好バトルの末に翁長実希選手が今季2勝目、2位に入った三浦愛選手が2度目のシリーズチャンピオンを獲得

レポート レース JAFWIM

2023年12月7日

2023年のKYOJO CUP第4戦が11月26日に富士スピードウェイで開催され、翁長実希選手(RSS VITA)が今季2勝目を飾り、2位に入った三浦愛選手(Team M VITA)が2020年以来、2度目となるシリーズチャンピオンを手にした。

2023 KYOJO CUP 第4大会
(2023 富士チャンピオンレースシリーズ第6戦内)

開催日:2022年11月26日
開催地:富士スピードウェイ(静岡県小山町)
主催:富士スピードウェイ株式会社、FISCO-C

 今大会は23台がエントリーしたKYOJO CUP。ここまで3戦を終えて、三浦選手が59ポイントでランキング首位を快走し、同2番手には翁長選手が9ポイント差で続くという状況。今季のチャンピオン争いは、この2名の一騎打ちとなった。

予選

 7時50分から行われた公式予選では、セッション序盤から三浦選手と翁長選手が2分を切るペースで周回。開始5分を過ぎたところで、三浦選手が1分58秒801、翁長選手が1分58秒608を記録し、従来のコースレコード(1分59秒060)を更新した。

 その後、さらにタイムを短縮したのが三浦選手。開始10分を迎えるところで1分58秒015をマークして暫定トップに立った。これに対し、翁長選手もセッション終盤に自己ベストタイムを更新するが、逆転することはできずにチェッカーフラッグ。三浦選手が今季2度目のポールポジションを獲得した。2番手には翁長選手、3番手には斎藤愛未選手(D.D.R VITA-01)が入った。

三浦愛選手vs翁長実希選手のタイトル争いで迎えた第4大会。フロントローはこの2名で分け合った。

決勝

 12時55分から12周で争われた決勝レースでは、三浦選手がトップを守ってTGRコーナーを通過するが、2番手の翁長選手が背後につき、1周目から2台による手に汗握る接近戦が展開された。序盤は膠着状態が続いたが、3周目に翁長選手がファステストラップを記録すると、直後のTGRコーナーで三浦選手に並びかける。ここで追い抜くことはできなかったが、諦めずにチャンスを探っていき、ADVANコーナーでオーバーテイクし、トップに立った。

 これに対して、三浦選手は5周目のメインストレートでトップを奪い返すが、翁長選手も負けじと応戦。2台のバトルは翌周も続き、7周目のグリーンファイト100Rで翁長選手が前に出た。後続では岩岡万梨恵選手(KNC VITA)を先頭とする5番手争いが白熱。各コーナーで抜きつ抜かれつの接近戦が展開された。その中で、速さを見せたのが永井歩夢選手(Dr.DRY VITA)。11番手スタートから徐々に順位を上げ、4周目には1分59秒379のファステストラップを記録。最終的に4 位までジャンプアップする活躍を見せた。

 トップ争いは、後半から終盤にかけて順調なペースを刻んだ翁長選手が、徐々に三浦選手を引き離していき、最終的に1.2秒のリードを築いてチェッカーフラッグ。今シーズン2勝目を飾った。2位には三浦選手、3位には斎藤選手が続いた。

 これにより、三浦選手が86ポイントとなり、2度目のシリーズチャンピオンを獲得。翁長選手は6ポイント差で同2位、斎藤選手が同3位となった。

第4戦優勝は翁長実希選手(RSS VITA)。
「私と三浦選手のマシン特性が真逆でした。クルマの特性や私のドライビングを活かせて走れていることが、私たちのチームの強みだったので、今回もセットアップやタイヤの内圧もギリギリまで相談しながら進めてきました。それが、こういう形で結果を出すことができて、チームの皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです。シーズンを振り返ると、開幕戦の取りこぼしが悔しいです。でも、シリーズ争いをする中で、自分に大切なことを教えてくれた1戦だと思うので、来年またチャンピオンを獲得するために、しっかりと準備をしていきたいと思います」
2位は三浦選手(Team M VITA)、3位は斎藤愛未選手(D.D.R VITA-01)。
第4戦表彰の各選手。
シリーズチャンピオンの三浦愛選手(Team M VITA)。「決勝では途中からトラブルが出てしまい、思うようにクルマが走らなくなってしまいました。シリーズを考えると、2位でチェッカーを受ければチャンピオン確定でしたし、最後まで走り切れるかも怪しい感じだったので、無理ができないとい考えペースダウンしました。KYOJO CUP のレベルが上がり、追われる立場の大変さを感じた1年でした。さらに、今年は自分のチームを立ち上げ、ドライバーとしてだけではなくチームをまとめるということも経験し、なかなかうまく行かないのだと感じることもありましたが、自分自身も成長できたシーズンでした。今回チャンピオンを獲ることができたというのは、チームにとって大きなことです。今シーズンを振り返ると、開幕戦で予選10番手から勝つことができたというのが大きかったと思います」

フォト/株式会社インタープロトモータースポーツ レポート/株式会社インタープロトモータースポーツ、JAFスポーツ編集部

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