D1グランプリシリーズ第10戦が「JAFカップ」として認定! 東京・台場で繰り広げられるシーズン最後戦、白熱のドリフト・バトルを見逃すな!!

ニュース ドリフト

2023年9月19日

ドリフト競技では唯一のJAF公認競技として開催されているD1グランプリシリーズで、2023年最終大会の第10戦にJAFカップのタイトルが与えられることになった。ここでは、そのJAFカップ認定の経緯と意味、そしてシリーズ終盤戦の見どころをレポートする。

競技会名称:2023 D1グランプリシリーズ第9戦 お台場大会/JAFカップオールジャパン・2023 D1グランプリシリーズ第10戦 お台場大会
開催日:2023年11月10~12日
開催地:お台場特設会場・NOP地区(東京都江東区)
主催:株式会社サンプロス

 今年のD1グランプリシリーズは、第1戦/第2戦が滋賀県の奥伊吹モーターパーク、第3戦/第4戦が茨城県の筑波サーキット・コース2000、第5戦/第6戦が福島県のエビスサーキット西コース、第7戦/第8戦が大分県のオートポリスインターナショナルレーシングコース、そして第9戦/第10戦は、東京都江東区のお台場特設会場で開催される。

 この、11月10~12日に開催されるシーズン最終大会の第9戦/第10戦については、最終戦の第10戦に対して「JAFカップ」のタイトルが付与されることが、8月24日にJAFから公示され、第10戦の単走部門と追走部門の優勝者には、それぞれ「JAFカップ」が授与されることが明らかにされた。

 JAFカップは、全日本選手権と並ぶ、JAF公認競技会における名誉あるタイトルで、スピード競技では「JAFカップオールジャパンジムカーナ/ダートトライアル規定」により「日本ジムカーナ/ダートトライアル選手権上位入賞者を対象として、各地域のモータースポーツの健全な発展および振興を図ることを目的に、年1回開催されるジムカーナおよびダートトライアル競技の祭典」に対してタイトルが与えられている。

 このJAFカップオールジャパンジムカーナとJAFカップオールジャパンダートトライアルの各クラス優勝者にはJAFカップが授与され、近年では、各優勝者が年末のJAFモータースポーツ表彰式に招かれて、JAFカップの授与式典が行われている。

 全日本選手権をシリーズで戦う選手にとっては、特に年間タイトルを逃した選手が終盤戦を戦うモチベーションを高める役割も果たしており、D1グランプリシリーズ第10戦の各優勝者にも、JAFモータースポーツ表彰式で賞典授与が行われる。

 JAF公認競技におけるドリフトは、スピード競技に分類されており、2012年からスピード競技開催規定の細則として「ドリフト競技開催要項」が制定されている。そして、D1グランプリシリーズは、現在では、日本で唯一のドリフトのJAF公認競技会として準国内格式で開催されている。また、2017年には世界初のFIA公認ドリフト競技会が日本で開催され、2017年と2018年は東京・台場で、2019年は筑波サーキット・コース2000にて、「FIAインターコンチネンタル・ドリフティング・カップ(FIA IDC)」が開催されている。

 ドリフト競技の開催要項が施行され10年が経過した現在、JAFでは、2023年度から新たに「オートテスト・ドリフト振興活性化作業部会」を立ち上げて、モータースポーツ関係者・有識者により、ドリフト競技のさらなる振興策や広報の拡充、安全性の向上などについて検討を重ねている。

 このたび、数ある施策の中で、シリーズ最終戦へのJAFカップの付与が実現に至り、唯一のJAF公認ドリフト競技であるD1グランプリシリーズが、さらなるステータス向上につながる契機を得ることになったのだ。

「自動車競技の組織に関する規定」によれば、準国内格式では地方選手権までと制限されているため、ドリフト競技の全日本選手権大会は、現状では開催が難しい状況だ。しかし、近年のスピード競技では、競技会へのJAFカップ付与を経て、全日本選手権大会開催に至る流れもあることから、今回の施策は、“次への布石”とも言えそうだ。

 レースやラリー競技では、全日本選手権つまり日本のナショナルチャンピオンシップは、FIA地域選手権やFIA世界選手権に直結する国内最高峰の選手権となっている。

 ドリフト競技では、JAF公認の“全日本選手権”は未だ開催されていないが、もし、JAFカップ認定大会が成功裏に終われば、ドリフト競技の“日本選手権”が整備される契機にもなり、ナショナルチャンピオンシップが開催されることになれば、世界的に機運が高まりつつある、ドリフト競技のステップアップ・ラダーを整備する流れに、いち早く対応できる可能性がある。

 つまり、今回のD1グランプリ最終戦へのJAFカップ付与は、ドリフト競技のオーソリティが、今後さらに発展する試金石となり得る、意欲的な試みなのだ。

 D1グランプリシリーズは、10月28~29日に大分県のオートポリスで第7戦/第8戦が開催される。前戦となるエビスサーキット西コース大会では、第5戦はGR86を駆る藤野秀之選手が単走優勝を飾り、追走ではFIA IDCの初代王者である川畑真人選手が村上満選手とのバトルを制して優勝した。

 続く第6戦では、GRスープラを駆る松山北斗選手が藤野選手を僅差で破り単走優勝を挙げ、残念ながらウェット路面となった第6戦の追走では、松山選手と藤野選手という単走上位2名によるバトルとなり、藤野選手が第6戦の追走を制している。

 エビス西大会を終えた結果、藤野選手がD1グランプリシリーズの2023年ドライバーズランキングと2023年単走シリーズランキングの両方で暫定トップに立つ。そして、追走を含めたドライバーズランキングは、トップ藤野選手と2番手の松山選手の差はわずか1ポイントという大激戦になっている。続くオートポリス大会は、シリーズの行方を左右する天王山となりそうだが、両ランキングともに、シリーズ上位勢のポイントが拮抗しているため、第9戦/第10戦のお台場大会に最終決戦が持ち越される公算も高いと言えるだろう。

 いずれにしても、残された2大会で、2023年の日本最強のドリフターが決まる。特に、11月12日に開催される「JAFカップオールジャパン・D1グランプリシリーズ第10戦」は、モータースポーツ・ファンなら、見届けるべき一戦となるはずだ。

第6戦の追走では松山北斗選手と藤野秀之選手が戦い、藤野選手が優勝。
第9戦/第10戦の舞台は、2017年のFIA IDCも開催されたお台場特設会場。
JAFカップ優勝者にはJAFモータースポーツ表彰式で賞典授与が行われる。
2022年のJAFモータースポーツ表彰式で優勝者に授与された“JAFカップ”。

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■2023年グランツーリスモD1グランプリシリーズ
■今年のお台場大会はJAFカップとして認定!!

PHOTO/宇留野潤[Jun URUNO]、小竹 充[Mitsuru KOTAKE]、森山良雄[Yoshio MORIYAMA]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS] REPORT/JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]

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