スバルは「SUBARU SPORT MOBILITY Concept 」と、創業から航空機を製造し続けているDNAを感じさせる「SUBARU AIR MOBILITY Concept」、空と陸を駆ける2つのコンセプトモデルを初公開(左)。三菱は8月13~19日に開催されたアジアクロスカントリーラリー2023に参戦し、3位を獲得したチャヤポン・ヨーター/ピーラポン・ソムバットウォン組、2023年JAF全日本ダートトライアル選手権Dクラス王者を確定したばかりの田口勝彦/保井隆宏組ら3台がタイからラオスへと駆け抜けた、新型トライトンベースのクロスカントリーラリーカーを展示した(右)。
その他にもモータースポーツエリアとして、モータースポーツ車両の屋内展示を展開。FIAフォーミュラ1世界選手権(F1)、FIA世界ラリー選手権(WRC)、FIA世界耐久選手権(WEC)のホンモノのマシンが身近で見られただけでなく、ホンダがスーパーGTの2024シーズン参戦に向けて開発中と語る「CIVIC TYPE R-GT CONCEPT」や、2024年3月30日に東京大会の開催が迫るFIAフォーミュラE世界選手権に参戦する日産の「Nissan Formula E Gen2 car, Season 8(2021/22年)」など、注目のマシンも見ることができた。
10月28日のステージには、2023シーズンもインディカー・シリーズで奮闘した佐藤琢磨選手が登場し、ラジオパーソナリティで、レーシングドライバーでもあるピストン西沢氏とのトークショーを開催。鈴鹿サーキットでのF1との出会いや自転車競技からモータースポーツへの転身にはじまり、校長を務めるHonda Racing School Suzukaでの後進育成についてまで、自身の経験や情熱などをリラックスしたムードのなか、屈託なく語ってくれた。
佐藤選手のトークショーの後にはデモランゾーンで「TOKYO ZEV ACTION E-Tokyo Park」の一環として、MCにモータースポーツアナウンサーのサッシャ氏、東京都の潮田勉副知事と日産の星野朝子取締役副社長をゲストn迎えてZEV(Zero Emission Vehicle)によるデモランを披露。日産LEAF NISMO RC_02(左)をスーパーGTのGT500クラスでNiterra MOTUL Zを駆る千代勝正選手が、モータースポーツエリアでの展示と同じNissan Formula E Gen2 car, Season 8(右)を千代選手のチームメイトで、日産フォーミュラEチームでリザーブドライバーを務めた経験を持つ高星明誠選手がドライブ。2024年3月30日に開催されるフォーミュラE東京大会をPRした。
フォーミュラE車両などによる迫力ある走行への興奮が冷めやらぬなか、ステージでは「e-Motorsports 真剣勝負 メーカー対抗戦」を開催し、スズキ、スバル、ダイハツ、トヨタ、日産、ホンダ、マツダ、三菱の8メーカーが参戦。3名1チームで、最低1名はメーカーの職員がプレイヤーを務める、というレギュレーションの中、JAF全日本ラリー選手権などへの参戦経験や、eスポーツプレイヤーである職員で結成された「DAIHATSU D-SPORT Racing Team(佐々木唯人選手、菅原達也選手、殿村裕一選手)」が熱戦を制し、頂点に輝いた。
29日のステージでは、日本全国から集った22大学の体育会系自動車部と、ゲストとして米国、ロサンゼルスから招かれたスタンフォード大学の学生たちが競う「Gran Turismo College League 2023(GTCL)」を開催。4回目を迎えてついに有観客での開催となった今回は、初回から連覇を続けている中央大学(尾形莉欧選手、内田直樹選手、水口来夢選手)をどの大学が止めるかに注目が集まった。しかし、包囲網が敷かれる中でも中央大学は好成績で予選を突破すると、決勝では独走態勢を築いて4連覇を達成。決勝の舞台となったサルト・サーキットで力を発揮できる車両選びなど、他校より万全の体制を整える力の差が見えた結果となった。
28日と29日のステージでは、両日に鈴鹿サーキットで開催された2023年JAF全日本スーパーフォーミュラ選手権の第8戦と、第22回JAF鈴鹿グランプリもかかった第9戦のパブリックビューイングを実施。立見する来場者も出るほどの中、宮田莉朋選手(VANTELIN TEAM TOM’S)が初の戴冠を確定した瞬間は、拍手が沸き起こった。その宮田選手の37号車のSF23の展示が始まった11月1日には、B-Max Racing Teamの松下信治選手と本山哲監督が来場し、トークショーを挟んで2回のデモランを披露した。デモランでは松下選手が、フォーミュラカーではなかなか見ることができないバックを披露したり、豪快にタイヤスモークをあげるドーナツターンを見せて、来場者を魅了。トークショーの最後には、松下選手が実戦で使用したサイン入りグローブを賭けたジャンケン大会も実施。見事グローブをゲットした来場者は満面の笑みを浮かべた。
ホンダ・レーシング(HRC)は3日のステージでeスポーツイベント「Honda Racing eMS 2023 SPECIAL EVENT」を開催。参加者たちがシビックタイプRで鈴鹿サーキット1周のタイムを競う、という共通フォーマットで3回行われ、それぞれの回でトップタイムをマークした選手が表彰された。
最終日5日は、17~18日に開催を控えたFIA世界ラリー選手権(WRC)第16戦「フォーラムエイト・ラリージャパン」のPRイベントを開催。WRC唯一の日本人ドライバーである勝田貴元選手(TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team)、そして、M-SPORT FORD WORLD RALLY TEAMからラリージャパンに初挑戦するエイドリアン・フルモー選手、そしてJAF全日本ラリー選手権で活躍する新井敏弘選手(SUBARU TEAM ARAI)と勝田貴元選手の父でGRヤリス ラリー2の開発ドライバーでもある、勝田範彦選手(TOYOTA GAZOO Racing WRJ)、ラリージャパン2023実行委員会の会長を務める豊田市の太田稔彦市長、そして豊田氏が登壇してトークショーを実施。デモランゾーンに移ると、新井選手がスバルWRX STIを、勝田範彦選手がGRヤリスを、そして勝田貴元選手はGR YARIS Rally1 HYBRIDを駆って豪快なデモランを披露。集まった多数の来場者を魅了するとともに、ラリージャパンの開催をアピールした。
10月31日のステージで「SUPER GT最終戦直前トークイベント」と題してGT500クラスのチャンピオン候補の3号車 Nittera MOTUL Z 、16号車 ARTA MUGEN NSX-GT 、36号車 au TOM’S GR Supraのドライバーや監督を招き、最終Round 8の展望を語ったスーパーGT。5日のステージではモビリティリゾートもてぎで開催されたRound 8のパブリックビューイングを実施。来場者たちはau Supraを駆る宮田莉朋選手が史上最年少で、スーパーフォーミュラとスーパーGTの二冠を確定させた瞬間を見届けた。