JAF地方選手権もかかるロードスターで競うレースの2024シーズンがSUGOで開幕!
2024年4月11日

2024年JAFツーリングカー地方選手権のタイトルもかかるロードスター・パーティレースIII ジャパンツアーシリーズは、2023シーズンよりも1戦増の全8戦で争われる。その初戦が4月6~7日にスポーツランドSUGOでの、「MAZDA FAN FESTA 2024 IN TOHOKU」の中で開催された。6日の雨、そして7日の早朝にサーキットを覆った霧の影響が心配されたものの、予選までに視界は良好に。路面もレコードライン上は完全に乾いており、さらに午後からの決勝は青空が広がるようにもなって、マツダ車によるさまざまなイベントとともに、ファンを大いに楽しませた。
2024年JAFツーリングカー地方選手権
ロードスター・パーティレースIII
ジャパンツアーシリーズ第1戦/北日本シリーズ第2戦
(MAZDA FAN FESTA 2024 IN TOHOKU内)
開催日:2024年4月6~7日
開催地:スポーツランドSUGO(宮城県村田町)
主催:(株)菅生、SRSC

レースの他にも“ミスター・ル・マン”こと寺田陽次郎氏が駆るマツダ787Bなどのデモランや、ドライビングシュミレーターゲームの体験、プロドライバーによる同乗走行やドライビングレッスン、キッズ同乗体験など、マツダファン、クルマファン問わず老若男女が楽しめるクルマイベントだ。
ナンバー付きマツダ・ロードスターのワンメイクレースに、全国転戦のジャパンツアーシリーズが設けられて3シーズン目、そしてJAF地方選手権がかけられて、2024シーズンで2シーズン目となる。2季連続でチャンピオンを獲得した箕輪卓也選手が卒業を果たした一方で、2022シーズンのGR86/BRZ Cupクラブマンシリーズチャンピオンの勝木崇文選手が、さらにスーパー耐久にも参戦するベテラン、関豊選手が新たに戦列に加わることになり、今季も激戦は必至と言えそうだ。
予選
予選にはJAF地方選手権もかかり、ポイントランキングも競うNDシリーズクラスに22台、シリーズポイントが付与されないNDクラブマンクラスに5台、計27台が挑むこととなった。
路面の一部には濡れた場所を残していたが、レコードライン上はほぼドライという状況の中でスタート。それでも後半になればなるほどコンディションが向上するのは明らかで、ほとんどの有力ドライバーはコースインを遅らせた。対照的にパーティレース初参戦の勝木選手は、さっそく走行を開始したものの、すぐにピットに戻ってきた。まだコンディションは整っていないのか?
この一戦はSUGOのみで競われる北日本シリーズの第2戦とダブルタイトルで、前日に行われた北日本シリーズ第1戦ではポールポジション(PP)を獲得していた関選手が1分47秒314をマークし、ターゲットタイムとされた。しかし、前日の雨で路面が汚れたからか、なかなか1分47秒台前半にのせるドライバーは現れず。そんな中、仕切り直してアタックを行なった勝木選手がワンアタックを完璧に決めて、1分46秒462をマークしてトップを奪取。確かな手応えをつかんだのか、すぐにピットに戻った。
「最初からアタックするつもりだったんですが、思いのほか前が詰まっちゃって。これでアタックしたらもったいないと思って、ピットに戻ってきました。コンディションはレコードラインだけドライみたいな感じで、その後も変わらなくて。最初の方がフィーリング良かったので、もうコンマ2、3秒いけたと思うから納得いっていないですけど、それでも(PPを)獲れて良かったです」と勝木選手は予選での走りを振り返った。
2番手で続いたのは、北日本シリーズ第1戦で優勝を飾ったばかりの石谷豪志選手だ。「(3番手だった)昨日の予選はちょっと抑え気味でいってしまったので、そこは反省して、今日はうまく調整して飛ばすことができたので、良かったです。見ている人に盛り上がって欲しいですけど、僕としてはおとなしく前を走りたいです。頑張って逃げたいと思います」と、パーティレースには4年ぶりの参戦ながら、新参者の勝木選手を逃すまいと、力強く語っていた。
吉田恭将選手は石谷選手を上回るタイムをマークしたが、走路外走行があったこのタイムは採用されず、なんと23番手に降格となった。加藤達彦選手が3番手、4番手には上田純司選手が、そして関選手が5番手につけた。

決勝
決勝は12周での争いとなり、またジャパンツアーシリーズ恒例のローリングスタートでのレース開始となった。グリーンシグナルの点灯にタイミングを完璧に合わせた勝木選手が1コーナーへのホールショットを決めるも、逆に石谷選手は出遅れて加藤選手、関選手の先行を相次いで許してしまう。それでも石谷選手は離されることなく、オープニングラップを終えた段階で早くも4台のトップグループが形成される。
勝木選手は「僕としてはハイスピードで走り続けていたつもりでした」とのことだったが、なかなか逃げられない状況の中で、アグレッシブな走りを見せていたのが4番手に下がった石谷選手だ。何度も揺さぶりをかけていた関選手を、6周目にオーバーテイク。この間に勝木選手と加藤選手を逃したかと思われたが、勢いは衰えることなくふたりとの差を詰めていく。
ピタリと加藤選手に食らいつかれながらも、しっかりガードを固めてトップを守り抜いていた勝木選手だったが、複数回の走路外走行に対する警告として、8周目に黒白旗がだされてしまう。さらに10周目にはドライブスルーを命じる黒旗も! 次の周にはピットへと進むが、もはや万事休すだった。
そして、その直前にポジションを入れ替えたのが、石谷選手と加藤選手だった。11周目のホームストレートで石谷選手はスリップストリームから抜け出し、1コーナーで前に。そして、勝木選手の後退によって、トップに躍り出たのだ!
加藤選手の反撃を抑え切った石谷選手は、「スタートで4番手まで落ちたので、もう厳しいかと思ったんですが、前が思ったよりいかなかったので、ちょっとずつ間合いを詰めていって。昨日よりタイヤの状態に、あまり余裕がなかったのでミスしないよう、ちょっとずつ間合いを詰めて、最後に仕掛けてうまくいった感じです。トップを走っていたドライバーのペナルティにも助けられて、うまいこと運がまわってきた感じですね」と、勝利を振り返った。
さらに「パーティレースには4年前、最後に出て、その間は86のレースにちょこちょこ出たりしていましたが、ここ1、2年はレース自体やっていませんでした。久々に出て、うまいこと結果がついてきて良かったです」と、久々のレースでいきなりつかんだ二連勝を喜んでいた。
一方、加藤選手は悔しい2位に。しかし、「予選は路面が濡れていたり、濡れていなかったりする部分があったので、ちょっと安全に走っていました。勝つつもりで来ていたので悔しいんですが、シーズンは長いので、年間通してチャンピオン獲れるように、今日は2位で良かったと思うことにします」と、早くも気持ちを入れ替えていた。
そして3位は関選手が獲得。「最終コーナーからストレートにかけてエンジンが重くて、追いつかれちゃうんですよ。でも、予選が振るわなかったので、僕の中では表彰台になんとか上がれれば、と思っていたので最低限の結果は残せました」と、まずまず納得の様子だった。
勝てたレースを落とした勝木選手は、無念の13位でほろ苦デビューとなってしまった。「(加藤選手とは)速いところと遅いところが明確で、馬の背のブレーキで詰められるので、その前のレインボーで離したかったから、それでちょっと出てしまった、という感じで」と反省することしきり。しかし、実績に違わぬパフォーマンスを見せ、間違いなく今後もトップを争うことだろう。
また23番手からのスタートとなっていた吉田選手は7位で入賞まで挽回。実に16台抜きを果たした。なお、NDクラブマンでは荒川豊選手が最後までクラストップを守り抜き、総合では18位に入った。








フォト/大野洋介、JAFスポーツ編集部 レポート/はた☆なおゆき、JAFスポーツ編集部