菅波冬悟選手が代役参戦でSFL初優勝、そして第9戦優勝の平良響選手がポイントリーダーに

レポート レース

2023年7月12日

シリーズ第3大会を迎えた全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権は、7月1~2日に鈴鹿サーキットで開催。第7戦はウェットコンディションでタイヤ選択が難しいレースとなり、予選8番手の菅波冬悟選手(B-MAX RACING TEAM)がSFL初優勝。第8戦は木村偉織選手(B-MAX RACING TEAM)が今季4勝目、第9戦では平良響選手(TOM'S)が今季3勝目を挙げた。この結果、平良選手がポイントリーダーの座についた。

2023年JAF全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第7戦/第8戦/第9戦
(2023鈴鹿クラブマンレース Round.3内)

開催日:2023年7月1~2日
開催地:鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)
主催:SMSC、ホンダモビリティランド株式会社

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第7戦/第8戦/第9戦

 梅雨時期にあたる全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権の第3大会は、鈴鹿クラブマンレース Round.3に組み込まれての開催で、マスタークラス1台を含む12台が参戦した。今回は今田信宏選手(B-MAX RACING TEAM)が欠場となり、代わりに菅波選手がエントリー。またマスタークラスは畑享志選手(B-MAX RACING TEAM)の1台だけとなった。

 第7戦と第8戦の公式予選は曇り/ドライというコンディションの1日午後に行われ、第7戦では平良選手がポールポジションを獲得し、小出峻選手(TODA RACING)、イゴール・オオムラ・フラガ選手(B-MAX RACING TEAM)、野中誠太選手(TOM'S)、木村選手、デビッド・ビダーレス選手(B-MAX RACING TEAM)という順のグリッドに。また第8戦では木村選手がポールポジションで、野中選手、平良選手、エンツォ・トゥルーリ選手(TOM'S)、小出選手、古谷悠河選手(TOM'S)が続いた。

ポールポジションは、ここまで2勝の平良響選手(TOM'S)と3勝の木村偉織選手(B-MAX RACING TEAM)とで分け合った。

 17周で争われる第7戦は、弱い雨の降る夕刻の16時43分にスタートした。予選上位陣はスリックタイヤのままだったが、後方10番グリッドの堤優威選手(Rn-sports)からDRAGON選手(B-MAX RACING TEAM)、畑選手までは溝のついたレインタイヤを選択。

 そのスタートでは3番グリッドのオオムラ・フラガ選手が出遅れ、平良選手、小出選手、野中選手の順で1コーナーへ。そしてS字でオオムラ・フラガ選手と木村選手が接触してグラベルで止まってしまい、セーフティカー(SC)ランとなった。ここまでに4番手に浮上したのがレインタイヤを履いた堤選手だった。

 SCラン中にビダーレス選手と8番手スタートの菅波選手がピットインしてタイヤをスリックからレインに交換。すぐさまSCの隊列後方につけた。4周目にレースがリスタートすると、レインタイヤでスタートした堤選手が3台をかわしトップに浮上。しかしコース上の水量が減ったのか、後続を引き離すことができず、6周目あたりからペースが鈍ってきた。

 7周目に入ると、SC中にレインタイヤへ交換したビダーレス選手と菅波選手がポジションを上げ、ついには堤選手を捕らえた。しかしトップに立ったビダーレス選手も8周目にはペースが鈍り、9周目の1コーナーで菅波選手がトップを奪う。

 10周目には2番手に順位を戻した平良選手がトップの菅波選手との差を縮めるも、菅波選手がその後はリードを広げてトップチェッカー。代役のスポット参戦でうれしいSFL初優勝を遂げた。2位は平良選手、3位は野中選手で表彰台を獲得。4位以下は小出選手、トゥルーリ選手、ビダーレス選手で、堤選手は9位ゴールだった。なおファステストラップは、3周目にオオムラ・フラガ選手がマーク。マスタークラスは畑選手が総合8位に食い込み優勝した。

第7戦で勝利したのは伏兵の菅波冬悟選手(B-MAX RACING TEAM)。代役参戦ながらSFL初優勝の快挙だ。
2位は平良選手(TOM'S)、3位は野中誠太選手(TOM'S)。
第7戦の表彰式。左から2位の平良選手、1位の菅波選手、3位の野中選手が登壇した。
孤軍奮闘のマスタークラスは総合8位の畑享志選手(B-MAX RACING TEAM)が1位を獲得。

 第8戦は12周のレースで、快晴となった2日の朝にスタート。ポールポジションの木村選手が危なげなくトップを守って1コーナーへ。これに野中選手と平良選手が続き、6番グリッドの古谷選手が4番手へ順位を上げた。4番グリッドからのスタートだったトゥルーリ選手は、古谷選手のほか、小出選手、ビダーレス選手にもかわされてポジションを落とすことに。

 3周目にファステストラップを叩き出した木村選手は、2番手争いの野中選手と平良選手との距離を広げて独走状態へ持ち込み、今季4勝目を挙げる。その後方ではチームメイト同士の2番手争いが繰り広げられ、テール・トゥ・ノーズの状態が延々と続いていた。

 野中選手、平良選手の順でチェッカーとなりそうだったが、ファイナルラップの日立Astemoシケインで野中選手のインを突いた平良選手が、軽く接触しながらも前に出てゴールし2位となった。4位以下は古谷選手、小出選手、ビダーレス選手の順でゴール。予選のマシントラブルでノータイムとなったオオムラ・フラガ選手は9位でノーポイントに終わった。マスタークラスは畑選手が総合11位でゴールした。

ポール・トゥ・ウィンを遂げた木村選手(B-MAX RACING TEAM)。これでシリーズ4勝目の勝ち星をつけた。
2位は平良選手(TOM'S)、3位は野中選手(TOM'S)。
第8戦の表彰式。左から2位の平良選手、1位の木村選手、3位の野中選手、マスタークラス1位の畑選手が登壇した。

 第7戦の結果により、菅波選手、平良選手、野中選手、小出選手、トゥルーリ選手、ビダーレス選手の順でグリッドについた第9戦。真夏の太陽が照りつけ、気温も34℃まで上昇した13時58分に12周レースはスタート。ここで平良選手がホールショットを決めて1コーナーまでにトップへ。菅波選手はやや出遅れ、野中選手、小出選手がこれに続いた。

 平良選手は2周目にファステストラップを叩き出し、2番手の菅波選手との差を引き離して独走状態へ持ち込む。この2番手争いに、ビダーレス選手、小出選手、トゥルーリ選手、木村選手、オオムラ・フラガ選手が追いつき、6台が接近。8周目の1コーナーでトゥルーリ選手が小出選手をかわして5番手に浮上。小出選手がわずかにコースをはみ出した隙を突いて木村選手も6番手へ順位を上げた。

 終盤の11周目、日立Astemoシケインでトゥルーリ選手がビダーレス選手をかわして4番手へ。木村選手もファイナルラップの同じ場所で順位を上げることに成功。トップの平良選手は2番手との差を守り、今季3勝目を挙げるとともにポイントリーダーに立った。2位は菅波選手、3位は野中選手、それにトゥルーリ選手、木村選手、小出選手が続いてポイントを重ねた。マスタークラスは総合11位で3連勝となった畑選手。

平良選手(TOM'S)が逃げ切りで第9戦を制す。ポイントランキングではトップを奪い、SFLの前半戦を終えた。
2位は菅波選手(B-MAX RACING TEAM)、3位は野中選手(TOM'S)。
第9戦の表彰式。左から2位の菅波選手、1位の平良選手、3位の野中選手、マスタークラス1位の畑選手が登壇した。

 シリーズ争いは半分の9戦を終えて、平良選手が64点でトップ。これに62点の木村選手が続き、両者のタイトル争いがシリーズ終盤まで続くことになりそうだ。3位以下は小出選手(30点)、野中選手(23点)、オオムラ・フラガ選手(22点)とこちらは今後誰が抜け出してトップのふたりに迫るのか、後半戦が楽しみだ。

 またマスタークラスは今田選手(55点)、DRAGON選手(54点)、畑選手(53点)と、2点差に3名がひしめいており、こちらも後半戦がどうなるか注目される。次の第4大会は7月15~16日に富士スピードウェイにおいて開催される。

JAF地方選手権 鈴鹿ツーリングカー選手権(FIT1.5 Challenge Cup)

優勝は西尾和早選手(CURR'sDesign制動屋FIT)。
2位は清水悠祐選手(アライメント浜松 アンダーグラウンド FRC FIT)、3位は中西茂希選手(CR Racing・セナルト FIT)。
ツーリングカー選手権表彰の各選手。

フォト/吉見幸夫 レポート/皆越和也、JAFスポーツ編集部

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