開幕ラウンドのオートポリスは木村偉織選手がパーフェクトなレースで怒涛の3連勝!

レポート レース

2023年5月26日

スーパーフォーミュラ・ライツ選手権の2023年シリーズは、5月20~21日にオートポリスで開幕。大会は練習走行までウェットコンディションで、公式予選からドライコンディションとなる難しい路面状況の中、昨シーズンシリーズ3位の木村偉織選手(B-MAX RACING TEAM)が3連勝を挙げ、幸先の良いスタートを切った。

2023年JAF全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第1戦/第2戦/第3戦
(2023年JAF全日本スーパーフォーミュラ選手権 第4戦内)

開催日:2023年5月20~21日
開催地:オートポリスインターナショナルレーシングコース(大分県日田市)
主催:株式会社オートポリス、APC

 2023年のスーパーフォーミュラ・ライツ選手権のエントリーは1チーム2名減の4チーム11名で、うち3名がマスタークラスからのエントリーとなっている。またコントロールタイヤであるハンコックタイヤの工場火災により、開幕戦から第3戦まではウェットタイヤがヨコハマタイヤに、第4戦以降はすべてのタイヤをヨコハマタイヤに変更することとなった。

 18~19日に行われた専有走行はすべてウェットコンディションで、ヨコハマタイヤを履いての走行となった。そして20日はドライコンディションとはなったものの、コース上にはウェットパッチが残る状態。公式予選はハンコックタイヤを履いてのぶっつけ本番のアタックとなった。

 20分ずつの公式予選で、第1戦と第2戦の両方のポールポジションを獲得したのは木村選手。第1戦の予選2番手はイゴール・オオムラ・フラガ選手(B-MAX RACING TEAM)、3番手はウェットコンディションの専有走行でトップタイムをマークした平良響選手(TOM'S)だ。

 以下、古谷悠河選手(TOM'S)、昨年のFIA-F4選手権チャンピオンを獲得してステップアップした小出峻選手(TODA RACING)、デビッド・ビダーレス選手(B-MAX RACING TEAM)と続いた。第2戦の予選2番手は小出選手、3番手は古谷選手で、以下オオムラ・フラガ選手、ビダーレス選手、平良選手と続く。

ルーキーはさまざまな経歴を持つ5名のドライバー。小出峻選手、堤優威選手、エンツォ・トゥルーリ選手、デビッド・ビダーレス選手、イゴール・オオムラ・フラガ選手が参戦。
3月中旬に発生した韓国のハンコックタイヤ工場の火災により、生産ラインが停止してタイヤ供給支援に影響が出たため、ドライタイヤのみハンコックタイヤを使用。横浜ゴムがレインタイヤを用意し、次大会以降はドライタイヤも供給を行う。
2022年から継続参戦となった木村偉織選手。悲願のチャンピオン獲得に向けて、予選から好発進した。

 晴れ、ドライというコンディションとなった21周レースの第1戦は、19日16時3分にスタート。しかしフロントローのオオムラ・フラガ選手、11番グリッドの畑享志選手(B-MAX RACING TEAM)がエンジンストールで大きく出遅れる。

 ポールスタートの木村選手は、2周目には最速ラップを叩き出して後続との差を開いた。レース中盤には2番手争いの平良選手と古谷選手の差が縮まったものの、順位が変わるまでには至らず。また4番手争いはビダーレス選手、小出選手、野中誠太選手(TOM'S)の3台が序盤には接近したが、中盤以降は各車の差が広がり、そのままの順位でチェッカー。

 木村選手がポール・トゥ・フィニッシュに最速ラップで、初戦からフルマークの得点を獲得する。マスタークラスは、今田信宏選手(B-MAX RACING TEAM)がDRAGON選手(B-MAX RACING TEAM)をリードしていたが、オオムラ・フラガ選手と接触してコースアウトし、順位を落としてしまった。しかしコースに復帰して中盤の13周目にはDRAGON選手をかわし、まず1勝を挙げた。

ポールポジション、ファステストラップを獲得しての優勝で、フルマークとなった木村選手(B-MAX RACING TEAM)。
2位は平良響選手(TOM'S)、3位は古谷悠河選手(TOM'S)。
第1戦の表彰式。左から2位の平良選手、1位の木村選手、3位の古谷選手、マスタークラス優勝の今田信宏選手が登壇した。

 第2戦は20日の9時3分に14周レースとしてスタートした。フロントローに並んだ小出選手が好スタートを決めたが、1コーナーはポールシッターの木村選手が死守。続くセカンドローの古谷選手とオオムラ・フラガ選手も並びながらのバトルを演じたが、オオムラ・フラガ選手には7番グリッドから一気に順位を上げた野中選手が追いついて4番手争いへと転じた。

 1秒の中に入ったトップ3台だったが、ミスはなく順位に変動もなく、やがてその差は徐々に開いて木村選手が2戦連続でトップチェッカー。最速ラップも獲得し、連続のフルマーク得点となった。2位は小出選手、3位は古谷選手だった。

 マスタークラスは畑選手がこの日は欠場となり、2台での争いになった。スタートで今田選手が遅れ、DRAGON選手がレースをリード。中盤には今田選手もDRAGON選手に追いつく走りを見せたが、DRAGON選手が逃げ切り今季初優勝を飾った。

ポール・トゥ・ウィンを決めた木村選手(B-MAX RACING TEAM)。第1戦に続きフルマークで2連勝を達成。
2位は小出選手(TODA RACING)、3位は古谷選手(TOM'S)。
第2戦の表彰式。左から2位の小出選手、1位の木村選手、3位の古谷選手、マスタークラス優勝のDRAGON選手が登壇した。

 14周レースの第3戦は12時18分にスタート。前日の第1戦の結果により決まったグリッドで、ポールポジションからスタートした木村選手がトップを守り1コーナーへ。しかしフロントロースタートの平良選手が出遅れ、古谷選手が2番手に順位を上げる。4番手争いはオープニングラップの第2ヘアピンで小出選手とビダーレス選手、エンツォ・トゥルーリ選手(TOM'S)が接触し、ビダーレス選手が前に出た。

 3周目の1コーナーで平良選手が2番手に順位を上げると、その後はトップの木村選手に迫る走りを見せる。3番手争いも古谷選手にビダーレス選手が接近。さらに5番手争いは小出選手、オオムラ・フラガ選手、トゥルーリ選手、堤優威選手(Rn-sports)、フォーメーションラップでスタートできず最後尾スタートとなった野中選手の5台がバトルを展開していく。

 レース終盤、木村選手は平良選手を引き離して3連勝のチェッカー。最速ラップもマークして第1大会でパーフェクトなレースを見せた。2位は平良選手、3位はビダーレス選手を僅差で振り切った古谷選手。5位はこちらもトゥルーリ選手を僅差で抑えた小出選手がゴールした。マスタークラスは3周目に今田選手をかわしたDRAGON選手が逆転で2連勝を遂げた。

木村選手(B-MAX RACING TEAM)がオートポリス大会を完全制覇! 3連勝を挙げてポイントリーダーとなった。
右から2位の平良選手(TOM'S)、3位の古谷選手(TOM'S)。
第3戦の表彰式。左から2位の平良選手、1位の木村選手、3位の古谷選手、マスタークラス優勝のDRAGON選手が登壇した。

 開幕ラウンドの結果、ランキングは3連勝の木村選手が35点をマークしてトップ。平良選手が15点で2番手、古谷選手が同じ15点で3番手、小出選手が11点で4番手。木村選手がスタートダッシュを決めた第1大会だった。

フォト/吉見幸夫 レポート/皆越和也、JAFスポーツ編集部

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