スーパー耐久開幕戦。グループ1はST-Xクラスの中升 ROOKIE Racingが、グループ2はST-Zクラスの埼玉GB GR Supra GT4が優勝

レポート レース

2024年4月30日

ENEOSスーパー耐久シリーズ2024 Empowered by BRIDGESTONE 第1戦「SUGOスーパー耐久4時間レース」は、4月19〜21日に晴天のスポーツランドSUGOで開催。今大会は20日にST-Z、ST-Q(一部)、ST-1、ST-5の各クラスによるグループ2の予選と決勝、21日にST-X、ST-Q(一部)、ST-2〜4の各クラスによるグループ1の予選と決勝がそれぞれ行われた。20日のグループ2はST-Zクラスの埼玉GB GR Supra GT4(山﨑学/吉田広樹/服部尚貴/野中誠太組)が優勝。21日のグループ1では、ST-Xクラスの中升 ROOKIE AMG GT3(鵜飼龍太/ジュリアーノ・アレジ/蒲生尚弥/片岡龍也組)が逆転優勝を遂げた。

ENEOSスーパー耐久シリーズ2024 Empowered by BRIDGESTONE 第1戦「SUGOスーパー耐久4時間レース」
開催日:2024年4月19~21日
開催地:スポーツランドSUGO(宮城県村田町)
主催:株式会社菅生、SSC

 今季は、予選方式が従来A、Bドライバーの合算だったものが、ノックアウト方式に変更となった。また今回はST-TCRクラスの設定はなし。全8クラスで55台がエントリーし、ピット数が少なくコース幅も狭いことで、今季も2グループに区分してのレースとなった。昨年までは土曜日に2グループの予選、日曜日に2グループの決勝という進行だったが、今年は土日で参加グループを区分している。

 また20日にはスーパー耐久シリーズを運営するスーパー耐久機構(STO)が記者会見を行い、組織を一般社団法人スーパー耐久未来機構(STMO)に変更すると発表。5月末までに事業継承を完了させ、6月から新体制による運営に切り替える予定としている。理事長にはMORIZO(豊田章男氏)が就任することになった。

1日目(グループ2)

ST-Zクラス

 20日はグループ2(全29台)の公式予選と4時間レースが行われた。ポールポジションを獲得したのはST-Zクラス(全11台)の26号車 raffinee日産メカニックチャレンジZ NISMO GT4(大塚隆一郎/富田竜一郎/篠原拓朗/荒聖治組)。ZのGT4モデルは昨年デビューしたが、今季は早くもマイナーチェンジを受けて3台が参戦。他の2台も4番手と5番手につけ、速さを見せた。

 決勝はスタートから26号車 raffinee日産メカニックチャレンジZ NISMO GT4が逃げ、埼玉GB GR Supra GT4が追いかける展開に。スタートから1時間45分が経過した中盤、最終コーナーでクラッシュした車両があり、セーフティカー(SC)が導入された。リスタート時に3番手争いをしていた車両が接触し脱落。これで優勝争いはトップ走行中の埼玉GB GR Supra GT4と26号車 raffinee日産メカニックチャレンジZ NISMO GT4に絞られた。埼玉GB GR Supra GT4はジェントルマンドライバーの山﨑選手、26号車 raffinee日産メカニックチャレンジZ NISMO GT4は篠原選手がドライブし、終盤120周目の最終コーナーで篠原選手が逆転トップに。

 このまま26号車 raffinee日産メカニックチャレンジZ NISMO GT4は25秒以上の差をつけてトップチェッカーを受けて初優勝かと思われたが、最後のピット作業時にトランスポンダーの切り替え不備(篠原選手の表示が荒選手となっていた)のため、30秒のペナルティを受けて2位に降格。埼玉GB GR Supra GT4が繰り上がって4秒627差で優勝、連覇に向け好スタートとなった。3位はTECHNO FIRST R8 LMS GT4(加納政樹/大草りき/安田裕信/平安山良馬組)だった。

ST-Zクラス優勝は#52 埼玉Green Braveの埼玉 GB GR Supra GT4(山﨑学/吉田広樹/服部尚貴/野中誠太組)。
2位は#26 TEAM ZEROONEのraffinee日産メカニックチャレンジZ NISMO GT4、3位は#34 TECHNO FIRSTのTECHNO FIRST R8 LMS GT4。
ST-Zクラス表彰の各選手。

ST-5クラス

 ST-5クラス(全14台)は村上モータースMAZDAロードスター(村上博幸/岡本大地/吉田綜一郎/植村真一組)がポール・トゥ・フィニッシュ。トップ5をマツダ車(ロードスターとMAZDA2)が占めた。

ST-5クラス優勝は#88 村上モータースの村上モータースMAZDAロードスター(村上博幸/岡本大地/吉田綜一郎/植村真一組)。
2位は#65 OVER DRIVEのodula TONE 制動屋 ROADSTER、3位は#17 TEAM NOPROのDXLアラゴスタNOPRO☆MAZDA2。
ST-5クラス表彰の各選手。

ST-1クラス/ST-Qクラス(グループ2)

 ST-1クラス(全1台)はシンティアム アップル KTM(IDA TAIYO/加藤寛規/高橋一穂/吉本大樹組)のみのエントリーで、レース序盤は総合2番手まで順位を上げる走りを見せたものの、エンジントラブルなどでピット作業時間が長く、完走扱いとならなかった。

 ST-QクラスのGR Supra Racing Concept(加藤恵三/松井孝允/河野駿佑/山下健太組)、MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER CNF concept(川田浩史/阪口良平/堤優威組)、MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio concept(寺川和紘/関豊/井尻薫組)はそろって完走した。

ST-Qクラス(グループ2)1位は#92 GR team SPIRITのGR Supra Racing Concept(加藤恵三/松井孝允/河野駿佑/山下健太組)。
2位は#12 MAZDA SPIRIT RACINGのMAZDA SPIRIT RACING ROADSTER CNF concept、3位は#55 MAZDA SPIRIT RACINGのMAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio concept。
ST-Qクラス(グループ2)セレモニーの各選手。

2日目(グループ1)

ST-Xクラス

 21日は、グループ1(全25台)の4時間レースが行われた。ST-Xクラス(全4台)は昨年のチャンピオンである中升 ROOKIE AMG GT3がポールポジションからスタートし、TKRI松永建設AMG GT3(DAISUKE/元嶋佑弥/中山友貴組)とトップ争いを展開した。

 スタートから1時間7分を経過した頃、4コーナーでクラッシュした車両がありSC導入となった。このタイミングでトップの中升 ROOKIE AMG GT3と2番手のDAISHIN GT-R GT3(今田信宏/藤波清斗/青木孝行/大八木信行組)がピットイン。中升 ROOKIE AMG GT3はスムーズに作業を済ませ、トップに立ったTKRI松永建設AMG GT3の背後でコースインしたが、DAISHIN GT-R GT3はピットロード出口が赤信号となり1分30秒ほど足止めとなり、1周遅れで隊列に戻りこれで勝負権を失った。

 中盤以降は中升 ROOKIE AMG GT3とTKRI松永建設AMG GT3による一騎討ちに。終盤トップを走るTKRI松永建設AMG GT3はジェントルマンドライバーのDAISUKE選手で、中升 ROOKIE AMG GT3は蒲生選手。蒲生選手は138周目のスプラッシュ給油のためのピットインで順位を2番手に落とすも、143周目の3コーナーでトップを奪い160周でトップチェッカーを受けた。3位はDENSO LEXUS RC GT3(永井秀貴/小高一斗/小山美姫/嵯峨宏紀組)だった。

ST-Xクラス優勝は#1 中升 ROOKIE Racingの中升 ROOKIE AMG GT3(鵜飼龍太/ジュリアーノ・アレジ/蒲生尚弥/片岡龍也組)。
2位は#23 TKRIのTKRI松永建設AMG GT3、3位は#31 aprのDENSO LEXUS RC F GT3。
ST-Xクラス表彰の各選手。

ST-2クラス

 ST-2クラス(全7台)はKTMS GR YARIS(一條拳吾/奥本隼士/小林利徠斗/中村仁組)が逃げ切り優勝。今回3台に増えたホンダ・シビックタイプR勢も2、3位表彰台を獲得した。

ST-2クラス優勝は#225 KTMSのKTMS GR YARIS(一條拳吾/奥本隼士/小林利徠斗/中村仁組)。
2位は#72 日本自動車大学校のOHLINS CIVIC NATS、3位は#95 TEAM SPOONのSPOON リジカラ CIVIC。
ST-2クラス表彰の各選手。

ST-3クラス

 ST-3クラス(全4台)は、TRACYSPORTS with DELTA RC350 TWS(石塚崇宣/石森聖生/尾崎俊介組)と、エアバスター WINMAX RC350 TWS(藤田真哉/庄司雄磨/伊藤鷹志組)のTRACYSPORTS勢が1-2フィニッシュ。

ST-3クラス優勝は#38 TRACY SPORTS with DELTAのTRACYSPORTS with DELTA RC350 TWS(石塚崇宣/石森聖生/尾崎俊介組)。
2位は#39 TRACY SPORTS with DELTAのエアバスター WINMAX RC350 TWS、3位は#15 OKABEJIDOSHA motorsportの岡部自動車Z34。
ST-3クラス表彰の各選手。

ST-4クラス

 ST-4クラス(全7台)は、ENDLESS GR86(坂裕之/菅波冬悟/伊東黎明組)が中盤以降はトップを独走し優勝した。

ST-4クラス優勝は#3 ENDLESS SPORTSのENDLESS GR86(坂裕之/菅波冬悟/伊東黎明組)。
2位は#884 SHADE RACINGのシェイドレーシング GR86、3位は#66 OVER DRIVEのodula TONE MOTUL ROADSTER RF。
ST-4クラス表彰の各選手。

ST-Qクラス(グループ1)

 ST-Qクラスは、ORC ROOKIE GR Yaris DAT concept(MORIZO/佐々木雅弘/石浦宏明/小倉康宏組)、1.6リッターターボエンジンを搭載したORC ROOKIE GR86 CNF concept(佐々木栄輔/坪井翔/大嶋和也/豊田大輔組)が完走。Honda CIVIC TYPE R CNF-R(大津弘樹/武藤英紀/野尻智紀組)はステアリング系のトラブルでリタイアだった。

ST-Qクラス(グループ1)1位は#32 ORC ROOKIE RacingのORC ROOKIE GR Yaris DAT concept(MORIZO/佐々木雅弘/石浦宏明/小倉康宏組)。
ST-Qクラス(グループ1)のセレモニー。左から#28 ORC ROOKIE Racing、#32 ORC ROOKIE Racing、#271 Team HRC。

フォト/吉見幸夫 レポート/皆越和也、JAFスポーツ編集部

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