DENSO LEXUS RC F GT3がS耐初優勝! タイトル争いは全クラスとも次戦以降に持ち越しに
2023年9月11日

「もてぎスーパー耐久 5Hours Race」こと スーパー耐久シリーズ 第5戦は、9月2~3日にモビリティリゾートもてぎで開催。ST-XクラスのDENSO LEXUS RC F GT3(永井宏明/小高一斗/嵯峨宏紀組)がポール・トゥ・フィニッシュで、チームのaprはクラス参戦4年目で初勝利を挙げた。RC FとしてはS耐参戦6年目にしての初優勝となる。
ENEOS スーパー耐久シリーズ 2023 Supported by BRIDGESTONE 第5戦「もてぎスーパー耐久 5Hours Race」
開催日:2023年9月2~3日
開催地:モビリティリゾートもてぎ(栃木県茂木町)
主催:M.O.S.C.、ホンダモビリティランド株式会社
ST-5を除くST-X、ST-Z、ST-TCR、ST-Q、ST-1~4の8つのクラスに45台がエントリーとなった今回のレース。残暑厳しい2日に行われた公式予選(A/Bドライバーのタイム合算)でポールポジションを獲得したのはDENSO LEXUS RC F GT3で、第3戦のSUGO大会以来今季2回目。
そしてわずか0.058秒差でHELM MOTORSPORTS GTR GT3(鳥羽豊/平木湧也/平木玲次組)がポールポジション獲得ポイントの2点を逃した。またポイントリーダーの中升 ROOKIE AMG GT3(鵜飼龍太/蒲生尚弥/平良響/片岡龍也組)は3番手につけた。
ST-Xクラス
朝から残暑が厳しく、気温33度、路面温度42度というコンディションの11時14分に決勝レースはスタートした。ST-Xクラス(全6台)のDENSO LEXUS RC F GT3はジェントルマンドライバーの永井選手がスタートを担当。
スタートから38分が経過した90度コーナーで、4番グリッドからスタートしたTKRI松永建設AMG GT3(DAISUKE/元嶋佑弥/中山友貴組)の元嶋選手が、トップを奪いレースをリード。続く1コーナーではKCMG NSX GT3(ポール・イップ/ホーピン・タン/マーチー・リー組)のタン選手が永井選手をかわして2番手へ順位を上げた。
スタートから1時間を迎えようとしたころ、S字でHELM MOTORSPORTS GTR GT3がバックマーカーと接触してコースアウトし、フルコースイエロー(FCY)が導入された。この後HELM MOTORSPORTS GTR GT3は接触行為のためにドライブスルーのペナルティを受けて順位を落とすことになった。
ジェントルマンドライバーの最低義務周回時間である1時間15分が経過すると、プロに交代するチームの車両がピットイン。2スティント目にはDENSO LEXUS RC F GT3の小高選手がトップとの差を徐々に詰めた。
レースは中間点となる2時間30分を迎えるころ、トップのTKRI松永建設AMG GT3が34周でピットインするとDENSO LEXUS RC F GT3がトップに立った。そのDENSO LEXUS RC F GT3も37周でピットインするとTKRI松永建設AMG GT3のDAISUKE選手がトップに。しかしDENSO LEXUS RC F GT3の嵯峨選手が抜き返して再びトップに躍り出た。
DENSO LEXUS RC F GT3は最後のスティントで再び小高選手がドライブを担当。TKRI松永建設AMG GT3も110周でピットインして再び元嶋選手にステアリングを託すも追い上げはならず、DENSO LEXUS RC F GT3が参戦4年目にしてうれしい初優勝を遂げた。なおRC FのS耐初参戦は2018年で、車両としては6年目にしての初優勝でもあった。
2位はTKRI松永建設AMG GT3、3位は最初のスティントでトップから周回遅れとなったものの追い上げたDAISHIN GT-R GT3(大八木信行/坂口夏月/青木孝行/藤波清斗組)。ポイントリーダーの中升 ROOKIE AMG GT3は、シフトにトラブルを抱え6位だったが、7.5点差でポイントリーダーの座を守っている。



ST-Zクラス
ST-Zクラス(全10台)は、スタートからクラスポールのPorsche EBI WAIMARAMA Cayman GT4 RS CS(北園将太/千代勝正/山野直也組)が序盤トップを守っていたが、シェイドレーシング GR SUPRA GT4 EVO(HIRO HAYASHI/平中克幸/清水英志郎組)が、ポイントリーダーである埼玉トヨペット GB GR Supra GT4(山﨑学/吉田広樹/服部尚貴/川合孝汰組)を抑えて連勝。埼玉トヨペット GB GR Supra GT4は2位だった。



ST-TCRクラス
ST-TCRクラス(全2台)はレーススタートから20分ほどでAI' CIVIC(坂井一裕/藤井正明/辻本始温/佐藤蓮組)が、5コーナーを直進してクラッシュ&リタイア。Racer HFDP CIVIC(遠藤光博/中野信治/森山冬星組)が完走して連勝を遂げた。

ST-Qクラス
賞典外であるST-Qクラス(全7台)は全車がチェッカーを受けた。今回オートマ車としてS耐初参戦となったORC ROOKIE GR Yaris DAT concept(MORIZO/佐々木雅弘/石浦宏明/小倉康宏組)は、予選まで駆動系の熱害に苦戦していたが、決勝はほぼノントラブルで走り切った。



ST-1クラス
ST-1クラス(全2台)は、シンティアム アップル KTM(井田太陽/加藤寛規/高橋一穂/吉本大樹組)がD'station Vantage GT8R(星野辰也/織戸学/浜健二/ジェイク・パーソンズ組)との一騎討ちを制して3連勝。


ST-2クラス
ST-2クラス(全5台)は昨年のチャンピオンであるKTMS GR YARIS(一條拳吾/荒川麟/奥住慈英/奥本隼士組)が、ようやく今季初優勝を遂げた。



ST-3クラス
ST-3クラス(全5台)は、終盤に岡部自動車フェアレディZ34(甲野将哉/長島正明/富田自然/元嶋成弥組)とのバトルを演じたraffinee 日産メカニックチャレンジZ(山口智英/松田次生/佐藤公哉/藤原大暉組)が、チーム参戦2年目にしての初優勝を遂げた。



ST-4クラス
ST-4クラス(全8台)はエアバスター WINMAX GR86 EXEDY(水野大/冨林勇佑/石井宏尚組)が逆転で、こちらも初優勝を決めた。



なお今回チャンピオンが確定したチームはなく、残り2戦で雌雄が決することとなった。次の第6戦は、10月21~22日に岡山国際サーキットにおいて2グループによる3時間レース×2本として開催される予定(第6戦でのST-2クラスの設定はなし)。
フォト/今村壮希、吉見幸夫 レポート/皆越和也、JAFスポーツ編集部