岡山国際のサーキットトライアルはCT3クラスの木村芳次選手とCT4クラスの松橋豊悦選手がそれぞれシリーズ2勝目

レポート サーキットトライアル

2023年9月22日

JAF地方選手権として競われる岡山国際サーキットトライアル選手権の第3戦が、9月9日に岡山国際サーキットで開催された。9月に入ってもまだまだ暑く、しかもスーパーフォーミュラ・ライツ選手権や、大量のエントリーで知られるGR86/BRZ Cup、Yaris Cupとの併催だったため、絶えず変化する路面状態に手を焼いたエントラントも少なくなかったようだ。

2023 OKAYAMAチャレンジカップサーキットトライアル
JAF地方選手権 岡山国際サーキットトライアル選手権 第3戦
(2023年JAF全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権内)

開催日:2023年9月9日
開催地:岡山国際サーキット(岡山県美作市)
主催:株式会社岡山国際サーキット、AC

CT2クラス

 今回、総合優勝をかけた戦いが繰り広げられたのがCT2クラスだ。ここまでの2戦はホンダ・FK8シビックの赤石憲俊選手とロータス・エキシージの勝田裕貴選手とで優勝を分け合ってきたが、そこに筑波からの刺客が! ポルシェ・ケイマンGT4の松代耕二選手だ。ヒート1の計測1周目には、いきなり挨拶代わりのトップタイムを叩き出す。

 だが、松代選手はその後が伸び悩み、タイムを縮められずにいた中、やはりケイマンGT4の寺本道雄選手がコンマ2秒差ながら終了間際に逆転を果たす。そこで松代選手は作戦を切り替えた。「初めて岡山を走ったんですが、最初は何も分からず走っていました。後半になって走っている感触はつかめたんですが、タイヤがタレて全然タイムが……。そこでヒート2は1周目勝負だな」と。

 その結果、ヒート2計測1周目には狙いどおりにコンマ5秒のタイムアップを果たして松代選手が再度トップに浮上。逆に寺本選手はタイムダウンし、2位に甘んじた。3位はエキシージの藤池彰選手で、今季初参戦の選手によって上位は占められ、勝田選手は4位。そして赤石選手は無念の5位となるも、ランキングのトップは守り抜いた。

「1周目は慎重にちょっと抑え気味で行ったので……なんとかトップタイムが獲れて良かったです。ヒート2の最後も途中まではマイナス表示だったんですけど、セクター3で遅れちゃいました。タイヤに厳しいのかな? 岡山ではCT2クラスが一番盛り上がっていると聞き、逆にSUGOは不成立になっているので、ちょっと遠いんですけど遠征してきました。この後も出るか分からないですけど。面白いですね、楽しいコースです」と松代選手はご満悦の様子だった。

CT2クラス優勝は松代耕二選手(718 GT4)。
2位は寺本道雄選手(SABA GT4)、3位は藤池彰選手(FK-TEC Rusteze EXIGE)。
CT2クラス表彰の各選手。

CT4クラス

 総合5位を獲得したのは、スズキ・ZC33Sスイフトスポーツで全国のサーキットトライアルを駆け巡るCT4クラスの松橋豊悦選手だ。ヒート1の計測1周目こそトヨタ・ZN8 GR86の田中周文選手にトップを譲るも、2周目で逆転。その後もさらにタイムを縮めていく。

 ヒート2ではわずかながらタイムダウンしたが、田中選手を1秒8も離し、岡山での今季2勝目をマークした。「コンディションはちょっとだけヒート1の方が良かったですね。クルマのセットも決まっている感じで、良かったかなぁって。車載で勉強してきたことを活かせました」

「岡山で勝つのは2回目です。そのときは雨でしたが、コースにはだいぶ慣れてきました。前回、SUGOのサーキットトライアルに出てレコードを獲ったんで、ここでも獲るつもりできたんですけど……、ちょっと届かなかったですね、暑かったし。まだ1戦残っているので、そこは狙っていきたいと思います」と松橋選手は力強く語った。

CT4クラス優勝は松橋豊悦選手(スイフトスポーツ@N-TEC)。
2位は田中周文選手(RG-O・IDI・エルコヨーテ・GR86)、3位は工藤丈弥選手(ZC33-ORCHALNTEC)。
CT4クラス表彰の各選手。

CT1クラス

 総合6位は、CT1クラスで孤軍奮闘のトヨタ・GRヤリスの福冨航平選手だった。

CT1クラス1位は福冨航平選手(狂猿レーシングGRヤリス)。

CT3クラス

 総合8位は、ホンダ・FD2シビックでCT3クラス優勝の木村芳次選手。ヒート1序盤は、開幕戦以来の勝利を目論んだホンダ・FD2シビックのチームメイト、三谷崇選手のリードを許すも、終了間際に逆転した木村選手はヒート2の計測1周目でさらにタイムを縮め、これをダメ押しの一打とした。

「ヒート2で上がりましたね。朝より走りやすくなっていた印象です。(ヒート2は)タイム順でコースインするので、前車とペースも合わせやすいんです。目標としているタイムには及んでいないので、そこは納得いっていないですけど、ひとまず勝てたことには喜びはあります」と木村選手。

CT3クラス優勝は木村芳次選手(RG-OレイズIDI木村染匠FD2)。
2位は三谷崇選手(RG-O☆IDI☆FD2)、3位は三浦俊哉選手(TS森元 狂猿dixcelシビック)。
CT3クラス表彰の各選手。

CT5クラス

 終わってみればトップ3がわずかコンマ3秒差に並んだのがCT5クラス。ヒート1序盤をトヨタ・ヤリスの小倉由浩選手がリードしたが、これをスズキ・ZC32Sスイフトスポーツの久保侑大選手、日産・ノートニスモの山下猛選手が矢継ぎ早に逆転。

 だが3人ともヒート2での短縮ならず、久保選手が山下選手の連勝を阻止して初優勝を飾った。「ちょっと高めの空気圧の調整で行ってヒート2で決めようと思ったんですが、前が団子状態だったのでうまいこと作戦を練れなくて……。次の戦いに向けて要調整かなと思っています。速い方が集まっていたこともあって、けっこう接戦でいい感じでした。今後も頑張っていきたいと思っています」と久保選手。

CT5クラス優勝は久保侑大選手(タイヤ館・TAKUMI・AGSCスイフト)。
2位は山下猛選手(NPC東京 ノートニスモ)、3位は小倉由浩選手(小林モータース★GLION★ヤリスSTF)。
CT5クラス表彰の各選手。

フォト/森山良雄 レポート/はた☆なおゆき、JAFスポーツ編集部

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