ホテル椿山荘東京を舞台に、盛大に開催された関東地方選手権表彰式!

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2024年3月1日

さまざまなカテゴリーやクラスがひしめく関東管内の2023年モータースポーツを締めくくる、JAF関東地方選手権表彰式が東京都内のホテルで開催された。シリーズを戦い抜いた選手たちは誇らしげな表情で表彰式を迎え、大勢の招待者が見守る中、その栄誉が称えられた。

2023年JAF関東地方選手権表彰式
開催日:2024年2月11日
開催地:ホテル椿山荘東京 グランドホール椿(東京都文京区)
主催:JAF関東本部

 各地で行われる地方モータースポーツ表彰式の中でも最大規模を誇るのが関東地方選手権表彰式。昨年に続き、東京都文京区にあるホテル椿山荘東京 バンケット棟5Fのグランドホール椿にて、2月11日にその式典が執り行われた。広大な日本庭園に囲まれた風光明媚な会場もさることながら、その格式の高さは輝かしい成績を収めた選手たちの栄誉を称えるに相応しい場でもあった。ホスピタリティの高さに驚嘆する招待者も見られたほどだ。

 当日は13時より受付が開始され、14時に表彰式が開会、そして約40あるカテゴリー/クラスの招待者を次々と表彰していく流れだ。なお、今回も昨年同様に二部制を採用しており、表彰式を第一部とし、第二部では祝賀食事会が催される形となっている。表彰式開催が建国記念の日の祝日と重なったこともあり、翌日が振替休日になったことで、とくに地方からの出席者には慌ただしさがなかった。

喧騒的な都会にあるホテルとは思えない、静寂さや開放感といった趣きがあるホテル椿山荘東京でJAF関東地方選手権の表彰式が行われた。
JAF関東本部の職員らが受付にて来場者の対応を行う。関東の表彰式は招待者数が多いため、手際よく受付業務をこなしていた。

「ただ今より2023年JAF関東地方選手権表彰式を始めて参ります」と司会進行の柿沼佐智子氏が定刻通り場内アナウンスし、第一部の表彰式がスタートする。冒頭では主催者を代表してJAF関東本部の佐藤康彦本部長が「各競技、各カテゴリーで入賞された225名の選手の皆さま方に対しまして、日々の努力、ご研鑽を積まれた結果の栄誉を称えて心よりお祝い申し上げたいと思います」と挨拶を行った。

 挨拶もそこそこに、すぐに表彰式へと移行する。事前に表彰状の読み上げが割愛されることが告げられ、チャンピオンのみ賞状やトロフィーの授与が行われることに。まず先陣を切ったのはJAF地方レース選手権カテゴリーで、Formula Beat、フォーミュラリージョナル、ツーリングカー、もてぎ・菅生および筑波・富士のスーパーFJ、もてぎ・菅生ツーリングカーの順だ。

 そして東日本ラリー選手権、関東ジムカーナ選手権、筑波サーキットトライアル選手権、関東ダートトライアル選手権と続いた。その後は地方カート選手権 新潟シリーズおよびもてぎシリーズ、ジュニアカート選手権 もてぎシリーズ、ジュニアカート選手権 ジュニアカデット部門およびジュニア部門の表彰。表彰対象者が登壇するたびに会場から拍手が贈られていた。

 なおプレゼンターはレースがJAF関東本部の佐藤本部長。ラリーはJAF関東本部の渡辺敬一郎事務局長、ジムカーナとサーキットトライアルはJAF関東本部の中川清光事業部長、ダートトライアルはJAF東京支部の小川貴広事務所長、カートはJAF本部モータースポーツ部業務課の小林修課長がそれぞれ務めた。

モータースポーツを取り巻く環境にはまだまだ課題があるとしつつ「この厳しい状況を皆さま方と一緒に大きく明るく前進させて参りたいと思います」と語った、JAF関東本部の佐藤康彦本部長。
レースアナウンサーの柿沼佐智子氏が音吐朗朗とした素晴らしい司会を行い、ほぼタイムスケジュールどおりに表彰式を進行した。
各チャンピオンはプレゼンターよりステージ上で手渡しにて賞典が授与された。
JAFフォーミュラリージョナル地方選手権の表彰。チャンピオンの小川颯太選手。2位のリアム・シーツ選手、3位の奥住慈英選手、4位の澤龍之介選手、5位の岩澤優吾選手、6位のミハエル・サウター選手は欠席。
JAFフォーミュラリージョナル地方選手権チームタイトルの表彰。チャンピオンのSUTEKINA RACING TEAM。
JAFツーリングカー選手権 ロードスター・パーティレースIIIジャパンツアーシリーズの表彰。左からチャンピオンの箕輪卓也選手、2位の野村充選手。4位の吉田恭将選手、5位の上田純司選手、6位の瀧口智弘選手は欠席。
JAF地方選手権 もてぎ・菅生スーパーFJ選手権の表彰。左からチャンピオンの内田涼風選手、2位の池田拓馬選手、3位の椎橋祐介選手、4位の中澤凌選手、6位の磐上隼斗選手。5位の豊島里空斗選手は欠席。
JAF地方選手権 筑波・富士スーパーFJ選手権の表彰。左からチャンピオンの小村明生選手、2位の武者利仁選手、3位の中澤凌選手、4位の角間光起選手、5位の小田部憲幸選手、6位の村田将輝選手。
JAFもてぎ・菅生ツーリングカー選手権の表彰。左から2位の尾藤成選手、3位の中村義彦選手、6位の小幡弘選手。チャンピオンのオオタユウヤ選手、4位の太田侑弥選手、5位の藤井宏顕選手は欠席。
JAF東日本ラリー選手権BC-1クラスドライバーの表彰。左からチャンピオンの渡辺謙太郎選手、2位の村里尚太郎選手、5位の後藤英隆選手、6位の嶋村徳之選手。3位の橋本奨選手、4位の上原利宏選手は欠席。
JAF東日本ラリー選手権BC-1クラスコ・ドライバーの表彰。左からチャンピオンの伊藤克己選手、2位の御纏喜美子選手、5位の菅野総一郎選手。3位の吉田知宏選手、4位の箕作裕子選手、6位の郷右近孝雄選手は欠席。
JAF東日本ラリー選手権BC-2クラスドライバーの表彰。左からチャンピオンの沼尾秀公選手、2位の鈴木正人選手、3位の小舘久選手、5位の鮎川諒一選手。4位の佐々木松紀選手、6位の小林佑輝選手は欠席。
JAF東日本ラリー選手権BC-2クラスコ・ドライバーの表彰。左からチャンピオンの沼尾千恵美選手、2位の春日美知子選手、4位の伴英憲選手、6位の原田晃一選手。3位の前川富哉選手、5位の遠藤誠選手は欠席。
JAF東日本ラリー選手権BC-3クラスドライバーの表彰。左から2位の栗原智子選手、3位のいりえもん選手。チャンピオンの細谷裕一選手、4位の石倉英昭選手、5位の武藤亘輝選手、6位の柳本弘信選手、6位の田井勇次選手は欠席。
JAF東日本ラリー選手権BC-3クラスコ・ドライバーの表彰。左からチャンピオンの蔭山恵選手、2位の平井孝文選手、4位の多比羅二三男選手、5位の水永啓太選手。3位の長曽航太選手、6位の山川雅英選手は欠席。
JAF関東ジムカーナ選手権PN/AE1クラスの表彰。2位の大川裕選手。チャンピオンの大橋政哉選手、3位の飯野弘之選手、4位の古田孝一選手、5位の古谷知久選手は欠席。
JAF関東ジムカーナ選手権PN2クラスの表彰。左から2位の杉谷伸夫選手、3位の上野山肇選手、4位の二木達也選手、5位の金粕雅史選手、6位の山口晃一選手。チャンピオンの橋本恵太選手は欠席。
JAF関東ジムカーナ選手権PN3クラスの表彰。左からチャンピオンの奥井優介選手、2位の岡野博史選手、5位の大坪伸貴選手、6位の青木康治選手。3位の徳武銀河選手、4位の山本哲也選手は欠席。
JAF関東ジムカーナ選手権PN4クラスの表彰。左からチャンピオンの大脇理選手、2位の新井範正選手、3位の小野田了選手、4位の金子博選手、5位の島田直樹選手、6位の石黒義弘選手。
JAF関東ジムカーナ選手権PN5クラスの表彰。左からチャンピオンの大江光輝選手、2位の川島一朗選手、3位の山崎輝男選手、5位の高橋真二選手、6位の池澤博之選手。4位の坂本玄人選手は欠席。
JAF関東ジムカーナ選手権PN6クラスの表彰。左からチャンピオンの中村光範選手、2位の沼上洋司選手、3位の吉澤のりゆき選手、4位の堀川幸浩選手、5位の吉澤美枝選手、6位の山口博幸選手。
JAF関東ジムカーナ選手権B・SC1クラスの表彰。左からチャンピオンの清水翔太選手、2位の堀井紳一郎選手、4位の中島裕選手、5位の植村隆治選手。3位の齋藤寿選手、6位の神谷幸男選手は欠席。
JAF関東ジムカーナ選手権B・SC2クラスの表彰。左からチャンピオンの飯野哲平選手、2位の坂庭正浩選手、3位の金子進選手、4位のTAKENOKO選手、5位の吉田潮之選手。6位の山本秀夫選手は欠席。
JAF関東ジムカーナ選手権B・SC3クラスの表彰。左からチャンピオンの大澤勝紀選手、3位の佐藤林選手、4位の大野航選手、5位の高橋成晴選手。2位の千葉真一選手、6位の市川尚彦選手は欠席。
JAF関東ジムカーナ選手権Dクラスの表彰。左からチャンピオンの関谷光弘選手、2位の大橋政人選手、3位の本田泰章選手、4位の佐藤宗嗣選手、5位の太田代明大選手。
JAF筑波サーキットトライアル選手権CT1クラスの表彰。左からチャンピオンの中嶋貴秀選手、2位の澁澤栄一選手、3位の鈴木達朗選手、4位の髙岩良行選手、6位の永藤光雄選手。5位の蝶間林一夫選手は欠席。
JAF筑波サーキットトライアル選手権CT2クラスの表彰。左からチャンピオンの森田正徳選手、2位の松代耕二選手、3位の秋本拓自選手、4位の芳田悟選手、5位の藤池彰選手。6位の田中健仁選手は欠席。
JAF筑波サーキットトライアル選手権CT4クラスの表彰。左からチャンピオンの上原和音選手、3位の大森圭選手、4位の林幸夫選手、6位の光井有紀選手。2位の松橋豊悦選手、5位の田中洋一選手は欠席。
JAF筑波サーキットトライアル選手権CT5クラスの表彰。左からチャンピオンの石井均選手、2位の柴田尚選手、3位の福島達也選手、4位の大輪清選手。5位の山崎まり子選手、6位の髙田耕嗣選手は欠席。
JAF筑波サーキットトライアル選手権CT6クラスの表彰。左からチャンピオンの安本悠人選手、2位の吉崎久善選手、3位の熊本壮一郎選手、4位の中澤伸幸選手。5位の関根和浩選手、6位の遠藤幸和選手は欠席。
JAF筑波サーキットトライアル選手権CT7クラスの表彰。左からチャンピオンの日向孝之選手、2位の宮野直樹選手、3位の坂本大知選手、4位の松栄吉彦選手、5位の高橋智紀選手、6位の林達造選手。
JAF関東ダートトライアル選手権N1500&PN1クラスの表彰。左からチャンピオンの佐藤羽琉妃選手、2位の清水涼矢選手、3位の川島靖史選手、4位の布施浩之選手、6位の飯島千尋選手。5位の北原栄一選手は欠席。
JAF関東ダートトライアル選手権N1&PN2クラスの表彰。左から2位の松坂元樹選手、3位の島村茂選手、4位の鈴木良信選手、5位の鈴木正人選手、6位の豊嶋裕太選手。チャンピオンの杉谷永吾選手は欠席。
JAF関東ダートトライアル選手権PN3クラスの表彰。左からチャンピオンの森戸亮生選手、3位のいりえもん選手。2位の齊藤孝太選手、4位の鈴木義則選手、5位の湯本敬選手、6位の平井泰選手は欠席。
JAF関東ダートトライアル選手権N2クラスの表彰。左からチャンピオンの影山浩一郎選手、2位の岡田航選手、3位の安藤輝明選手、4位の増田徹選手、5位の神保俊宏選手、6位の田尻雄一選手。
JAF関東ダートトライアル選手権S1クラスの表彰。左からチャンピオンの小山健一選手、2位の飯田清明選手、3位の松栄吉彦選手、4位の平川慶一選手。5位の松井誠選手、6位の向井冬樹選手は欠席。
JAF関東ダートトライアル選手権S2クラスの表彰。左からチャンピオンの宮地雅弘選手、2位の大橋邦彦選手、4位の星野悟選手、5位の豊崎純任選手、6位の大隅幸博選手。3位の平田満選手は欠席。
JAF関東ダートトライアル選手権Dクラスの表彰。左からチャンピオンの森正選手、2位の星野伸治選手、3位の國政九磨選手、6位のカジロタダシ選手。4位の熊川嘉則選手、5位の梅津立選手は欠席。
JAF地方カート選手権 新潟シリーズFP-3部門の表彰。左からチャンピオンの小林留魁選手、6位の青木諒太選手。2位の泉田茂和選手、3位の齋藤瑠哉選手、4位の坂井和彦選手、5位の髙井翼選手は欠席。
JAFジュニアカート選手権 もてぎシリーズ ジュニア部門の表彰。チャンピオンの松尾柊磨選手。2位の須藤虹富選手、3位の松居寿來選手、4位の中里豪太選手、5位の元田心絆選手、6位の吉岡拓雲選手は欠席。
JAFジュニアカート選手権 ジュニアカデット部門の表彰。左から2位の岡本紘吉選手、5位の阿部瑠緯選手。
JAFジュニアカート選手権 ジュニア部門の表彰。2位の木原太一選手。5位の織田大和選手は欠席。

 すべての表彰式が終了すると招待者は一旦会場を退出、改めて15時30分より別会場で祝賀食事会が行われた。冒頭、JMRC関東の小口貴久運営委員長より「JMRC関東は一都九県支部そして四部会がモータースポーツの発展と振興を柱に、全力で取り組むことをご報告申し上げます」と力強い挨拶で始まり、続けて「本年もよろしくお願いいたします。乾杯!」と宴がスタート。

 これまでの厳かな雰囲気から打って変わって和んだ空気となり、各所で明るい声が聞こえる中、正餐形式の食事が始まる。シリーズをともに戦ってきたライバルたちと円卓を囲んで、会話を弾ませながら飲食を満喫していた。食事の合間には祝賀食事会の司会も務める柿沼氏によるチャンピオンインタビューもあり、約1時間半の楽しい時間はアッという間に過ぎていく。そして最後を締めたのはJMRC関東の関根基司副運営委員長で、三本締めにてお開きとなった。

祝賀食事会の挨拶と乾杯の音頭を取ったJMRC関東の小口貴久運営委員長。
運ばれてくる料理に舌鼓を打ちながら、同席した仲間たちと会話を楽しんでいた。
柿沼氏がチャンピオンたちの円卓を巡り、突撃インタビューを敢行。
JMRC関東の関根基司副運営委員長が中締めの挨拶を務め、三本締めを行った。

■2023年JAF関東地方選手権「初」チャンピオンインタビュー

JAFフォーミュラリージョナル地方選手権チャンピオンの小川颯太選手
F1が地上波で放送されていた時期にモータースポーツに興味を持ち、カートから始めてフォーミュラへステップアップ、現在もレース活動が中心の生活を送る小川颯太選手。「父親がF1好きという影響もあり、当時はフェルナンド・アロンソ選手に刺激を受けましたね。ちょうどアロンソ選手がチャンピオンを獲った年で、そんなドライバーになりたいなと思いました」と憧憬の念を抱いて言う。「2023年は総合的な速さという部分では自信もついて良かったんですが、ポールポジションを獲ったレースで勝ちが少なかったなど、レースの強さが足りなかった1年でした」と自己評価。「今日この場に来たことでリージョナルのチャンピオンを獲ったんだなって実感が湧いて光栄に思いました。2024年については乗る予定のレースはあるものの、今は発表できる状況ではありません。フォーミュラが好きなので、将来的にはスーパーフォーミュラのドライバーになりたいですね」
JAFツーリングカー選手権 ロードスター・パーティレースIIIジャパンツアーシリーズチャンピオンの箕輪卓也選手
ロードスター・パーティレースIIIに参戦すること3年目の箕輪卓也選手、2022年はジャパンツアーシリーズの初代チャンピオンを獲得、そしてJAFツーリングカー選手権がかかる2023年には連覇を達成した。「メインスポンサーとなったカバナレーシングさんの看板を背負うことで、絶対に負けられないっていう気持ちで昨年は戦いました。最終戦前にタイトルは確定しましたが、実は毎戦プレッシャーを感じてヒヤヒヤだったんです」とディフェンディングチャンピオンは余裕あるシーズンではなかったと振り返る。「椿山荘というテレビでしか見たことのないようなホテルで表彰を受けられるのも、これまでさまざまな方たちが築き上げてくださった賜物だと思います」と感謝の意を示した。「言うほど若くはありませんがまだ22歳なので、今はがむしゃらに上へ上へと頑張っていくだけです」と言い、スーパーGTのドライバーになることを夢見ているようだ。
JAF地方選手権 もてぎ・菅生スーパーFJ選手権チャンピオンの内田涼風選手
スーパーFJのカテゴリー2年目の挑戦となる内田涼風選手は2023年を並々ならぬ思いで迎えた。「2022年でタイトルを獲り損ねてしまったので……、まずはタイトルを獲ること、そして全勝することが目標でした」と、シリーズランキング2位だった悔しさをバネに心機一転で臨んだ。だが序盤からいい成績を残すことができず、苦しい戦いを強いられる。「トップ争いする中でヒートアップしてスピンやクラッシュをするなど、前半戦はなかなか噛み合いませんでした。後半戦では『後悔しないように行こう』と開き直ったことが奏功したのか、自然と走りがイケイケになって立ち直り、何とかチャンピオンになることができました」と語る。「2023年はレースをしていく中で成長を実感できた、充実した1年になりました。2024年の活動予定はまだ未定ですが、小さいころに見た塚越広大選手や谷口信輝選手のようなGTドライバーになりたいですね」と将来的な目標を挙げた。
JAF東日本ラリー選手権BC-2クラスドライバーチャンピオンの沼尾秀公選手
「ラリーはいろんな道路を走れることが魅力のひとつだと思うので、違う土地やフィールドを走ってみたかったんです」と、普段はJMRC東北シリーズを追いつつ、2023年は関東に初遠征してチャンピオンを獲得した沼尾秀公選手。東北初戦のウィンターラリーから第2戦までの空いた期間で、1戦くらい出てみたいという気持ちがあったようだ。「実は東日本シリーズでは最上位が2位で、1勝もしていないんですよ(笑)。ちょっと恥ずかしいです」と照れ笑いを見せる。「オールスターを除いて遠征自体をやっていなくて、ずっと東北の中だけだったので、非常に刺激を受けた1年でした。グラベル中心のラリーが多い東北とは違い、ターマックラリーは初めてだったんです。元々、舗装は苦手でしたが(笑)、やってみたら結構いいなと思って。参戦していくにつれて仲間も増えていきましたし、うれしいです。いずれは北海道とかも走ってみたいですね」と遠征の魅力を語ってくれた。
JAF東日本ラリー選手権BC-2クラスコ・ドライバーチャンピオンの沼尾千恵美選手
BC-2クラスドライバーチャンピオンの沼尾秀公選手と夫婦で参戦、同じく初チャンピオンに輝いた沼尾千恵美選手。「最初は夫が1人でダートトライアルをやっていたんですが、それを見て興味を持ち、モータースポーツに関わりたいなと思ったのがきっかけです」と、2人一緒にできるラリーを薦められたそうだ。「ガッデム(新谷かおる/著)というマンガを読まされ、よくわからなかったんですけど(笑)、ドライバーに方向を指示する仕事なんだなというのは理解できました」とコ・ドライバーに挑戦する。「集中して運転したいであろうところを、全部聞きながら覚え、ミスコースもあり、ラリー打ち切りなど、これまで失敗はたくさんありました。ですが、今日この日(表彰式)を迎えられてドライバーに感謝です」と喜びをあらわにした。「遠征については、東北とは違うラリーの主催や運営が感じられて面白かったですね」と新たな発見もあり、刺激をもらえたようだ。
JAF関東ジムカーナ選手権B・SC3クラスチャンピオンの大澤勝紀選手
開口一番「いやぁ~長かったですね」としみじみと語る大澤勝紀選手。途中BRZを挟むもランサーで参戦すること苦節13年での悲願の戴冠。ちなみに2002~2004年に全日本ジムカーナ選手権Dクラスのチャンピオンである大澤勉氏が父親だ。「乳母車に乗っていたころからジムカーナコースに行っていたので、自分の中でのモータースポーツの中心はジムカーナでした」と笑う。「第1戦から参戦するつもりでしたが車両が間に合わず……第2戦が初戦となりましたが、クルマができあがったのが大会数日前だったこともあり、当初はクルマを知る1年にしようと考えていました。ですが思ったより早くクルマが身体に馴染んできて、途中からチャンピオン狙いになりました」と貪欲に取り組んできたようだ。「自分の走りで興味を持ってモータースポーツを始めてくれたらいいなと思いながら走っています」と、ジムカーナのさらなる発展を願ってやまない様子だった。
JAF筑波サーキットトライアル選手権CT1クラスチャンピオンの中嶋貴秀選手
「サーキットで腕試しがしてみたかったんです」と言う中嶋貴秀選手は、各種走行会で磨いたドライビングテクニックを引っ提げて愛機GT-Rで筑波のサーキットトライアルに初出場、その開幕戦でレコードを更新してデビューウィンを果たした。「車両の性能的にはアドバンテージがありましたね。でもシリーズでは天候に左右されたラウンドもあったため、安定して勝利することが難しかったです。サーキットトライアルという競技は車両性能だけでは勝てない、一筋縄ではいかない奥深さがあると思います」とコメント。一方で「モータースポーツの中でも敷居の低いカテゴリーであり、マイカーで気軽に参戦できるところは魅力です」と評する。「ベストタイムを出すために、クリアラップや間合いの取り方を学べ、いろいろと成長できました。車両を仕上げてベストの状態でトライアルに臨むことが大事だなと感じます。今年はロードスターで新たな挑戦をしていく予定です」
JAF筑波サーキットトライアル選手権CT6クラスチャンピオンの安本悠人選手
マツダファン・サーキットトライアルでサーキットトライアルにハマり、腕を磨き続けてきたという安本悠人選手。参戦機会を増やすために筑波のシリーズに参戦をしたようだ。「サーキットトライアルはほかの参加者のタイムと競い合って順位がつけられるんですけど、それ以上に過去の自分のタイムを超えたいってところが大事なんです。以前に自らが記録したクラスレコードを超えることを目標に戦ってきました」と、常に自分自身との戦いだったと言う。「2023年は第1戦に参戦することができず、第2戦が自身の開幕戦となったわけですが、雨が降るレインコンディションの中で1位を獲れたことが、とくに印象に残ったシーズンですね。NDロードスターの電子制御がうまく作動してくれるので、それを使いこなすことがキモでした」と振り返った。最終戦ではクラスレコードを更新して有終の美を飾った安本選手、2024年も引き続きCT6クラスへの参戦を表明した。
JAF関東ダートトライアル選手権N1500&PN1クラスチャンピオンの佐藤羽琉妃選手
若手注目株として2022年から脚光を浴びている佐藤羽琉妃選手が、関東ダートトライアル選手権で初戴冠を果たした。ダートトライアラーだった父親の影響を受け、19歳になる前にモータースポーツを始めたそうだ。「やってみたいなという想いもあって、家の近くにあるオートランド千葉でダートラデビューをしました。よくダートラは敷居が高いと言われますが、実家が鈑金屋であることを含め、競技が始めやすい環境だったと思います」と実際に走ってみてその楽しさに触れたと語る。地区戦に本格参戦した2022年はランキング6位で、その結果を踏まえて2023年はチャンピオン獲得という大きな目標に臨んだ。「2022年の最終2戦で勝てたことで、地区戦に対する戦略が練れました。常に100%の走りというより、8~9割の走りを維持しながらポイント獲得を意識しましたね。最終的にチャンピオンが獲れましたので……点数をつけるとしたら100点っていうところでしょうか」
JAF関東ダートトライアル選手権PN3クラスチャンピオンの森戸亮生選手
レーシングカートをやっていた時期を含めて10数年、初タイトル獲得の競技はダートトライアルとなった森戸亮生選手。ダートトライアル歴は8年、トヨタ・86に乗り換えて3年目の快挙だ。「クルマの乗り方についてはほぼ独学なんですけど、ベストモータースポーツの亀山晃さんにセッティングを教えてもらったりして、ここまでやって来れたって感じです」と、父親を含めて長きに渡り付き合いがある亀山氏からのさまざまな助言があったことを明かした。「初めてこういった形でチャンピオンとして表彰式に招待され、本当にうれしく思います」と照れ笑いをしつつ、「もともと関東の地区戦には後輪駆動のPN3クラスがなく、PN2のスイフトスポーツなどと混走のクラスでしたが、2023年にようやくクラスが分かれることとなり、初年度のタイトルは自分がいただこうという意気込みで臨みました」と、期待とやる気がみなぎっていたシーズンだったようだ。
JAF地方カート選手権 新潟シリーズFP-3部門チャンピオンの小林留魁選手
「チャンピオンが確定したことはレース後に急に知らされたので、とにかく驚きました」とは、わずか4戦という新シリーズで頂点に立った小林留魁選手。「自分自身としては頑張ったし、また運も味方してくれたと思うので、振り返ると良かったです」と付け加える。新潟県胎内市の開志国際高等学校に在籍する傍ら、アルビレックスレーシングチームの一員として、ホームコースのスピードパーク新潟のシリーズに参戦した。「最低限の目標は表彰台を獲得することでしたが、優勝してチャンピオンになることを最大限の目標として臨みました。シリーズを振り返ると……80点くらいの成績ですかね。残り20点はバトルで強さが発揮できなかった部分と、もう少し速く走ることができたんじゃないかという部分でマイナス」と自己分析。「まだ学生ですが、今後もモータースポーツに関わっていきたいです。まずはスーパーFJへの参戦機会を得て、そこで成績を残していきたいですね」

■2023年JAFジュニアカート選手権「初」チャンピオンインタビュー

JAFジュニアカート選手権 もてぎシリーズ ジュニア部門チャンピオンの松尾柊磨選手
「最初はお父さんとお母さんに勧められて、井頭モーターパークのキッズカートから始めました。そこから怖がらずに乗り続けたら、だんだん速く走れるようになって、カートが楽しくなりました」とハマったきっかけを教えてくれた松尾柊磨選手。「brioly racingからジュニアカデット部門に参戦し、チーム監督からいろいろと指導を受けてここまで来ました」と、2023年はFS-125/X30クラスと同じエンジンながら排気リストリクターありのジュニア部門に挑戦。「もてぎシリーズでは全勝する目標を立てていたんですが、全勝を達成することができなかったのが残念でした。でも、終わってみればもてぎシリーズのチャンピオンが獲れたので良かったです」と笑顔を見せる。「憧れのドライバーは関口雄飛選手とか小高一斗選手。将来的にはスーパーフォーミュラまで登り詰めて、国内で一番速いドライバーになるのが夢です」と松尾選手は大志を抱いていた。

フォト/関根健司、JAFスポーツ編集部 レポート/JAFスポーツ編集部

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