「フォーミュラE東京大会」決勝レースは2024年3月30日(土)! 着々と進む”日本初の市街地レース世界選手権”の開催準備状況

ニュース レース

2023年11月27日

電気自動車レースを東京で開催する機運の高まりに呼応して、2023年8月の国際カレンダー登録申請で実現への第一歩を刻んだ「フォーミュラE東京大会」。ここではJAFモータースポーツ公式YouTubeで行われた緊急配信をもとに、大会の開催準備状況をまとめた。

11月22日に行われたJAFモータースポーツ公式YouTubeの緊急配信では、オーガナイザーであるVICICの今宮眞会長と、東京プロジェクトマネージャーの津山覚氏が出演した。
2023年8月のJAF公示で東京大会の登録申請状況が明らかになり、10月中旬のFIA世界モータースポーツ評議会では2023-2024年(シーズン10)のカレンダーが承認されている。

 2024年のフォーミュラE東京大会の開催まで約4か月に迫った11月22日。国内四輪モータースポーツの統轄団体であるJAFにより、JAFモータースポーツ公式YouTubeチャンネルにおいて緊急配信が実施され、オーガナイザーおよび関係者による、配信時点における東京大会の準備状況が明らかにされた。

 この東京大会については、これまで多くのメディアが開催にまつわる報道を行ってきたが、実は、2023年8月に公示された「2024年FIA国際スポーツカレンダー登録申請者一覧」により、初めて開催実現への第一歩を踏み出している。この公示により、3月29~30日の日程で「2024 FIAフォーミュラE世界選手権シリーズ 東京E-Prix(FE)」を国際格式大会として申請することが初めて明らかにされたわけだが、同時にそのオーガナイズは、JAF公認クラブ「ビクトリーサークルクラブ(VICIC)」が務めることも判明した。

 そして、後の10月19日には、スイス・ジュネーブで行われたFIA世界モータースポーツ評議会(WMSC)において、FIAフォーミュラE世界選手権2023-2024シーズンのカレンダーが承認された。ここでは5大会目に東京大会が明記されており、これでようやく2024年の3月30日に東京大会が、FIAフォーミュラE世界選手権の一戦として開催される公認手続きが整ったということになる。なお、11月中旬にはフォーミュラE公式サイトにおいて、東京大会が第6戦であることや、計画されているコース図も明らかにされている。

 11月22日の緊急配信では、オーガナイザーを務めるVICICの今宮眞会長と、フォーミュラEのプロモーターと日本側の調整役として活躍する津山覚氏が出演。今まで明らかにされていなかった、東京大会の概要と開催準備状況を説明した。

 まずは気になるコースについて。今宮氏によると、東京ビッグサイト周辺にコースを設置し、コーナー数は18個で全長は2.6km弱。マーシャルポストは約30箇所用意するそうで、想定されるラップタイムは1分24~25秒、最高速度は時速250kmになるという。

 コースとして使用されるのは、東京ビッグサイト東展示棟の東棟屋外臨時駐車場と有明東臨時駐車場、そして東展示棟に隣接する公道(臨港道路 青海・有明南連絡線/青海・有明南縦貫線)と、東棟屋外臨時駐車場へのアクセス路をつなげてレイアウトされる予定。「なかでも、この公道区間が速度の乗る箇所になりそうです」と、今宮氏は語る。

 それらの対策として「中央分離帯の撤去や、グレーチングの対策を念入りにしていて、大きな工事を進めているところです」とも語る。常設サーキットを使う国内レースとは違い、レース運営だけでなくコース作りも担当しなければならない。そのため「予定のコース図と『現場』は存在しますが、現段階では『サーキット』にはなっていないわけです。完成するまでには時間がかかりますし、(そのサーキットを)誰も走ったことがないわけですから、実際の管理体制をどうするか」については、目下の課題になっているという。

 続けて今宮氏は「私たちは筑波サーキットで年4回のシリーズ戦をやっていますが、筑波(コース2000)は2km強で、1周は約1分です。そのため、ペース的には(東京大会のコースも)同じくらいになると思います。つまり、他の国内サーキットと比べてテンポが早いという点が特徴になると考えていますので、メンバーたちの意思の疎通が大事になるのではないかなと思っています」と、現場で想定される課題などを説明した。

 そして、レースのオーガナイズには欠かせない競技役員の確保も同時進行で進められている。「富士スピードウェイさんとモビリティリゾートもてぎさんで活動するオフィシャルの方々がほとんどです。そういう皆さんが自主的に個人参加という形で、私どもとつながりがある方たちにお声掛けをさせていただいて、主要部分に関しては、顔馴染みの方々で固めさせていただきました」とレース運営面における進捗状況を語った。

 また、英国ロンドンに拠点を置く「フォーミュラEオペレーションズ(FEO)」との調整役を担っている津山氏だが、大会に直接関わる代理店2社に加えて、東京大会の期間中に東京ビックサイト内で開催されるゼロエミッション・ビークルのイベント運営に携わる代理店を含め、FEOと日本側の代理店、オーガナイザーなどとの調整に奔走している。

 ただ、課題は多いようで、大会のプロモーションに関しては「正直遅れています」と津山氏は語る。「ですが、ここまで遅れているのであれば、年明けから集中的に告知するというアイディアも出ています。もう少し経つと、皆様にいろいろな情報を発信できると思います。もう少々お待ちください」と語った。恐らく3月末の開催に向けて、2024年初頭から様々な情報発信が行われていくようだ。

 そして津山氏は、東京都をはじめとした行政の協力には「本当にお世話になっております」とも語る。

 「公道は、そう簡単に封鎖できるものではなく、我々の例でいくと、レース直前の約10日間で開催準備をしなければなりません。東京ビッグサイトについても、私有地とはいえたくさんのイベントが予定されています。いつでも工事できるわけではなく、工事や撤収時間を守らないといけないので、その辺りが現場で一番苦労しています」とは津山氏。

 「その中で、行政の方々にはお世話になっていて、東京ビックサイトや警察の皆さんを含めて、ご意見を伺いながら調整を進めているという状況です」と現状を語った。

 また、レース運営を担当する今宮氏も、フォーミュラE特有の注意点があると語った。

 「電気自動車でのレースなので、万が一のクラッシュや停止車両が出た時の扱いが非常に重要なポイントとなります。普通のクルマと違って“感電対策”が必要になるため、オフィシャルに対しても感電対策の研修を相当やっていかないといけないなと思っています」。

 「先日開催されたWRCラリージャパンでも(Rally1車両を想定した救出訓練では)感電対策をしていたので、競技長や医師団長、技術委員長、事務局長が現地に伺って見学させていただきました。大変な下準備や訓練をやっていく必要性があることを感じましたね」。

 それでも、大会の成功に向けては意欲を見せており「レース運営も我々が精一杯やりますので、ぜひ皆さんも観に来ていただければと思います」と力強くコメントしていた。

 津山氏も、この東京大会には多くのファンに観に来て欲しいと熱弁。「サーキットは、通常は山の中にあって電車とバスを乗り継いで行かないと辿り着けない場所にあります。今回は東京ビックサイト駅や有明駅から歩いて行けるところにサーキットができます。皆様にとっても初めての経験になると思うので、今までモータースポーツファンでなかった方も、ぜひ現場での雰囲気を味わっていただければと思います」と呼びかけていた。

 配信後に行った追加取材では、レースウィークに東京都が予定しているゼロエミッション・ビークルに関するイベントは、東京ビッグサイトの展示棟にて、フォーミュラE東京大会とは別のイベントとして開催される予定であることも明らかにしてくれた。

 また、サスティナビリティへの取り組みもフォーミュラEの一つのテーマであり、各国の大会では、会場内で使用するエネルギー供給にも多くの配慮がなされている。来る東京大会でも、独自のエネルギー供給を導入する取り組みなどが検討されているという。

 東京大会のレース運営を担当する競技役員については、オーガナイザーであるVICICを中心に、JMRC関東レース部会の協力を得て主要メンバーが構成される予定となっている。

 コースマーシャルや車両回収、ピット・グリッド、技術、レスキュー要員などについては、JMRC東京レース部会により11月上旬からの募集が始まっており、関東以外の地域からもすでに応募があるという。また、12月下旬には競技オフィシャルを対象としたミーティングが開始され、その後も定期的なレスキュー訓練などを予定しているという。

 11月下旬、ターン9とされる地点では中央分離帯の撤去工事がすでに始まっていた。フォーミュラE東京大会は、東京で初めて行われるモータースポーツの世界選手権、かつ日本で初めて開催される市街地レースの世界選手権となる。初めて尽くしの意欲的な試みは、老舗クラブを軸とした経験豊富な精鋭たちにより、あらゆる準備が着実に進行している。

フォーミュラE公式サイトで公開されている東京大会のコースレイアウト。東京ビッグサイト東展示棟を中心に東棟屋外/有明東臨時駐車場を含むエリアであることが判明した。
コース図によれば、東棟屋外臨時駐車場にホームストレートやピットレーンが配置される模様で、コース予定地に敷設されているグレーチングなどの対策も進み始めているという。
東棟屋外臨時駐車場から有明東臨時駐車場を経て公道区間に接続。この東京ビッグサイトに接する臨港道路 青海・有明南連絡線と青海・有明南縦貫線が公道区間となる予定だ。
フォーミュラEではウレタンバリアを併用した可搬式デブリフェンスでコースを設定する(写真は2023年ロンドン大会)。「アタックゾーン」の設定場所も気になるところだ。
フォーミュラEでは「ファンビレッジ」と呼ばれる、体験型コンテンツを含む観客向けのエンターテインメントスペースを展開している(写真は2023年ロンドン大会)。これは東京大会でも予定されており、東京ビッグサイト東展示棟内で開催される予定だという。
東京都では「TOKYO ZEV ACTION」というゼロエミッション・ビークル(ZEV)普及キャンペーンを展開しており、東京大会の期間中にもZEV普及イベントが東展示棟内で計画されているという(写真は2022年に行われたZEV-Tokyo Festivalのデモ走行の様子)。
フォーミュラE車両には「セーフティライト」が装備され、安全な状態なら緑色のランプが点灯するようになっており、ピットなどでは「グリーンパネル」を車体に掲示して安全な状態であることを示している。コースマーシャルは電気絶縁装備が必携とされ、インシデント対応にも電気自動車専用の手順が用意されている(写真は2023年ローマ大会)。
持続可能性の観点から、場内のエネルギー供給にも多くの配慮がなされている。東京大会では、独自のエネルギー供給方法も検討されているという(写真は2023年ローマ大会)。
市街地レースはコースサイドにデブリフェンスを設置する必要があり、「ターン9」に当たる地点では、十分なコース幅を確保できるよう中央分離帯の撤去工事が始まっていた。

■緊急配信!2024年フォーミュラE世界選手権 東京E-PRIXオーガナイザーに訊く!
https://www.youtube.com/live/RWQFLc2Ms5k?si=U7GKCP4PWKc07SXQ

PHOTO/遠藤樹弥[Tatsuya ENDOU]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS] REPORT/吉田知弘[Tomohiro YOSHITA]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]

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