TKRI松永建設AMG GT3が参戦2年目の初優勝。ST-4クラスはENDLESS GR86が最終周に大逆転勝利!

レポート レース

2023年7月21日

7月8~9日、宮城県村田町のスポーツランドSUGOにて行われたスーパー耐久シリーズ第3戦「SUGOスーパー耐久3時間レース」は、2つのグループに区分された3時間レースが2本開催され、午前のグループ2(全23台)ではST-QクラスのTeam SDA Engineering BRZ CNF Concept(廣田光一/山内英輝/井口卓人/伊藤和広組)がトップチェッカー(賞典外)を受けた。午後のグループ1(全23台)では、ST-XクラスのTKRI松永建設AMG GT3(DAISUKE/元嶋佑弥/中山友貴組)がS耐初優勝を遂げた。

ENEOS スーパー耐久シリーズ 2023 Supported by BRIDGESTONE 第3戦「SUGOスーパー耐久3時間レース」
開催日:2023年7月8~9日
開催地:スポーツランドSUGO(宮城県村田町)
主催:株式会社菅生、SSC

 今大会は参加台数が多いこともあり、ST-3クラスの設定はなく、グループ2(ST-4クラス8台、ST-5クラス13台、ST-Qクラス全4台のうちの2台、計23台)、グループ1(ST-Xクラス5台、ST-Zクラス9台、ST-1クラス2台、ST-2クラス5台、ST-Qクラス全4台のうちの2台、計23台)と2つの決勝レースが行われた。

 3月に発生したハンコックタイヤの工場火災の影響で、このラウンドから全車がブリヂストンのタイヤだけを履くことになった。とくにST-4クラスとST-5クラスを除いたクラスは、全車が初めてブリヂストンのレインタイヤを装着することとなり、ぐずついた天候の練習走行からそのチェックに余念がなかった。

 天候不順のスポーツランドSUGOは、8日の予選日、9日の決勝日ともに、曇天で時折り弱い雨がポツポツ落ちてくるような天気だった。

グループ2 ST-Qクラス/ST-4クラス/ST-5クラス

 グループ2の3時間レースは8時43分にスタート。グループ全体の5番手スタートだったST-QクラスのTeam SDA Engineering BRZ CNF Conceptは井口選手が6周目にトップに立ち、途中ドライバー交代等で順位を落とすも、終盤の78周目に山内選手が再びトップに順位を上げ、110周でグループのトップチェッカーを受けた。

 ST-4クラスは終盤までTOM'S SPIRIT GR86(矢吹久/松井孝允/河野駿佑/坪井翔組)がクラストップを守っていたが、残り5分の時点で8秒差まで追い詰めていたENDLESS GR86(坂裕之/小河諒/菅波冬悟組)の菅波選手が猛追を見せ、ファイナルラップのハイポイントコーナー手前の短いストレートで逆転。GR86での参戦となった今季3戦目で優勝を遂げた。

 ST-5クラスはOHLINS Roadster NATS(金井亮忠/山野哲也/野島俊哉組)が終盤の88周目にトップを奪い返すと、昨年のSUGO大会以来丸1年ぶりとなる今季初優勝をポール・トゥ・フィニッシュで遂げた。

ST-Qクラス1位は#61 Team SDA EngineeringのTeam SDA Engineering BRZ CNF Concept(廣田光一/山内英輝/井口卓人/伊藤和広組)。
ST-Qクラスのセレモニー。左から2位の#28 ORC ROOKIE Racing、1位の#61 Team SDA Engineering。
ST-4クラス優勝は#3 ENDLESS SPORTSのENDLESS GR86(坂裕之/小河諒/菅波冬悟組)。
2位は#86 TOM'S SPIRITのTOM'S SPIRIT GR86、3位は#41 TRACYSPORTS with DELTAのエアバスター WINMAX GR86 EXEDY。
ST-4クラス表彰の各選手。
ST-5クラス優勝は#72 日本自動車大学校のOHLINS Roadster NATS(金井亮忠/山野哲也/野島俊哉組)。
2位は#17 TEAM NOPROのDIXCELアラゴスタNOPROデミオ、3位は#65 OVER DRIVEのodula TONE 制動屋ロードスター。
ST-5クラス表彰の各選手。

グループ1 ST-Xクラス

 グループ1は13時57分にスタート。FIA GT3車両によるST-Xクラスは、4番手スタートのTKRI松永建設AMG GT3を駆る元嶋選手がオープニングラップでトップに立ち、これを4台が追う展開。TKRI松永建設AMG GT3は序盤のマージンもあり、トップのまま走行を重ねていく。そしてレースが動いたのは終盤。

 残り45分の時点でポールスタートのDENSO LEXUS RC F GT3(永井宏明/小高一斗/嵯峨宏紀組)が2番手を走行し、逆転での初優勝を目指していた。しかし残り40分を切った91周目、S字でミッショントラブルのために突然のスロー走行。その脇をHELM MOTORSPORTS GTR GT3(鳥羽豊/平木湧也/平木玲次組)がすり抜けて2番手に浮上する。

 91周でTKRI松永建設AMG GT3が義務づけられた2回目のピットインの間、HELM MOTORSPORTS GTR GT3がトップに躍り出たが、HELM MOTORSPORTS GTR GT3は84周目の2回目のピット作業での燃料補給中にタイヤ交換をしたことで、ドライブスルーのペナルティを受ける。これで再びTKRI松永建設AMG GT3がトップに立つと、リードを守って119周でトップチェッカー。参戦2年目のうれしい初優勝となった。

 2位はHELM MOTORSPORTS GTR GT3、3位は中升 ROOKIE AMG GT3だった。この結果により、ST-Xクラスのポイントリーダーは中升 ROOKIE AMG GT3(63.00点)で変わらず、順位を上げたHELM MOTORSPORTS GTR GT3(55.00点)、KCMG NSX GT3(49.00点)が続くことになった。

ST-Xクラス優勝は#23 TKRIのTKRI松永建設AMG GT3(DAISUKE/元嶋佑弥/中山友貴組)。
2位は#1 HELM MOTORSPORTSのHELM MOTORSPORTS GTR GT3、3位は#14 中升 ROOKIE Racingの中升 ROOKIE AMG GT3。
ST-Xクラス表彰の各選手。

グループ1 ST-Zクラス/ST-1クラス/ST-2クラス/ST-Qクラス

 ST-Zクラスは、予選2番手からオープニングラップでクラストップに躍り出たシェイドレーシングGR SUPRA GT4 EVO(HIRO HAYASHI/平中克幸/清水英志郎組)が、2番手以下を引き離し独走に。2番手は5台の車両がひしめき合い、なかなか順位が変わらない状態が続いた。

 シェイドレーシングGR SUPRA GT4 EVOは18周と早めに1回目のピットインを終え、中盤の56周目には再びトップに立ったが、68周目に電気系トラブルのためにストップ。これで60kgのウェイトを積む埼玉トヨペットGB GR Supra GT4(山﨑学/吉田広樹/服部尚貴/川合孝汰組)が難なくトップに立ってリードを広げ、最後は後続からの追撃も余裕でかわし開幕3連勝。

 ST-1クラスはシンティアム アップル KTM(井田太陽/加藤寛規/吉本大樹/高橋一穂組)が連勝。ST-2クラスは新菱オートDIXCEL夢住まい館エボ10(冨桝朋広/菊池靖/大橋正澄組)が、こちらも後続の追い上げをかわして4年ぶりの優勝を遂げた。なお賞典外のST-Qクラスは2台が完走し、貴重なデータを蓄積した。

ST-Zクラス優勝は#52 埼玉トヨペット Green Braveの埼玉トヨペットGB GR Supra GT4(山﨑学/吉田広樹/服部尚貴/川合孝汰組)。
2位は#26 TEAM ZEROONEのraffinee 日産メカニックチャレンジZ GT4、3位は#20 ナニワ電装TEAM IMPULのナニワ電装TEAM IMPUL Z。
ST-Zクラス表彰の各選手。
ST-1クラス優勝は#2 Ksフロンティア KTMカーズのシンティアム アップル KTM(井田太陽/加藤寛規/吉本大樹/高橋一穂組)。
ST-1クラスの表彰式。左から2位の#47 D'station Racing、1位の#2 Ksフロンティア KTMカーズ。
ST-2クラス優勝は#6 シンリョウレーシングチームの新菱オートDIXCEL夢住まい館エボ10(冨桝朋広/菊池靖/大橋正澄組)。
2位は#13 ENDLESS SPORTSのENDLESS GR YARIS、3位は#743 Honda R&D ChallengeのHonda R&D Challenge FL5。
ST-2クラス表彰の各選手。
ST-Qクラス1位は#32 ORC ROOKIE RacingのORC ROOKIE GR Yaris(MORIZO、佐々木雅弘、石浦宏明、小倉康宏組)。
ST-Qクラスのセレモニー。左から1位の#32 ORC ROOKIE Racing、2位の#271 Team HRC。

 第4戦は7月29~30日に大分県日田市のオートポリスにおいて、5時間耐久として開催予定(ST-1クラス、ST-4クラスの設定はなし)。

フォト/今村壮希、吉見幸夫 レポート/皆越和也、JAFスポーツ編集部

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