター・パーティレースIIIジャパンツアーシリーズ第2戦/東日本シリーズ第1戦
JAFツーリングカー選手権として今シーズンから開催されることとなった、ロードスター・パーティレースIIIのジャパンツアーシリーズは、早くも第2戦。東日本シリーズ第1戦とのダブルタイトルとなった。
シリーズポイントがつかないNDクラブマンクラスは通常、ランキングを競うNDシリーズクラスと混走とされるが、筑波が舞台の東日本シリーズは人気とあって、それぞれ分かれての開催に。また、ND-Sも予選20番手までが本戦に進み、21番手以下はボーナスレースに臨むこととなる。ちなみに別開催のNCシリーズクラスも合わせると、約80台の新旧マツダ・ロードスターが集結していた!
ND-Sの予選は2組に分けられ、まず1組のトップはディフェンディングチャンピオンで、開幕戦ウィナーの箕輪卓也選手。これに上田純司選手、吉田恭将選手が続く。
そして、2組トップはND-Cからステップアップしてきた松原泰世選手。そして、eスポーツではワールドチャンピオンの経験を持つ宮園拓真選手が続くも、再車検でリアキャンバー角度違反が発覚して失格。繰り上がって出来利弘選手が2番手に、そして3番手に野村充選手がつけていた。
なお、タイムでは箕輪選手が松原選手を上回ったことから、箕輪選手がポールポジションを獲得。1組のドライバーがイン側グリッドに並ぶこととなった。
箕輪選手は「昨日の練習がすごくダスティで滑りやすくて、あらためて今日走ってみたら昨日のままだったので、とりあえず滑らせないように、うまく縦にクルマを進めていくことを心がけて走りました。筑波は本当に抜きにくいと言われていて、実際にそうなんですが、勝負事は何が起こるか分からないので気を引き締めて、勝てるように頑張りたいと思います」と予選を振り返った。
ジャパンツアーシリーズ恒例のローリングスタートで開始された15周で競うND-Sの決勝は、1コーナーでの混乱もなく全車がクリア。箕輪選手がトップを守り、松原選手、上田選手の順は予選そのまま。第1ヘアピンの立ち上がりでは、出来選手を吉田選手がかわして4番手に上がっていた。
吉田選手は2周目に上田選手もパス。その間にトップを争う箕輪選手と松原選手に離されてしまうが、勢いは明らかに誰よりあった。徐々に差を詰めていくと、松原選手は後ろが気になり始めたのか、ややペースが鈍りだす。逆にそれは好機、ととらえた箕輪選手は一気にプッシュ。内圧も整ったのを確認してファステストラップ連発で、4周目には約1秒差、6周目には約2秒差にまでリードを広げることとなった。
同じ頃、松原選手と吉田選手のバトルは、より熾烈を極めるように。その後方には、開幕戦同様、一歩引いた位置で上田選手が続き、隙あらばの構え。さらに6周目に出来選手をかわしていた、野村選手が5番手で続く。12周目のダンロップコーナーで、ついに松原選手を吉田選手がとらえて2番手に浮上。激しいバトルに決着がついた。
その間にも逃げ続けた箕輪選手は開幕二連勝。「最初は内圧が上がっていないなりに、あんまり無理せず走って、後半になればなるほど僕の方が有利だろうなと考えていたので、徐々にペースを上げていきました。少し後ろが離れてからは自分との戦いで、タイムをきっちり揃えるのを目標に走っていました」という言葉どおりの展開に持ち込んだ。
一方、2番手でフィニッシュラインを通過した吉田選手は、複数回の走路外走行などのペナルティとして1分加算され、20位に降格。松原選手が2位に繰り上がり「百戦錬磨で、レース経験豊富な方に胸を借りるつもりで、チャレンジャーとして臆せずいこうと思っていました」と全力を尽くせたことに満足そうだった。そして、3位は上田選手が獲得した。
なお、ボーナスレースでは上入佐慶太選手が、ND-Cでは本田真哉選手が、NC-Sでは井尻薫選手がそれぞれ優勝を飾った。
ジャパンツアーシリーズは6月17~18日、舞台をモビリティリゾートもてぎに移して第3戦を開催。箕輪選手がシーズンを跨いで5連勝を果たすか、それとも連勝を止めるライバルが登場するか、注目される。
2023年JAF筑波サーキットトライアル選手権シリーズ第3戦
2023年JAF筑波サーキットトライアル選手権シリーズは、この一戦が第3戦。第2戦は終始雨に見舞われ、常勝ドライバーの連勝ストップという波乱もあった。しかし、第3戦はコンディションにも恵まれた。というより、恵まれ過ぎか。5月上旬とは思えぬ陽気、そして2本とも午後からのスタートだったからだ。若干ながら風が吹いたことで路面温度が下がっていたようだ。
CT1クラスで優勝、総合トップタイムも飾ったのは、第1戦以来の今シーズン2勝目を飾った、日産GT-Rの中嶋貴秀選手だった。1本目の計測3周目に、冬季以外で初めて1分切りを果たし、レコードタイムも更新。
「暑かったので、あまりタイムは期待していなかったんですけど、短い周回でクリアが取れたのが大きかったですね。車両の馬力があるので、うまく曲がれれば、それなりにタイムが出るんだと思います。次回も勝って安心したいですね、最終戦にはちょっとマージンとって戦えるように臨みたいので」と中嶋選手はレコードタイム更新を振り返った。2位はGVB型スバル・インプレッサWRX STIの澁澤栄一選手で、2本目では0.5秒以上の短縮を果たすも連勝はならなかった。
CT2クラスはマツダRX-7の森田正穂選手が2本目に約0.2秒の短縮を果たし、前戦で連勝を止められたポルシェ718ケイマンGT4の松代耕二選手をしっかり下して優勝。
「この時期なら、だいたい想定していたタイムです。総合なんてもう無理。冬でもないのに1分切りされたら、太刀打ちできませんから。雨でも電子制御フルオンのポルシェには敵いません」と森田選手は優勝するも、控えめのコメントを残した。
CT4クラスはZC33S型スズキ・スイフトスポーツの上原和音選手が開幕三連勝。1本目では同じスイフトの松橋豊悦選手を僅差で従えていたが、2本目で引き離す格好となった。
「ヒート1はちょっと冷却水が多くて吹いちゃったので、5周しかできなくて。ヒート2もターボ車なので熱がきつくて。最初の方でベストになったんですが、反省ロガーを見直したら、もう少し縮められたな、悔しいっていうのが半面。いい結果出せて良かったな、っていうのが半面です。このまま全勝といきたいところですが、これからもっと暑くなるので、今後対策が必要かなと思って、そこはやっていきたいと思っています」と上原選手は反省点も語ってくれた。
CT5クラスもスイフトスポーツ、旧型のZC32S型がトップ2を独占。1本目トップの石井均選手が2本目でさらにタイムアップ、2番手の大輪清選手を寄せ付けなかった。
「3日前にもっとプアーなタイヤで練習して、交換したタイヤに合わせたつもりのキャンバーが寝かせ過ぎていたようです。今、温度を測っていたら、内側が相当上がっていたので。ヒート2は自分としては3ラップ目がベストで、あとは他の方がどのぐらいかと思って、くっついて様子を見ようと走っていたら、さらに出ちゃったんです」と石井選手。肩の力が抜けていたことで、かえってタイムアップできたようだ。
CT6クラスでは、スズキ・カプチーノの吉崎久善選手が第1戦以来となる優勝。「ヒート1の方が私は良かったんですよ。ヒート2は南向きの風が吹いていて、最終コーナー怖いんですよ、車が軽いから。ただ、前回までの不調の原因も分かったので、解消してなんとか踏み留まれました」と今シーズン2勝目をマークした吉崎選手。2位はND型ロードスターの安本悠人選手が獲得した。
ND型ロードスターを駆り、CT7クラスで開幕三連勝の日向孝之選手からは、衝撃の発言が。「実はこないだ胆石の手術をしまして、病み上がりなんですよ。ポイント落としたくないので、とりあえず来たんですけど、本気で走るのやめようかと思ったんです。でも、思ったより自分のカラダのコンディションが良かったので、その辺は良かったです。医者からは大丈夫とは言われていたんですが、ちょっと怖かったのもありましたね」とのことだ。
同じロードスターの宮野直樹選手を1秒半近くも引き離しただけに、「ここまできたら全戦全勝といきたいんですけど、ひょっとしたらポッと誰か来るもしれませんので、気を抜かないように、あとはクルマを壊さないように頑張っていきたいと思います」とも日向選手はつけ加えてくれた。
筑波サーキットトライアルの第4戦は6月10~11日。梅雨に入っているであろう時期でもあることから、ウェットコンディションでの勝負も予想される。
フォト/鈴木あつし レポート/はた☆なおゆき、JAFスポーツ編集部
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