2023年の中部モータースポーツの表彰式&懇親会は鈴鹿サーキットホテルで豪華な式典に
2024年2月16日

JAF地方選手権やJMRCシリーズ戦など、中部管内のモータースポーツで優秀な成績を収めた選手たちを称える中部モータースポーツ表彰式が、三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットホテルで行われた。この晴れやかな舞台では、各所で表彰対象者たちが喜びの表情を見せた。
JMRC中部モータースポーツday2024
2023年JAF/JMRC中部モータースポーツ表彰式
開催日:2024年1月27日
開催地:鈴鹿サーキットホテル サクラホール(三重県鈴鹿市)
主催:JAF中部本部、JMRC中部
鈴鹿サーキットを舞台に争われたカートやレースカテゴリーを始め、中部管内で行われたジムカーナやダートトライアルなどでシリーズ上位入賞を果たした選手たちを表彰するJAF/JMRC中部モータースポーツ表彰式。1月27日、国際的イベントも開催される鈴鹿サーキットホテルに隣接したレストラン THE DINING バンケットホールで執り行われた。
地方モータースポーツ表彰式は日曜日の開催が多い中、中部の表彰式は土曜日に行われている。これはJMRC中部のクラブ員たちを対象とした、鈴鹿サーキット西コースを走ることができる走行会が日曜日に設定されているためで、地区内に鈴鹿サーキットがある中部ならではの特色だ。この表彰式と走行会のセットは毎年好評を博しており、JMRC中部代表者会議から走行会までを含めて「JMRC中部モータースポーツday2024」と呼称する一大イベントとなっている。
式典は16時スタートと他地区の表彰式と比べてやや遅めの時間設定ながら、鈴鹿サーキットホテル THE MAINのMeeting Roomで行われたJMRC中部の理事会を皮切りに、理事・運営委員特別委員会、そして第43回クラブ・団体代表者会議が午前中から式典前までそれぞれ行われているからで、これらの会議に参加した出席者たちは綿密なスケジュールをこなしていた。
代表者会議では冒頭で嶽下宗男運営委員長が挨拶。第1号議案・活動報告、第2号議案・一般会計収支決算報告、第3号議案・基金決算報告、第4号議案・MS互助会決算報告、第5号議案・共済基金決算報告、第6号議案・運営委員選任、第7号議案・活動計画案承認、第8号議案・一般会計予算案承認と、2時間近くに及ぶ報告・討議が行われた。
その一方で、表彰式会場の準備も着々と進められていく。15時30分の受付時間になると、表彰対象者ならびに招待者が続々と会場入り。受付前のロビーでは久々に会うライバルと談笑する姿もあちこちで見受けられた。すべての表彰式出席者が会場内に収まると、式典開会に先立ち、中部地区では縁の深い能登半島地震における犠牲となった方々の冥福を祈るために黙祷が捧げられた。




暗転した会場内では最初にJMRC中部オリジナルの力作、2023シーズンの中部モータースポーツをまとめた映像が流され、いよいよ表彰式の幕が開ける。主催者挨拶はJAF中部本部の八木愼也事務局長で、続いてJMRC中部の嶽下運営委員長も挨拶を行った。なお司会進行はカートやラリーなどの実況でお馴染みのアナウンサー・重田あさみ氏。
表彰のトップはカートで、JAFジュニアカート選手権のジュニア部門と鈴鹿選手権シリーズ ジュニア部門、琵琶湖・石野・神戸シリーズ ジュニア部門およびジュニアカデット部門、JAF地方カート選手権の鈴鹿選手権シリーズ FS-125/X30の表彰者が登壇する。JAF中部ジムカーナ選手権/JMRC中部ジムカーナチャンピオンシリーズ、JAF中部ダートトライアル選手権/JMRC中部ダートトライアルチャンピオンシリーズ、JMRC中部ラリーシリーズチャンピオンシリーズが続けて表彰された。
レースはFormula Beat地方選手権シリーズ、JAFツーリングカー選手権 ロードスター・パーティレースIII、JAF地方選手権 鈴鹿ツーリングカー選手権、JAF地方選手権 鈴鹿・岡山スーパーFJ選手権の順で表彰。そしてJMRC中部ラリーチャレンジシリーズの上位入賞者、JMRC中部ジムカーナ東海シリーズと北陸シリーズ、JMRC中部ダートトライアル北陸シリーズは、各カテゴリーごとにチャンピオンが一斉に登壇した。
この中部の表彰式ではチャンピオンのみ手渡しでトロフィーや楯、賞状といった賞典が贈られ、シリーズ2位以下の選手は席に用意された賞典を持参のうえで登壇するスタイルとなった。なおプレゼンターは、カートがJAF中部本部の八木事務局長、ジムカーナがJMRC中部の菅野秀昭ジムカーナ部会長、ダートトライアルがJMRC中部の齊藤道夫ダートトライアル部会長、ラリーがJMRC中部の高橋浩子ラリー部会長、レースはJMRC中部の小出正則レース部会長が務めた。








































コンパクトにまとめられた式典はほぼ定刻どおり1時間30分強で終了。表彰式を締める集合写真の撮影が行われ、第二部として設けられた別会場での懇親会へ移行する。まずは懇親会開演の挨拶をJAFモータースポーツ部の大野光一マネージャーとJMRC中部の嶽下運営委員長が行い、乾杯の音頭はJMRC中部の後藤康次副運営委員長が務めた。
「乾杯」の声が響き渡って和やかな雰囲気に包まれると、会場中央に用意されたビュッフェに一斉に人が集まる。目移りしそうな数々の料理を取り分けつつ、円卓を囲んでの立食がスタートとなった。式典の緊張感から解放されたのだろうか、表彰対象者は砕けた表情を見せ、会話を弾ませながら料理に舌鼓を打ち、思い思いに懇親会を楽しんでいた。
表彰式の司会から続投の重田氏がMCとなって盛り上げ役となり、各チャンピオンへのインタビューや、各部会長によるPRタイムと、会場内は常に賑やかな状態に。ほか、カテゴリーごとに集合してミニステージ上での記念撮影、景品争奪のじゃんけん大会と、盛りだくさんの内容だった。懇親会出席者にとって思い出に残る1日となったことだろう。
そして最後はJMRC中部の運営委員を務める松本敏氏の一本締め。楽しい宴はアッという間に終わってしまったが、2024年のモータースポーツ表彰式にも招待されるべく、新たな活力と目標が芽生え始めていたに違いない。







■2023年JAFジュニアカート選手権「初」チャンピオンインタビュー

意外にもカート歴は4年目という梶尾義朝選手が、新たなシリーズのチャンピオンとなった。「小学6年生からカートを始めたんですが、最初からSSクラスに挑戦したものの、全く歯が立ちませんでした……」と、翌年はFDやSSジュニアにクラスチェンジしてFDタイヤで練習を積み、そして迎えた2023年はジュニア部門のコースシリーズに参戦。「初戦の琵琶湖以外は運によるところが大きいですが、終わってみれば3戦3勝できたので良かったです。欲を言えばもっと走りたかったというのが本音ですね。でも、今まで走ったことのないコースでの走行を経験できたので、楽しい1年でした」と梶尾選手は言う。現在は中学3年生で15歳、高校への進学を控えて受験勉強に勤しんでいるが、「今年は地方選手権のFS-125部門、全日本選手権にもスポット参戦を予定しています。全レース優勝する気持ちで、再びチャンピオンになることが目標です」と次のステップでの活躍に期待だ。
■2023年JAF中部地方選手権「初」チャンピオンインタビュー

全日本カート選手権と地方カート選手権に参戦し、2023年はタフなレースをこなしてきた箕浦稜己選手。開幕戦からタイトル獲得だけを見据えてシリーズに臨んでいた。全日本選手権では8戦中2勝でシリーズ3位に甘んじたものの、地方選手権は5戦中4勝を挙げ、堂々のシリーズチャンピオンに輝いた。「中盤戦あたりで全日本では苦戦しましたが、入校したHRS(ホンダ・レーシング・スクール)鈴鹿で修正したり、フィジカルトレーニングを行うなどして、最終的には地方カート選手権でチャンピオンになることができたので良かったです」とうれしさを表情に出した。「今年は海外のカートレースに参戦を予定していて、国内のカートは卒業ですかね。まずはHRS鈴鹿のフォーミュラクラスに向けて主席が取れるよう頑張ります。将来的にはF1やスーパーフォーミュラを目指しています。角田裕毅選手のようなドライバーになるのが憧れですね」と15歳の箕浦選手は目を輝かせた。

「以前、ビートでジムカーナをやっていたころ、カプチーノを相手によく勝利していたんです。そのカプチーノ乗りの選手たちが『妖怪じじいが来た』って陰で話しているのを小耳に挟んで、だったら妖怪じじいを名前にしちゃおう(笑)」と選手名の由来を明かしてくれた妖怪J清本選手。ちなみに“J”はじじいを略したそうだ。「2023年のATクラスは最低人数、最低戦数でなんとか成立しました。もっと台数が増えてくれるといいなと思いながらも頑張ってきました。タイトルが獲れたことについて、あまりパッとしないというか……。身内同士の争いみたいなものだから、実感はありませんね」と言いつつも、30年以上に渡る競技人生で地方選手権初のチャンピオンに笑みがこぼれた。「ATではシフトアップ/ダウンの楽しさはないけど、ハンドリングやブレーキングに集中できるので、初心者にはオススメです。僕でもチャンピオンになれるから、誰でも可能性はありますよ(笑)」

「ドリフトなどと比べると少し地味な印象があるジムカーナですが、自分が思ったようにクルマをコントロールすることが難しいと気づかされる、とても奥深くて面白い競技です。練習を積み重ねたぶん、その成果がタイムとしてしっかり現れ、順位づけられるところが魅力ですね」と語る鈴木勇一郎選手。草ジムカーナ6年、公式戦3年のキャリアで初戴冠を遂げた。「GR86に乗り出して2年目、ある程度クルマに慣れてきたタイミングで中部の地区戦に初めて参加したんです。もちろん初めて走る会場が多かったことから、ラウンドによって成績にバラつきはありましたけどね。シーズン最初はタイトルのことは一切頭になく、普段の練習の力を存分に発揮することだけに意識を向けていました」とのこと。そして2024年、鈴木選手にとって新たな挑戦が始まるようだ。「全日本で有効7戦を追いかけます。並行して地区戦も参戦します。さらに自分を高めていけたらいいですね」

大学時代の知り合いに誘われて始めたジムカーナ、これまで15年の競技歴という安仲慶祐選手。「最初、ジムカーナはテクニシャンの集まりというイメージを持っていましたが、実際にやってみるとそのとおりでした」と笑う。2023年を振り返ってもらうと「シーズンイン前にロードスターRFに乗り換えたばかりでしたので、まずクルマに慣れることを優先しましたね。クルマ自体は速いことが分かっていたので、絶対にチャンピオンを獲ってやるという気持ちで臨みました。開幕戦と第2戦は2位でしたが、その後は腕も上がったのか連勝することができました」と有効ポイント100点を獲得してチャンピオンを決めた。「クルマに助けられたシーズンだったと思います。無事にチャンピオンを獲れて率直にうれしいですが、今季はクラスチェンジしてGR86やBRZと一緒のPN3クラスに挑戦するため、それに向けて早く練習したいですね」と気持ちはすでに2024年に向いていた。

「自分のクルマに合うクラスがなかったことから、10数年以上も公式戦から離れていましたが、2023年からB車両が参加できるクラスができることを知り、復帰しました。参加してみたらたまたま勝ってしまい、とんとん拍子でチャンピオンになりました」と淡々と語る藤井やしろ選手。あまりに出来すぎで怖いくらいの1年だったと言う。「これまでシリーズ2位が最高順位で、チャンピオンは今回が初めてです」とポテンシャルは十分に持ち合わせていたようだ。「基本的に走れれば楽しい、ジムカーナをやれるだけで満足という考えなので、チャンピオンへのこだわりはとくにありませんでした。実はポイント計算もしていなかったんです」と明かし、シンプルに毎戦勝てばチャンピオンという肩書が自動的についてくるものだと笑った。「2024年はB・SC1クラスに何名か速い選手が参戦してくるようなので、連覇は厳しいかもしれませんが……地方選手権に出場します」

四輪デビューが鈴鹿サーキットと、とくに思い入れの深いサーキットでチャンピオンを獲ることを目標に、開幕戦からシリーズを戦ってきた白崎稜選手。そしてスーパーFJ選手権の中でも激戦区である鈴鹿・岡山シリーズでタイトルを決め「非常にうれしいです」とコメント。一方で、そのタイトル獲得までの道のりでさまざまなレースが経験できたことをとてもポジティブに捉えていた。「学びのシーズンでした。とくにマインドの整え方。シーズン中は自分の気づかないところでミスを誘発させる気持ちがどこかにありました。その要因を冷静に分析し、解明できるようになったことが大きいです」と自身の成長を実感しつつ、今後のレースにも活かせられると語る。「今シーズンはFIA-F4へのステップアップを画策していまして、新車両に変わった初年度のチャンピオンになりたいですね」と新たな戦いに向けて気持ちを切り替えていた。憧れのドライバーとして坪井翔選手や野尻智紀選手、松下信治選手の名を挙げた白崎選手、国内最高峰のドライバーを目指す強い意気込みが感じられた。
フォト/谷内壽隆、JAFスポーツ編集部 レポート/JAFスポーツ編集部