JAFカップ激戦区のPN3クラスでは大多和健人選手が2連覇達成!
2023年11月13日
2023年のJAFカップオールジャパンジムカーナおよびJMRC全国オールスタージムカーナが、10月28〜29日に北海道千歳市郊外の新千歳モーターランド アクティブ・セーフティ・パークで開催された。
2023年JAFカップオールジャパンジムカーナ
2023年JMRC全国オールスタージムカーナ in 北海道
開催日:2023年10月28~29日
開催地:新千歳モーターランド アクティブ・セーフティ・パーク(北海道千歳市)
主催:AG.MSC北海道、C.S.C.C.、NC・A・S・C
全日本ジムカーナ選手権のシリーズ上位選手と、全国8地区で開催されている地方選手権のシリーズ上位選手が一堂に会し、年に1度の勝負を行うJAFカップオールジャパンジムカーナおよびJMRC全国オールスタージムカーナ。
今年の会場となる新千歳モーターランド アクティブ・セーフティ・パークは、これまで全日本ジムカーナ選手権の開催はないものの、2018年にJAFカップオールジャパンジムカーナを開催しており、今回が5年ぶり2回目のJAFカップ開催となる。
今大会にはJAFカップ対象クラスの9クラスと、併催された3クラスを合わせて72台がエントリー。例年よりも参加台数は少なかったものの、全国各地の地方選手権チャンピオン確定選手や上位入賞選手が顔を揃え、各クラスで全日本上位選手と熱い戦いが繰り広げられた。
前半から中盤にかけての島周りセクションと、後半のパイロンセクションで構成されている今回のコースレイアウトは、ゴール直前の規制パイロンが絶妙な位置に配置され、各クラスでパイロンタッチが続出。中間計測ラインでベストタイムを刻みながらも、終盤のパイロンセクションで涙を飲む選手も少なくなかった。
路面コンディションは、前日の未明まで降った雨の影響により、第1ヒートはウェットコンディション。第2ヒートが始まるころにはドライコンディションとなり、併設クラスを除くJAFカップ対象クラスは、全クラスとも第2ヒートの一発勝負となった。
その他、会場内ではケータリングサービスが行われ、豚丼やイクラ丼、石狩汁、サンマ、カボチャ、ジャガイモ、タマネギなど、北の味覚が選手や関係者たちに振る舞われた。
PE1クラス
PE1クラスは、全日本2位確定の大橋政哉選手(アルピーヌ・A110S)が、「ウェットの第1ヒートもドライの第2ヒートも、タイヤがしっかりグリップしてくれました」と両ヒートでベストタイムをマーク。
昨年のJAFカップに続いて大橋政哉選手が2連覇を達成した。2位には、全日本5位確定の飯野弘之選手(アルピーヌ・A110S)が大橋選手と1.136秒差で入賞、3位は全日本ドライバーの大川裕選手(アルピーヌ・A110S)が獲得した。
PN1クラス
PN1クラスは、第1ヒートで全日本ドライバーの野口弘毅選手(トヨタ・ヤリス)がトップタイムを奪うものの、第2ヒートは全日本3位確定の福田大輔選手(マツダ・デミオ15MB)が逆転。
「旧PN1クラスの最初の年はJAFカップでクラスが成立しませんでしたが、新生PN1クラスの初年度でJAFカップを獲得できてうれしいです」という福田選手が、2018年に続いて同会場での2連勝を飾った。2位には、第1ヒートでパイロンに沈んだ中部の渋谷達也選手(トヨタ・ヤリス)が第2ヒートでリカバーして入賞、3位は第1ヒートでトップタイムをマークした野口選手が獲得した。
PN2クラス
PN2クラスは、第1ヒートで関東ジムカーナ選手権PN5クラス1位確定の大江光輝選手(マツダ・ロードスター)がトップタイムをマーク。北海道ジムカーナ選手権2位確定の米澤匠選手(マツダ・ロードスター)が0.752秒差の2番手につける。
第2ヒートは米澤選手がベストタイムを更新する勢いで後半のパイロンセクションを攻めるものの、ターン直後のパイロンに走行ラインを阻まれベストタイム更新ならず。第1ヒートのトップタイムをマークした大江選手が第2ヒートもベストタイムを更新し、JAFカップ初優勝を果たした。2位には全日本ドライバーの奥浩明選手(マツダ・ロードスター)、3位には北海道の依田秀臣選手(マツダ・ロードスター)がそれぞれ入賞した。
PN3クラス
今大会最多となる16台がエントリーしたPN3クラス。ウェットコンディションの第1ヒートは全日本4位確定の大多和健人選手(マツダ・ロードスター)がトップタイムをマーク。0.138秒差の2番手に全日本ドライバーの青木康治選手(スバル・BRZ)、さらに0.559秒差で東北ジムカーナ選手権6位確定の工藤典史選手(スズキ・スイフトスポーツ)が3番手につける。
ドライ路面となった第2ヒートはクラス先頭ゼッケンで地元・北海道の山口武人選手(トヨタ・GR86)からベストタイム更新ラッシュとなり、北海道1位確定の金内佑也選手(アバルト・124スパイダー)が1分3秒台に突入。
第1ヒート2番手の青木選手、3番手の工藤選手がドライ路面でタイムが伸びず下位に沈む中、第1ヒートトップの大多和選手が金内選手のタイムを0.188秒逆転。結果的には両ヒートを制した大多和選手が、昨年に続きJAFカップ2連覇を達成した。2位に金内選手、3位には第2ヒートでポジションを上げた全日本ドライバーの大坪伸貴選手(スバル・BRZ)が入賞した。
PN4クラス
PN4クラスは、関東1位確定の大脇理選手(トヨタ・GRヤリス)が、両ヒートを制する走りで完勝。自身初となるJAFカップ優勝を果たした。2位にはドライ路面の第2ヒートでポジションをふたつ上げてきた全日本ドライバーの奥井毅選手(トヨタ・GRヤリス)、3位には第2ヒートでポジションをひとつ下げた全日本4位確定の折茂紀彦選手(トヨタ・ヤリスGRMN)がそれぞれ入賞した。
BC1クラス
BC1クラスは、全日本をスズキ・スイフトスポーツで戦う小武拓矢選手が、中部1位確定という立場で、かつて全日本チャンピオンを獲得したホンダ・CR-Xで出場。第1ヒートはクラス唯一の1分3秒台のタイムでトップに立つ。
第2ヒートに入っても小武選手がマークしたタイムがなかなか更新されない状態が続いたが、海外転勤から6年ぶりに帰国した今シーズン関東1位確定の清水翔太選手(ホンダ・インテグラ)がベストタイムを更新。
クラス最終走者の小武選手も清水選手のタイムを上回るタイムでフィニッシュするものの、ゴール手前のパイロンセクションで「そこだけタイヤが急にグリップしてしまって……」と痛恨のパイロンタッチとなり、清水選手が逃げ切りJAFカップ初優勝を飾った。2位に小武選手、3位には北海道1位確定の成瀬悠人選手(ホンダ・シビック)が入賞した。
BC2クラス
BC2クラスは、第1ヒートで近畿の宮里佳明選手(マツダ・RX-7)がトップタイムを奪うが、第2ヒートは第1ヒートの出走前検査の結果、出走不可となった中部2位確定の藤原広紫選手(マツダ・RX-7)が逆転優勝。
「第1ヒートは排ガス検査で引っかかってしまい、どうしようかと思いましたが、学生時代にお世話になった北海道のショップさんや仲間のおかげで、第2ヒートをスタートするまでにクルマが正常な状態に戻りました」と言う藤原選手が、かつてのホームコースでJAFカップ優勝を果たした。2位は、第1ヒートのパイロンタッチを第2ヒートでリカバーした東北1位確定の上野健司選手(マツダ・ロードスター)が入賞、3位は第1ヒートトップの宮里選手が獲得した。
BC3クラス
BC3クラスは、第1ヒートで豪快なスピンを喫した全日本6位確定の佐藤英樹選手(三菱・ランサーエボリューションX)が、第2ヒートで逆転優勝。2位は、第1ヒートのトップタイムを奪った近畿1位確定の石田忠義選手(スバル・インプレッサWRX)が入賞、3位は第1ヒートのタイムで逃げ切った北海道の逸見将吾選手(スバル・インプレッサWRX)が獲得した。
WOMENクラス
参加台数が規定台数に満たなかったためクラス不成立となったWOMENクラスは、「クラス不成立になることは分かっていましたが、JAFカップでのWOMENクラスの灯を消してはいけないと思い、エントリーしました」と、昨年のJAFカップを制したナツキ選手(スバル・BRZ)が出場。両ヒートでコンスタントに1分7秒台のタイムを刻み、リザルトにWOMENクラスの名を残した。
併催クラス(R-Ecoクラス、R-1クラス、86/BRZクラス)
その他、併催クラスのR-Ecoクラスは、第2ヒートでタイムを上げてきた北海道の森本里美選手(マツダ・ロードスター)を0.072秒差に抑えた北海道の西山直登選手(ニッサン・マーチ12SR)が優勝。R-1クラスは両ヒートでベストタイムをたたき出した北海道の木村朝基選手(ホンダ・S2000)が優勝、86/BRZクラスは第1ヒートのタイムで逃げ切った北海道の小石翔太選手(トヨタ・GR86)がそれぞれ入賞した。
また、JMRC全国オールスタージムカーナの名物とも言える地区対抗戦は、2022年の地区対抗戦を制した中部地区を53.58点引き離した関東地区が優勝した。
フォト/CINQ レポート/CINQ、JAFスポーツ編集部