タカタで開幕した九州ダートトライアル選手権は各クラスでベストタイム更新ラッシュ!
2024年3月25日

一昨年、福岡県のスピードパーク恋の浦の閉鎖が発表され、昨年は大幅なスケジュール変更を余儀なくされながらも、中国地区戰との併催により選手権として成立した九州ダートトライアル選手権。今年も併催となったが、その第1戦が3月10日に広島県安芸高田市のテクニックステージタカタで開催された。
2024年JAF九州ダートトライアル選手権 第1戦
2024年JMRC九州ダートトライアルチャンピオンシリーズ 第1戦
CRMCダートトライアル2024
開催日:2024年3月10日
開催地:テクニックステージタカタ(広島県安芸高田市)
主催:CRMC
九州ダートトライアル選手権は今シーズン全5戦のスケジュールが組まれているが、現状、九州地区内における新規のダートトライアル場の見込みがないことから、第1戦から第4戦までは中国地区戰、最終戦の第5戦は四国地区戦との併催を予定しており、会場は全てテクニックステージタカタとなる。
車両規則、クラス区分については昨年から変更がなく、選手権については全9クラスが設定されていた。開幕戦の今回は7クラスが成立、全30台がテクニックステージタカタに集結。そして昨年は地元の中国地区からの出走だったが、遠方への帰宅という配慮から、今回は九州地区のドライバーから出走となった。これにより、とくに前半クラスは砂利が全く掃けてない第1ヒートからのタイムアップが著しく、第2ヒートは大幅なベストタイム更新が相次ぎ、白熱したバトルが繰り広げられた。

AT1クラス
3台で争われたAT1クラスで、第1ヒートをトップで折り返したのは良本海選手。タイムはクラス唯一の2分27秒台をマークする。路面状況が良くなった第2ヒートになると、8秒ものタイムアップを果たし、2分19秒台前半と圧倒的な速さでAT1クラスを制した。
「今回初めてAT車両でのダートラ参戦で、第1ヒートがぶっつけ本番でした(笑)。変速はクルマがやってしまうので、その対応だけすれば動きはマイルドでしたし、結構普通に走れましたね。第2戦以降はRWDクラスに戻ります」と語る良本選手は、昨年の九州地区RWDクラスのチャンピオンで、全日本選手権でも好成績を収めるFR使い。今回はAT1クラスにイレギュラーで参戦となったが、FFのAT車でもその速さを発揮した。



PN1+クラス
PN1+クラスは、ディフェンディングチャンピオンの水野喜文選手が第1ヒートからトップタイムをマーク。水野選手は第2ヒートになっても手を緩めることなく、クラス唯一の2分11秒台までタイムを詰め、開幕戦で勝利を収めた。
「タイヤの扁平率を、昨年までの65から今年は60に変えました。65の方が運転は楽なのですが、タイム的なこととなると、やはり60の方が良いですね。ただ、細かいミスはところどころありましたので、あと2秒くらいはイケました」と水野選手。やや課題はあったものの、連覇に向けて幸先の良いスタートとなった。



S1クラス
ディフェンディングチャンピオンの濱口雅昭選手が休戦となったS1クラス。その第1ヒートでトップタイムを刻んだのが、昨年度シリーズ2位の藤崎清選手。しかし第2ヒート、クラスファーストゼッケンからトップタイムが塗り替えられ、完全に仕切り直しとなってしまう。第1ヒートは3番手につけていた荒牧健太選手が2分09秒台の好タイムをマーク。藤崎選手も僅差まで迫るが、約0.9秒およばず2位止まりとなり、荒牧選手が逃げ切った。
「第1ヒートはジャリジャリの路面に上手く合わせることができませんでしたが、第2ヒートはタイヤ選択もピッタリ合って全く不安なく踏んでいけました」と荒牧選手。そして「昨年からデフの効きやエンジンマウントも強化して、良い方向に仕上がったと思います」と、クルマの調整も功を奏し、逆転で開幕戦を制した。



S2クラス
トヨタ・GRヤリスと三菱・ランサーの対決となったS2クラス。その第1ヒートは、ランサーを駆るディフェンディングチャンピオンの岡本泰成選手が1分57秒台でトップタイムをマークし、2番手には昨年度シリーズ2位のGRヤリスを駆る岸山信之選手が1分59秒台で続く。
そして勝負の第2ヒート、岸山選手は1分55秒台までタイムを詰め、暫定トップでラストゼッケン岡本選手のタイムを待つ。しかし、その岡本選手はエンジントラブルに見舞われて不出走。自己タイムを更新することができず、第1ヒートのタイムで3位となり、岸山選手が制する形となった。
「(第2ヒートで)岡本選手との対決はできませんでしたが、とりえず優勝できて良かったです(笑)。走り的には第1ヒートの方が攻め切った感じはありましたね。第2ヒートは場所によってグリップ感の違いがありすぎて、結構難しかったです」と振り返った岸山選手。開幕戦優勝のスタートとなった。



Cクラス
岩下幸広選手が今回は賞典外のオープンクラスに参戦のため、ディフェンディングチャンピオン不在となったCクラス。その第1ヒートで圧倒的なタイムでトップに立ったのが、昨年度シリーズ2位の濱田隆行選手。濱田選手は第2ヒートも2番手以下を大きく引き離すタイムで、完全優勝を飾った。
「昨年は1年中、車両トラブルが発生していまして(笑)、それを完全に直してきたので、今回は安心して走れました。第2ヒートは砂利が掃けた分、ストレートは加速するのですが、車速が上がったあとのブレーキングポイントに砂利が残っていたりして、そういったところの処理が甘かったです。まだタイムは詰められましたね」と語った濱田選手。やや悔しいところはあったようだが、幸先の良い開幕戦となった。



Dクラス
Dクラスは昨年と一昨年と連覇でシリーズチャンピオンを獲得している五味直樹選手が、第1ヒートでトップタイムをマーク。第2ヒートになると、昨年度シリーズ3位の橋本和信選手が刻んだトップタイムを五味選手が0.2秒上回りトップ奪回、逆転で勝利を収めた。
「クルマのセッティングも決まってきて、行きたい方向へ行ってくれるので、無理せず走りました。もう少し攻めることもできたとは思うのですが、それでも第2ヒートで想定していたタイムが出せたので良かったです(笑)」と語った五味選手が開幕戦を制した。



CLクラス
賞典外のクローズドクラスだが、九州大学自動車部の大学生ドライバー3名に特別賞が渡された。優勝は石原昌悟選手、2位は彌吉啓一郎選手、3位は竹村吏駒選手。



フォト/友田宏之、山口貴利 レポート/友田宏之、JAFスポーツ編集部
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