JAF公認の国内eモータースポーツ新リーグ「UNIZONE」発足
2023年12月19日

さまざまなeスポーツが隆盛を極めている中、JAFが公認する国内唯一のeモータースポーツリーグ「UNIZONE」がついに設立された。公式リーグ開催に向けたUNIZONEのコンセプトや今後の構想について、その概要が明かされる関係者向けイベントが行われた。
2022年8月3日にJAFより公示された「国内eモータースポーツリーグ開催に係るパートナー企業の公募」において、モータースポーツ振興の基本方針“トップを光らせ、裾野を広げる”ことをeモータースポーツの分野でも実現するため、2023年5月に設立された一般社団法人日本eモータースポーツ機構(Japan e-Motorsport Organization=略称JeMO)がその公募から選定された。これによりJAF公認のeモータースポーツ国内リーグがいよいよ始動することなる。
eモータースポーツの運営機関となるJeMOは、ファン・ドライバー・関係者が“Unite(一体)”となり、クルマ・ゲーム・社会の新たな“Zone(領域)”に挑戦していくビジョンを掲げ、「UNIZONE」というeモータースポーツリーグをこのたび発足。eモータースポーツとしてのシステムが確立することで、今後は競技ピラミッドが構築され、新たなモータースポーツ文化として発展を遂げていくことになるだろう。
そのUNIZONEがリーグとして目指すコンセプトを披露するイベントが12月16日、事業共創パートナー企業、参戦チーム、後援団体・企業、メディアといった関係者向けに実施された。イベントでは事業プレゼンテーションを始め、eモータースポーツのショーケースとして、リアルとバーチャルのドライバーを融合させてのエキシビションレースも行われた。



プレゼンテーションで発表された公式リーグの構想としては、まず2024年にUNIZONEの知名度を高めるために、トップ選手が参加する複数回のエキシビション大会と、裾野拡大を目指したオープン大会の実施が挙げられた。そして2025年には全3~4戦の2シーズン制でトップ選手参加の公式リーグ戦をスタートさせ、オープン大会も継続して行っていく予定だという。
これに先立ち、2024年2月25日には群馬県高崎市のビエント高崎ビッグキューブにて「UNIZONE EX Match Powered by Super Formula」が、オフラインイベントとして開催されることも決定。リアルレーシングドライバーとeレーシングドライバーによるエキシビションマッチが行われるほか、各ドライバーと一般来場者のさまざまな交流も画策されている。
実際にはこのイベントで詳細なプロトタイプが構築されていくこととなるが、大会フォーマットとしては最大8チームで、リアルレーサー枠(国内Bライセンス以上保有者)とeレーサー枠(UNIZONE主催のライセンス試験通過者)とユニバーサル枠(制約制限なし)の3人1組のメンバー構成。
1戦あたりマッチレース、スプリントレース、セミ耐久レースの異なる3レースで競われ、採用されるタイトルは、2022年のFIA国際大会でも使用されたアセットコルサコンペティツィオーネと、リアルレーシングドライバーから高い評価を得ているiRacingの2種となっている。
UNIZONEは現在、バーチャルとリアル、そして未来のクルマ社会に変革を起こす事業共創パートナーおよび協賛パートナーや、リーグ参画チームを募集しているとのこと。リーグ運営を始め、選手やチームへの賞金のほか、選手育成や環境整備に努めていき、ビジネスモデルとして構築されていくことにより、サステナブルな事業成長を見込んでいるという。
なお今回のイベントには、リアルモータースポーツレーサーとして山下健太選手、大湯都史樹選手、小山美姫選手、佐藤蓮選手が参加し、eモータースポーツレーサーは武藤壮太選手、宮園拓真選手、佐々木唯人選手、冨林勇佑選手という顔ぶれが会場に揃った。
リアルとバーチャルそれぞれでタッグを組んで4チームに分かれてエキシビションレースが披露されたが、白熱したバトルが繰り広げられ、新時代のモータースポーツの可能性を垣間見ることができた。新たなファン層の開拓につながるとともに、モータースポーツ界のさらなる発展に期待が高まることだろう。









フォト/遠藤樹弥、大野洋介 レポート/JAFスポーツ編集部