シリーズ初のダブルヘッダー開催となった全日本ジムカーナ選手権。初成立のPE2クラスは河本晃一選手が勝利

レポート ジムカーナ

2023年7月6日

全日本ジムカーナ選手権 第4戦「北海道オールジャパンジムカーナ」が、6月23~24日に、北海道砂川市のオートスポーツランドスナガワ ジムカーナコースで開催された。これまで全日本ジムカーナ選手権は1大会につき1戦ずつ行われてきたが、本大会は24日に第4戦、25日に第5戦のダブルヘッダー開催。そのため、毎戦土曜日に実施される公開練習が23日に行われ、25日の第5戦は公開練習を行わないスケジュールとなる。

2023年JAF全日本ジムカーナ選手権 第4戦「北海道オールジャパンジムカーナ」
開催日:2023年6月23~25日
開催地:オートスポーツランドスナガワ ジムカーナコース(北海道砂川市)
主催:C.S.C.C、AG.MSC北海道

 石狩川の河川敷に設けられたフラットなコースが舞台となるオートスポーツランドスナガワのコースレイアウトは、前半から中盤にかけてコースセクションを周回し、後半にパドック前に設けられたターンセクションでのパイロンターンをこなすという設定だ。コースセクションは例年よりもストレート区間が短いテクニカルなレイアウトが採用された。

 このコースセクションの路面は目が粗く、ターンセクションの路面は目が細かい舗装のため、路面変化への対応力の高さも求められる。開催日の天候は午前中が薄曇り、午後から晴天となり、気温はこの時期の北海道では珍しい28度付近まで上昇。路面温度も40度を超えるという状況の中、多くのクラスで第2ヒートでのベストタイム更新が続出した。

コースセクションとターンセクションのメリハリが効いたレイアウトとなった第4戦。

PE2クラス

 今シーズン初のクラス成立となったPE2クラスには5台が出場した。その中で、第1ヒートクラス唯一となる1分12秒台のタイムをたたき出した河本晃一選手(スバル・BRZ)が、PE2クラスでの初勝利を獲得。2位は地元・北海道からエントリーの伊藤大将選手(スバル・BRZ)、3位には伊藤選手とダブルエントリーの高野一徳選手(スバル・BRZ)がそれぞれ入賞した。

PE2クラス優勝は河本晃一選手(オーリンズBRZ-AT71RS)。
PE2クラスの表彰式。左から2位の伊藤大将選手、1位の河本選手、3位の高野一徳選手。

BC1クラス

 第3戦までに3名のウイナーが誕生しているBC1クラス。毎戦、表彰台の顔ぶれが変わる混戦模様となっている中で、2位に2回入賞している野原博司選手(ホンダ・CR-X)が、第3戦を終えてシリーズランキングトップに立っている。

 注目の第1ヒートは、これまで3戦連続4位入賞の山越義昌選手(ホンダ・シビック)がベストタイムをマーク。2022年JG3クラスチャンピオンの西井将宏選手(ホンダ・インテグラ)が0.383秒差の2番手、野原選手が3番手につける。第2ヒートは上位3台が軒並みタイムダウンとなり、順位は変わらず。山越選手が今季初優勝を飾り、シリーズポイントでも今回3位となった野原選手と並び同点トップとなった。

BC1クラス優勝は山越義昌選手(BS茨中摩摺セラ渦シビック)。
BC1クラスの表彰式。左から4位の高江淳選手、2位の西井将宏選手、1位の山越選手、3位の野原博司選手、5位の橋本克紀選手、6位の小武拓矢選手。

BC3クラス

 BC3クラスは、今季トヨタ・GRヤリスを投入してここまで未勝利の菱井将文選手が、第1ヒートのタイムで逃げ切りシーズン初優勝を獲得。シリーズランキングトップの津川信次選手(トヨタ・GRヤリス)は、0.099秒差の2位。津川選手と0.124秒差の3位には大橋渡選手(スバル・インプレッサ)が入賞。今回4位の一色健太郎選手(トヨタ・GRヤリス)まで、上位4台が1分8秒台に並ぶという接戦となった。

BC3クラス優勝は菱井将文選手(BS・クスコヤリス)。
BC3クラスの表彰式。左から4位の一色健太郎選手、2位の津川信次選手、1位の菱井選手、3位の大橋渡選手。

PE1クラス

 欠場した開幕戦を除きこれまで3勝を挙げている山野哲也選手(アルピーヌ・A110S)が、第1ヒートのベストタイムをマーク。第2ヒートでもベストタイムを更新し、今季4勝目を飾った。2位にシリーズランキングトップの大橋政哉選手(アルピーヌ・A110S)が入賞し、ランキングトップの座を死守するものの、その差はわずか2点差に縮まった。3位には今季2回目の表彰台獲得となる深川敬暢選手(テスラ・モデル3)が入賞。

PE1クラス優勝は山野哲也選手(EXEDY71RS A110S)。
PE1クラスの表彰式。左から2位の大橋政哉選手、1位の山野選手、3位の深川敬暢選手。

PN1クラス

 朝山崇選手(トヨタ・ヤリス)と福田大輔選手(マツダ・MAZDA2)が同点トップで迎えた第4戦のPN1クラスは、第1ヒートのタイムで逃げ切った斉藤邦夫選手(トヨタ・ヤリス)が開幕戦以来となる今季2勝目を獲得。シリーズランキングも3番手から2番手に浮上した。そして2位に朝山選手が入賞し、福田選手が4位となったことで、シリーズランキングは朝山選手が単独トップ。3位の阪本芳司選手(トヨタ・ヤリス)が今季初表彰台を獲得した。

PN1クラス優勝は斉藤邦夫選手(ネッツ群馬ジースパイス ヤリス)。
PN1クラスの表彰式。左から2位の朝山崇選手、1位の斉藤選手、3位の阪本芳司選手。

PN2クラス

 マツダ・ロードスターのワンメイク状態となっているPN2クラスは、第1ヒートでシリーズランキングトップの小野圭一選手がベストタイムを更新してトップに立つが、すぐさま2022年JG8クラスチャンピオンの小林規敏選手が逆転。第2ヒートは上位陣が軒並みタイムダウンという結果に終わり、小林選手が今季2勝目を飾った。小野選手は今季3回目となる2位入賞、そして3位に第3戦優勝の川北忠選手が入賞し、シリーズポイントではトップの小野選手が2番手の川北選手との差を5点差から8点差に広げた。

PN2クラス優勝は小林規敏選手(BS☆XPL☆EXロードスター)。
PN2クラスの表彰式。左から4位のSHUN選手、2位の小野圭一選手、1位の小林選手、3位の川北忠選手。

PN3クラス

 ユウ選手(マツダ・ロードスターRF)が第2戦から連勝を重ねているPN3クラスは、そのユウ選手が第1ヒートで2番手タイムの大多和健人選手(マツダ・ロードスターRF)を1秒以上引き離すベストタイムをマーク。第2ヒートは、第1ヒートをパイロンタッチで終えた野島孝宏選手(マツダ・ロードスターRF)がユウ選手と大多和選手の間に割って入るが、ベストタイム更新はならず。大多和選手の第2ヒートはタイムダウンに終わり、この時点でユウ選手の3連勝が確定したが、ユウ選手は第2ヒートでも自身が第1ヒートでマークしたベストタイムを更新するという完璧な内容で、シーズン3連勝を飾った。2位に野島選手、3位に大多和選手がそれぞれ入賞した。

PN3クラス優勝はユウ選手(BS DRONE☆ロードスター)。
PN3クラスの表彰式。左から4位の西野洋平選手、2位の野島孝宏選手、1位のユウ選手、3位の大多和健人選手、5位の山口克之選手、6位の奥井優介選手。

PN4クラス

 第1ヒートで茅野成樹選手(トヨタ・GRヤリス)と松本敏選手(トヨタ・GRヤリス)、石原昌行選手(三菱・ランサーエボリューションⅩ)が1分10秒台に並んだPN4クラス。第2ヒートは石原選手と松本選手がタイムダウンに終わる中、第1ヒートトップの茅野選手が自らたたき出したベストタイムを更新。両ヒートを制する走りで今季3勝目を飾った。2位に松本選手、3位に石原選手が入賞した。

PN4クラス優勝は茅野成樹選手(EXEDY☆SCTAヤリスDL)。
PN4クラスの表彰式。左から4位の折茂紀彦選手、2位の松本敏選手、1位の茅野選手、3位の石原昌行選手。

BC2クラス

 広瀬献選手(ホンダ・S2000)が2勝、若林拳人選手(ロータス・エキシージ)が1勝で迎えたBC2クラス。第1ヒートは若林選手が2番手以降を1.5秒近く引き離すベストタイムをマークしてトップに立つ。第2ヒートは、第1ヒート2番手の広瀬選手が若林選手の第1ヒートと同じく1分8秒台にタイムを乗せてくるが、0.128秒届かず。第1ヒートのタイムで逃げ切った若林選手が今季2勝目を挙げ、シリーズランキングではトップの広瀬選手との差を2点差に縮めた。

BC2クラス優勝は若林拳人選手(YH若自速心コ犬ZRエキシージ)。
BC2クラスの表彰式。左から4位の渡辺公選手、2位の広瀬献選手、1位の若林選手、3位の藤井雅裕選手、5位の天満清選手。

フォト/CINQ レポート/CINQ、JAFスポーツ編集部

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