今年も日本人が世界に挑む!! 「FIAガールズ・オン・トラック - ライジングスターズ 」に高橋佳音選手が参加!

ニュース レース カート JAFWIM

2023年8月30日

FIAウィメン・イン・モータースポーツ委員会が推進する「FIAガールズ・オン・トラック - ライジングスターズ」に、日本人が2年連続でノミネートされた。今年はトレーニングキャンプ参加の16名に高橋佳音選手が選ばれ、世界に挑戦することになった。

 2020年から本格的にスタートした「FIAガールズ・オン・トラック - ライジングスターズ」は、世界の女性レーシングドライバーの才能を発掘・育成し、モータースポーツのプロフェッショナルとして高いレベルに引き上げることを目的とした育成プロジェクトとして、FIAウィメン・イン・モータースポーツ委員会が推進している取り組みだ。

 このプロジェクトは、最終的に国際シリーズを追いかけるチャンスが得られるステップアップ・プログラムとして知られており、4回目の開催となる2023年のプロジェクトは、フェラーリ・ドライバー・アカデミー(FDA)の協力、およびFIA世界耐久選手権を戦う女性チーム「アイアン・デイムス」のサポートを受けて実施される。

 今年のプログラムも、12歳から16歳までの女性を対象としており、年齢により「シニア(14歳~16歳)」と「ジュニア(12歳~14歳)」に分かれてそれぞれの選考が行われる。9月上旬にはトレーニングキャンプによるシュートアウト、11月にはFIA-FDAスカウティングキャンプがそれぞれイタリアで行われ、最終的にはFDAとのパートナーシップによる、国際的なフォーミュラカーレースやカートレースに参戦できる可能性がある。

 昨年は、国内でジュニアカート選手権を戦う松井沙麗選手がこのプログラムに挑戦し、日本人初のノミネートドライバーとして欧州で行われたトレーニングに参加している。そして今年は、高橋佳音(かのん)選手がジュニア枠にエントリーすることが明らかになった。

 高橋選手は、2022年はSLカートミーティング瑞浪シリーズのCADET OPENクラスを戦い、4月の第2戦では優勝、5月の第3戦で3位表彰台を獲得してシリーズ3位を獲得。第17回キッズ&ジュニアカートレース全国大会ではYAMAHA CADETSで優勝している。また、2023年はSLカート瑞浪シリーズSS-Jrクラス、石野シリーズMZ-Seniorクラス、石野耐久シリーズに参戦している。

 このように、今年も精力的にカート活動に励んでいる高橋選手が、このたびFIAからプログラムにノミネートされた連絡を受け、9月上旬にイタリアで予定されているトレーニングキャンプに参加できることになった。

 高橋選手は、「松井沙麗ちゃんが昨年”ガールズ・オン・トラック”に参加したのを知って、沙麗ちゃんみたいになりたいと憧れて応募しました。主に地方レースで戦っている私のようなドライバーが選出されたことに驚いていて、昨年の沙麗ちゃんの活躍が選出の一因だったと思っています。沙麗ちゃんのバトンをしっかり受け継いで、やれることをやっていきたいです。世界中の女子ドライバーと切磋琢磨できる機会を大切にし、日本のレースでも活かしていきたいです。そして、女子のモータースポーツを盛り上げて、私もレースをやってみたいと思う女子が増えるといいなとも思っています。精一杯がんばってきますので、応援よろしくお願いします!」と意気込みを寄せてくれた。

 JAFウィメン・イン・モータースポーツ作業部会の飯田裕子座長も、「FIAが推進するガールズ・オン・トラック - ライジングスターズに、2年連続で日本人がノミネートされたことは、FIAの取り組みを日本で推進している私達にとっても大変うれしいニュースです。モータースポーツの本場である欧州で、大きなチャンスをつかめる絶好の機会なので、9月の選考では、ぜひとも頑張ってほしいですね」と期待を寄せている。

 F4車両を使ったスカウティングキャンプでは、走行だけでなくフィジカルやメンタルテスト、メディア対応、テクニカル領域のワークショップ、シミュレーターによるトレーニングなどのプログラムが用意される。FDA担当者による審査に合格すると、アイアン・デイムスの支援を受けて2024年のF4選手権に参戦できるチャンスが獲得できる。

 また、最優秀カートドライバーにはFDAがサポートする2024年の国際カートシリーズに参戦できるチャンスが与えられ、シニア・ジュニアとも、ほかのファイナリストには、自身のレーシングキャリアのサポートと、あらゆるドライビング能力開発の機会が提供される「タレントカプセル」の一員になる特典もあるという。

 高橋選手にとっては、まずは9月上旬のシュートアウトをクリアすることが第一目標となるが、日本人ドライバーによる世界を目指す新たなチャレンジに注目したい。

このFIAガールズ・オン・トラック - ライジングスターズ・プログラムは今年で4回目を数え、FDAのお膝元であるイタリアでトレーニングキャンプが行われ、選考されている。
2022年はSLカート瑞浪で優勝、表彰台を重ね、シリーズ3位を獲得した高橋佳音選手。
高橋選手は2023年も、SLカート瑞浪シリーズ第1戦のSS-Jrクラスで見事に優勝を獲得している。

PHOTO/JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]、FIA、高橋佳音[Kanon TAKAHASHI] REPORT/JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]

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