東北ダートラ第2戦の4WD-2クラスは激しいトップ争いの中、金田一聡ランサーが勝利
2024年4月15日

東北ダートトライアル選手権の第2戦が、4月7日に青森県五戸町のサーキットパーク切谷内で開催された。大会当日は朝から晴れ渡り、日中の気温は20度を超える陽気で両ヒート共にドライ路面で競技が進行。各車、切谷内らしい豪快な土煙を上げ、白熱のバトルが繰り広げられた。
2024年JAF東北ダートトライアル選手権 第2戦
2024年JMRC東北ダートトライアルシリーズ 第2戦
2024年スーパートライアル IN 切谷内
開催日:2024年4月7日
開催地:サーキットパーク切谷内(青森県五戸町)
主催:MSCはちのへ
昨年と同じく、3月に栃木県那須塩原市の丸和オートランド那須で開幕した東北ダートトライアル選手権。シリーズの日程は、今回の第2戦からサーキットパーク切谷内と福島県二本松市のエビスサーキットで交互に開催されることに変わりはない。しかし、これまでより1戦増えて全8戦となり、9月に行われるエビスサーキットでの第7戦と第8戦は、土日開催のダブルヘッダーが予定されている。
クラス分けは昨年同様、全クラスナンバー付きとナンバーなし車両が混走で、FRクラス、2WD-1クラス、2WD-2クラス、4WD-1クラス、4WD-2クラスの5クラスが設定されており、今回はこれにクローズドクラスⅠとクローズドクラスⅡが併設され、全7クラスで行われた。
コースレイアウトは高速からテクニカルまで、サーキットパーク切谷内のほぼ全域を使用する走り応えのある設定で、いつにも増してタイトターンが多く、ハイスピードからの切り替えが好タイムを刻むカギとなった。


4WD-2クラス
2800ccを超える四輪駆動車で争われる4WD-2クラスは、昨年度のシリーズ上位3選手が不在となったものの、ベテラン勢の激しいトップ争いが展開された。
第1ヒートで唯一1分34秒台をマークしてトップで折り返したのが金田一聡選手。2番手には約1.2秒遅れで柿本拓自選手、3番手には柿本選手から0.7秒遅れで大泉剛選手が続く。
第2ヒートになると、大泉選手が第1ヒートの金田一選手の中間計測地点を0.5秒ほど上回るタイムで通過するが、最終区間で転倒。「間違いなくトップタイムを出せる自信はあったんだけど、ゴールしないことにはね」と、無念のリタイアを喫してしまう。
そして金田一選手の第2ヒートは、自己タイムの0.13秒更新にとどまってしまう。このチャンスをものにしたかった柿本選手だが、1分34秒台までタイムを詰めるも0.1秒届かず2番手止まり。そしてラストゼッケン須藤正人選手も自己タイムを1.5秒縮めて1分34秒台まで突入するが3番手タイムとなり、金田一選手が逃げ切っての優勝となった。
「今回がダートラ初走行なので、第1ヒートはミスがないように走りました。それでも所々ミスは出てしまいましたが……。第2ヒートは周りもタイムを上げてくるだろうと思い、気合いを入れたのですが、むしろミスが多くなってしまいました。タイムアップはしたものの、走り的には第1ヒートの方が良かったと思います。運良く1位を獲れた感じですね」と戦いを振り返った金田一選手。僅差の接戦を制し、自身の開幕戦を勝利で飾った。



2WD-2クラス
1500ccを超える二輪駆動車が鎬を削る2WD-2クラスは、昨年度シリーズ2位の今隆志選手が第1ヒートをトップで折り返す。しかし第2ヒート、今選手から0.1秒遅れで2番手につけていたクラスファーストゼッケンの古川雄貴選手がベストタイムを更新し、競技は完全に振り出し状態に。
ここからタイムアップ合戦になるかと思われたが、古川選手のタイムは更新されないまま競技は進行し、今選手の第2ヒートを迎える。ここで今選手は古川選手の中間タイムを0.2秒上回り、逆転ペースでコース後半に突入するが、その直後「突っ込み過ぎて修正が間に合いませんでした」と、痛恨の転倒リタイアを喫してしまう。
そしてラストゼッケン、ディフェンディングチャンピオンの武蔵真生人選手の出走となるが、自己タイムを3秒縮める力走を見せるも、タイムは及ばず2位止まりとなり、古川選手が逃げ切っての優勝となった。
「ダートトライアル歴は4~5年です。最近はブレーキングに重点をおいて、いかに短い距離で止めるかを意識して走ったのが今回の結果につながったと思います」という古川選手は大学の自動車部に所属する学生ドライバー。そして「これまで地区戦は何度か出ていますが、優勝は初めてです。今回勝ったので、今シーズンは続けて出場しようと思います(笑)」と笑顔でコメント。昨年のシリーズ上位陣をかわし、若手ドライバーが地区戦初優勝の大金星をあげた。



2WD-1クラス
1500cc以下の二輪駆動車で争われる2WD-1クラス。その第1ヒートでトップタイムをマークしたのは、今シーズンからAT車のフィットを投入した、全日本選手権ドライバーの工藤清美選手。「まだ7割くらいの状態ですが……。」と現状を語った工藤選手は、第2ヒートは0.5秒のタイムダウンに終わるも、追い上げる柳本弘信選手に約4秒の差をつけ、開幕戦に続き2連勝となった。
「セッティングに関しては、今回も車高を変えたり色々と試しながらという感じですね。タイム的にはそんなに悪くはないのですが、ここからどこまで速くできるかが課題ですね。AT車の良い所を活かし、悪い所を消していくことになるのですが、結構難しそうですね(笑)」と工藤選手。これからの進化に注目だ。



4WD-1クラス
主にトヨタ・GRヤリスを対象とした2800cc以下の四輪駆動車で争われる4WD-1クラスは、ディフェンディングチャンピオンの伊藤久選手が第1ヒートでトップタイムをマークするが、その0.17秒遅れで昨年度シリーズ2位の太田敏明選手がつけ、僅差の争いとなる。しかし第2ヒート、太田選手は自己タイムを更新することができず、ウィニングランとなった伊藤選手は1秒以上のタイムアップを果たして優勝となった。
「今シーズンは足回りのセッティングにハマってしまって、先月の全日本は上位陣に5秒もやられてしまって、まったくダメでした。今回、第2ヒートは若干良くなって、少しは上向きになったような気がしますが、まだまだですね」と、目標は常に4WD-2クラスのトップタイムという伊藤選手が、開幕戦に次いで2連勝を飾った。



FRクラス、CLクラスⅠ、CLクラスⅡ
今回は参加1台のため不成立となってしまったFRクラスだが、山岡功明選手が第1ヒート、第2ヒートともに豪快なドリフト走行を披露した。
併設のクローズドクラスは、ダートトライアル初参加ながら、攻めの走りで好タイムをマークした高橋昴選手がクローズドクラスⅠを走り切った。クローズドクラスⅡでは、今回がトヨタ・GR86のシェイクダウンという小田真生選手が無事完走を果たした。



フォト/友田宏之 レポート/友田 宏之、JAFスポーツ編集部
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