第7戦を制した山下健太選手が逆転で初のインタープロト王者に輝く

レポート レース

2023年12月7日

2023 インタープロトシリーズ POWERED BY KeePer 第4大会が11月25~26日に富士スピードウェイで開催され、第7戦は山下健太選手(NAVUL)が勝利。第8戦では阪口晴南選手(INGING MOTORSPORT)が優勝したが、阪口選手を2ポイント差で逆転した山下選手が自身初のシリーズチャンピオンに輝いた。

2023 インタープロトシリーズ POWERD BY KeePer 第4大会
(2023 富士チャンピオンレースシリーズ第6戦内)

開催日:2022年11月25~26日
開催地:富士スピードウェイ(静岡県小山町)
主催:富士スピードウェイ株式会社、FISCO-C

 今回も12台のIP車両が参戦したインタープロトシリーズ。新たにルーニーアキランドダイワIPSが加わり、今季のスーパーGTのGT300クラスでシリーズチャンピオンに輝いた川合孝汰選手がインタープロトデビューを果たした。

 第3大会を終え、85ポイントを得ている阪口選手がランキングをリードしていたが、25日に行われた公式予選で、山下選手が1分44秒752を記録してポールポジションを獲得。最終大会は通常の1.5倍のポイントが付与されるため、阪口選手との差を4ポイントに縮めた。2番手には福住仁嶺選手(キーパー号)、3番手にはロニー・クインタレッリ選手(ララパルーザ)が入り、ポイントリーダーの阪口選手は4番手から決勝レースを迎えた。

全12台で争われたインタープロトシリーズの第4大会。シリーズチャンピオン争いに注目が集まった。

第7戦決勝

 晴天に恵まれた26日の決勝レース。まず行われた第7戦(9周もしくは17分)は、ポールポジションの山下選手が好スタートを決めた一方で、福住選手が少し出遅れ、TGRコーナーでクインタレッリ選手が2番手に浮上した。ポジションを落とした福住選手は、2周目のTGRコーナーからコカ・コーラコーナーにかけてクインタレッリ選手に仕掛けていき、2番手を奪還。その隙をついて阪口選手もクインタレッリ選手を捕え、3番手に浮上した。また、後方でも複数台による接近戦が展開され、いつも以上に激しいバトルが繰り広げられた。

 トップの山下選手は、一時1.8秒のリードを築くも、レース後半になると後続のライバルに迫られる展開となった。7周目には福住選手が0.5秒後方まで接近すると、最終ラップのパナソニックコーナーで山下選手の攻略を狙ったが、順位の入れ替えとはならず。わずか0.1秒差で山下選手が逃げ切り、今季4勝目を飾った。2位は福住選手、3位は阪口選手となり、この時点で山下選手がランキングで阪口選手を逆転。第8戦では2位以内に入れば無条件でチャンピオンが決められる状況となった。

第7戦優勝、第8戦でシリーズチャンピオンを決めた山下健太選手(NAVUL)。「1レース目のスタートで後ろを引き離せたので、このまま逃げ切れると思ったのですが、周回を重ねるにつれて後続に詰められる展開になりました。2レース目は厳しくなるだろうなと思ったのですが、その通りになりました。なんとか阪口選手を抑えたかったですけど、抑えきれなかったです。インタープロトは相手の後ろにつくと速さが戻ることがあるので、残り周回でチャンスはあるのかなと思いましたけど、仕掛けることはできませんでした。最終戦の結果は2位ですが、チャンピオンを獲ることができて嬉しいです。僕自身、インタープロトは長い間出ているのですが、チャンピオンを獲れていないことが気がかりでした。本当は勝って終わりたかったですけど、第1大会でレースができなかったことを考えると良かったです。すごいドライバーたちが参戦しているレースなので、このチャンピオンは誇りに感じます」

第8戦決勝

 第7戦の順位を基にグリッド再整列が行われ、今季の最終戦である第8戦(9周もしくは17分)のスタートが切られた。ここでは山下選手、福住選手、阪口選手による三つ巴のバトルが序盤から白熱。まずは2周目のコカ・コーラコーナーで阪口選手が2 番手に浮上すると、徐々に山下選手との差を詰めていき、6周目のコカ・コーラコーナーで逆転を果たしてトップに浮上した。

 3位以下にポジションを下げてしまうとランキングで阪口選手に再逆転を許してしまう山下選手は、後方からの福住選手の追い上げを必死にしのぐ。最終ラップでの山下選手と福住選手の2番手争いは、パナソニックコーナーを立ち上がりゴールラインまで続いたが、最後まで順位が入れ替わることはなくチェッカーフラッグ。阪口選手が今季2勝目を飾った。2位には山下選手、3位に福住選手が続いた。

 これにより、山下選手が135 ポイントとなり、自身初となるインタープロトのシリーズチャンピオンを獲得。阪口選手はわずか2ポイント届かずランキング2位。同3位は福住選手(108ポイント)となった。

第8戦優勝の阪口晴南選手(INGING MOTORSPORT)。「第7戦が終わった後に、チームにポイントを計算してもらい、僕が優勝して山下選手が3位にならないとチャンピオンを獲れないと聞きました。そうなると、自分としては勝つことだけを考えて、最後を締めくくれるようにということを考えました。ペースは良くないかなと思っていましたが、2レース目が始まると前についていくことができました。今回も力強いクルマをつくってくれましたし、ここまで安定して速さを引き出せたシーズンはなかったので、本当にチームの皆さんに感謝したいです」
第8戦の表彰式。左から2位の山下選手、1位の阪口選手、3位の福住仁嶺選手。

 5台が出走したGR Supra GT4 EVOクラスは、坪井翔選手(P.MU GR Supra GT4 EVO)が、予選でコースレコードを記録する速さでライバルを圧倒。決勝でも後続を寄せつけない走りで2連勝を飾った。

フォト/株式会社インタープロトモータースポーツ レポート/株式会社インタープロトモータースポーツ、JAFスポーツ編集部

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