2023年の中部モータースポーツの表彰式&懇親会は鈴鹿サーキットホテルで豪華な式典に

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2024年2月16日

JAF地方選手権やJMRCシリーズ戦など、中部管内のモータースポーツで優秀な成績を収めた選手たちを称える中部モータースポーツ表彰式が、三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットホテルで行われた。この晴れやかな舞台では、各所で表彰対象者たちが喜びの表情を見せた。

JMRC中部モータースポーツday2024
2023年JAF/JMRC中部モータースポーツ表彰式

開催日:2024年1月27日
開催地:鈴鹿サーキットホテル サクラホール(三重県鈴鹿市)
主催:JAF中部本部、JMRC中部

 鈴鹿サーキットを舞台に争われたカートやレースカテゴリーを始め、中部管内で行われたジムカーナやダートトライアルなどでシリーズ上位入賞を果たした選手たちを表彰するJAF/JMRC中部モータースポーツ表彰式。1月27日、国際的イベントも開催される鈴鹿サーキットホテルに隣接したレストラン THE DINING バンケットホールで執り行われた。

 地方モータースポーツ表彰式は日曜日の開催が多い中、中部の表彰式は土曜日に行われている。これはJMRC中部のクラブ員たちを対象とした、鈴鹿サーキット西コースを走ることができる走行会が日曜日に設定されているためで、地区内に鈴鹿サーキットがある中部ならではの特色だ。この表彰式と走行会のセットは毎年好評を博しており、JMRC中部代表者会議から走行会までを含めて「JMRC中部モータースポーツday2024」と呼称する一大イベントとなっている。

 式典は16時スタートと他地区の表彰式と比べてやや遅めの時間設定ながら、鈴鹿サーキットホテル THE MAINのMeeting Roomで行われたJMRC中部の理事会を皮切りに、理事・運営委員特別委員会、そして第43回クラブ・団体代表者会議が午前中から式典前までそれぞれ行われているからで、これらの会議に参加した出席者たちは綿密なスケジュールをこなしていた。

 代表者会議では冒頭で嶽下宗男運営委員長が挨拶。第1号議案・活動報告、第2号議案・一般会計収支決算報告、第3号議案・基金決算報告、第4号議案・MS互助会決算報告、第5号議案・共済基金決算報告、第6号議案・運営委員選任、第7号議案・活動計画案承認、第8号議案・一般会計予算案承認と、2時間近くに及ぶ報告・討議が行われた。

 その一方で、表彰式会場の準備も着々と進められていく。15時30分の受付時間になると、表彰対象者ならびに招待者が続々と会場入り。受付前のロビーでは久々に会うライバルと談笑する姿もあちこちで見受けられた。すべての表彰式出席者が会場内に収まると、式典開会に先立ち、中部地区では縁の深い能登半島地震における犠牲となった方々の冥福を祈るために黙祷が捧げられた。

中部地区を象徴する鈴鹿サーキットに併設されているホテルのレストランでJAF/JMRC中部モータースポーツ表彰式が開催された。
13時30分より鈴鹿サーキットホテル THE MAINのMeeting Room1で行われた、JAF中部地域クラブ協議会 第43回クラブ・団体代表者会議。
ホテルTHE MAINフロントを抜けて中庭を進んだ先のレストラン THE DININGバンケットホールが表彰式の会場だ。
式典前は1月1日に発生した能登半島地震で被害や犠牲に遭った方の冥福を出席者全員で祈り、黙祷を捧げた。

 暗転した会場内では最初にJMRC中部オリジナルの力作、2023シーズンの中部モータースポーツをまとめた映像が流され、いよいよ表彰式の幕が開ける。主催者挨拶はJAF中部本部の八木愼也事務局長で、続いてJMRC中部の嶽下運営委員長も挨拶を行った。なお司会進行はカートやラリーなどの実況でお馴染みのアナウンサー・重田あさみ氏。

 表彰のトップはカートで、JAFジュニアカート選手権のジュニア部門と鈴鹿選手権シリーズ ジュニア部門、琵琶湖・石野・神戸シリーズ ジュニア部門およびジュニアカデット部門、JAF地方カート選手権の鈴鹿選手権シリーズ FS-125/X30の表彰者が登壇する。JAF中部ジムカーナ選手権/JMRC中部ジムカーナチャンピオンシリーズ、JAF中部ダートトライアル選手権/JMRC中部ダートトライアルチャンピオンシリーズ、JMRC中部ラリーシリーズチャンピオンシリーズが続けて表彰された。

 レースはFormula Beat地方選手権シリーズ、JAFツーリングカー選手権 ロードスター・パーティレースIII、JAF地方選手権 鈴鹿ツーリングカー選手権、JAF地方選手権 鈴鹿・岡山スーパーFJ選手権の順で表彰。そしてJMRC中部ラリーチャレンジシリーズの上位入賞者、JMRC中部ジムカーナ東海シリーズと北陸シリーズ、JMRC中部ダートトライアル北陸シリーズは、各カテゴリーごとにチャンピオンが一斉に登壇した。

 この中部の表彰式ではチャンピオンのみ手渡しでトロフィーや楯、賞状といった賞典が贈られ、シリーズ2位以下の選手は席に用意された賞典を持参のうえで登壇するスタイルとなった。なおプレゼンターは、カートがJAF中部本部の八木事務局長、ジムカーナがJMRC中部の菅野秀昭ジムカーナ部会長、ダートトライアルがJMRC中部の齊藤道夫ダートトライアル部会長、ラリーがJMRC中部の高橋浩子ラリー部会長、レースはJMRC中部の小出正則レース部会長が務めた。

2023年はF1、WRC、WECの世界選手権が中部地区で開催され、非常に賑やかな1年だったと振り返るJAF中部本部の八木愼也事務局長が主催者挨拶。
「2023年度に立派な成績を収められた皆さま、おめでとうございます」と主催者挨拶を行うJMRC中部の嶽下宗男運営委員長。
とおりの良い声でカートやラリーの実況アナウンスをする重田あさみ氏が、ハキハキと聞きやすいMCで表彰式を進行。
JAFジュニアカート選手権ジュニア部門の表彰。左から4位の石田馳知選手、6位の本田宙選手。3位の村田鉄麿選手は欠席。
JAFジュニアカート選手権 鈴鹿選手権シリーズ ジュニア部門の表彰。第5位の金子准也選手。チャンピオンの遠藤新太選手、2位のQuinten Lu選手、3位の石部壮太郎選手、4位の澤田龍征選手、6位の田邊琉揮選手は欠席。
JAFジュニアカート選手権 琵琶湖・石野・神戸シリーズ ジュニア部門の表彰。チャンピオンの梶尾義朝選手。
JAFジュニアカート選手権 琵琶湖・石野・神戸シリーズ ジュニアカデット部門の表彰。左から2位の髙橋聖央選手、4位の本田羽選手。5位の赤池凛翔選手は欠席。
JAF地方カート選手権 鈴鹿選手権シリーズ FS-125/X30の表彰。左からチャンピオンの箕浦稜己選手、6位の松井海翔選手。2位の酒井龍太郎選手、3位の中井悠斗選手、4位の鈴木恵武選手、5位の松本琉輝斗選手は欠席。
JAF中部ジムカーナ選手権・JMRC中部ジムカーナ選手権ATクラスの表彰。チャンピオンの妖怪J清本選手。
JAF中部ジムカーナ選手権・JMRC中部ジムカーナ選手権PN2クラスの表彰。左からチャンピオンの古田公保選手、2位の佐藤巧選手、3位の島倉正利選手(代理)、4位の鰐部光二選手、5位の前田清隆選手。6位の菅沼隆一選手は欠席。
JAF中部ジムカーナ選手権・JMRC中部ジムカーナ選手権PN3クラスの表彰。左からチャンピオンの鈴木勇一郎選手、2位の柏木良文選手、3位の荻巣凌大選手、4位の磯村良二選手、5位の山田拓選手、6位の武藤英司選手。
JAF中部ジムカーナ選手権・JMRC中部ジムカーナ選手権PN4クラスの表彰。チャンピオンの安仲慶祐選手。2位の川田優選手は欠席。
JAF中部ジムカーナ選手権・JMRC中部ジムカーナ選手権PN5クラスの表彰。左からチャンピオンの高木健司選手、2位の杉本季優選手。
JAF中部ジムカーナ選手権・JMRC中部ジムカーナ選手権SA1クラスの表彰。左からチャンピオンの小武拓矢選手、2位の近藤瑛貴選手、3位の稲岡凌平選手。
JAF中部ジムカーナ選手権・JMRC中部ジムカーナ選手権SA2クラスの表彰。左からチャンピオンの榎本利弘選手、2位の最上佳樹選手、4位の下野朔太郎選手、5位の清水延昭選手、6位の加藤秀彰選手。3位の大石博之選手は欠席。
JAF中部ジムカーナ選手権・JMRC中部ジムカーナ選手権SA3クラスの表彰。左から2位の藤原広紫選手、3位の冨田好輝選手、4位の前島孝光選手、6位の水谷政博選手。チャンピオンの小澤忠司選手、5位の安部洋一選手は欠席。
JAF中部ジムカーナ選手権・JMRC中部ジムカーナ選手権B・SC1クラスの表彰。左からチャンピオンの藤井やしろ選手、2位の古田尚史選手。
JAF中部ジムカーナ選手権・JMRC中部ジムカーナ選手権B・SC2クラスの表彰。左から2位の西田哲弘選手、チャンピオンの鳥居孝成選手、3位の松尾勝規選手。
JAF中部ジムカーナ選手権・JMRC中部ジムカーナ選手権Dクラスの表彰。チャンピオンの佐藤宗嗣選手。2位の五十嵐豊光選手は欠席。
JAF中部ジムカーナ選手権・JMRC中部ジムカーナ選手権レディースクラスの表彰。2位の大寳ゆかり選手。チャンピオンの工藤実里選手は欠席。
JAF中部ダートトライアル選手権/JMRC中部ダートトライアル選手権2Pクラスの表彰。左からチャンピオンの村瀬秋男選手、2位の山根勤選手、3位の川﨑浩一選手。
JAF中部ダートトライアル選手権/JMRC中部ダートトライアル選手権RWDクラスの表彰。左からチャンピオンの寺田伸選手、3位の三枝聖博選手、4位の山﨑裕汰選手、5位の上角好孝選手、6位の杉田聡選手。2位の前田蔵人選手は欠席。
JAF中部ダートトライアル選手権/JMRC中部ダートトライアル選手権PN1・S1500クラスの表彰。左からチャンピオンの天野佳則選手、2位の岸貴洋選手、3位の深谷文彦選手、4位の樋口哲也選手、6位の折口智史選手。5位の宮子祐輔選手は欠席。
JAF中部ダートトライアル選手権/JMRC中部ダートトライアル選手権Nクラスの表彰。左からチャンピオンの角皆昭久選手、2位の村松俊和選手、3位の三上勝義選手、5位の三輪智広選手。4位の山内友和選手、6位の鈴木悦司選手は欠席。
JAF中部ダートトライアル選手権/JMRC中部ダートトライアル選手権S1クラスの表彰。左からチャンピオンの森大士選手、2位石川純也選手、3位の加地真志選手、4位の増田拓己選手。5位の松原功治選手、6位の横内由充選手は欠席。
JAF中部ダートトライアル選手権/JMRC中部ダートトライアル選手権S2クラスの表彰。左から2位の鈴木信地郎選手、3位の三枝光博選手、4位の佐野龍弥選手、5位の前田利幸選手。チャンピオンの松原実選手、6位の服部雅士選手は欠席。
JMRC中部ラリーチャンピオンシリーズDE-1クラスドライバーの表彰。チャンピオンの蒲生裕一選手。
JMRC中部ラリーチャンピオンシリーズDE-1クラスコ・ドライバーの表彰。チャンピオンの前田健吾選手。
JMRC中部ラリーチャンピオンシリーズDE-2クラスドライバーの表彰。左からチャンピオンの貝原聖也選手、3位の江端健斗選手。2位の石川紗織選手は欠席。
JMRC中部ラリーチャンピオンシリーズDE-2クラスコ・ドライバーの表彰。チャンピオンの西﨑佳代子選手。2位の村山朋香選手、3位の粕川凌選手は欠席。
JMRC中部ラリーチャンピオンシリーズDE-5クラスドライバーの表彰。左からチャンピオンの島根剛選手、2位の城野真輝選手、3位の奥田晃弘選手、4位の福島徳也選手、5位の福中喬祐選手。
JMRC中部ラリーチャンピオンシリーズDE-5クラスコ・ドライバーの表彰。左からチャンピオンの藤沢繁利選手、4位の鈴木康敬選手、5位の中島秀一朗選手(代理)。2位の一栁修馬選手、3位の中島大貴選手は欠席。
JMRC中部ラリーチャンピオンシリーズDE-6クラスコ・ドライバーの表彰。チャンピオンの坂井智幸選手。
JAFツーリングカー選手権ロードスター・パーティレースIIIの表彰。3位の惠木勇哉選手。
JAF地方選手権 鈴鹿ツーリングカー選手権の表彰。左からチャンピオンの西尾和早選手、3位の中西茂希選手、5位の岸元優選手。2位の清水悠祐選手、4位の山内拓磨選手、6位の杉原悠太選手は欠席。
JAF地方選手権 鈴鹿・岡山スーパーFJ選手権の表彰。チャンピオンの白崎稜選手。2位の田中風輝選手、3位の元山泰成選手、4位の堂園鷲選手、5位の板倉慎哉選手、6位の渡会太一選手は欠席。
JMRC中部ラリーチャレンジシリーズの表彰。左からドライバー部門1位の田中佑樹選手、2位の花井勝選手、3位の井本雄太選手、コ・ドライバー部門1位の船木一祥選手、2位の津田桃成選手、3位の野澤孝之選手。
JMRC中部ジムカーナ東海シリーズチャンピオンの表彰。左からATクラスの妖怪J清本選手、RPN1クラスの岡直輝選手、RPN3クラスの則包壮大選手、CRA1クラスの森下弘之選手、RA1クラスの岡田和規選手、RA2000クラスの本家智久選手、RA2クラスの藤本隆志選手、RA3クラスの八重梅崇選手、SA1クラスの早坂怜選手、Women'sクラスの児島祐子選手(代理)。CPN1クラスの道下貴広選手、RPN2クラスの横山洋一選手は欠席。
JMRC中部ジムカーナ北陸シリーズチャンピオンの表彰。左からATクラスの葛城吉和選手、CPN1クラスの須貝圭司選手、RPN1クラスの千葉豪和選手、RPN2クラスの荻巣凌大選手、RPN3クラスの大倉辰弥選手(代理)、RA2000クラスの本家智久選手、RA2クラスの藤本隆志選手、RA3クラスの八重梅崇選手。
JMRC中部ダートトライアル北陸シリーズチャンピオンの表彰。クラス2の松岡剛志選手。クラス1の高橋昭選手、クラス3の水本正裕選手、クラス4の長坂和人選手は欠席。

 コンパクトにまとめられた式典はほぼ定刻どおり1時間30分強で終了。表彰式を締める集合写真の撮影が行われ、第二部として設けられた別会場での懇親会へ移行する。まずは懇親会開演の挨拶をJAFモータースポーツ部の大野光一マネージャーとJMRC中部の嶽下運営委員長が行い、乾杯の音頭はJMRC中部の後藤康次副運営委員長が務めた。

「乾杯」の声が響き渡って和やかな雰囲気に包まれると、会場中央に用意されたビュッフェに一斉に人が集まる。目移りしそうな数々の料理を取り分けつつ、円卓を囲んでの立食がスタートとなった。式典の緊張感から解放されたのだろうか、表彰対象者は砕けた表情を見せ、会話を弾ませながら料理に舌鼓を打ち、思い思いに懇親会を楽しんでいた。

 表彰式の司会から続投の重田氏がMCとなって盛り上げ役となり、各チャンピオンへのインタビューや、各部会長によるPRタイムと、会場内は常に賑やかな状態に。ほか、カテゴリーごとに集合してミニステージ上での記念撮影、景品争奪のじゃんけん大会と、盛りだくさんの内容だった。懇親会出席者にとって思い出に残る1日となったことだろう。

 そして最後はJMRC中部の運営委員を務める松本敏氏の一本締め。楽しい宴はアッという間に終わってしまったが、2024年のモータースポーツ表彰式にも招待されるべく、新たな活力と目標が芽生え始めていたに違いない。

JAFモータースポーツ部の大野光一マネージャーとJMRC中部の嶽下運営委員長が懇親会の冒頭で挨拶し、祝辞を述べた。
グラスを片手にJMRC中部の後藤康次副運営委員長が乾杯の音頭。賑やかな宴の始まりとなった。
色とりどりの豊富な料理が並んだビュッフェを心ゆくまで堪能。食事も進んで会話も弾んだ。
チャンピオンたちは照れながらもインタビューに応じ、会場内でひときわ注目を集めていた。
能登半島地震で被害に遭われた方々に対する募金箱が設けられ、たくさんの義援金が集まった。
余興としてじゃんけん大会が催され、勝ち残った人にはノベルティグッズが配られた。
全日本ジムカーナ選手権にも参戦する、JMRC中部運営委員の松本敏氏が閉会の締めを担当。

■2023年JAFジュニアカート選手権「初」チャンピオンインタビュー

JAFジュニアカート選手権 琵琶湖・石野・神戸シリーズ ジュニア部門チャンピオンの梶尾義朝選手
意外にもカート歴は4年目という梶尾義朝選手が、新たなシリーズのチャンピオンとなった。「小学6年生からカートを始めたんですが、最初からSSクラスに挑戦したものの、全く歯が立ちませんでした……」と、翌年はFDやSSジュニアにクラスチェンジしてFDタイヤで練習を積み、そして迎えた2023年はジュニア部門のコースシリーズに参戦。「初戦の琵琶湖以外は運によるところが大きいですが、終わってみれば3戦3勝できたので良かったです。欲を言えばもっと走りたかったというのが本音ですね。でも、今まで走ったことのないコースでの走行を経験できたので、楽しい1年でした」と梶尾選手は言う。現在は中学3年生で15歳、高校への進学を控えて受験勉強に勤しんでいるが、「今年は地方選手権のFS-125部門、全日本選手権にもスポット参戦を予定しています。全レース優勝する気持ちで、再びチャンピオンになることが目標です」と次のステップでの活躍に期待だ。

■2023年JAF中部地方選手権「初」チャンピオンインタビュー

JAF地方カート選手権 鈴鹿選手権シリーズ FS-125/X30チャンピオンの箕浦稜己選手
全日本カート選手権と地方カート選手権に参戦し、2023年はタフなレースをこなしてきた箕浦稜己選手。開幕戦からタイトル獲得だけを見据えてシリーズに臨んでいた。全日本選手権では8戦中2勝でシリーズ3位に甘んじたものの、地方選手権は5戦中4勝を挙げ、堂々のシリーズチャンピオンに輝いた。「中盤戦あたりで全日本では苦戦しましたが、入校したHRS(ホンダ・レーシング・スクール)鈴鹿で修正したり、フィジカルトレーニングを行うなどして、最終的には地方カート選手権でチャンピオンになることができたので良かったです」とうれしさを表情に出した。「今年は海外のカートレースに参戦を予定していて、国内のカートは卒業ですかね。まずはHRS鈴鹿のフォーミュラクラスに向けて主席が取れるよう頑張ります。将来的にはF1やスーパーフォーミュラを目指しています。角田裕毅選手のようなドライバーになるのが憧れですね」と15歳の箕浦選手は目を輝かせた。
JAF中部ジムカーナ選手権ATクラスチャンピオンの妖怪J清本選手
「以前、ビートでジムカーナをやっていたころ、カプチーノを相手によく勝利していたんです。そのカプチーノ乗りの選手たちが『妖怪じじいが来た』って陰で話しているのを小耳に挟んで、だったら妖怪じじいを名前にしちゃおう(笑)」と選手名の由来を明かしてくれた妖怪J清本選手。ちなみに“J”はじじいを略したそうだ。「2023年のATクラスは最低人数、最低戦数でなんとか成立しました。もっと台数が増えてくれるといいなと思いながらも頑張ってきました。タイトルが獲れたことについて、あまりパッとしないというか……。身内同士の争いみたいなものだから、実感はありませんね」と言いつつも、30年以上に渡る競技人生で地方選手権初のチャンピオンに笑みがこぼれた。「ATではシフトアップ/ダウンの楽しさはないけど、ハンドリングやブレーキングに集中できるので、初心者にはオススメです。僕でもチャンピオンになれるから、誰でも可能性はありますよ(笑)」
JAF中部ジムカーナ選手権PN3クラスチャンピオンの鈴木勇一郎選手
「ドリフトなどと比べると少し地味な印象があるジムカーナですが、自分が思ったようにクルマをコントロールすることが難しいと気づかされる、とても奥深くて面白い競技です。練習を積み重ねたぶん、その成果がタイムとしてしっかり現れ、順位づけられるところが魅力ですね」と語る鈴木勇一郎選手。草ジムカーナ6年、公式戦3年のキャリアで初戴冠を遂げた。「GR86に乗り出して2年目、ある程度クルマに慣れてきたタイミングで中部の地区戦に初めて参加したんです。もちろん初めて走る会場が多かったことから、ラウンドによって成績にバラつきはありましたけどね。シーズン最初はタイトルのことは一切頭になく、普段の練習の力を存分に発揮することだけに意識を向けていました」とのこと。そして2024年、鈴木選手にとって新たな挑戦が始まるようだ。「全日本で有効7戦を追いかけます。並行して地区戦も参戦します。さらに自分を高めていけたらいいですね」
JAF中部ジムカーナ選手権PN4クラスチャンピオンの安仲慶祐選手
大学時代の知り合いに誘われて始めたジムカーナ、これまで15年の競技歴という安仲慶祐選手。「最初、ジムカーナはテクニシャンの集まりというイメージを持っていましたが、実際にやってみるとそのとおりでした」と笑う。2023年を振り返ってもらうと「シーズンイン前にロードスターRFに乗り換えたばかりでしたので、まずクルマに慣れることを優先しましたね。クルマ自体は速いことが分かっていたので、絶対にチャンピオンを獲ってやるという気持ちで臨みました。開幕戦と第2戦は2位でしたが、その後は腕も上がったのか連勝することができました」と有効ポイント100点を獲得してチャンピオンを決めた。「クルマに助けられたシーズンだったと思います。無事にチャンピオンを獲れて率直にうれしいですが、今季はクラスチェンジしてGR86やBRZと一緒のPN3クラスに挑戦するため、それに向けて早く練習したいですね」と気持ちはすでに2024年に向いていた。
JAF中部ジムカーナ選手権B・SC1クラスチャンピオンの藤井やしろ選手
「自分のクルマに合うクラスがなかったことから、10数年以上も公式戦から離れていましたが、2023年からB車両が参加できるクラスができることを知り、復帰しました。参加してみたらたまたま勝ってしまい、とんとん拍子でチャンピオンになりました」と淡々と語る藤井やしろ選手。あまりに出来すぎで怖いくらいの1年だったと言う。「これまでシリーズ2位が最高順位で、チャンピオンは今回が初めてです」とポテンシャルは十分に持ち合わせていたようだ。「基本的に走れれば楽しい、ジムカーナをやれるだけで満足という考えなので、チャンピオンへのこだわりはとくにありませんでした。実はポイント計算もしていなかったんです」と明かし、シンプルに毎戦勝てばチャンピオンという肩書が自動的についてくるものだと笑った。「2024年はB・SC1クラスに何名か速い選手が参戦してくるようなので、連覇は厳しいかもしれませんが……地方選手権に出場します」
JAF地方選手権 鈴鹿・岡山スーパーFJ選手権チャンピオンの白崎稜選手
四輪デビューが鈴鹿サーキットと、とくに思い入れの深いサーキットでチャンピオンを獲ることを目標に、開幕戦からシリーズを戦ってきた白崎稜選手。そしてスーパーFJ選手権の中でも激戦区である鈴鹿・岡山シリーズでタイトルを決め「非常にうれしいです」とコメント。一方で、そのタイトル獲得までの道のりでさまざまなレースが経験できたことをとてもポジティブに捉えていた。「学びのシーズンでした。とくにマインドの整え方。シーズン中は自分の気づかないところでミスを誘発させる気持ちがどこかにありました。その要因を冷静に分析し、解明できるようになったことが大きいです」と自身の成長を実感しつつ、今後のレースにも活かせられると語る。「今シーズンはFIA-F4へのステップアップを画策していまして、新車両に変わった初年度のチャンピオンになりたいですね」と新たな戦いに向けて気持ちを切り替えていた。憧れのドライバーとして坪井翔選手や野尻智紀選手、松下信治選手の名を挙げた白崎選手、国内最高峰のドライバーを目指す強い意気込みが感じられた。

フォト/谷内壽隆、JAFスポーツ編集部 レポート/JAFスポーツ編集部

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